のんびりしたくて

はりゅう

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はじめ

おはなし いち

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 この部屋はおかしい。
 私が目覚めたのは部屋の真ん中にあったベッドの上だったのに、気づいた時には無くなってて代わりにテーブルとイスがあって、そこに食事が用意されていた。
 ベッドは?
 
 部屋は大きい。
 どれくらい、…プール2個くらい?
 大きなベッドが小さく見えた。
 おかげでテーブルとイスがもっと小さく見えたな。

 部屋の中は物が何も置いてない。
 だから殺風景。
 壁、白っぽいし。
 
 そういえば、この服、どこから持って来たんだろう。
 この服、今まで着ていた、1枚の布地を巻いただけの服とは違い、ちゃんと裁断され、縫製された、前世で着ていたような服なのだ。
 ただのワンピースだけど、紺色に染めてある。
 所々に花の模様入り。
 私が小さいから着られてる感じ?

 靴も履いてるよ。
 実は今世初です。
 これがかわいいの。
 布の靴なんだけど紺色にピンクの花。
 小さな子供用の靴ってなんでこんなに可愛いの?
 でもこれ、母の靴より造りが上等な気がする。

 私が世間知らずなのか、が異常なのか、わからない。
 私、前世でファンタジー物大好きだったの。
 未来世界の某ロボットアニメから入り、漫画もアニメも小説も沢山読んだ、学生の頃だけど。

 ここは、そんな、見たことしかない世界の物だらけ。
 消えたベッドも、あの医療ポットも、…リースも。

 だって、リースは人間にしか見えない。
 でも、人間じゃない。
 “ドール”って言った。
 ドールは人形のこと。
 
 をしたということ。
 


「マスターは、転生者、なのですね」

 !
 そうだ、聞こえるんだった。

「ふふ、ご安心を」

 リースはどこからか現れて、私の対面に座った。
 さっきまでなかったのに。

「…、マスター。わたくしの創造主、前マスターは、召喚者、だったのです」

「え…」

「医療ロボット製造に携わっていたとのことでした」

「…、召喚…?」

「はい。もう、200年以上も前のことです。とうに滅んだ国が、前マスターを呼び出したのです」

「…」

「その国は、呼び出すだけ呼び出して、前マスターを放置しました」

「!?」

「特に、何かして欲しかったわけではなく、やってみたら、成功してしまったのだそうで」

「……なにそれ」

「ふふ、…可笑しいでしょう?…でも前マスターは助かったようですが」

「なんで?」

「前マスターには夢があったようで、この世界で叶えられて満足して、逝きました」

「…夢?」

「はい。……。わたくし達です」

「?」

「マスター、わたくしは、機体ナンバー3、なのです」

「…3番目?」

「はい。………」

「?リース?」

「……マスター」

「?」

「わたくしと、契約をして欲しいのです」

「?どうして?」

「わたくしが“ドール”だからです」

「よくわかんない」

「わたくしは、永遠に、マスターに仕えたいのです…」

「……?」

「わたくしを、貴女のものに」

「………」

「………」

「………リースに、必要なこと?」

「はい、いいえ、はい……」

「?」

「わたくしの、意思です」

「?」

「…ドールには、前マスターより制約が、かけられています」

「……うん?」

「死ねません」

「??」

「貴女と、全てを、共にしたい」

「死、まで?」

「はい」

「……契約?」

「はい」

「リース?何故?」

「名前、です」

「名前?」

「わたくしの、名前。前マスターは、わたくしに、名を付けませんでした。…わたくし達を、後世に残す為です」

「リースは、共に逝きたかった…?」

「いえ。まったく」

「!?」

「前マスターは、いいマスターだとは思いますが…、何と言いましょう……、こう、気持ち悪いのです」

「?」

「あの…、前マスターは男性なのですが、わたくしの、好みから外れ過ぎでした。わたくしは、小さいものを好む性質です。そう、設定されています。それはいいのです。前マスターはまったく可愛らしいくないのです。マスターですから敬愛はしています。しかし、わたくしの好みから外れまくっているお姿は、…嫌悪?…してしまうのです。それを前マスターは『いい』と、悦びました。…気持ち悪いです」

「ーーー」

「っっ、マスターも気持ち悪いでしょう!?」

「…………ソウデスネ」

「わっわたくしは!かわいいモノが好きです!マスターは可愛らしいです!もうマスター以外には仕えたくありません!」

「う、うん」

「なので、契約をしてください!」
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