神様project・異世界もチートも欲しくない！ 欲しいのは女神様だけ！！

七曜神の独尊な愛＋火曜【８７話～１２６話【～１４０話】

腕のその先へ！！

   ――高鳴りが止まらない……。

   ちょっとしたスキンシップで愛を高めた二人だが、翠はあまりのドキドキに結愛に腕を伸ばしてはそのまま抱き締める。
   一生感じることが出来ぬ温もりだと思っていた翠は少しだけ涙を流しては、暖かな愛をくれる結愛の頭を撫でる。
   
 「泣いてるの？」

   突然の涙に結愛は心配そうにするも、心配は要らないと翠は微笑んで返す。
   嬉しいから泣くのだから不安にならなくて良いんだよ、と結愛が不安にならないように大好きな頭を撫でられるのを何度も与え続ける。
   女神様が与えてくれた温もりは翠に愛を教えてくれた、その対価を払うことができる唯一の手段が頭を撫でて愛を返す事なのだ。

 「俺はさ……女性に縁がないと思ってた。 モテなくてこの先もずっと独りなのかって思うと苦しくて……。 でも、一度の不運の死が幸運を呼び寄せてくれたのは奇跡なんじゃないかって。」

 「私もね……ううんっ、聖奈も天音も、その他の皆だって翠が頑張り屋って知ってるもの。 だから好きよ！！ ちゃんと努力は誰かが見てる。 報われないものだってこの世にはあるかもしれないけど、諦めないでやればきっと何かに繋がるし、結果がついてくるのよ。」

   結愛も涙の理由を理解するも、これからは寂しい思いをしなくて良いと翠の頭を逆に撫でてあげる。
   抱き合うだけの温もり以外の暖かさが頭に伝わると、翠は嬉しくなってそのままゴロンと結愛を抱き締めたまま寝転がるのだ。



















   ――二人の心はひとつになって……。

   お互い嬉しくなって恥ずかしくても見つめ合うと、翠は結愛の首に腕を回してはキスをする。
   結愛だって何度もされてるのに恥ずかしくても頬を染めるも小さな舌は翠を求めようと貪欲に翠に絡み付く。

 「んっ……む……。」

 「ちゅっ、はむ……んっ、ぷはぁ。」

   翠の心が大きく揺らいでは壊れそうな程に傾いているのがわかり、これ以上キスしたり愛し合うと元の世界に帰りたいという気持ちが無くなってしまうという事が心の底から這い上がってくる。
   しかし、ここに居続けても女神様が元の世界の歴史を改竄し、翠が元々生まれてこなかったという記憶を皆に植え付けることも可能だということも思いだし、そちらの思考の方が前者の思考をどんどん破壊してゆく。
   どうせみんなの記憶から抜けて行くのなら、永遠に女神様と愛し合うのも悪くないと思いながら、蕩けるようなキスに溺れて行くのであった。