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第四章 悪魔召喚編
34、悪魔召喚(前編)
しおりを挟むあれから3日が経っていた。
呪いの影響で倒れている間に色々考えてみたが、ダンとウルがあれからどうなったのか、あの二人の関係をどう受け止めていいのかわからないでいた。
そして悩んでもしょうがないと思った俺は、ダンに直接疑問をぶつけることにした。そのため、もうすでに今週会う約束を手紙で出している。
しかし今はそんなことよりも、あの日から続くこのドキドキを認めたくなくて、俺はとにかく戸惑っていた。
だって俺はハーレムが作りたかったはずで、だからもちろん女の子が好きなはずなのに、なんで男のダンにこんなにもドキドキしているのか……。
気のせいだと思いたいのに、ダンを思い出すと顔は熱くなるばかりで……。
だけどこの気持ちを理解したくないと、拒んでる自分がいるのだ。
それにこんな状態で、今の俺はダンを真正面から見る事が出来るのだろうか?
そう、ずっと不安になっている俺がいた。
そんな憂鬱な気分を吹き飛ばすため、俺はとにかく忙しく過ごして忘れる事を選んだ。
そして今日はついに、悪魔召喚の最終試験をしてから、本番に挑む予定だった。
なにより初回はある意味失敗したといえるので、あれから今まで何度も練習をしてきたのだ。
それもライムに毎回付き合ってもらっては、本に載っていた色々な召喚方法を試してみた。
その中には『召喚されると、相手はお腹がすくのでデートに誘おう』とか『召喚された相手は一瞬だけ強くなれる』など、とにかく変なバリエーションが揃っていた。
気になったものをやってみた結果、半分ぐらいは効果がなかった。
でもそれはライムがスライムだから効かないのかもしれないだけで、それを検証する相手もいないことから効果無しと決めつけただけだった。
そんなわけで、今から行う召喚術は、
『召喚された相手は一目惚れをするでしょう!』
と、書かれた怪しげな召喚方法だ。
一目惚れと書いてはあるが、たぶん召喚されて最初に見た相手に惚れるということだと思う。
そしてこれを選んだのにはちゃんと理由がある。
こういった人の心に作用するものは、殆ど効果が無い物ばかりだった。でもそれは本当に、ライムがスライムだったからという可能性もあるのだ。
しかし、呼び出す悪魔は人間の進化した姿、つまり人という種族だ。
だからもしかすると、呼び出した悪魔は俺に一目惚れをして、悪魔的な契約とかをしなくていいかもしれないわけだ。
それに悪魔と言えば魂を捧げるとかそういうイメージになってしまうけど、どうやらこの世界では違うようなのである。
だから別の物を要求されても困るため、これは一応それの対策をした結果なのだ。
すこーしだけ、女性の悪魔が出てくれたりしないかなぁ~。なんて思ったことは秘密だ……。
それでも以前なら、女性であってくれ!と、祈るぐらいだったはずなのに、今回はそこまで強く懇願する気分じゃなくなったのは───。
もしかして、ダンのせいだろうか……?
なんだか顔が赤くなった気がした俺は、首を振ると召喚に集中する。
前回と同じように魔法陣の上にマニを置き、俺の魔素を魔力に変換してもらう。
すると魔法陣からピンク色の光が溢れ出した。
「うっわ、凄いピンク!!これは、本当に効果があるんじゃないか!???」
余りにも眩しいピンクの光に、これは成功するのではないかと俺は興奮していた。
そしてその光はさらに眩しく煌めいたと思った瞬間、俺の方に向かってくる。
「わっ!!な、なんだ???って、あれ……?痛くも痒くもないけど、本当にこれって何!?」
咄嗟に防御しようと思ったのだが、その光は俺の周りを漂うだけで俺自身に害をなすことは無かった。
でもつい俺はその光を追うように、キョロキョロしてしまう。
そんな俺に向けて、横から驚いた声がした。
「あ、主!?これは、一体……」
そこには、魔法陣から召喚されたライムが俺の姿を見て、驚きのあまりポカンとしていた。
「やっぱり失敗か……」
「失敗とは一体?それに何故主は光り輝いているのですか……?」
「え!!俺、光り輝いてんの??」
ライムに言われたことで、ようやく先程俺に向かって来た光の正体がわかった。
あの光は俺を輝かせるための物だったようだ。
どうやらこの召喚術、召喚者を光り輝かせることで召喚された相手に「この人光り輝いて見える……これが一目惚れ?」と、勘違いさせるための演出のようだ。
一目惚れさせる召喚術という名前なのに、かなりチープな種明かしを受けて俺はガッカリしてしまった。
でもライムはこの光景に納得がいかないようで、俺に詳細を求めてきた。
正直何も伝えてない俺が悪いし、召喚が終わった今ならネタばらしをしても大丈夫だろう。
きっとライムも納得してしてくれる……はずだ。
そんなわけで疲れた俺は一旦ベットに戻り、起き上がった状態でライムを見た。
そして今使った召喚術について、話すことにしたのだった。
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