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夜々-yoyo-

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恋愛 編

あなたは、今

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目を閉じる。

耳を澄ます。


近くの川の水の流れる音、
大嫌いなカエルの声。


傘を叩く雨の音。

真っ暗な瞼の裏にうっすらと浮かび上がってくるのは人影。

『ねぇ、待って。』

『僕を置いていかないで。』

ぼんやりと見えていた人影がやがてハッキリと見えてくる。
おっとりした目と、日本人らしくない高めの鼻。

口角が上がれば左側だけにできる笑窪。

僕が唯一愛した愛おしい貴方が見える。

目を閉じても溢れてくる涙。



聞こえるはずもない声が聞こえる気がするんだ。

見えることのない貴方の姿もまだ僕のそばにいる気がするんだ。


あなたは今この墓石の下で眠っているというのに。

あぁ、僕は馬鹿だ。
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