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≪巫女編≫
8.火鼠の皮衣
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性懲りもなくまたやって来ました……商人が……なんと前回の勝負の報酬は払ってやるが、今回の勝負に勝ったらな! と、とんでもない事を言ってきたのです……ただ、前回の分と合わせて10倍の金を払うぞとの条件です。
う~、今の私達には良いお話なのですが……
……
「どうだ? やるか? やるだろ~! な~! って感じで、相変わらず横柄な態度で私達、巫女に挑戦状を叩きつけて来たのです……
「キー! むかつくわね~! 受けて立ってやるわよ~~~! そのかわり、今回はお金を払って行ってもらうからね!」
ルナはどうも、この商人とは相性が合わないらしい……『キー』って言っちゃてるし、ルナ落ち着いて……
「ルナ~~~、まずは内容を確認しないと~~~!」
「あ! いけない……」気づいたみたいね……
「そんな事より、早く教えなさいよ、今回の勝負の内容は?」
「聞いて驚け! 今回は『火鼠の皮衣』を探してもらうぞ! 有余は1週間だ!」
「厳しくない? 昔の人だって数ヶ月は探してたわよ」
「良い表情だ! そういう顔が見たかったんだ!」
「いやらしいわね……変態!」
……
「火鼠の皮衣」は唐土にあると言われる宝物で、火にくべても決して燃えず、汚れだけが焼け落ちて炎の中で輝きを放つという、竹取物語でかぐや姫が結婚を求めて来た、阿部の右大臣に対して、要求したプレゼントです。
……
「またかよ~! 無理だろ~? そんなのあるわけない」
「有余は1ヶ月だって!」
「少ないな……」
「最初は1週間って言ってたのよ」
「あれは変態だぞ、私達を困らせて楽しんでるんだぞ?」
「そうよね、私が困ってる所みて、喜んでたもん……」
「……キモ!」
……
「『火鼠の皮衣』か~、『龍の頸の玉』なら宝物殿にあるんだけどね……」
「そうなのか? かぐや姫が大伴御行の大納言に取りに行かせたという、あの『龍の頸の玉』が、鷲宮神社の宝物殿に?……まじか、だけど本物なのか?」
「多分ね……」
「『火鼠の皮衣』も探せば出てくるんじゃない?」
「あるかもね~!」
……
巫女達は宝物殿に集まり、『火鼠の皮衣』を探す……
「宝物が沢山あるわね~、探すの大変そうね」
「ね~姉さま~、この皿はなに?」
「それはカッパの皿ね」
「そうなんだ」
「ルナ! 衣を探すのよ」ルナは、カッパの皿を『ポイ』って投げた……
「それじゃ、これは?」
「それは、『天女の羽衣』よ、よく見て、火には弱そうでしょう」
「そうね!」ルナは『ポイ』って投げた……
「これなんか凄いんだぞ!」かなえは『天狗の隠れ蓑』を見つけて、それを羽織って姿を消した……
「何処に居るのか、探して見るんだぞ!」
ルナは近くにあった天狗の団扇を軽く振った……
「きゃ~」強風に吹き飛ばされ、かなえの姿は表れる……
「かなえ、見~つけた!」
「なにするんだぞ、それはズルいんだぞ!」
「こら! 2人とも遊んでないで、早く探して!」
「ごめんなさいなんだぞ!」かなえとルナはそれぞれ、蓑と団扇を『ポイ』って投げた……
「何だこの武器は? 剣なのか? 槍なのか? 凄く格好良いな!」
「比比羅木之八尋矛ね、ヤマトタケルの武器よ!」
「格好良いいな! ちょとだけ振ってもいいか?」
「だめよ、りん! 遊んでる暇はないわ、早く火鼠の皮衣を探して!」
「わかったよ!」りんは『ポイ』って矛を投げた……
「きゃ~! 危ないな、りん💢」
りんの投げた矛は、小枝のすぐ近くにの床に突き刺さった……
「ごめん、ごめん」
「も~! りんは危ないんだから気お付けてよね……それよりも、私も見つけたよ、これ凄いんですけど! ギリシャ火薬の製造方法が書かれた巻物よ! 見てもいいかな?」
……
ギリシャ火薬とは、東ローマ帝国で開発された火薬で、海面燃え、水をかけると更に燃え上る伝説の火薬、その製法は門外不出の技術だったため、帝国が滅亡すると、技術が継承されずに途絶えてしまったロストテクノロジーだ……
……
「ね~、見ても良いよね~! 私が使う甲賀流忍術の火薬よりも凄いのかな~?」
「だめよ小枝! 早く火鼠の皮衣を探して!」
「……わかったわよ! 暫くお預けね……」
その後も沢山の宝物が出て来たが、お目当ての火鼠の皮衣は見つからなかった。
……
「どうしよう……火鼠の皮衣が見つからないわ」
「『龍の頸の玉』を連くんに売りましょう……」
「良いのか?」
「本物かどうかも分からないけど、大丈夫よ、売っちゃいましょう!」
「連くんに連絡して!」
……1週間がすぎた。
「凄いわ! ギリシャ火薬! この爆発力は危険ね!」小枝はギリシャ火薬の復元に成功していて、実験を繰り返している……
「お久しぶりです! 凄い爆発ですねー!」
「連くん! みんな待ってたわよ!」
「ルナさんから連絡をもらい、直ぐに駆け付けたかったんですが、今回、浅草での公演が大盛況でして……遅くなってしまいました。ごめんなさい……それで皆さんはどちらに?」
「宝物殿に居るから行ってみて!」
……
「もう、疲れたよ~! 見つからないね~」
火鼠の皮衣を探して1週間……『ロンギヌスの槍』や『エヴァラックの盾』、『イージスの盾』なんかが色々と出て来たが、お目当ての火鼠の皮衣は見つからなかった……「もうやだよ~~~!」
……
「ルナさん! どうしました? 大声だして?」
「あ! 連くん!」
「皆さん、今日はケーキを持って来ましたよ! 食べながらお話しましょう」
……
「美味し~~~い!」
「こんなの初めてだ、美味いな!」
「すごいんだぞ! ほっぺがおちちゃうぞ!」
「紅茶ともすごく合いますね! 美味しい! 小枝は何処に居るの? ケーキ無くなっちゃうよ、誰か呼んで来て」
りん、かなえ、ルナは自分のケーキは食べ終ったが小枝の分のケーキを見てヨダレを垂らす……
「食べたらダメよ!」
……
「私のケーキは~~~?」
「ごめんなんだぞ! でも美味しかったぞ!」
「小枝、ご馳走さま、美味かった!」
「小枝ね~! 美味しかったよ!」
「……」
「あなた達~~~! あやまりなさい!」
「……ゆ、ゆるせない! 新型爆弾の餌食になれ~~~!」懐から爆弾を取り出して、投げ付けようとしている小枝をさつきが慌てて止めた……
「小枝さん、大丈夫ですよ、安心してください、まだありますよ、ケーキ!」
「本当~に! ありがとう~連くん!」小枝もケーキの美味しさに、メロメロになった……
「美味ひ~~~い!」
……
「そんな事があったんですか、大変でしたね……」
突然、中国の商人がやって来て、勝負を挑まれてツチノコを探した事、オムレットが大活躍した事、そして今回も、勝負を挑まれて、『火鼠の皮衣』を探している事を話した。
「連くん? どうしたの? 顔色が悪いわよ?」
「い、いいえ、大丈夫です……」
「ね~、連くんは『火鼠の皮衣』の事、知らない?」
「……は、は、ははは……知りません」
「何か怪しいわね~、なにか知ってるわね?」
「ルナさん……あ、は、ははは……」連は、ルナに勘ぐられて焦り始めた……
「今の内よ、白状しなさい」
「……ごめんなさい、僕が『火鼠の皮衣』持ってます。この前、鷲宮神社へ来たときに宝物殿に、無造作に置かれているのを見掛けまして……つい、出来心でした。ごめんなさい……実は今、浅草での公演が大盛況で成功しているのは、『火鼠の皮衣』を使った見世物が大ウケしまして……」
連はとうとう白状した……
「でも、おかしいわね? 宝物殿の中に無造作に置かれてるなんて? 毎日奇麗に掃除しているのよ?」
「ルナ? どうしたの? 顔色が悪いわよ?」
「な、な、な、なんでもないよ~……」
「あやしい……何か知ってるわね?」
「……だって~、掃除してたときにおっこどしちゃって……」
「直ぐに戻せば良いじゃないの、なんで戻さなかったの?」
「それは……説明書があって、絶対に燃えない服って書いてあったのよ!」
「それで?」
「それでね、本当に燃えないのか確かめようと思ったの!」
「何したの?」
「オムレットの炎で炙ってみたの」
「え! 炙った……それで、どうなったの?」
「燃えちゃった……」
「でもどういう事? 蓮くんも1着もってるのよね?」
「全部で5着あったから、4着拝借して実験したの……全部持って行ったらすぐにばれちゃうでしょ! だから4着持って行ったの、残した1着を蓮くんが見付けたのね! 実験はね、最初の衣が簡単に燃えちゃたから、おかしいなと思って次の衣も試したけど、同じだったわ、念の為にもう1着ためしたけど、やっぱりだめだったの、だからね、怖くなって止めたの!」
「ということは、もう1着は残ってるのね、どこにあるの?」
「どうせ、偽物だと思ったから、ゴミ捨て場に捨てたわ……」
「え~~~!」
「昨日、ゴミがたまってたから、焼却したわよ~~~!」
……
みんな慌ててゴミ捨て場へ……
「燃えちゃたかな?」
「一応さがそう!」
「そうだね!」
……
な、な、なんと服が燃えずに残ってました……
「凄いぞ、本物なんだぞ!」
「もしかしたら、全部本物だったのかな?」
「そうよ、火鼠の皮で作った物だもの、沢山あってもおかしくないわよ」
「火鼠って、そんなにいるの?」
「ネズミでしょ! 沢山いるのよ!」
「だだのネズミじないんだぞ!」
「でも、オムレットの炎で燃えちゃたよ!」
「オムレットって何なのよ? オムレットの炎が強力だったんじゃないの?」
「オムレットってやっぱりドラゴンなんじゃ?」
「もしドラゴンだったら、火鼠なんて、ひとたまりもないわよ!」
「……そうかもね」
「ルナ~~~お宝を3枚も燃やしちゃうなんて💢」
「ごめんなさ~い」
ルナはあっという間に逃げ去った。
「も~仕方ない娘ね……」
……
数日後、商人がやって来た。
『どうだ、依頼した火鼠の皮衣は見つかったか?』
「依頼された覚えは無いんだけどね……ま、火鼠の皮衣は見付けて来たわよ!」
「どれどれ、これが火鼠の皮衣なのか? 本物か?」
「あったりまえじゃないの~! 本物よ~~~!」
「それじゃ、本物かどうか確認するぞ……良いな!」
「い、い、いいわよ!」3枚の衣をオムレットの炎で燃やしてしまったルナは少しだけ動揺する……
「ただ燃やすだけでは面白く無いな~、そうだ! お前がこの衣を着ろ!」商人はニヤけながら、小枝に衣を着るよう、要求してきた……
「もしもの事があったら、どうするのよ! 私達、嫁入り前のか弱い女の子なのよ!」
さつきは、商人に文句を言ったが……
「あ~~~うるさいな~! 報酬を払わないぞ! あ! そうだ、お前が着るか?」と、受け付けない……
「……わかったわよ、私が着るわ!」
「さつきね~、ありがとう、でも大丈夫よ! 心配しないで!」
「でも~小枝、衣は燃えなくてもね、着ている人がどうなるか分からないのよ?」
りんはその事に今、気付いて動揺する……
「危険だ、小枝!」
ルナもかなえもその横でソワソワして、焦り出す……
「きゃー」……ルナは悲鳴を上げる……
「やばいんだぞ! 顔にキヅが付いたらお嫁に行けなくなる可能性もあるかもしれないんだぞ!」……かなえは、顔にキヅが付くことを心配しているが……そんなもんじゃすまないんだけどね……
……
「どうした~、小娘~! 怖いんだろ~!」
商人は、巫女達の反応を見て興奮ぎみに、ニヤついている……
「うわ~~~、何で興奮してるのよ~~~」
私は甲賀忍者だ、此の位では動揺しないわよ、それに、甲賀忍者秘伝の耐火薬を身体に塗っているから、少しくらいの炎には絶えられるはず、でも、ここは少し演技するべきかな?……
「きゃ~! やめて~! 怖~い!」
「そ、そうだろ~! 怖いだろ~! もっと喚け~!」
商人は興奮気味に、小枝を眺める……
「この変態め! 何、私の事みて興奮してるの? 本当にキモいわ! さっさと火を付けなさいよ……」
「強気でいられるのも今のうちだぞ、もっと命乞いしろ~!」
……暫くして
「……もう飽きたから、確認を始めるとするか……」
「💢あきた?……飽きたって、失礼なヤツ……散々私で楽しんでおいて、飽きたって……ムカつくわ!」
「それじゃ、火を付けるぞ!」張り付けにされ小枝を、足元から燃え上る炎が包み込む……
「な、な、なんで張り付けなのよ~? それに、すごい炎! これは流石に……熱風で...息が...苦しい……あれ?」小枝は炎に包まれながらも、不思議なことに気付く、まったく、熱を感じなく、呼吸も普通に出来たのだった……
「凄いわ、炎の中でも全然、息苦しくないし、熱くもないわ……それどころか、涼しいくらいよ!」
……
張り付け台は燃え尽き、崩れ落ちる……小枝は、忍者らしく、華麗に『スタッ!』と地面に着地する……
「凄いぞ! 本物だ! 約束の報酬を払おう!」
商人は、火鼠の皮衣を手に取り、満足気に眺める……
「小枝だ~~~! 無事で良かったよ~~~」
「顔にキヅはないぞ! 良かったぞ!」
「髪の毛の先端が燃えてるみたいだが、無事でよかった」
「小枝ね~」ルナは抱きついた……
「みんな心配してくれて有難う! 大丈夫よ!」
小枝の無事を確認した巫女達は、商人を睨みつける……
「今回はちゃんと払ってよね!」
「あ~~~、その顔も良いね~~~! ほれ、このバックに入ってる……」そう言うと、お金の入ったバックを放り投げる……
「あ!」……ルナは放り投げられたバックをダイビングキャチする。
「こらー! ちゃんと渡してよね~」
受け取ったバックを確認すると、お札が沢山入っていた……
「良かった~~~! これでお百姓さんにも賠償、出来るね~!」
「そうね! それじゃ~、火鼠の皮衣は返してもらいます!」
さつきは、商人から衣を取り上げた……
「な、なにをする、これは私の物だ!」
「いいえ、この衣は返してもらいます!」
「それなら、報酬はなしだ!」
「それはだめよ! 報酬は勝負に勝った事に対してのお金でしょう!」
「それなら、衣を金で買う、買わせろ!」
「いいえ、それもだめよ! 非売品で~す!」
巫女達は、商人を担ぎ上げ運び出す……
「もう来るな~! 出入り禁止なんだからね~」
商人は巫女達に担ぎ上げられながらも、ニヤニヤして喜んでいる……
「何ニヤニヤしてるのよ~、キモイ!」
……境内の外へ放り出した。
「おぼえてろよ~! また来るからな~~~」
商人は捨て台詞を吐いて、帰っていった。
「あの商人、なんか楽しんでない?」
「私もそう思うわ……また来そうだね」
「塩まいときましょう!」
……つづく
う~、今の私達には良いお話なのですが……
……
「どうだ? やるか? やるだろ~! な~! って感じで、相変わらず横柄な態度で私達、巫女に挑戦状を叩きつけて来たのです……
「キー! むかつくわね~! 受けて立ってやるわよ~~~! そのかわり、今回はお金を払って行ってもらうからね!」
ルナはどうも、この商人とは相性が合わないらしい……『キー』って言っちゃてるし、ルナ落ち着いて……
「ルナ~~~、まずは内容を確認しないと~~~!」
「あ! いけない……」気づいたみたいね……
「そんな事より、早く教えなさいよ、今回の勝負の内容は?」
「聞いて驚け! 今回は『火鼠の皮衣』を探してもらうぞ! 有余は1週間だ!」
「厳しくない? 昔の人だって数ヶ月は探してたわよ」
「良い表情だ! そういう顔が見たかったんだ!」
「いやらしいわね……変態!」
……
「火鼠の皮衣」は唐土にあると言われる宝物で、火にくべても決して燃えず、汚れだけが焼け落ちて炎の中で輝きを放つという、竹取物語でかぐや姫が結婚を求めて来た、阿部の右大臣に対して、要求したプレゼントです。
……
「またかよ~! 無理だろ~? そんなのあるわけない」
「有余は1ヶ月だって!」
「少ないな……」
「最初は1週間って言ってたのよ」
「あれは変態だぞ、私達を困らせて楽しんでるんだぞ?」
「そうよね、私が困ってる所みて、喜んでたもん……」
「……キモ!」
……
「『火鼠の皮衣』か~、『龍の頸の玉』なら宝物殿にあるんだけどね……」
「そうなのか? かぐや姫が大伴御行の大納言に取りに行かせたという、あの『龍の頸の玉』が、鷲宮神社の宝物殿に?……まじか、だけど本物なのか?」
「多分ね……」
「『火鼠の皮衣』も探せば出てくるんじゃない?」
「あるかもね~!」
……
巫女達は宝物殿に集まり、『火鼠の皮衣』を探す……
「宝物が沢山あるわね~、探すの大変そうね」
「ね~姉さま~、この皿はなに?」
「それはカッパの皿ね」
「そうなんだ」
「ルナ! 衣を探すのよ」ルナは、カッパの皿を『ポイ』って投げた……
「それじゃ、これは?」
「それは、『天女の羽衣』よ、よく見て、火には弱そうでしょう」
「そうね!」ルナは『ポイ』って投げた……
「これなんか凄いんだぞ!」かなえは『天狗の隠れ蓑』を見つけて、それを羽織って姿を消した……
「何処に居るのか、探して見るんだぞ!」
ルナは近くにあった天狗の団扇を軽く振った……
「きゃ~」強風に吹き飛ばされ、かなえの姿は表れる……
「かなえ、見~つけた!」
「なにするんだぞ、それはズルいんだぞ!」
「こら! 2人とも遊んでないで、早く探して!」
「ごめんなさいなんだぞ!」かなえとルナはそれぞれ、蓑と団扇を『ポイ』って投げた……
「何だこの武器は? 剣なのか? 槍なのか? 凄く格好良いな!」
「比比羅木之八尋矛ね、ヤマトタケルの武器よ!」
「格好良いいな! ちょとだけ振ってもいいか?」
「だめよ、りん! 遊んでる暇はないわ、早く火鼠の皮衣を探して!」
「わかったよ!」りんは『ポイ』って矛を投げた……
「きゃ~! 危ないな、りん💢」
りんの投げた矛は、小枝のすぐ近くにの床に突き刺さった……
「ごめん、ごめん」
「も~! りんは危ないんだから気お付けてよね……それよりも、私も見つけたよ、これ凄いんですけど! ギリシャ火薬の製造方法が書かれた巻物よ! 見てもいいかな?」
……
ギリシャ火薬とは、東ローマ帝国で開発された火薬で、海面燃え、水をかけると更に燃え上る伝説の火薬、その製法は門外不出の技術だったため、帝国が滅亡すると、技術が継承されずに途絶えてしまったロストテクノロジーだ……
……
「ね~、見ても良いよね~! 私が使う甲賀流忍術の火薬よりも凄いのかな~?」
「だめよ小枝! 早く火鼠の皮衣を探して!」
「……わかったわよ! 暫くお預けね……」
その後も沢山の宝物が出て来たが、お目当ての火鼠の皮衣は見つからなかった。
……
「どうしよう……火鼠の皮衣が見つからないわ」
「『龍の頸の玉』を連くんに売りましょう……」
「良いのか?」
「本物かどうかも分からないけど、大丈夫よ、売っちゃいましょう!」
「連くんに連絡して!」
……1週間がすぎた。
「凄いわ! ギリシャ火薬! この爆発力は危険ね!」小枝はギリシャ火薬の復元に成功していて、実験を繰り返している……
「お久しぶりです! 凄い爆発ですねー!」
「連くん! みんな待ってたわよ!」
「ルナさんから連絡をもらい、直ぐに駆け付けたかったんですが、今回、浅草での公演が大盛況でして……遅くなってしまいました。ごめんなさい……それで皆さんはどちらに?」
「宝物殿に居るから行ってみて!」
……
「もう、疲れたよ~! 見つからないね~」
火鼠の皮衣を探して1週間……『ロンギヌスの槍』や『エヴァラックの盾』、『イージスの盾』なんかが色々と出て来たが、お目当ての火鼠の皮衣は見つからなかった……「もうやだよ~~~!」
……
「ルナさん! どうしました? 大声だして?」
「あ! 連くん!」
「皆さん、今日はケーキを持って来ましたよ! 食べながらお話しましょう」
……
「美味し~~~い!」
「こんなの初めてだ、美味いな!」
「すごいんだぞ! ほっぺがおちちゃうぞ!」
「紅茶ともすごく合いますね! 美味しい! 小枝は何処に居るの? ケーキ無くなっちゃうよ、誰か呼んで来て」
りん、かなえ、ルナは自分のケーキは食べ終ったが小枝の分のケーキを見てヨダレを垂らす……
「食べたらダメよ!」
……
「私のケーキは~~~?」
「ごめんなんだぞ! でも美味しかったぞ!」
「小枝、ご馳走さま、美味かった!」
「小枝ね~! 美味しかったよ!」
「……」
「あなた達~~~! あやまりなさい!」
「……ゆ、ゆるせない! 新型爆弾の餌食になれ~~~!」懐から爆弾を取り出して、投げ付けようとしている小枝をさつきが慌てて止めた……
「小枝さん、大丈夫ですよ、安心してください、まだありますよ、ケーキ!」
「本当~に! ありがとう~連くん!」小枝もケーキの美味しさに、メロメロになった……
「美味ひ~~~い!」
……
「そんな事があったんですか、大変でしたね……」
突然、中国の商人がやって来て、勝負を挑まれてツチノコを探した事、オムレットが大活躍した事、そして今回も、勝負を挑まれて、『火鼠の皮衣』を探している事を話した。
「連くん? どうしたの? 顔色が悪いわよ?」
「い、いいえ、大丈夫です……」
「ね~、連くんは『火鼠の皮衣』の事、知らない?」
「……は、は、ははは……知りません」
「何か怪しいわね~、なにか知ってるわね?」
「ルナさん……あ、は、ははは……」連は、ルナに勘ぐられて焦り始めた……
「今の内よ、白状しなさい」
「……ごめんなさい、僕が『火鼠の皮衣』持ってます。この前、鷲宮神社へ来たときに宝物殿に、無造作に置かれているのを見掛けまして……つい、出来心でした。ごめんなさい……実は今、浅草での公演が大盛況で成功しているのは、『火鼠の皮衣』を使った見世物が大ウケしまして……」
連はとうとう白状した……
「でも、おかしいわね? 宝物殿の中に無造作に置かれてるなんて? 毎日奇麗に掃除しているのよ?」
「ルナ? どうしたの? 顔色が悪いわよ?」
「な、な、な、なんでもないよ~……」
「あやしい……何か知ってるわね?」
「……だって~、掃除してたときにおっこどしちゃって……」
「直ぐに戻せば良いじゃないの、なんで戻さなかったの?」
「それは……説明書があって、絶対に燃えない服って書いてあったのよ!」
「それで?」
「それでね、本当に燃えないのか確かめようと思ったの!」
「何したの?」
「オムレットの炎で炙ってみたの」
「え! 炙った……それで、どうなったの?」
「燃えちゃった……」
「でもどういう事? 蓮くんも1着もってるのよね?」
「全部で5着あったから、4着拝借して実験したの……全部持って行ったらすぐにばれちゃうでしょ! だから4着持って行ったの、残した1着を蓮くんが見付けたのね! 実験はね、最初の衣が簡単に燃えちゃたから、おかしいなと思って次の衣も試したけど、同じだったわ、念の為にもう1着ためしたけど、やっぱりだめだったの、だからね、怖くなって止めたの!」
「ということは、もう1着は残ってるのね、どこにあるの?」
「どうせ、偽物だと思ったから、ゴミ捨て場に捨てたわ……」
「え~~~!」
「昨日、ゴミがたまってたから、焼却したわよ~~~!」
……
みんな慌ててゴミ捨て場へ……
「燃えちゃたかな?」
「一応さがそう!」
「そうだね!」
……
な、な、なんと服が燃えずに残ってました……
「凄いぞ、本物なんだぞ!」
「もしかしたら、全部本物だったのかな?」
「そうよ、火鼠の皮で作った物だもの、沢山あってもおかしくないわよ」
「火鼠って、そんなにいるの?」
「ネズミでしょ! 沢山いるのよ!」
「だだのネズミじないんだぞ!」
「でも、オムレットの炎で燃えちゃたよ!」
「オムレットって何なのよ? オムレットの炎が強力だったんじゃないの?」
「オムレットってやっぱりドラゴンなんじゃ?」
「もしドラゴンだったら、火鼠なんて、ひとたまりもないわよ!」
「……そうかもね」
「ルナ~~~お宝を3枚も燃やしちゃうなんて💢」
「ごめんなさ~い」
ルナはあっという間に逃げ去った。
「も~仕方ない娘ね……」
……
数日後、商人がやって来た。
『どうだ、依頼した火鼠の皮衣は見つかったか?』
「依頼された覚えは無いんだけどね……ま、火鼠の皮衣は見付けて来たわよ!」
「どれどれ、これが火鼠の皮衣なのか? 本物か?」
「あったりまえじゃないの~! 本物よ~~~!」
「それじゃ、本物かどうか確認するぞ……良いな!」
「い、い、いいわよ!」3枚の衣をオムレットの炎で燃やしてしまったルナは少しだけ動揺する……
「ただ燃やすだけでは面白く無いな~、そうだ! お前がこの衣を着ろ!」商人はニヤけながら、小枝に衣を着るよう、要求してきた……
「もしもの事があったら、どうするのよ! 私達、嫁入り前のか弱い女の子なのよ!」
さつきは、商人に文句を言ったが……
「あ~~~うるさいな~! 報酬を払わないぞ! あ! そうだ、お前が着るか?」と、受け付けない……
「……わかったわよ、私が着るわ!」
「さつきね~、ありがとう、でも大丈夫よ! 心配しないで!」
「でも~小枝、衣は燃えなくてもね、着ている人がどうなるか分からないのよ?」
りんはその事に今、気付いて動揺する……
「危険だ、小枝!」
ルナもかなえもその横でソワソワして、焦り出す……
「きゃー」……ルナは悲鳴を上げる……
「やばいんだぞ! 顔にキヅが付いたらお嫁に行けなくなる可能性もあるかもしれないんだぞ!」……かなえは、顔にキヅが付くことを心配しているが……そんなもんじゃすまないんだけどね……
……
「どうした~、小娘~! 怖いんだろ~!」
商人は、巫女達の反応を見て興奮ぎみに、ニヤついている……
「うわ~~~、何で興奮してるのよ~~~」
私は甲賀忍者だ、此の位では動揺しないわよ、それに、甲賀忍者秘伝の耐火薬を身体に塗っているから、少しくらいの炎には絶えられるはず、でも、ここは少し演技するべきかな?……
「きゃ~! やめて~! 怖~い!」
「そ、そうだろ~! 怖いだろ~! もっと喚け~!」
商人は興奮気味に、小枝を眺める……
「この変態め! 何、私の事みて興奮してるの? 本当にキモいわ! さっさと火を付けなさいよ……」
「強気でいられるのも今のうちだぞ、もっと命乞いしろ~!」
……暫くして
「……もう飽きたから、確認を始めるとするか……」
「💢あきた?……飽きたって、失礼なヤツ……散々私で楽しんでおいて、飽きたって……ムカつくわ!」
「それじゃ、火を付けるぞ!」張り付けにされ小枝を、足元から燃え上る炎が包み込む……
「な、な、なんで張り付けなのよ~? それに、すごい炎! これは流石に……熱風で...息が...苦しい……あれ?」小枝は炎に包まれながらも、不思議なことに気付く、まったく、熱を感じなく、呼吸も普通に出来たのだった……
「凄いわ、炎の中でも全然、息苦しくないし、熱くもないわ……それどころか、涼しいくらいよ!」
……
張り付け台は燃え尽き、崩れ落ちる……小枝は、忍者らしく、華麗に『スタッ!』と地面に着地する……
「凄いぞ! 本物だ! 約束の報酬を払おう!」
商人は、火鼠の皮衣を手に取り、満足気に眺める……
「小枝だ~~~! 無事で良かったよ~~~」
「顔にキヅはないぞ! 良かったぞ!」
「髪の毛の先端が燃えてるみたいだが、無事でよかった」
「小枝ね~」ルナは抱きついた……
「みんな心配してくれて有難う! 大丈夫よ!」
小枝の無事を確認した巫女達は、商人を睨みつける……
「今回はちゃんと払ってよね!」
「あ~~~、その顔も良いね~~~! ほれ、このバックに入ってる……」そう言うと、お金の入ったバックを放り投げる……
「あ!」……ルナは放り投げられたバックをダイビングキャチする。
「こらー! ちゃんと渡してよね~」
受け取ったバックを確認すると、お札が沢山入っていた……
「良かった~~~! これでお百姓さんにも賠償、出来るね~!」
「そうね! それじゃ~、火鼠の皮衣は返してもらいます!」
さつきは、商人から衣を取り上げた……
「な、なにをする、これは私の物だ!」
「いいえ、この衣は返してもらいます!」
「それなら、報酬はなしだ!」
「それはだめよ! 報酬は勝負に勝った事に対してのお金でしょう!」
「それなら、衣を金で買う、買わせろ!」
「いいえ、それもだめよ! 非売品で~す!」
巫女達は、商人を担ぎ上げ運び出す……
「もう来るな~! 出入り禁止なんだからね~」
商人は巫女達に担ぎ上げられながらも、ニヤニヤして喜んでいる……
「何ニヤニヤしてるのよ~、キモイ!」
……境内の外へ放り出した。
「おぼえてろよ~! また来るからな~~~」
商人は捨て台詞を吐いて、帰っていった。
「あの商人、なんか楽しんでない?」
「私もそう思うわ……また来そうだね」
「塩まいときましょう!」
……つづく
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お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
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戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
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クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
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