96 / 110
おまけ ()内は相手キャラ 主にギャグとイチャイチャ
魔術が使えなくなった話 (ダン)
しおりを挟むダンとイルがほぼキスしてるだけの話
─────────────────────
国王になってから、俺は冒険者を休業していた。
それは、国王になって忙しかったから……それもあるが、本当の理由は別にあった。
「ダン!魔法の使い方を教えてくれ!!!」
それは、俺にとってとても深刻な願いだった。
実は竜人に進化した結果、魔術が全く使えなくなってしまったのだ。
あれは魔素を使って行うものだったが、今の俺は魔素をすぐに魔力へと変換してしまうため、前まで使えていた物が何一つできなくなってしまったのだ。
そうしたら、今まで亜空間ボックスに物を入れまくっていたのに、それが全て取り出せなくなると言う大惨事が起きてしまった。
あそこには俺の大事な物が結構入ってるし、あれがないと着替えとかもできないんだよなぁ……。
いや、服ならいくらでもあるだろとか思われそうだが、なんか国王の服はヒラヒラしたのしか無くて嫌だったのだ!
そんな必死な俺を見て、ベットに座っているダンが一言で言い切った。
「いや、俺も使えないけど?」
「はぁ!!?そんなわけあるか!だって前使ってただろ!」
「あぁ。あれは、ブルーの力だから俺のじゃねぇぞ」
「何それチート!!?」
喚き散らす俺を見て、ニヤリと笑ったダンに何か嫌な予感を感じとった俺は、数歩後ろに下がっていた。
「なんで後ろに下がるんだ?」
「い、いやなんだか嫌な予感がして……」
「おいおい、まだ俺は何もしてねぇぜ?」
「まだ!ってなんだよ!ダンも使えないなら俺はもう行くからな!!」
そう言って部屋を去ろうとした俺の腕を、ダンが引っ張った。
「うおぁっ!!」
ボスン!
焦って声を上げた俺は気がつけば、ベットの上に押し上げられていた。
「よいせっと」
そして見上げるとそこにはダンの顔があったのだ。
「なななな!!なにするんだ!!!」
「イルが逃げるから悪い……」
そういうと、ダンは俺に軽くキスを落とした。
「~~~~~~!!!」
「それと魔法は使えないけど、使い方を知らないとは言ってねぇだろ?」
「だとしても!!キスは必要ないだろ!!?」
「必要だな。俺への労働報酬的なもんさ」
そう言われたら、教えて貰うんだしそれぐらいで済んでよかったのか?なんて思ってしまった。
「それで、どうやったら使えるんだ?」
「魔法とは体に流れる魔力をイメージする事で、指先に魔力を集める事ができるようになる。その指先で魔方陣を刻んだり、手から魔法を放ったりするのが基本的な魔法なのは知っているな?」
「子供の頃習った気がする……」
実習しようとして倒れたから、正直トラウマではある。
「だから、まずはその基本ができるようにならねぇとな。じゃあ俺が魔力を流すから魔力の流れをイメージ出来る様になるんだぞ」
「わかった」
そう言ってダンは何故か俺に再びキスをした。
それも舌をいれてくるやつの……。
「んぅ……」
「ほら、しっかり俺の舌から流れる魔力を受け取れ」
しかもこの男、舌から舌へと魔力を流してくるから俺はそれをしっかり捉えるために、自分からダンの舌に何度も絡み付いていた。
「よし、だいぶ上手くなってきたから次は手に魔力を集めてみろ」
「ちょ、ダンまっんん~~~!!」
もうキスをしなくても良いはずなのに、ダンはまた俺の唇を奪うと、俺の腕を掴んで持ち上げた。
そっちの手に魔力を集中させろと言う事なだろう。
その手に集中したいのに、ダンに舌を絡め取られている俺は気が散って中々上手く出来ない。
「ほらイル、手に魔力が集まってるのがわかるか?」
「わふぅんっ……!」
わかると言おうとしたのに、相変わらずダンは俺から唇を離そうとしてくれない。
もう恥ずかしくて、気持ちよくてどうにかなりそうな俺は、キレた。
もう無理!!ダンのアホは水でも被ってしまえ!!!
と思った瞬間、俺の手から何かが飛び出しビチャっと音がした。
「うっわ、水かかったぞ……一体なんなんだ?」
それはどうやらダンに当たったようで……。
「……もしかして今のは水魔法!?」
「あー、確かにそうかもしれねぇな。でも何で水の魔法……」
俺が水でも被れと思ったからなんて言えない……。
それにしても、ダンは白いシャツしか着ていなかったので、水に濡れて透け透けで俺は目のやり場に困ってしまう。
「ふーん。イルはエッチだなぁ。俺のこの姿見て興奮してんのか?」
「そんなわけあるか!!」
「ああそうか!、わざとだったか~」
「ち、ちが!!!」
そう思ったときには俺はダンに襲われていた。
本当にわざとじゃなかったのに!!
ダンの馬鹿やろー!!!!
まあその後は大変だったけど今はそれはおいとく。
とりあえず俺は、魔法が使えるようになったのだと、次の日からウキウキで魔法の練習をするようになった。
しかし、何度練習してもあの時みたいに上手くなにかを出す事ができない。
何でだ!?と憤った俺は、またダンの元へと向かってしまったのだった。
「ダン!!魔法が出ない!!!」
「今度はなんだぁ?って魔法は昨日出来るようになっただろ?」
今日も、相変わらずベットに座っているダンに俺は懲りずに聞いていた。
「でも昨日ダンに言われた通りに練習したけど、できなくて……」
「はーん、そうか……」
そういうと、またニヤリと笑ったダンに嫌な予感がした俺は、今度は逃げないように前に出た。
「お、今日は逃げなかったなー」
「昨日みたいに押し倒されたりしないためにな!」
「残念、今日は前から抱きしめてやるぜ!」
「うわっ!!!」
突然抱きしめられた俺は、体勢を崩しダンの上に座ってしまう。
「なんかデジャヴ!!!」
「ほれ、魔法出してみろ」
「そんなこと言われても……」
「うーん。そうだなぁ、前と同じ環境のが良かったりするよな」
前の環境?
そう思っている間に、俺は気がつけばダンに唇を奪われていた。
「んんんんん~~!!!」
文句を言おうとしたのに俺の舌はまた絡め取られていた。
頭を押さえられているせいで動かすこともできない俺は、早く終わらせるために魔法を発動した。
とにかく簡単なの!部屋が明るくなれ!!
そう思った瞬間、部屋がカッと明るくなった。
魔法ができたからなのか、ダンはすぐに俺を離してくれた。
「出来るじゃねぇか。じゃあ、次はそのまま魔法使ってみな」
「おう!俺はやればできる!!」
俺は手に魔力を集中させて、部屋が明るくなるように念じた。
「……………………」
おかしい。
何故か手は全く光らない。
「おかしーなぁ。じゃあもう一度……」
そしてまたダンは俺にキスをする。
同じように俺は念じると、今度は明るくなった。
「……なんで、そんなまさか!まだ諦めないぞ、もう一回だもう一回!!」
こうして俺は何度もダンとキスして光を灯し、ダンとキスをしないと何も起こらないを繰り返してしまった。
そしてわかったことはただ一つ。
「ダンとキスしてないと魔法が使えない……!?」
そのことだけだった。
それから俺は魔法を使う事を控えた。
そのため俺は最弱の名を捨て去る事ができなくなってしまった。
そして現在、亜空間ボックスを使うときだけは、ダンとキスをするようになったのは仕方がないことなのだ。
でも俺は諦めない!
見てろよダン!密かに魔法の訓練をして、今にも目にもの見せてやるんだからな!!
そう思いダンの元へと突撃しては、またもや滅茶苦茶にされている俺が今日もいたのだった。
─────────────────────
おまけは全てこんな感じのギャグイチャメインです。
2
あなたにおすすめの小説
ヒロイン不在の異世界ハーレム
藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。
神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。
飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。
ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
あと一度だけでもいいから君に会いたい
藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。
いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。
もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。
※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります
転生エルフの天才エンジニア、静かに暮らしたいのに騎士団長に捕まる〜俺の鉄壁理論は彼の溺愛パッチでバグだらけです〜
たら昆布
BL
転生したらエルフだった社畜エンジニアがのんびり森で暮らす話
騎士団長とのじれったい不器用BL
【完結】流行りの悪役転生したけど、推しを甘やかして育てすぎた。
時々雨
BL
前世好きだったBL小説に流行りの悪役令息に転生した腐男子。今世、ルアネが周りの人間から好意を向けられて、僕は生で殿下とヒロインちゃん(男)のイチャイチャを見たいだけなのにどうしてこうなった!?
※表紙のイラストはたかだ。様
※エブリスタ、pixivにも掲載してます
◆この話のスピンオフ、兄達の話「偏屈な幼馴染み第二王子の愛が重すぎる!」もあります。そちらも気になったら覗いてみてください。
◆2部は色々落ち着いたら…書くと思います
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
【完結】父を探して異世界転生したら男なのに歌姫になってしまったっぽい
御堂あゆこ
BL
超人気芸能人として活躍していた男主人公が、痴情のもつれで、女性に刺され、死んでしまう。
生前の行いから、地獄行き確定と思われたが、閻魔様の気まぐれで、異世界転生することになる。
地獄行き回避の条件は、同じ世界に転生した父親を探し出し、罪を償うことだった。
転生した主人公は、仲間の助けを得ながら、父を探して旅をし、成長していく。
※含まれる要素
異世界転生、男主人公、ファンタジー、ブロマンス、BL的な表現、恋愛
※小説家になろうに重複投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる