異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

文字の大きさ
144 / 247
マルクトール王国編

132話 主人公、話し合うー6

しおりを挟む
 

「このエスティオに集まったメンバーは、みんな、何らかの飛び抜けた才能があるんだよ。」

 飛び抜けた才能?

「エレーナは知っているよね。調べたら、ほかの子達もそれぞれ、ある分野で有名だったよ。
 シェラは成人前だけど、ダンスの才能を認められてグランエアド王国で単独公演をしているし、タツコは絵画で有名だった。フロムはマルクトールのいろいろな研究室から声がかかるくらいだったし、ショウゴは術式の天才って言われているらしい。」

「術式?」

「あっ、そうか。タクミにはまだ詳しく説明していなかったね。術式っていうのは、タクミに分かりやすく言うと、コンピュータプログラムみたいなヤツ。」

「前もって組み立てた式を発動すると、すごいことが起こる。」

「ライルが見せてくれた映像で、前のセシルさまが使っていたヤツだね?」

「そう。ヘルフレアサークルとか、僕達がアースで使ったヴォルケーノスフィアとかね。まぁ、この2つは威力が強過ぎるから、禁術だけど。」

「ガンガルシア王国に出現する怪異は、巨大なものもいるんだよ。それを討伐するときに術式が使用されている。」

「ショウゴは術式開発の天才なんだよ。」

「術式は、式と式のつながりによって、効果が違う術式が出来上がる。その構造は、アースの数学みたいなものだよ。」

「数学?僕は文系だったから、数学は苦手だよ。」

「ショウゴはどうやら、直感で術式を組み上げることが出来るようなんだ。」

「アースにもいるよね?数学の式を見ただけで、答えを出す人。そういう人は、途中の計算式とか必要ないんだよ。」

「ショウゴがその人達と一緒ってこと?」

「その中でも飛び抜けてるよ。でも感情が制御できない状態だと、王宮術式研究所には入れないな。」

「王宮術式研究所?」

「このマルクトールにある術式研究の最高峰だよ。王宮直轄の研究所。」

「マルクトールの王宮はね。広大な敷地に建っているんだよ。ちなみに王宮図書館も王宮の敷地の一部分だよ。」

 えっ?うそだろ?
 図書館が建っている敷地はとても広大だった。なのに、王宮の一部?どんだけ広いんだ!

「王宮図書館には禁書が保管されているし、王宮術式研究所では禁術が研究されている。それぞれ何かあるといけないから、強固な結界が張ってあるんだよ。」

「それは、厳しいね。」

「うん。だから研究所で研究できるのは限られた人だよ。ショウゴはこのままだと無理だ。普通は成人までにパートナー精霊が制御する方法を見つけているはずなんだけど。」

 制御する方法?

「タクミ。エアリーのライブで見たケンカを覚えている?ホンファが止めに入った時に、ホンファを殴ろうとした男がいたでしょ?」

「あぁ、ホンファを殴ろうとした男の精霊が、一言で男を止めたね。それのこと?」

「すぐ感情的になって手がでるタイプの人のパートナー精霊は、あんな感じで、止めるための方法を見つけているものなんだよ。そうじゃないと、人と関われなくなってしまうからね。」

「特にガンガルシアの討伐者はチームで動くから、遅刻はするし、感情を制御できなくてすぐ手がでるショウゴを仲間にする人はいないよ。」

「あっ!だから、討伐者は無いってことか。」

「うん。でも、このままだと術式研究所も無理だ。あそこで研究している人はちょっと変わった人が多いからね。絶対ケンカになるよ。」

 何かの拍子でショウゴが相手に殴りかかる様子が想像できてしまう。

「このエスティオに集まったメンバーはね。特殊な才能があるために、自分のパートナー精霊との絆ができていない子達なんだよ。」

「そうか。んっ?でもアランは?何か特別な才能あるの?」

「それね。僕達も悩んだんだけどね。たぶんアランは何でも標準以上にできちゃう子なんだよ。勉強もできる、家事もできる、人付き合いも上手。だから、パートナー精霊に頼る必要が無かったんだ。でも変にいろいろできることで、自分の意見を主張しなくなって、すぐ誰かの意見に同意してしまうようになったんだと思うよ。」

「ホームにいる間はそれでも何とかなるけど、成人した後はそうじゃない。自分の能力で解決できないことに直面することもあるだろう。その時に力になるのが、パートナー精霊だ。1人では無理でも、パートナー精霊となら、乗り越えていける。アランはそれを学ぶ必要があるんだよ。」

「エレーナとタクミ以外の子達は皆、自分で解決できてしまうから、パートナー精霊に頼ることはなかった。だから絆ができていない。エレーナは逆に絆が強過ぎるため、アドラが過保護になっている。そして、タクミとミライの関係はまだまだだ。
 つまり、このエスティオ参加者はみな問題児ってこと。このまま成人させることはできないね。」

 成人させることはできない…、って!僕は成人してるから!ちゃんと大人だよ!

「ライルが引き受けるくらいなんだから、何かあるとは思ってたけど。」

「みんな、明日は変化があるかな?」

「変化が無かったら困るよ。そのためのエスティオなんだから!」

「そうそう。パートナー精霊との絆が不十分な子を成人させる訳にはいかないよ。明日再開した時に少しも変わっていなかったら、再受講を報告することになるよ。」

「もう一回エスティオに参加するってこと?」

「そうだよ。あの子達だけじゃなくて、あの子達のパートナー精霊も未熟だ。使用者と精霊、お互いに成長する必要があるんだよ。」

「明日はどうなると思う?」
「あの子達と精霊がどのように変化したか楽しみだよ。」

 リオンとシオンはそう言うと、ニヤリと笑ったのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

最強剣士が転生した世界は魔法しかない異世界でした! ~基礎魔法しか使えませんが魔法剣で成り上がります~

渡琉兎
ファンタジー
政権争いに巻き込まれた騎士団長で天才剣士のアルベルト・マリノワーナ。 彼はどこにも属していなかったが、敵に回ると厄介だという理由だけで毒を盛られて殺されてしまった。 剣の道を極める──志半ばで死んでしまったアルベルトを不憫に思った女神は、アルベルトの望む能力をそのままに転生する権利を与えた。 アルベルトが望んだ能力はもちろん、剣術の能力。 転生した先で剣の道を極めることを心に誓ったアルベルトだったが──転生先は魔法が発展した、魔法師だらけの異世界だった! 剣術が廃れた世界で、剣術で最強を目指すアルベルト──改め、アル・ノワールの成り上がり物語。 ※アルファポリス、カクヨム、小説家になろうにて同時掲載しています。

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~

ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。 休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。 啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。 異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。 これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。

処理中です...