26 / 163
一章 本命じゃないくせに嫉妬はやめて!
26、綺麗にしよう(ウル視点)
しおりを挟む冒険者ギルドでデオが、複数人の冒険者に囲まれて挿れられそうになっている姿を見た俺は、あのとき確かに少し冷静じゃなかった。
しかしよく考えたら、それは少しどころではなかったかもしれない。
だって俺の気持ち的に、あの冒険者達を今すぐにでも殺したかったのだ。
ただあのとき、あの状況がデオを守るために使えると判断したから、思いとどまれた。
そうだ、俺があんな事をしたのはデオを守るため。
それはここの国に問題があるからに他ならない。
何故かこの国は神を信仰しているせいなのか神とつくものをすぐに崇める癖に、下のものからはすぐに奪い取る。
冒険者だって同じだ。ソロで下級クラスから真面目に始めたら、残っているのは体だけになるかもしれない。その体さえも蹂躙するバカがいるから、この国に女性の冒険者はほぼいない。
そんな冒険者ギルドに、デオを一人で行かせても大丈夫なようにするためには、あれぐらいの噂じゃないとダメだった。
だからデオを守るためには自分の心を押し込めてもやる必要があったのだ。
そうは思ったんだけど……今、体がベタベタになってしまっているデオを見て、ちょっとやりすぎたかな?なんて思ってしまったのだ。
それなのに当の本人は、転移で宿に戻ってきたことに少し驚いて、呑気に感動しているようだった。
「ウル、転移できたのか……俺は転移を経験したのは初めだ!」
「うん、そうだけど……今気にするのはそこじゃ無いよね?」
「うっ……、もしかしてまだお仕置き中?」
少し上目遣いで見てくるその顔が可愛く見えてしまって、またすぐに襲ってしまいそうになる。
それにあんな冒険者にデオを触れさせた俺の怒りは、まだ収まってはいなかった。
「ふふ、そんな可愛く言ってもダメだよ?」
「なっ!!俺は今こんな、ベタベタで汚いんだ!可愛い訳ないだろ?」
「エロくてそそるけとな~」
「そんなのウルだけだ!」
恥ずかしそうに顔を背けるところも凄く可愛いのに。と、クスクス笑ってしまう。
そんなデオがポツリと呟いた。
「お仕置きされてもいいけど……今回でわかったことがあるんだ。俺は、ウルだけがいい……ウル以外に犯されるのは嫌だ」
その言葉に俺の思考は固まってしまった。
今は、デオはなんと言った?
俺以外に犯されたくないと言わなかっただろうか?
「デオ、もう一度言って?」
「ダメだ。あんな恥ずかしいのはもう言わない……でも他の奴らにやられたくないのは事実だから、それだけは覚えていてくれ」
こちらを見ずに顔を赤めるデオを見て、俺は凄く嬉しくなってしまった。
気がつけば怒りゲージが、幸せゲージと入れ替わっていた。
だからお仕置きは後のお楽しみにして、今はデオをすぐにでも綺麗にして上げたいと思ってしまったのだ。
「デオがそんな事を言ってくれるようになるなんて、俺は嬉しいなぁ~。お仕置きは後にして、今は俺がデオを綺麗にしてあげるよ。だってあんな奴らの汚いのがついたままなのはデオも嫌だろ?」
「そうだけど……俺がって言うのはどう言う?」
「ふふ、こういうこと~!」
「ま、まっ!?」
その静止の声を無視した俺は、もう一度デオを抱き上げて目的の場所へと転移する。
たしか、この近くの山には自然で出来た温泉地がある。
そこでデオと温泉デートもいいかもしれない。
まあ、まわり山なんだけどね。
そう思い、よいしょとデオを下ろす。
突然また転移したことに、デオは呆然としているようだった。
まあ仕方がない。
いきなり温泉の前に飛ばされて、しかも今は湯気でほぼ前がみえないのだから……。
「ウル?ここは……?」
「ここは、あの町の近くにあるアポロスト山の中にある、自然でできた温泉地だよ?」
「温泉?」
「まあ、普通の人は見る事はないかもしれないけど、自然の恵みでできたお風呂だよ」
「綺麗にっていうのはそういう……ってうわぁ!」
そう言うことって思いながら、俺はデオを温泉に突き飛ばした。
バシャーンと、勢いよく入ったのを見て、俺も温泉に入る。
浮き上がってきたデオは、俺を見て怒り出した。
「ウル!いきなり押したら危ないだろ!!」
「ふふ、頭から浸からないと綺麗にならないでしょ?」
「いや、こんな乱暴な方法で綺麗になったなんていうわけないだろ」
「嘘だよ~。今から俺が優しく洗ってあげる」
俺はデオを引き寄せると、ギュッと包み込んだ。
「…………っ」
少しジタバタしたデオはしばらくすると、腕の中で動かなくなってしまった。
デオがおとなしい、さっきまで暴れてたのに変だなと思いデオを見ると、顔を真っ赤にして行き場のない手を彷徨わせていた。
「可愛い……犯したい」
「え?」
「おっとつい本音がポロッとでてしまったよ!じやあ、上から下まで全部綺麗にしてあげるよ、この俺が!」
ニコニコと言いながら、まだ着たままだった服を脱いでその服から体を洗うための道具を出す。
デオはそんな俺を見て、不思議そうな顔をしていた。
「そんなに道具がいるのか?綺麗にするのって魔法で簡単に出来るだろ?」
「そんなのじゃダメだよ?あいつらの匂いごとしっかりと、デオの体から除去しないと……」
その事を思い出すだけで、また怒りがフツフツと湧き上がってくる。
もう俺はデオの事に対してだけ、嫉妬を抑えられ無いことを認めるしかなかった。
でもそれは好きというより、物を取られた子供の気持ちに近い気がして嫌になる。
ミレージュはこの感情は恋だと言ってたけど、俺には全くわからないことだよ……。
でも今は、イルの所に行くまでは……デオを目一杯可愛がっても許されるよね?
だからそれまでに、デオを俺に落とすことが出来たらいいのに……。
まあデオは多分俺のせいで身代わりだと思ってるから、本当は俺のこと好きじゃないかもしれない。
だからそう言って繋ぎ止めないと、離れていっちゃうかもしれないし……怖くて本心が聞けないなんて俺も情けない。
そんな俺の思考を遮るように、デオが俺を見つめて言ったのだ。
「ウル?どうしたんだ、ぼーっとして……」
「あ、ごめんね。少し考え事していただけだよ?」
「考え事?」
デオの事を考えてたんだよ?
普段なら気軽に言えるのに、少し言葉に詰まってしまう。
「あ、うんそうだよ。デオのどこから洗ってあげようかな~、なんて思ってたんだ」
「どこからでも一緒だろ?」
「そんな訳ないよ!デオの可愛いアソコから洗ってあげるのもいいよね?」
「可愛いアソコってどこだ……」
そういうデオの体は、薄らと赤く染まっていてとても色っぽい。
こんなんじゃ、ただ綺麗にするだけじゃ終わらなそうだと、俺は軽く唇を舐めたのだった。
1
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる