チェンジ

tomo

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ようこそ

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僕は近藤祐一(こんどうゆういち)、大学3年の21才である。
付き合って半年の彼女がいるが、この前にいった合コンで知り合った人と良い関係になってきている。
今日は別れてもらうための話をしようと思っているが、彼女は当然そんな気はないのだから、どう話せばいいか憂鬱でならない。
最近会うたびにタイミングを考えているから、態度の違いを彼女も気づいているかも知れない。向こうから切り出してくれれば楽なのだろうが、彼女にしても言いたくはないのだろう。今日こそはと思いながら待ち合わせ場所への途中、勢いよく走る車を見ながら、彼女が事故にあって『死んでしまえばいいのに』と考えた瞬間、目の前が真っ白になった。

「ようこそ!」
40代と思われる男性が声をかけてきた、
何がなんだかわからず、身体を起こして周りをみてみると、そこには3人の知らない人たちがいた。
最初に声をかけてきた40代くらいの男性、僕と同じくらいの20代の女性、そして70代くらいと思われる女性である。

「ここはどこなんですか」
すると先ほど声をかけてきた40代と思われる男性が説明してくれた。
「よくわからない。ひとつ言えることは、この様な4人の部屋がいくつもあって、人が頻繁に入れ替わっている。」
まったく意味のわからない話である、
「どういうことですか。」
すると、70代くらいの女性が話し始めた。
その女性は他の人たちより少し長くここにいるらしい。
ここは日頃生きている中で、他人のことを『死んでしまえばいいのに』と思ったときに、飛ばされてくる場所らしい。
建物の外に出ることもできないし、窓もないので、どこなのかもわからない。食事は毎日決まった時間に運ばれてくるが、運んでくるのは人ではなく、キッチンの横にある小さなエレベーターが開いて受け取るだけのようだ。そのエレベーターも下からきているのか、上からなのかもわからない。全くここの情報をつかむ手立てがない。
なのに、なぜここが人に殺意(死)を抱いた人が来る場所だとわかったのだろう。
しかも僕は、誰かに殺意をもった記憶がないし、ここの人たちはどんな殺意をもって、ここに来ることになったのだろう。

「どうして、ここがそういう場所だと言えるのですか。」
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