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第四章 悪魔召喚編
34、悪魔召喚(後編)
しおりを挟む俺は練習のためとは言え、選んだ召喚について黙っていた事を、ちゃんとライムに謝った。
「ライム悪かった!今のは召喚された相手を一目惚れさせる召喚術だったんだ!!だからこのキラキラエフェクトはそのおまけみたいなもので……」
俺の言葉に一瞬ライムが固まったのがわかった。
そしてライムは冷たい瞳でこちらを睨みつける。
「……はい?もう一度言って頂けますか?先程行った召喚がなんですって?」
「召喚された相手を一目惚れさせる召喚術をライムに使ってみたって言ったん……ぅっ!!?」
言葉を全て言い終わる前に、突然ライムに腕を掴まれた俺は、驚く間もなくベットに押し倒されていた。
「……はぁ、全く主はどうしようもありませんね。何故そんな馬鹿な事を私に言えるのですか?」
「ら、ライム……?」
見上げたライムの瞳はとても冷たくて、何か怒っているように見えた。
そしてライムは無表情のまま、顔をゆっくり俺に近づける。
なんだか俺には、その瞳が何かを訴えているように見えてしまって、顔を逸らすことができなかった。
「主の呪いが解けるまで我慢するつもりでしたが、ここまで気付いて頂けないとは思っておりませんでした」
「ど、どうした?……俺、また変なこと言ったかな?それなら謝るけど……」
「ええ、主はいつも酷いことを仰りますから……だから少しズルをさせて頂きますね」
ライムは俺の顔を両手で包むように支えた。
俺はその顔の近さに狼狽えてしまう。
「ふふ……。いい事を教えて差し上げましょう。もうすでに惚れてる相手にそんな物使うなんて、主は本当に馬鹿ですね。だから願い通りにして差し上げますね」
「ま、まって!ライッ……んっ……!!」
その言葉を遮って、ライムは俺にキスを落とした。
確かにいつも通りプニっとした感触がした筈なのに、それはちゃんと唇のやわらかさだと認識できてしまって……。
俺は驚愕のあまり固まってしまったのだった。
そして気がついたときには数時間が経っていた。
俺はハッと周りを見回して、ライムがいないことに気づく。
慌てた俺は色んなところを探し回ったが、ライムはこの部屋だけでなく、この宮自体からいなくなってしまった。
よく見ると机にあった置き手紙には『1週間ほど修行をして頭を冷やして来ますが、先程の事しっかり考えておいて下さい』と、書かれていたのだった。
それを読んだ俺は、さっきのキスを思い出して混乱を極めていた。
え?待って!!ライムって俺の事好きだったの?
そう思った瞬間、今までの赤裸々な日々が突然濁流のように思い出されてしまって、俺は顔が真っ赤になってしまう。
あんな恥ずかしいあれやこれは、全部ライムなりのアプローチだったのだろうか。
俺は全部過保護過ぎるからだと思っていたのだ。
それなのに……。
「あのキスはずるいだろう….」
くそ、戻ってきたらライムの顔も見れないし、どうやってライムなしで1週間も過ごせばいいんだ!?
ちょっとした死活問題になってしまう。
それに俺はダンの事もまだ頭の中で整理できていない。こんな状態で俺は一体どうしたらいいのだろうか。
しばらく悩んだ挙句、とにかく今日は予定通りに悪魔召喚をやって考えるのは後回しにしよう!と、いう事で落ち着いたのだった。
何かしていれば気が紛れるし、召喚に応じてくれれば人が来る!そうすれば悩んでいる事も忘れられるはず……。
そう思い一心不乱に準備した俺は、先程使用した『一目惚れ召喚』の魔法陣にまたマニを乗せた。
そして魔力を流し込むと、同じようにピンクに光り始めたのだった。
これが先程と違うところは、イメージする相手は悪魔だという事。
そして知らない赤の他人であるため、相手の承認がない限り召喚することは出来ない。
俺は誰か承認してくれ、と祈りながら魔法陣に魔力を流し続けた。
それから数分後、一向に現れない相手に俺は諦めるべきかとため息をついていた。
しかしその瞬間、魔法陣が強く光りだした。
そして先程と同様に俺に向けてその光は飛び出す。
それはさっき俺にキラキラエフェクトをつけた光と全く同じだった。
誰か承認してくれた人がいたのか!?
そう思い、俺は顔を上げる。
そして光が収まってきたころ、その姿がハッキリと見えた。
しかし現れたその人物に、俺は驚愕で震えていた。
「あー、誰かに呼ばれたと思って来てみたけど……まさかセイだったとはね。召喚してもらえて嬉しいよ」
魔法陣の上には、蠱惑的な赤い瞳でこちらをニコリと見つめ「何で光り輝いてるの?可愛いね」と呑気に言いっている、ウルの姿があった。
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