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祭りだ!大騒ぎだ

激突 VSフラワー姫親衛騎士団

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「見えた!」

 敵の本陣だ。
あそこにリーダーがいる。
 リーダーだけを狙うのは無理なようだ。
リーダーを守る陣形を組んでいた。


 強引に突破すれば、こちらがやられる。
地道に行こう。

「行くぞ!」

 急降下し、攻撃を仕掛けた。
敵の陣形を突っ切り、ウィングブレードで攻撃する。
 二脚戦車たちは左右に分かれ、回避しようとしていた。
ウィングブレードの存在は普通に知れ渡っている。警戒されているのは当たり前だ。

「でも、もっと距離を取った方がいいと思うよ。FA3!ブレード展開!」

 FA3のブレードは伸びる。それが彼らの回避を狂わせた。
逃げ遅れた二脚戦車、二機を横一閃にした。


 もう一度ウィングブレードを使った攻撃を試みてみたが、今度は全員に避けられてしまった。
やっぱり二連続同じ攻撃は通用しないか。

「たぶんこの人たちはクランの中の精鋭なんだろうね。さっきの回避も見事だったし」

なら次はこうしよう。


 さっきの攻撃で陣形から外れてしまった三機を狙う。
近づけさせないために銃を乱射しているが、彼らが持つMMマンイーターの威力ではネオアイアンは貫けない。
 銃弾は無視、上空から強襲し、一機を一刀両断。
残りの二機は銃撃から近接戦闘に切り替え、斧を振り回してきたが、それを躱して背後に回り込んだ。


 頭部を掴み、二脚戦車を持ち上げる。
ブースターとスラスターを併用すれば、それぐらいできる。
 天高くまで持ち上げると、ブースターとスラスターで加速しながら急降下し、地表近くまで到達したら、頭を離し地面に落とした。
この勢いで、落ちればロボットでも無事ではいられない。


「次!」

 警告音が鳴った。後ろからの攻撃か。
バック宙し、攻撃を躱した。
 攻撃の正体は鉄球だ。
ただの鉄球ではなく鎖が付いている。フレイルだ。
引き戻される前に、鎖を掴む。


 綱引きのような形になったが、パワーはこちらの方が上。
小型機と中型機では出力が違うのだ。勝負にはならない。
 フレイルの持ち手は機体の一体化しているため、放すことはできず、そのまま引き寄せることができた。
近づいてたそいつはフレイルの鉄球を使い、撃墜した。


「くっ!数が多い。リーダーに近づけない」

 何機かの撃墜には成功したが、そんなの意味はない。
リーダーをやらないと。
 その焦りはミスを生んだ。
ウェンディーの手足に鎖が巻き付き、拘束されてしまった。

「これぐらい!」

 スラスターとブースターで拘束をしている者ごと上空に飛ぼうとしたけどできなかった。


「こんな時に」

 エアロダイトからの風が止まっている。
同時にブースターの推進剤も空になった。
 終わってたまるか。
まだ内蔵のバッテリーがある。FA3はまだ戦える。


 そのためには鎖をどうにかしないと。
今までの戦闘でハルバードの刃は刃こぼれしている。
このままじゃ断ち切ることはできない。直そう。

「ポーションミスト散布」

 FA3の口が開き、そこからポーションを霧状にした物を噴射させた。
ポーションには生体金属を再生させる力がある。刃こぼれ程度なら一瞬で修復できる。
同じく生体金属で出来ている関節部も戦闘前の状態まで戻った。


 鎖をハルバードで断ち切った。これで自由だ。
手始めに一番近い機体を倒そう。丁度一機、走ってきている。
 こちらがもう飛べないのは明白だから、トドメを刺そうと思っているんだろう。

「空から落ちれば、シルフィード・ファルシュはただの的だと思った?甘いね」

 通常のファルシュの脚はただの姿勢制御用のバランサー。歩くことぐらいはできるが走れない。
走ることで掛かる負荷に耐えることができないからだ。
しかし、FA3は違う。ちゃんと走れるように改造してある。これもネオアイアンの強度のおかげだ。


 走って近づく僕に呆気を取られたのか、二脚戦車の反応が遅い。
もう避けれるタイミングではないので、二脚戦車は盾で防ごうと構えたが、それごと叩き潰した。
ぞろぞろと近づいてきていた他の二脚戦車の動きが止まった。

「今宵のハルバードは血に飢えている。覚悟しろ」

 誰も聞いてないから、ちょっとカッコつけてみた。
……恥ずかしい。二度と言わない。コネコのが移ったのかな。


 ハルバードを使い、精一杯戦ったが、FA3はもうボロボロだ。
ネアアイアン製の装甲でも、集中攻撃を受けてしまえば、こうなってしまう。

「お願いだよFA3。もう少し頑張ってくれよ」

 致命的な一撃を貰わないように、立ち回ってきたが、遂に右足にフレイルが命中し、破壊されてしまった。
片足では立っていられず、地面に倒れた。

「来た!」

 もう抵抗できないと思ったのか、隠れていた敵のリーダーが姿を現した。
 これが最後のチャンス。
ハルバードをリーダー目掛けて投擲した。
 ハルバードは一直線に飛んでいく。リーダーは反応できていない。
正直、これで決まったと思った。


 しかし、敵の一機がハルバードの射線上に入り、身を挺してリーダーを守った。
その機体は撃墜できたが、リーダーは無傷だ。
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