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風吹く星よ
第三のバックパック
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◇時は少し遡り スワロ視点
マイグラントから密かに出撃した。
搭乗しているのはウェンディーFAF。
バックパックはニュートラルでもゲイムでもない。
シーカーパック。僕のお気に入りの装備だ。
このバックパックは戦闘用じゃなく、武装は最低限しか取り付けていない。
だけど、問題はない。今回の目的は空魔の調査、戦闘ではないのだ。
調査において、このパック以上に適した物はない。
うかつに接近すると、空魔を目覚めさせる危険がある。
細心の注意を払い、接近する。
空魔の姿が見えてきた。
エアロダイトを切り、バッテリー駆動に切り替える。
スラスターも使えなくなるが、このバックパックはライフストリーム式のブースターを装備してあるから、飛行は継続できる。
エアロダイトを切った理由は隠密性を高めるため。
空魔はエアロダイトの活性化反応を察知するそうだ。
「ここまで来れば十分。始めよう」
勿論、攻撃はしない。そんなことをすれば、空魔を起こしてしまう。
ファルシュに乗っているが、空魔の攻撃を避ける自信はない。
空魔の攻撃を避けるにはあるマニューバーの習得が必要になる。
空魔の荷電粒子砲とかまいたちを想定したマニューバーだ。
近衛隊が空魔の攻撃を鮮やかに躱していたのはあのマニューバーのおかげだ。
これの習得が近衛隊入隊の最低条件の一つらしい。
やり方はヴィニアちゃんに教えてもらったけど、実戦での使用は練習中。
取得難度は上の下ぐらい。
空魔との戦闘は滅多に起こらないため、使えなくても問題はない。
近衛隊を除くと、NPCでも使える人は少なく、プレイヤーだと使用できるのは一握りしかいない。
はにーさんとかがその一握りだ。
近衛隊の入隊条件になるマニューバーはもう一つあり、そちらは対ファルシュ用のマニューバーだ。
こっちは使える人が多い。
そっちはヴィニアちゃんの指導でぎこちないながらも、できるようになっていた。
「さあ、出番だよ。シーカーズ!」
バックパックから12機のドローン、シーカーズが射出された。
これがシーカーパックの装備、シーカーズだ。
元となったのは大会で使用したドローンだ。
それに改良を加え、稼働可能時間の増加と飛行が可能になった。
シーカーズには多種多様な観測装置を装備してある。
あちこちを飛び回り、情報を集めることが可能だ。
シーカーパックはシーカーズを運用に特化したバックパックだ。
調査中に敵に見つかる危険を避けるために、ブースターはライフストリーム式。
シーカーズとの長距離通信が可能な高出力のアンテナが装備してある。
FAFのモニターに12機のシーカーズの観測結果が表示される。
その全てに目を通す。観測データは膨大だが、これぐらいなら頭の中で処理できる。
これぐらい出来なきゃ、青葉さんに叱られてしまう。
空魔の体は巨大だ。
12機がかりでも、全身をくまなく見て回るのに時間が掛かる。
空魔の皮膚はそんなに硬くない。
ぷよぷよしていた。
ただし、強い衝撃を加わると硬化するようで、傷をつけるのは難しいみたいだ。
ダイラタンシーみたいな物だろうか?
皮膚には水分も多く含まれているようで、熱による攻撃は大して効果がないのかもしれない。
あれだけのミサイルの直撃を受けたのに関わらず、健在なのも頷ける。
「弱点はないな」
まさに鉄壁の防御力。
高威力の兵器でしかダメージを与えることは困難なようだ。
円盤も調べる。
空魔はここと口から荷電粒子砲を発射していた。
威力は口からよりも円盤からの方から発射したものの方が威力は高い。
円盤の構成物は不明だが、反応は生体金属に近い。
削って持って帰りたかったが、そんなことをすれば、空魔が目覚めるかもしれないので、やめておいた。
それに硬くて、シーカーズでは削れそうにない。
「そろそろ帰ろうかな」
一通りの調査は終了。
これ以上、得られるものはなさそうだ。
シーカーズに帰還命令を送る。
「なんだ、あれは?」
FAFへ帰還中のシーカーズが新たな物を発見した。
穴だ。かなり深いようで、底が見えない。
「おかしいな。さっきはなかったと思うんだけど」
早速、一機を穴の中に突入させる。
穴の中は意外に暗くなく、奥まで降下していっても、ライトは必要なかった。
光源があるらしい。
穴の底に到達。
カメラが映し出したのは、青い肉壁だった。
肉壁を調べさせようとしたら、突如、シーカーズからの通信が途絶えた。
妨害電波の類は出ていない。現に他のシーカーズからの通信はそのままだ。
破壊された感じはしなかった。
もう一度、穴にシーカーズを突入させようと、別のシーカーズを向かわせたが、穴が消えていた。
マイグラントから密かに出撃した。
搭乗しているのはウェンディーFAF。
バックパックはニュートラルでもゲイムでもない。
シーカーパック。僕のお気に入りの装備だ。
このバックパックは戦闘用じゃなく、武装は最低限しか取り付けていない。
だけど、問題はない。今回の目的は空魔の調査、戦闘ではないのだ。
調査において、このパック以上に適した物はない。
うかつに接近すると、空魔を目覚めさせる危険がある。
細心の注意を払い、接近する。
空魔の姿が見えてきた。
エアロダイトを切り、バッテリー駆動に切り替える。
スラスターも使えなくなるが、このバックパックはライフストリーム式のブースターを装備してあるから、飛行は継続できる。
エアロダイトを切った理由は隠密性を高めるため。
空魔はエアロダイトの活性化反応を察知するそうだ。
「ここまで来れば十分。始めよう」
勿論、攻撃はしない。そんなことをすれば、空魔を起こしてしまう。
ファルシュに乗っているが、空魔の攻撃を避ける自信はない。
空魔の攻撃を避けるにはあるマニューバーの習得が必要になる。
空魔の荷電粒子砲とかまいたちを想定したマニューバーだ。
近衛隊が空魔の攻撃を鮮やかに躱していたのはあのマニューバーのおかげだ。
これの習得が近衛隊入隊の最低条件の一つらしい。
やり方はヴィニアちゃんに教えてもらったけど、実戦での使用は練習中。
取得難度は上の下ぐらい。
空魔との戦闘は滅多に起こらないため、使えなくても問題はない。
近衛隊を除くと、NPCでも使える人は少なく、プレイヤーだと使用できるのは一握りしかいない。
はにーさんとかがその一握りだ。
近衛隊の入隊条件になるマニューバーはもう一つあり、そちらは対ファルシュ用のマニューバーだ。
こっちは使える人が多い。
そっちはヴィニアちゃんの指導でぎこちないながらも、できるようになっていた。
「さあ、出番だよ。シーカーズ!」
バックパックから12機のドローン、シーカーズが射出された。
これがシーカーパックの装備、シーカーズだ。
元となったのは大会で使用したドローンだ。
それに改良を加え、稼働可能時間の増加と飛行が可能になった。
シーカーズには多種多様な観測装置を装備してある。
あちこちを飛び回り、情報を集めることが可能だ。
シーカーパックはシーカーズを運用に特化したバックパックだ。
調査中に敵に見つかる危険を避けるために、ブースターはライフストリーム式。
シーカーズとの長距離通信が可能な高出力のアンテナが装備してある。
FAFのモニターに12機のシーカーズの観測結果が表示される。
その全てに目を通す。観測データは膨大だが、これぐらいなら頭の中で処理できる。
これぐらい出来なきゃ、青葉さんに叱られてしまう。
空魔の体は巨大だ。
12機がかりでも、全身をくまなく見て回るのに時間が掛かる。
空魔の皮膚はそんなに硬くない。
ぷよぷよしていた。
ただし、強い衝撃を加わると硬化するようで、傷をつけるのは難しいみたいだ。
ダイラタンシーみたいな物だろうか?
皮膚には水分も多く含まれているようで、熱による攻撃は大して効果がないのかもしれない。
あれだけのミサイルの直撃を受けたのに関わらず、健在なのも頷ける。
「弱点はないな」
まさに鉄壁の防御力。
高威力の兵器でしかダメージを与えることは困難なようだ。
円盤も調べる。
空魔はここと口から荷電粒子砲を発射していた。
威力は口からよりも円盤からの方から発射したものの方が威力は高い。
円盤の構成物は不明だが、反応は生体金属に近い。
削って持って帰りたかったが、そんなことをすれば、空魔が目覚めるかもしれないので、やめておいた。
それに硬くて、シーカーズでは削れそうにない。
「そろそろ帰ろうかな」
一通りの調査は終了。
これ以上、得られるものはなさそうだ。
シーカーズに帰還命令を送る。
「なんだ、あれは?」
FAFへ帰還中のシーカーズが新たな物を発見した。
穴だ。かなり深いようで、底が見えない。
「おかしいな。さっきはなかったと思うんだけど」
早速、一機を穴の中に突入させる。
穴の中は意外に暗くなく、奥まで降下していっても、ライトは必要なかった。
光源があるらしい。
穴の底に到達。
カメラが映し出したのは、青い肉壁だった。
肉壁を調べさせようとしたら、突如、シーカーズからの通信が途絶えた。
妨害電波の類は出ていない。現に他のシーカーズからの通信はそのままだ。
破壊された感じはしなかった。
もう一度、穴にシーカーズを突入させようと、別のシーカーズを向かわせたが、穴が消えていた。
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