カエルのマユちゃん。

SB亭孟谷

文字の大きさ
26 / 59

注目を吸い込む闇 下

しおりを挟む

 おおお落ち落ち落ち落ち着け……

 猫がでかいからなんだ。デカかろうが猫は猫だ。脅かしおってからに!!

 ええいまずは貴様から! 光の届かぬ暗黒の世界に送……

「ペンつくペンつくツッペケペンのペンペン♪」

 何奴!?

「ペンつくペンつくツッペケペンのペン♪
 照美! 照美やい! 皇帝が朝の乾布摩擦を所望する!!」

 ……ペンギンでか!!
 皇帝ペンギンでか!! なんだこりゃ!?
 しかも、この威圧感、このオーラ、この下衆な言動に反比例した気品の高さ……只者ではない、何者だ!

「ん?……君はだあれ?
 千代子! 千代子の友達か!?」

「(トイレから)なあにー?」

「この真っ黒黒助君は千代子のボーイフレンドか? こんな辛気臭い見た目の、顔色悪い半グレのヤンキーに千代子はやらん!」


 ……半グレではない! 真黒(まぐろ)だ! 真っ黒だ!!
 こやつ好きに言わせておけば……


「(トイレから)知らない。朝からいたのー」


 な……! 我は漆黒の闇であるぞ!! 貴様等人間が幾千年と恐れてきた漆黒の闇の一族であるぞ!!


「じゃあ君は誰? 東横キッズなの?」

 そんなものは知らん!

「じゃあ、新しい間男か! マオちゃんのお友達だね!! よかったねマオちゃん! 新しい友達ができて!!」

「(リビングから) 友達じゃない。あと間男はお前だ」



 こ や つ ら!! 漆黒が貴様等の領域に侵略しているのだぞ! 怖がれ! 少なくとも興味をもて!!
 ええい辛抱たまらん!! こうなればいよいよ実力で……


「(勝手口をノックする音)ヤアヤア 拙者、春崎藤右衛門と申す!! 主人は御在宅か!!」

 今度はなんだ!? 客人か? ……これはいい。この家の住民が例え神経の腐った人間どもだとしても、 
 客人であれば、漆黒の闇を見れば恐れるであろう。
 どれ、ここは一つ、理不尽な闇を見せつけてやろう……

「(勝手口をノックする音)誰もおらぬのか! 拙者、赤堤の勇! 春崎藤右衛門と申す!!」


 ククク……こちらから出向いてやろう。さあ、暗闇に絶望するがよ……(ガラガラ)……
 でか!!……ザリガニでか!!
 ザリガニでかザリガニでか!!

「むお?! お初にお目にかかる。拙者、春崎藤右衛門と申す。
 出会いを祝して、拙者の十八番『子別れ』と『芝浜』を通し、そして『初天神』から帰ったそばから『時そば』を食べ、
『粗忽長屋』にて『死神』と共に『寝床』につくという創作落語を披露いたす。」

 なんだその時間がかかりそうな演目のパレードは!!

 なんだ!なんなのだこの家は!
 何かに取り憑かれておるのか!?どれだけの業を背負い込めばこんな怪異まみれの家に住むことができるのだ!!
 これぞ古き言葉に聞く、

『深淵を覗くとき、深淵もまたお前を見ている』だとでも言うのか!?

 恐るべし鈴木家!
 しかし我こそは暗黒の闇である!かくなる上はこの家ごと闇に……

「あのー……よろしいですか?」

「むお!? これはお靖殿!?」


 む?ええい邪魔くさい女だ……




 ……なんだこの女は……
 柔和な笑顔に隠れた、
 この背筋が凍りつくような殺気は……

 只者とは思えぬ……


「わたしたち平和に生きております。それだけですので、
 どうか殺伐とした雰囲気は引っ込めていただけますか?」

 さ……逆らえぬ……!!『夜さえも影を潜める』と称されたこの我が、気で押されているだと……!?
 やむなし!出直すしかあるまい……

 久方ぶりに魔窟を見たわい……くわばら、くわばら……



「ママーなんだったの?あれ」

「さあ、なんでしょう。さ、みんなで朝ごはんにしましょう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

処理中です...