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猿の惑星プロジェクト その5 そして別れ・・・
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イーエフ氏は彼女に結婚を申し込むつもりだったレストランの庭園にやってきた。
エヴァはすでに来ていて椅子に座り待っていた。
彼女はイーエフ氏の猿顔を見ると安心したように微笑んだ。
イーエフ氏は宝石箱を出して、テーブルの上に置いた。
「これ貴女にプレゼントするつもりで買っておいたルビーの指輪です。もしいらないなら捨ててください」とイーエフ氏は言った。
どういう意味かわからない、エヴァはきょとんとして、彼の目を見つめた。
「貴女は可愛がっていた猿のペットが亡くなって、その猿に私がそっくりなので、私と付き合ってくれたのですね」と彼は言った。
「探偵社に調べてもらった身辺調査の書類とペット猿と遊んでいる写真を見てそれがわかりました」
「・・・・・・」エヴァは無言だった。ずばり言い当てられて何も言えないらしい。
イーエフ氏は自分の顔に手をかけ、かぶっていた猿の仮面をとってテーブルの上に置いた。
そして、婚約指輪にするつもりだったルビーの指輪をその横に置いた。
「この通り、私の顔はほとんど元の顔に戻りつつあります。もうその猿顔とルビーの指輪はいらないので捨ててもらって結構です。それではいつか何処かでまた会うかも知れませが、これでお別れです」
そう言ってイーエフ氏はゆっくりと立ち去っていく。
エヴァもたちまち上がりルビーの指輪と猿の仮面を池に投げ捨て、イーエフ氏とは反対の方角へ歩き方出した。
そして、立ち止まり手を振ったが、それはイーエフ氏にではなくて、池に捨てたルビーの指輪と猿の仮面に向かってだった。
そしてまた、普通の顔に戻ったイーエフ氏には退屈な日常が始まった・・・
FIN
エヴァはすでに来ていて椅子に座り待っていた。
彼女はイーエフ氏の猿顔を見ると安心したように微笑んだ。
イーエフ氏は宝石箱を出して、テーブルの上に置いた。
「これ貴女にプレゼントするつもりで買っておいたルビーの指輪です。もしいらないなら捨ててください」とイーエフ氏は言った。
どういう意味かわからない、エヴァはきょとんとして、彼の目を見つめた。
「貴女は可愛がっていた猿のペットが亡くなって、その猿に私がそっくりなので、私と付き合ってくれたのですね」と彼は言った。
「探偵社に調べてもらった身辺調査の書類とペット猿と遊んでいる写真を見てそれがわかりました」
「・・・・・・」エヴァは無言だった。ずばり言い当てられて何も言えないらしい。
イーエフ氏は自分の顔に手をかけ、かぶっていた猿の仮面をとってテーブルの上に置いた。
そして、婚約指輪にするつもりだったルビーの指輪をその横に置いた。
「この通り、私の顔はほとんど元の顔に戻りつつあります。もうその猿顔とルビーの指輪はいらないので捨ててもらって結構です。それではいつか何処かでまた会うかも知れませが、これでお別れです」
そう言ってイーエフ氏はゆっくりと立ち去っていく。
エヴァもたちまち上がりルビーの指輪と猿の仮面を池に投げ捨て、イーエフ氏とは反対の方角へ歩き方出した。
そして、立ち止まり手を振ったが、それはイーエフ氏にではなくて、池に捨てたルビーの指輪と猿の仮面に向かってだった。
そしてまた、普通の顔に戻ったイーエフ氏には退屈な日常が始まった・・・
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