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セイシュウ

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第三章 旅

第41話 高度1万メートル②

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 葛西は、窓の外で炎を噴く右エンジンを凝視していた。

「何処におんねん、何も見えへんやんけ……!」

 その声は、怒りではなく、焦燥のにじんだ呟きだった。

 俺もまた、窓の外に視線を向ける。火花の尾が、風に飲まれて流れていく。だが、そこに“敵”の姿はない。

「……落ちるのか、このまま……」

 ぽつりとこぼれたその言葉が、機内の静けさをより濃く染め上げた――そのとき。

「皆さま、ご静聴ください」

 機内に、落ち着いた女性の声が響いた。アンナのアナウンスだった。

「現在、右エンジンに損傷が確認されています。左エンジンは正常に作動中ですが、念のため機体は徐々に高度を下げ、安全な海域への着水を視野に入れています」

 声にはわずかな硬さがあったものの、その口調はプロフェッショナルだった。誰一人取り乱してはいけない――そんな気迫が、彼女の一語一句に宿っていた。

「恐れ入りますがプレイヤー各位は、状況に応じた行動を最優先に。なお、キャビンクルーは非常時対応を開始しております」

 一呼吸置いて、彼女はさらに続ける。

「現在地はフィリピン東方海域、およそ150キロ圏内の洋上です。付近に民間船舶が航行している可能性があります。緊急信号も発信済み。着水後は速やかに救助を要請します」

 高度は、確実に落ち始めていた。機体の傾きはわずかだが、耳に残る低い共鳴音と、床を這うような振動が、確かに“異常”を物語っている。

 取り合えずは大丈夫なようだ。

 異音は止まらず、振動も完全には収まらない。だが、片側エンジンでの飛行は続いている。

「外の敵……攻撃できるか?」

 俺がそう問いかけた瞬間、葛西は目を見開いてこちらを振り返った。

「アホ言え、できるわけないやろ!」

 低く抑えた声には、焦りと苛立ちがにじんでいた。

「まずな、高度一万メートルやぞ? 即凍死するで?外気温マイナス50℃、体感温度はもっとや!」

「それに気圧。外の空気は地上の1/4、呼吸もできへん。仮にドアを開けて攻撃しようもんなら、機内が一気に減圧して全員アウトや!」

「それでもって、風速や。ジェット気流に乗ってたら、風速は時速300キロ以上やろ。弾丸どころか、おれが飛んでってまうわ!」

 怒鳴るような声ではない。だが、確かな“絶望”がその言葉に込められていた。

「つまり……どうにもならない、ってことか」

 俺が思わずつぶやくと、葛西はわずかに歯を食いしばってうなずいた。

「見えへん、出られへん、動かれへん……やってられるかボケェ……!」

 吐き捨てるような声。それでも、彼の手は装備から離れていなかった。

 その瞬間だった――

 **ドンッ!!**という衝撃音が機体全体を打ち抜いた。
 耳をつんざく爆音と同時に、機体が大きく横に傾いた。

「うわっ――!」

 座席に掴まっていなければ、体ごと通路へ投げ出されていた。
 思わず両手で座席を掴み、バランスを取ろうとするも、足元がぐらりと揺れる。

 床が生き物のように波打ち、金属の軋みがすぐ足元から響いてくる。

「左の……エンジンまで……!」

 窓の外に目をやれば、今度は反対側――左側のエンジンが黒煙を吹き上げていた。

 爆発の余波で、客室の天井に設置された酸素マスクの収納カバーが一部外れ、パカリと口を開いたまま揺れている。

「まじかよ……両方とも逝きよった……!」

 葛西がそう呟いた声は、明らかに焦りのいろがでていた。

 立ち上がろうとしたが、足元の揺れに耐えきれず、壁に手をついてよろめく。

 機内放送が割れた音で鳴り、アンナの声が混線気味に響く。

『……左エンジン、爆発を確認……現在、全エンジン停止……機長、緊急態勢に移行します』

 音声のノイズが消え、機内には再び不穏な静寂が満ちる。
 耳の奥がツンと痛み、気圧の変化がはっきりと分かる。

(まさか……本当に落ちるのか……?)

 全身が汗ばんでいるのに、背中に冷たいものが流れていく感覚。

 この高度、この状況――“飛行”はもう、終わりだ。

「あかん……着水する前に落ちてまう……」

 葛西が、苦い声を漏らした。その目は、ただ窓の外を睨みつけている。

 ガンッ!

 ガッ、ガンッ!

 何かが外壁を叩いている。明確な衝撃音が、機体のあちこちから響きはじめていた。

 硬い金属に、鋭く尖ったものが連続してぶつかっているような――そんな不吉な音。

「これは……攻撃か……」

 誰に問いかけるでもなく、俺が呟いた。

 姿は見えない。いや、“見えない”のではなく、“見せていない”のか。

 ただ確かなのは――敵が、機体に牙を立て始めたということだった。

 振動は次第に増し、音が一段階低くなっていく。

 ガンッ、ガガガッ!
 ギギィ……ッ!

 船体の金属が、圧力と衝撃にきしむ音が、まるで悲鳴のように響いていた。

「くそ……これ以上叩かれたら……」

 葛西は機体の外壁をにらむように見据える。

「見えたところで、どうしようもない」――それは本音だった。

 そのときだった。

 ピシッ――。

 耳の奥で、小さく不快な音が鳴った。

「……今の音、なんや?」

 葛西が反射的に声を上げた、その瞬間――

 シュウウウウッ……!

 高周波のような音が、機内に響いた。

 俺たちが座る右側の窓の下、壁面の一部に――穴が開いていた。

 直径にして、わずか1センチほど。だが、そこからは勢いよく機内の空気が吸い出され、細い白い線となって流れ出していた。

「やばい! 気圧が……っ!」

 俺は思わず息を呑んだ。耳がキーンとし、胸が押しつぶされるような圧迫感に襲われる。

「あかんあかんあかん、これ破裂するやつや!」

 葛西も顔を真っ青にしながら、穴に駆け寄ろうとする――そのとき。

「下がってください!」

 冷静な、だが力のこもった声が背後から飛んだ。

 アンナだった。

 彼女はすでに応急処置用のキットを片手に、素早く穴へと駆け寄っていた。

 その動きに一切の無駄がなかった。

 アンナは厚手の耐圧布を引き出し、瞬間接着用の樹脂スプレーを併用しながら、穴をピンポイントで塞いだ。

「圧がかかってます。離れて」

 手際よく、布の上から重ねてもう一枚、気密用パッドを押し付ける。

 シュウウ……と音が消え、空気の流出がぴたりと止まった。

「――応急処置完了。これで当面の減圧は防げます」

 アンナが静かに告げたとき、俺も葛西もただ見つめるしかなかった。

「……すごい……」

「……ヒロインかと思ったら、レスキュー隊やん……」

 葛西の呟きに、アンナは微笑を浮かべながらも、すぐに真顔へ戻る。

「ですが、完全な修復ではありません。今後の衝撃で再び破損する恐れもあります。……できるだけ、機体に負荷をかけないようにしてください」

 その言葉に、俺たちは揃って黙って頷いた。

“冷静さ”という鎧をまとったこの女性に、確かに命を支えられた気がした。

 穴は塞がれた。けれど、状況は何一つ解決していない。

 ――この機体は、今も空を飛んでいる。

 不安と焦燥の混ざる中、俺はアンナに声をかけた。

「……アンナさん」

 彼女は振り返り、その表情にわずかだが、緊張の名残が見えた。

「……このまま、着水するまで……あと、どれくらい時間がかかりますか?」

 一拍の間。

 アンナはコックピット側を振り返り、小さく頷くと、落ち着いた口調で答えた。

「現在、機体は高度を徐々に下げながら進路を東に変更しています。目的は……日本の南方、フィリピン近海への緊急着水地点です」

「あと……約二十五分です」

「二十五分」――たったそれだけの時間が、永遠のように思えた。

 すぐ隣から声が飛ぶ。

「二十五分? んなもん、持つわけないやろ!5分で終わりや」

 葛西の怒声が機内に響いた。声が震えているのは、焦りからか、それとも怒りからか。

「今もや……どこか叩かれとる!」

 ガンッ。

 ゴッ。

 ギィィ……

 機体の壁や床下、あるいはどこかのパネルの裏側から、何かが擦れるような異音が連続して響く。
 どこで鳴っているのかすら判別できない、得体の知れない衝撃音だった。

「目に見えんで、空飛びながら襲ってくる敵とか……そんなん反則やんけ……!」

 葛西が低く呻くように吐き捨てた。

 俺は即座に叫ぶ。

「シールド!」

 手元に淡い光の輪が広がり、機外へ半透明のバリアが展開される。

 敵の姿は見えない。無駄かもしれないが……

「そんな一面だけ守ってもしゃあないやろ……くそっ!」

 葛西も焦ったようにスキルを唱える。

「シールド!」

 二重に張られたシールドが、機体の外側を守る。

 だが、どこから来るか分からない。

「雨宮! ええ加減に手伝えや!!」

 葛西が叫ぶ。怒鳴りながらもバリアを強化しようとしている。

 その隣で、雨宮は液タブに目を落としたままだ。

「待って……もう少しで書き終わる……」

「絵なんかどうでもええねん! 防御スキルくらいあるやろが!」

 葛西の怒声が響く。

 しかし――雨宮の筆が止まった。

「……できた」

「はぁ!? 今そんな余裕どこに――」

「どうしてエンジンを狙ったんだろう」

 雨宮がぽつりと言った。

「は?」

「最初から、機体を直接攻撃してもよかったのに……」

「バケモンの理屈なんか、わかるかい!」

「この絵を見て」

 そう言って、雨宮はタブレットの画面を俺たちに見せた。

 そこには――敵の姿が精緻に描かれていた。

 その姿は棒状で、側面にひれ……節があって、翅が生えていた

「この絵みたことあるな”スカイフィッシュ”とかいうやつちゃうんか?」

「……こいつら、目がないんだ」

「つまり、目以外の器官で探知してるってことか?」

 俺が尋ねると、雨宮は静かに頷いた。

「聴覚……音に反応してる」

「……音?」

「コクピットの風切り音、警報、振動音。全部、それに反応してる。音が大きいほど、集まる」

 雨宮の声は淡々としていた。だがその表情は、いつになく鋭く、冷静だった。

「つまり――こっちの動きや音で引き寄せられてるってことか」

「僕が、側面に向けてシールドを張る」

「君たちは、敵をおびき寄せてくれ」

「シールド!」

 雨宮が立ち上がり、機体の側面に手をかざした。

 光の輪が放たれ、雨宮の展開したバリアは、俺たちの数倍はあろうかという巨大な光の壁が展開された。

「でかっ……!」葛西が驚愕する。

 俺と葛西は顔を見合わせると、無言でうなずき合った。

 そして――

「おらっ! こっちやぞ!!」

 俺たちは一斉に、壁を叩き始めた。

 金属音が鳴り響く。

(……来る!)

 目に見えない敵は、雨宮のシールドへと殺到し始めた――。

 シールドがバチィと音を立てる

 その瞬間一瞬だけ姿が見る

 雨宮が言う

「姿が見えないんじゃない早すぎるんだ」

「僕の固有スキル”観察者”は見ることしかできない、
 でもね――どんなスピードでも、たとえ壁の向こうでも僕の目からは逃れられない」

「何体かコクピットの方に行ったよ!」

「吉野君!僕の指示した場所にシールドを張るんだ」

 俺はコクピットへと向かう

「機長の真正面に張るんだ!」

 バチィッ!

 俺の張ったシールドに、何かがぶつかる衝撃が走る。透明な空間が波打ち、火花のようなノイズが散った。

「そこ、合ってる!もう一枚、右上にも!来るよ!」

 雨宮の声に従い、俺は急いで腕を動かす。けれど、全ての方向を守るには……限界がある。

 そのときだった。

 ガン――!

 鋭い金属音が頭上から鳴り響き、続けざまに風のうねる音が轟いた。

「……音が変わった!」

 俺が振り返った瞬間――機内の後方、天井に近い壁面の一部に、細く裂けるような破損音が走った。

 ピシ、ピシピシ……パァンッ!

 機体の一部に、直径数センチの裂け目が生まれ、そこから猛烈な勢いで空気が漏れ始めた。

「ッ、減圧するぞ――!」

 風が機内を巻き込み、乗員たちの髪や衣服を荒々しく煽る。あっという間に、天井近くの照明がバチバチとショートした。

「穴が開いた――!」俺が叫んだそのとき、

 アンナが静かに立ち上がった。

「そのまま、動かないでください」

 冷静な声が、騒音の中でもはっきりと聞こえた。

 彼女は迷うことなく、備え付けの収納ボックスを開け、緊急用の高圧シーリングパッドを取り出すと、風の流れを読みながら歩を進める。

「圧が安定するまでは30秒――それまで持たせます」

 足場は不安定。それでも彼女は、荒れる機内の空気を物ともせず、裂け目の前に立つ。

 裂け目に向かって手のひら大のシール材を力強く叩きつけた。

 ズン――! 

 その一撃が決まると同時に、風が一瞬にして静まった。

「……封鎖、完了です」

 アンナの声は息が上がっていたが、目には一切の動揺がなかった。

「さっきのより大きかったな……!」葛西が呟く。

「でも……塞いでくれた」

 俺は思わず安堵の息を吐いた。

「次の衝撃でまた開くかもしれません。……けれど、それまでは守ります」

 アンナの背筋は、暴風の中を歩いた人とは思えないほど真っすぐだった。

 だが、敵はまだ終わっていない。俺たちの戦いも――これからが本番だった。



 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 穏やかな空の旅が、極限のサバイバルへ
 視界が制限され、脱出もできない――そんな中で、彼らはどう動くのか??

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