12 / 31
はじめ
おはなし いち
しおりを挟む
この部屋はおかしい。
私が目覚めたのは部屋の真ん中にあったベッドの上だったのに、気づいた時には無くなってて代わりにテーブルとイスがあって、そこに食事が用意されていた。
ベッドは?
部屋は大きい。
どれくらい、…プール2個くらい?
大きなベッドが小さく見えた。
おかげでテーブルとイスがもっと小さく見えたな。
部屋の中は物が何も置いてない。
だから殺風景。
壁、白っぽいし。
そういえば、この服、どこから持って来たんだろう。
この服、今まで着ていた、1枚の布地を巻いただけの服とは違い、ちゃんと裁断され、縫製された、前世で着ていたような服なのだ。
ただのワンピースだけど、紺色に染めてある。
所々に花の模様入り。
私が小さいから着られてる感じ?
靴も履いてるよ。
実は今世初です。
これがかわいいの。
布の靴なんだけど紺色にピンクの花。
小さな子供用の靴ってなんでこんなに可愛いの?
でもこれ、母の靴より造りが上等な気がする。
私が世間知らずなのか、これが異常なのか、わからない。
私、前世でファンタジー物大好きだったの。
未来世界の某ロボットアニメから入り、漫画もアニメも小説も沢山読んだ、学生の頃だけど。
ここは、そんな、見たことしかない世界の物だらけ。
消えたベッドも、あの医療ポットも、…リースも。
だって、リースは人間にしか見えない。
でも、人間じゃない。
“ドール”って言った。
ドールは人形のこと。
人の形をした何かということ。
「マスターは、転生者、なのですね」
!
そうだ、聞こえるんだった。
「ふふ、ご安心を」
リースはどこからか現れて、私の対面に座った。
さっきまでなかったのに。
「…、マスター。わたくしの創造主、前マスターは、召喚者、だったのです」
「え…」
「医療ロボット製造に携わっていたとのことでした」
「…、召喚…?」
「はい。もう、200年以上も前のことです。とうに滅んだ国が、前マスターを呼び出したのです」
「…」
「その国は、呼び出すだけ呼び出して、前マスターを放置しました」
「!?」
「特に、何かして欲しかったわけではなく、やってみたら、成功してしまったのだそうで」
「……なにそれ」
「ふふ、…可笑しいでしょう?…でも前マスターは助かったようですが」
「なんで?」
「前マスターには夢があったようで、この世界で叶えられて満足して、逝きました」
「…夢?」
「はい。……。わたくし達です」
「?」
「マスター、わたくしは、機体ナンバー3、なのです」
「…3番目?」
「はい。………」
「?リース?」
「……マスター」
「?」
「わたくしと、契約をして欲しいのです」
「?どうして?」
「わたくしが“ドール”だからです」
「よくわかんない」
「わたくしは、永遠に、マスターに仕えたいのです…」
「……?」
「わたくしを、貴女のものに」
「………」
「………」
「………リースに、必要なこと?」
「はい、いいえ、はい……」
「?」
「わたくしの、意思です」
「?」
「…ドールには、前マスターより制約が、かけられています」
「……うん?」
「死ねません」
「??」
「貴女と、全てを、共にしたい」
「死、まで?」
「はい」
「……契約?」
「はい」
「リース?何故?」
「名前、です」
「名前?」
「わたくしの、名前。前マスターは、わたくしに、名を付けませんでした。…わたくし達を、後世に残す為です」
「リースは、共に逝きたかった…?」
「いえ。まったく」
「!?」
「前マスターは、いいマスターだとは思いますが…、何と言いましょう……、こう、気持ち悪いのです」
「?」
「あの…、前マスターは男性なのですが、わたくしの、好みから外れ過ぎでした。わたくしは、小さいものを好む性質です。そう、設定されています。それはいいのです。前マスターはまったく可愛らしいくないのです。マスターですから敬愛はしています。しかし、わたくしの好みから外れまくっているお姿は、…嫌悪?…してしまうのです。それを前マスターは『いい』と、悦びました。…気持ち悪いです」
「ーーー」
「っっ、マスターも気持ち悪いでしょう!?」
「…………ソウデスネ」
「わっわたくしは!かわいいモノが好きです!マスターは可愛らしいです!もうマスター以外には仕えたくありません!」
「う、うん」
「なので、契約をしてください!」
私が目覚めたのは部屋の真ん中にあったベッドの上だったのに、気づいた時には無くなってて代わりにテーブルとイスがあって、そこに食事が用意されていた。
ベッドは?
部屋は大きい。
どれくらい、…プール2個くらい?
大きなベッドが小さく見えた。
おかげでテーブルとイスがもっと小さく見えたな。
部屋の中は物が何も置いてない。
だから殺風景。
壁、白っぽいし。
そういえば、この服、どこから持って来たんだろう。
この服、今まで着ていた、1枚の布地を巻いただけの服とは違い、ちゃんと裁断され、縫製された、前世で着ていたような服なのだ。
ただのワンピースだけど、紺色に染めてある。
所々に花の模様入り。
私が小さいから着られてる感じ?
靴も履いてるよ。
実は今世初です。
これがかわいいの。
布の靴なんだけど紺色にピンクの花。
小さな子供用の靴ってなんでこんなに可愛いの?
でもこれ、母の靴より造りが上等な気がする。
私が世間知らずなのか、これが異常なのか、わからない。
私、前世でファンタジー物大好きだったの。
未来世界の某ロボットアニメから入り、漫画もアニメも小説も沢山読んだ、学生の頃だけど。
ここは、そんな、見たことしかない世界の物だらけ。
消えたベッドも、あの医療ポットも、…リースも。
だって、リースは人間にしか見えない。
でも、人間じゃない。
“ドール”って言った。
ドールは人形のこと。
人の形をした何かということ。
「マスターは、転生者、なのですね」
!
そうだ、聞こえるんだった。
「ふふ、ご安心を」
リースはどこからか現れて、私の対面に座った。
さっきまでなかったのに。
「…、マスター。わたくしの創造主、前マスターは、召喚者、だったのです」
「え…」
「医療ロボット製造に携わっていたとのことでした」
「…、召喚…?」
「はい。もう、200年以上も前のことです。とうに滅んだ国が、前マスターを呼び出したのです」
「…」
「その国は、呼び出すだけ呼び出して、前マスターを放置しました」
「!?」
「特に、何かして欲しかったわけではなく、やってみたら、成功してしまったのだそうで」
「……なにそれ」
「ふふ、…可笑しいでしょう?…でも前マスターは助かったようですが」
「なんで?」
「前マスターには夢があったようで、この世界で叶えられて満足して、逝きました」
「…夢?」
「はい。……。わたくし達です」
「?」
「マスター、わたくしは、機体ナンバー3、なのです」
「…3番目?」
「はい。………」
「?リース?」
「……マスター」
「?」
「わたくしと、契約をして欲しいのです」
「?どうして?」
「わたくしが“ドール”だからです」
「よくわかんない」
「わたくしは、永遠に、マスターに仕えたいのです…」
「……?」
「わたくしを、貴女のものに」
「………」
「………」
「………リースに、必要なこと?」
「はい、いいえ、はい……」
「?」
「わたくしの、意思です」
「?」
「…ドールには、前マスターより制約が、かけられています」
「……うん?」
「死ねません」
「??」
「貴女と、全てを、共にしたい」
「死、まで?」
「はい」
「……契約?」
「はい」
「リース?何故?」
「名前、です」
「名前?」
「わたくしの、名前。前マスターは、わたくしに、名を付けませんでした。…わたくし達を、後世に残す為です」
「リースは、共に逝きたかった…?」
「いえ。まったく」
「!?」
「前マスターは、いいマスターだとは思いますが…、何と言いましょう……、こう、気持ち悪いのです」
「?」
「あの…、前マスターは男性なのですが、わたくしの、好みから外れ過ぎでした。わたくしは、小さいものを好む性質です。そう、設定されています。それはいいのです。前マスターはまったく可愛らしいくないのです。マスターですから敬愛はしています。しかし、わたくしの好みから外れまくっているお姿は、…嫌悪?…してしまうのです。それを前マスターは『いい』と、悦びました。…気持ち悪いです」
「ーーー」
「っっ、マスターも気持ち悪いでしょう!?」
「…………ソウデスネ」
「わっわたくしは!かわいいモノが好きです!マスターは可愛らしいです!もうマスター以外には仕えたくありません!」
「う、うん」
「なので、契約をしてください!」
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる