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風吹く星よ
曲者
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渡航制限が解除され、多くのプレイヤーがエンジ島に来たことで島は大いに賑わっている。
特に工場は24時間稼働し続けており、一週間先まで予約で埋まっていた。
BSゴルゴンに参加できなかったことを恨んで、絡んでくるプレイヤーもいたが、そういうプレイヤーは問答無用で島から強制退去。
僕らと島主がズブズブに繋がっているのは、明らかなのにそれが分からず、好き放題する馬鹿には痛い目を見てもらっている。
もっとも、そういうプレイヤーは少ない。
ヴィンディスのプレイヤーの民度は全ての星の中で上位と言われている。
何故なら、大半の悪質なプレイヤーは革命の時に追放されたからだ。
新規プレイヤーには混ざっているが、古参にはそういうプレイヤーは少ない。
最初に見せしめで何人か退去させたおかげで、後に続くプレイヤーのお行儀が良くなった。
退去させられたプレイヤーは一カ月ぐらい、入島できなくなる。
その間、工場が使用できなくなるのは大きな痛手になるのだ。
騒いだり、誰かに絡んだりする程度なら退去で済ませられるが、永久追放させられたプレイヤーもいる。
フレスヴェルグの設計図を盗むために、工場に侵入を試みたプレイヤーだ。
データがある工場の管理室に到達する前に、警備を委託しているシノビックニンジャーが捕らえた。
彼らはとても優秀な忍者だった。
彼らの目を逃れて管理室に到達したしても、プロテクトが掛かっているから、コピーは不可能だ。
記録装置ごと盗もうとしても、無理やり取り外そうとした瞬間、トラップが発動するようになっている。
それを回避しても、記録装置が取り外されたら、中のデータが破壊されるようになっているので、どうあがいてもデータは盗めない。
工場に不法侵入を試みた者はシノビックニンジャーが全員捕らえた。
不法侵入者はエンジ島から永久追放され、二度とエンジ島の地を踏むことはできない。
彼らは金銭で解除してもらおうとしたが、今のところ、解除する予定はない。自業自得だ。
「殿!お疲れ様です」
「だから、殿はやめて」
工場に行くと、ハンゾーさんがどこからともなく現れた。
ハンゾーさんはシノビックニンジャーのリーダー、忍び頭と呼ばれている。
ハンゾーさんの忍者歴は長く、20年以上忍者をしている。
現実の職業も忍者らしく、超有名なテーマパークで観光客相手に忍者ショーをしているそうだ。
「今度、遊びに来てね」と割引招待券を束で貰った。
シノビックニンジャーの操縦技能以外のプレイヤースキルは高い。
別のゲームだけど、終騎士の大会では常に好成績を収めているのだ。
なのに、中堅なのは彼らが汚い手段を好まないから。
上に行くには裏切りや賄賂、闇討ちや八百長などのダーティープレイが必要になるが、彼らはそれをしないのだ。忍者なのに。
実は裏では汚い真似をしていないか、ゲニンを作る前にちゃんと調べてある。
クマイチローさんほどじゃないが、僕にもそれぐらいの検索能力はある。
結果、本当にクリーンだった。
疑ってごめんなさい。
「ゲニンの調子はどう?」
「最高です!あれこそが我らの理想。殿のおかげです」
「それは良かった。で、僕の仲間がこんなのを考案したんだ。見てくれる?」
「これは!」
ハンゾーさんにユラさんが考えた新武装プランを見せた。
忍者っぽさを意識して考えられた忍具セットだ。
「素晴らしいですが、まだまだです。忍具としてはまだ使えませんね。改良点が多いです」
「僕らは忍者に詳しくないですから。どう改良すればいいんですか?」
ハンゾーさんだけじゃなくて、他のシノビックニンジャーのメンバーにもアドバイスを求めた。
完成したら、ちゃんとシノビックニンジャーにも渡すつもりだ。
不法侵入者が現れたのは工場だけじゃない。
僕らの離れ島に不法侵入しようと企む者もいた。
だけど、そいつらは実行に移す前に捕らえられて、島から追放されている。
シノビックニンジャーは本当に有能だ。
有能すぎて、せっかく作った【曲者捕らえるくん】【曲者ビリビリくん】【曲者見逃さないくん】が活躍の機会を失っている。
見逃さないくんは生命力レーダー、生物ならこのレーダーから逃れることはできない。
捕らえるくんは見つけた曲者を捕縛するとりもちだ。
最後にビリビリくんで感電させて、完全に動けなくする。
他にも特製の防犯グッズがあるのに。
誰か来ないかな。
そう思っていたら、面倒なのが引っ掛かった。
どれも見ない顔だ。プレイヤーじゃないし、エンジ島の住人ではない。
正直に言うと、捕まえるのならプレイヤーが良かった。
プレイヤーなら、毒の実験に使えたのに。
軽く尋問してみたが、こいつらは何も吐かなかった。
装備も本格的で、どう見てもプロだ。
吐かせるためにその強靭な精神力を削る。
コネコグロテスク作品ルームにご招待しよう。
慣れた僕でもあそこにはあまり入りたくない。
耐性がない人がいきなり入ったら、面白いぐらい精神力が削れるだろう。
特に工場は24時間稼働し続けており、一週間先まで予約で埋まっていた。
BSゴルゴンに参加できなかったことを恨んで、絡んでくるプレイヤーもいたが、そういうプレイヤーは問答無用で島から強制退去。
僕らと島主がズブズブに繋がっているのは、明らかなのにそれが分からず、好き放題する馬鹿には痛い目を見てもらっている。
もっとも、そういうプレイヤーは少ない。
ヴィンディスのプレイヤーの民度は全ての星の中で上位と言われている。
何故なら、大半の悪質なプレイヤーは革命の時に追放されたからだ。
新規プレイヤーには混ざっているが、古参にはそういうプレイヤーは少ない。
最初に見せしめで何人か退去させたおかげで、後に続くプレイヤーのお行儀が良くなった。
退去させられたプレイヤーは一カ月ぐらい、入島できなくなる。
その間、工場が使用できなくなるのは大きな痛手になるのだ。
騒いだり、誰かに絡んだりする程度なら退去で済ませられるが、永久追放させられたプレイヤーもいる。
フレスヴェルグの設計図を盗むために、工場に侵入を試みたプレイヤーだ。
データがある工場の管理室に到達する前に、警備を委託しているシノビックニンジャーが捕らえた。
彼らはとても優秀な忍者だった。
彼らの目を逃れて管理室に到達したしても、プロテクトが掛かっているから、コピーは不可能だ。
記録装置ごと盗もうとしても、無理やり取り外そうとした瞬間、トラップが発動するようになっている。
それを回避しても、記録装置が取り外されたら、中のデータが破壊されるようになっているので、どうあがいてもデータは盗めない。
工場に不法侵入を試みた者はシノビックニンジャーが全員捕らえた。
不法侵入者はエンジ島から永久追放され、二度とエンジ島の地を踏むことはできない。
彼らは金銭で解除してもらおうとしたが、今のところ、解除する予定はない。自業自得だ。
「殿!お疲れ様です」
「だから、殿はやめて」
工場に行くと、ハンゾーさんがどこからともなく現れた。
ハンゾーさんはシノビックニンジャーのリーダー、忍び頭と呼ばれている。
ハンゾーさんの忍者歴は長く、20年以上忍者をしている。
現実の職業も忍者らしく、超有名なテーマパークで観光客相手に忍者ショーをしているそうだ。
「今度、遊びに来てね」と割引招待券を束で貰った。
シノビックニンジャーの操縦技能以外のプレイヤースキルは高い。
別のゲームだけど、終騎士の大会では常に好成績を収めているのだ。
なのに、中堅なのは彼らが汚い手段を好まないから。
上に行くには裏切りや賄賂、闇討ちや八百長などのダーティープレイが必要になるが、彼らはそれをしないのだ。忍者なのに。
実は裏では汚い真似をしていないか、ゲニンを作る前にちゃんと調べてある。
クマイチローさんほどじゃないが、僕にもそれぐらいの検索能力はある。
結果、本当にクリーンだった。
疑ってごめんなさい。
「ゲニンの調子はどう?」
「最高です!あれこそが我らの理想。殿のおかげです」
「それは良かった。で、僕の仲間がこんなのを考案したんだ。見てくれる?」
「これは!」
ハンゾーさんにユラさんが考えた新武装プランを見せた。
忍者っぽさを意識して考えられた忍具セットだ。
「素晴らしいですが、まだまだです。忍具としてはまだ使えませんね。改良点が多いです」
「僕らは忍者に詳しくないですから。どう改良すればいいんですか?」
ハンゾーさんだけじゃなくて、他のシノビックニンジャーのメンバーにもアドバイスを求めた。
完成したら、ちゃんとシノビックニンジャーにも渡すつもりだ。
不法侵入者が現れたのは工場だけじゃない。
僕らの離れ島に不法侵入しようと企む者もいた。
だけど、そいつらは実行に移す前に捕らえられて、島から追放されている。
シノビックニンジャーは本当に有能だ。
有能すぎて、せっかく作った【曲者捕らえるくん】【曲者ビリビリくん】【曲者見逃さないくん】が活躍の機会を失っている。
見逃さないくんは生命力レーダー、生物ならこのレーダーから逃れることはできない。
捕らえるくんは見つけた曲者を捕縛するとりもちだ。
最後にビリビリくんで感電させて、完全に動けなくする。
他にも特製の防犯グッズがあるのに。
誰か来ないかな。
そう思っていたら、面倒なのが引っ掛かった。
どれも見ない顔だ。プレイヤーじゃないし、エンジ島の住人ではない。
正直に言うと、捕まえるのならプレイヤーが良かった。
プレイヤーなら、毒の実験に使えたのに。
軽く尋問してみたが、こいつらは何も吐かなかった。
装備も本格的で、どう見てもプロだ。
吐かせるためにその強靭な精神力を削る。
コネコグロテスク作品ルームにご招待しよう。
慣れた僕でもあそこにはあまり入りたくない。
耐性がない人がいきなり入ったら、面白いぐらい精神力が削れるだろう。
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