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二章
新ミレイと殿下
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さあ、面倒ごとは片付けたし、ローゼ様とは仲良くなれそうだし、この世界で生きる力を身につけていくぞ!
と意気込んでたんだ、さっきまでは。
「ブッチしちゃだめかな?」
「ブッチって何?」
「この場合は、殿下の呼び出しを無視して行かないこと」
不敬に当たるから駄目だとエリサに言われて仕方なく、講堂裏に向かう。
てか、なんで講堂裏なの?
体育館裏的な扱いなのかな?
てことは私ボコられる?
昨日散々精神的にボコったしなぁ…。
まあでも、暴力に訴えるタイプにはとても見えないし、大丈夫でしょう!
「ミレイ!」
講堂裏には既に殿下が待っていた。
うっわ。美形王子様の満面の笑み。
やめて。たぶん前世の私の周りにはこんな美形はいなかったんじゃないかな。
私の心が逃げたがっている。
それにしても、昨日あれだけ心へし折ったのに、回復早くないか?
どういうメンタルしてるの??
「お待たせしてしまい申し訳ございません。王太子殿下」
エリサに教わったばかりのカーテシーをする。
まだまだ練習が必要だろうけど。
あ、殿下、心なしか顔しかめてる?
そんなにひどい出来だったか。
「そんなにかしこまらないでくれ。私とミレイの仲ではないか。今日はミレイともう一度話をしたくて呼んだんだ」
「殿下とミレイの仲と仰られましても…何も覚えておりませんので。今までのミレイは殿下の優しさに胡座をかいて、礼を欠く振る舞いばかりだったそうですが、これからは改めます。これからは王太子殿下と一生徒という適切な距離でいたいのです。殿下もどうかお立場をお考えください」
だからもう放っておいてくれないかなぁ。
「立場や身分など!!ミレイ、今の貴女は覚えていないかも知れないが、私たちはこの王国の未来について語り合ったのだ。身分というものを撤廃して、平等な世にしようと」
あれ?単にネジ飛んでるのかと思ったら、革新的な人だったの?
王族が自ら身分撤廃を言い出すとは。
「王になるという重責に押しつぶされそうだった私に、君は光を与えてくれた。民主主義というものにして、全ての人に開かれた政を行う国にしようと」
ん?
ちょい待って。
「それって、殿下が責任から逃れるために、身分制度を取り払うんですか?」
「…確かにそういう面もあるかもしれない」
あるかもしれないっていうか、今言ってたのそれメインじゃなかった?
「だが、それだけではない!ミレイと話していて気付かされたのだ!同じ人間でありながら魔力の量で貴族平民に分かれ不平等である歪さに!選挙で議員を選びその議員が法を作る。初めて聞いた時は驚いた」
んー。そういう視点を国のトップになる人が持っているのは悪くないかもしれないけど…
それにしても、オリジナルミレイって難しいことは何も分かりませんって人かと思ってたけど、選挙で議員を選んで民主主義とか自分で思いついたの???
「それで、どうやって身分を撤廃するんですか?」
「私が王になったら王命で」
民主化って民が革命起こして勝ち取るイメージなんだけど、王命でってこともあるのかな?
んー、分からん。前世の私はそこまで歴史だの政治だのに詳しくなかったんだろうな。
「…もちろん、今の貴族の多くに賛成してもらって、国民の意識を変えたりしたうえでですよね」
「いや、貴族たちに受け入れてもらうのは難しいだろう。強行するしかない。国民の意識とは…?」
おぉぅ。
オリジナルミレイちゃんよ、なんてことをけしかけたんだい?洒落にならないよ?え、じゃあ、下準備もしないで民主主義を押し付けるの?それってちゃんと機能するのかな。
「殿下、私はこの国の現状が分からないので教えていただきたいのですが、この国の国民のうちどのくらいの割合が読み書きを出来ますか?平民は皆学校に通いますか?平民はどの程度政治に関心を持っていますか?」
そういえば、転生あるあるで、私はこの国の言葉を話すのも読み書きするのも問題ない。便利だね。
ついでにこの国の常識もつけといてくれたら良かったのに。
「貴族は皆読み書きは出来る。平民だと、農民で読み書きを出来るものは少数派だろうな。商人は読み書き出来るものが多いだろう。職人で読み書き出来るものは農民よりは多いが商人ほどは多くはないだろうな。
学校は貴族は全員行く。一部の裕福な平民も学校へ行くが、殆どの平民は子供も働き手だから学校には行かない。
平民は自分たちに政治をどうこう出来るとは思っていないから、自分たちに直接関わる税などのことでなければ関心はないかもしれないな」
だいたい思った通りかな。
「殿下、今、民主主義に移行するのは早すぎるかと存じます。今の平民たちは選挙に行っても投票したい候補者の名前も書けませんし読めません」
殿下の目が見開かれた。
やはり、お気づきでなかったのね。
「仮に選挙を読み書きが出来なくても出来る何かしらの方法を作り出して行ったとしても、政治に対する知識や意識が足りなければ、選挙はただの人気投票になります。極端な例を挙げれば、『税金を今の半分にします!』って甘言を言う人に票が集まります」
「なっ!税を半分にしたら国がたちいかなくなるぞ!」
「ええ、ですが、国民にその甘言の真偽を判断できない程度の知識しかなければどうです?それに、今まで政治は偉い誰かがするコトだったものが、急に広く開かれても自分たちのコトとして考えられますか?統率を失った政治は、国を混乱させます。この国の内政が混乱しているのに乗じて攻めてくるような国は周りに御座いませんか?」
「この国の北にあるルバル国は、ありえる。ルバルは土地が豊かとは言えぬ故に、何かを口実に戦を仕掛けて国土を奪いにくる可能性はある。前王は人格者だったが、現在の王は少し極端なところがあるようだ」
王太子殿下は先程からその美しい顔を歪めている。
自分の浅慮が分からないほどの大馬鹿ではないらしい。
自分のというか自分たちの、か。
安易なことを吹き込んだオリジナルミレイちゃんのことを棚にあげちゃいけないね。
「もうお分かり頂けたかと思いますが、民主主義への移行は殿下の重責を取り除くものでは御座いません。本当に行うなら、それに向けて下準備を重ねていく、それこそ殿下の一生をかけた大仕事です」
私はもう一度カーテシーをし、その場を後にした。
と意気込んでたんだ、さっきまでは。
「ブッチしちゃだめかな?」
「ブッチって何?」
「この場合は、殿下の呼び出しを無視して行かないこと」
不敬に当たるから駄目だとエリサに言われて仕方なく、講堂裏に向かう。
てか、なんで講堂裏なの?
体育館裏的な扱いなのかな?
てことは私ボコられる?
昨日散々精神的にボコったしなぁ…。
まあでも、暴力に訴えるタイプにはとても見えないし、大丈夫でしょう!
「ミレイ!」
講堂裏には既に殿下が待っていた。
うっわ。美形王子様の満面の笑み。
やめて。たぶん前世の私の周りにはこんな美形はいなかったんじゃないかな。
私の心が逃げたがっている。
それにしても、昨日あれだけ心へし折ったのに、回復早くないか?
どういうメンタルしてるの??
「お待たせしてしまい申し訳ございません。王太子殿下」
エリサに教わったばかりのカーテシーをする。
まだまだ練習が必要だろうけど。
あ、殿下、心なしか顔しかめてる?
そんなにひどい出来だったか。
「そんなにかしこまらないでくれ。私とミレイの仲ではないか。今日はミレイともう一度話をしたくて呼んだんだ」
「殿下とミレイの仲と仰られましても…何も覚えておりませんので。今までのミレイは殿下の優しさに胡座をかいて、礼を欠く振る舞いばかりだったそうですが、これからは改めます。これからは王太子殿下と一生徒という適切な距離でいたいのです。殿下もどうかお立場をお考えください」
だからもう放っておいてくれないかなぁ。
「立場や身分など!!ミレイ、今の貴女は覚えていないかも知れないが、私たちはこの王国の未来について語り合ったのだ。身分というものを撤廃して、平等な世にしようと」
あれ?単にネジ飛んでるのかと思ったら、革新的な人だったの?
王族が自ら身分撤廃を言い出すとは。
「王になるという重責に押しつぶされそうだった私に、君は光を与えてくれた。民主主義というものにして、全ての人に開かれた政を行う国にしようと」
ん?
ちょい待って。
「それって、殿下が責任から逃れるために、身分制度を取り払うんですか?」
「…確かにそういう面もあるかもしれない」
あるかもしれないっていうか、今言ってたのそれメインじゃなかった?
「だが、それだけではない!ミレイと話していて気付かされたのだ!同じ人間でありながら魔力の量で貴族平民に分かれ不平等である歪さに!選挙で議員を選びその議員が法を作る。初めて聞いた時は驚いた」
んー。そういう視点を国のトップになる人が持っているのは悪くないかもしれないけど…
それにしても、オリジナルミレイって難しいことは何も分かりませんって人かと思ってたけど、選挙で議員を選んで民主主義とか自分で思いついたの???
「それで、どうやって身分を撤廃するんですか?」
「私が王になったら王命で」
民主化って民が革命起こして勝ち取るイメージなんだけど、王命でってこともあるのかな?
んー、分からん。前世の私はそこまで歴史だの政治だのに詳しくなかったんだろうな。
「…もちろん、今の貴族の多くに賛成してもらって、国民の意識を変えたりしたうえでですよね」
「いや、貴族たちに受け入れてもらうのは難しいだろう。強行するしかない。国民の意識とは…?」
おぉぅ。
オリジナルミレイちゃんよ、なんてことをけしかけたんだい?洒落にならないよ?え、じゃあ、下準備もしないで民主主義を押し付けるの?それってちゃんと機能するのかな。
「殿下、私はこの国の現状が分からないので教えていただきたいのですが、この国の国民のうちどのくらいの割合が読み書きを出来ますか?平民は皆学校に通いますか?平民はどの程度政治に関心を持っていますか?」
そういえば、転生あるあるで、私はこの国の言葉を話すのも読み書きするのも問題ない。便利だね。
ついでにこの国の常識もつけといてくれたら良かったのに。
「貴族は皆読み書きは出来る。平民だと、農民で読み書きを出来るものは少数派だろうな。商人は読み書き出来るものが多いだろう。職人で読み書き出来るものは農民よりは多いが商人ほどは多くはないだろうな。
学校は貴族は全員行く。一部の裕福な平民も学校へ行くが、殆どの平民は子供も働き手だから学校には行かない。
平民は自分たちに政治をどうこう出来るとは思っていないから、自分たちに直接関わる税などのことでなければ関心はないかもしれないな」
だいたい思った通りかな。
「殿下、今、民主主義に移行するのは早すぎるかと存じます。今の平民たちは選挙に行っても投票したい候補者の名前も書けませんし読めません」
殿下の目が見開かれた。
やはり、お気づきでなかったのね。
「仮に選挙を読み書きが出来なくても出来る何かしらの方法を作り出して行ったとしても、政治に対する知識や意識が足りなければ、選挙はただの人気投票になります。極端な例を挙げれば、『税金を今の半分にします!』って甘言を言う人に票が集まります」
「なっ!税を半分にしたら国がたちいかなくなるぞ!」
「ええ、ですが、国民にその甘言の真偽を判断できない程度の知識しかなければどうです?それに、今まで政治は偉い誰かがするコトだったものが、急に広く開かれても自分たちのコトとして考えられますか?統率を失った政治は、国を混乱させます。この国の内政が混乱しているのに乗じて攻めてくるような国は周りに御座いませんか?」
「この国の北にあるルバル国は、ありえる。ルバルは土地が豊かとは言えぬ故に、何かを口実に戦を仕掛けて国土を奪いにくる可能性はある。前王は人格者だったが、現在の王は少し極端なところがあるようだ」
王太子殿下は先程からその美しい顔を歪めている。
自分の浅慮が分からないほどの大馬鹿ではないらしい。
自分のというか自分たちの、か。
安易なことを吹き込んだオリジナルミレイちゃんのことを棚にあげちゃいけないね。
「もうお分かり頂けたかと思いますが、民主主義への移行は殿下の重責を取り除くものでは御座いません。本当に行うなら、それに向けて下準備を重ねていく、それこそ殿下の一生をかけた大仕事です」
私はもう一度カーテシーをし、その場を後にした。
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