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第三章・都市部
詰みました あわれな自分に 救いなし?
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――なんということでしょう……。
薬草の三つの納品を依頼されたアルマはとりあえず都市部の出口の方まで来ていたのだが、これまた緊急事態が発生したのだ。
腹立だしいことこの上無いものであり、完璧にナメられたものだとアルマは頭に青筋が何本も浮かべて死相をバリバリと出しながら、都市部の警備隊にメンチを切り続ける。
「い、いやぁ……だから、都市部の外に出るのならある程度強い武器を持ってこなきゃ危ないよ。 木の剣なんて頼りない。」
「うるせぇっ、余計なお世話だっ! この木の剣は俺の相棒なんだよ……アイラブ、ウッドソード!」
相棒も愛棒も良くわからないがアルマの嫉妬の声が都市部の出口に響き渡り、警備の人は困ってしまう。
確かにアルマの頭上には警備隊や運営などにしか見ることのできないクエストの発注が見えており、アルマは薬草を採取するために都市部から出ようとしているのだが、木の剣を未だに装備しながらここまで来るプレイヤーは初めてなのだ。
大抵は強い武器を手に入れたなら、木の剣は当然の事ながら用済みであるために、既に武器屋では木の剣は売却する人が大半なのだから。
仮に売却を忘れていたとしても、チケットで手に入れた装備で絶対的に冒険したくなるのは当たり前だろう。
「福引きチケットで武器を引いただろう? それで良いじゃないか?」
「はぁ……もういいよ。」
アルマは心の底から這い上がる憎しみと悲しみでとてもいっぱいだった。
この感情を例えるならきっと、なけなしの大金をつぎ込んでまで爆死した人の気持ちがわかるかもしれない。
アルマは何百億の資金を持つ資産家であるから、欲しい武器や装備にアイテムなどは出るまで回し続けられるのだから爆死などはからない気持ちであったが、今のアルマは他人のレアな装備が羨ましかった。
――あれさえあれば……。
アルマはまた商店街の方へと駆け出すと何か思い付いたかのように一目散に走り出す。
そして……。
――ここだったか……。
アルマは武器屋の扉を開けるとやはり冒険者は何人もいており、武器の新調だの売却だので忙しい。
――別に恥じることはないのだ。
アルマもまた木の剣を売却しに来たのだと思えば何の苦にもならないし、無心でこの場を過ごしてしまえばそこまでだと武器屋のお姉さんに話しかける。
「これを売りたいんだけど。」
「はいよっ、木の剣だね? 五十ゴールドだよ。」
木の剣を手渡すと五十ゴールドを受け取ったアルマだが、店の奥にはおびただしい数の木の剣が何百本とも立て掛けられているではないか。
あれがまた新規ユーザーの使い回しになろうとは思わないが、地味にリアルなものを見せつけられて複雑な気分である。
さて、木の剣を売却お金を握りしめては次は果物屋に行ってみようと歩みを速める。
「確かここ。」
果物屋には神樹カルヴァドスから採れた祝福されたリンゴなどがズラッと並んでおり、果物屋と呼ぶよりはリンゴ屋に改名した方が良さそうな程である。
予断たが、全体の九割の商品はリンゴだが残りの一割は普通に果物である。
「おっと、お客さんだね。 いらっしゃい。」
「あ、あぁ……えーっと、パイナップルが欲しいんだけど。」
棚の奥に鎮座している抱えるほど大きなパイナップルがドンッとひときわ目につく。
リンゴだらけのこの店に入って、第二に目が入らないほどの圧倒的存在感のパイナップルをアルマはどうしようというのか。
「パイナップルか、五十ゴールドだよ。」
「あぁ。」
五十ゴールドを手渡しパイナップルを受けとると、インベントリにしまってはまたさっそうと駆け出す。
実のところを言うと果物屋に入ったのは初めてであり前回のアカウントでは、神剣カルヴァドスを持っていたために毎ターン自動で回復するのだから、回復アイテムのリンゴは不必要だったためである。
初めての果物屋だったが特にどうと言う感想は無く、序盤でリンゴを買い込む辺りくらいしか冒険者だって活用しない。
後に宝箱だの敵からのドロップ、他人から貰うわでインベントリがパンパンでむしろ棄てなきゃアイテム所持数の圧迫に繋がる。
課金して容量を大きく出来ないプレイヤーにとってはリンゴは頼もしくも不必要なものとなる。
「さてと、パイナップルも手に入ったし……少しだけやるかな。」
アルマはそこら辺のベンチに座っては眠るように瞳を閉じる。
頭上にはプレイヤーが操作していない状態の【離席】と言う文字が浮かび上がっており、これが見えるプレイヤーは操作している人が何らかの用事で席を外している意味になる。
当たり前のようだがこの世界はオンラインゲームであり、他人と協力しあってクリアしてナンボのものであるから勝手に抜けると迷惑がかかるために、みんなに知らせられるようにこのようなシステムまであるようだ。
たまにアクションという決められた動きやポーズをした状態で離席している人もいるが、その動きは何かと滑稽なのは内緒。
現に今もアルマはベンチ専用アクション【考えるヒューマン】のポーズで座っている。
腕を曲げ拳を顎に、何かを考えたようなポーズでそのまま硬直する……と言うものだ。
――これでいいか?
数分後アルマはむっくりと立ち上がっては、都市部の出入り口の壁を見つめる。
モンスターの侵入を防ぐための壁であり、あのタイラントグリズリーがどれ程攻撃しようが傷ひとつ付かない特殊な素材で出来ている壁である。
「ちょっとだけ乱数とかを改竄してきたが……うーむ。」
出られないものは仕方ないとはいえ魔王アルマとの約束を破ってしまったようで何かばつが悪そうな表情をするアルマは、力なくため息をついた。
でもよくよく考えれば自分の力で来て欲しいというならばステータスの改竄さえしなければ大丈夫だと、謎の理論で自分を納得させる。
「出来るかな?」
人気のない路地を見つけては辺りをキョロキョロ見渡して安全確認をする。
冗談じゃないが今からバグを意図的に発生させるのだから、それが見つかったのならあの少女にまたアカウント凍結処置を食らわせかねない。
前回は慈悲の心でアカウント凍結処置だったのだが、もし今回発覚したのなら現実での裁判沙汰や永久アカウント凍結処置なんてことも考えられ、そうなったら魔王様と一生会えなくなるバッドエンドに繋がりかねないため、だからこそ一つ一つの作業を確実にやらなくてはならない。
「よ、よし……行くぞ! パイナップルはオートで装備したな!」
食べ物や果物はサブの装備であり体力の減少や状態異常時に、自動で使ってくれる便利なものである。
ただ……。
「ゲーム内では装備扱いだけど……いやはや、現実としてなるなら手荷物だぞ。」
パイナップルを抱え込むアルマだがそんなことを気にしていたらこの先何もやっていけない。
意を決しては、壁に全力疾走するアルマ。
「おぉおおおおぉぉっ!! ぬぅ……パイナポォオッ!!」
壁にぶち当たる瞬間に後ろを向いては速度を維持し、そのままジャンプアクション……からのパイナップルを投てき武器として活用し、空中に投げつけた!
体に変な感覚を覚えるがどうやら壁抜けバグは大成功である。
しかしお金も武器も何も持ってないアルマは、あまりモンスターとのエンカウントや無意味な戦闘にあまり荷担して負傷することなど許されない。
「いてて、途中半端にめり込まなくて良かったな……。 たまに失敗して処理落ちする人もいるみたいだし、この感覚で処理落ちなんて考えたくねぇ。」
土ぼこりをパンパンと払うい身だしなみを整えると、まずは薬草のためにそこら辺の平原へと旅立つ。
なるべく穏便に手早く……をモットーに頑張るアルマであった。
薬草の三つの納品を依頼されたアルマはとりあえず都市部の出口の方まで来ていたのだが、これまた緊急事態が発生したのだ。
腹立だしいことこの上無いものであり、完璧にナメられたものだとアルマは頭に青筋が何本も浮かべて死相をバリバリと出しながら、都市部の警備隊にメンチを切り続ける。
「い、いやぁ……だから、都市部の外に出るのならある程度強い武器を持ってこなきゃ危ないよ。 木の剣なんて頼りない。」
「うるせぇっ、余計なお世話だっ! この木の剣は俺の相棒なんだよ……アイラブ、ウッドソード!」
相棒も愛棒も良くわからないがアルマの嫉妬の声が都市部の出口に響き渡り、警備の人は困ってしまう。
確かにアルマの頭上には警備隊や運営などにしか見ることのできないクエストの発注が見えており、アルマは薬草を採取するために都市部から出ようとしているのだが、木の剣を未だに装備しながらここまで来るプレイヤーは初めてなのだ。
大抵は強い武器を手に入れたなら、木の剣は当然の事ながら用済みであるために、既に武器屋では木の剣は売却する人が大半なのだから。
仮に売却を忘れていたとしても、チケットで手に入れた装備で絶対的に冒険したくなるのは当たり前だろう。
「福引きチケットで武器を引いただろう? それで良いじゃないか?」
「はぁ……もういいよ。」
アルマは心の底から這い上がる憎しみと悲しみでとてもいっぱいだった。
この感情を例えるならきっと、なけなしの大金をつぎ込んでまで爆死した人の気持ちがわかるかもしれない。
アルマは何百億の資金を持つ資産家であるから、欲しい武器や装備にアイテムなどは出るまで回し続けられるのだから爆死などはからない気持ちであったが、今のアルマは他人のレアな装備が羨ましかった。
――あれさえあれば……。
アルマはまた商店街の方へと駆け出すと何か思い付いたかのように一目散に走り出す。
そして……。
――ここだったか……。
アルマは武器屋の扉を開けるとやはり冒険者は何人もいており、武器の新調だの売却だので忙しい。
――別に恥じることはないのだ。
アルマもまた木の剣を売却しに来たのだと思えば何の苦にもならないし、無心でこの場を過ごしてしまえばそこまでだと武器屋のお姉さんに話しかける。
「これを売りたいんだけど。」
「はいよっ、木の剣だね? 五十ゴールドだよ。」
木の剣を手渡すと五十ゴールドを受け取ったアルマだが、店の奥にはおびただしい数の木の剣が何百本とも立て掛けられているではないか。
あれがまた新規ユーザーの使い回しになろうとは思わないが、地味にリアルなものを見せつけられて複雑な気分である。
さて、木の剣を売却お金を握りしめては次は果物屋に行ってみようと歩みを速める。
「確かここ。」
果物屋には神樹カルヴァドスから採れた祝福されたリンゴなどがズラッと並んでおり、果物屋と呼ぶよりはリンゴ屋に改名した方が良さそうな程である。
予断たが、全体の九割の商品はリンゴだが残りの一割は普通に果物である。
「おっと、お客さんだね。 いらっしゃい。」
「あ、あぁ……えーっと、パイナップルが欲しいんだけど。」
棚の奥に鎮座している抱えるほど大きなパイナップルがドンッとひときわ目につく。
リンゴだらけのこの店に入って、第二に目が入らないほどの圧倒的存在感のパイナップルをアルマはどうしようというのか。
「パイナップルか、五十ゴールドだよ。」
「あぁ。」
五十ゴールドを手渡しパイナップルを受けとると、インベントリにしまってはまたさっそうと駆け出す。
実のところを言うと果物屋に入ったのは初めてであり前回のアカウントでは、神剣カルヴァドスを持っていたために毎ターン自動で回復するのだから、回復アイテムのリンゴは不必要だったためである。
初めての果物屋だったが特にどうと言う感想は無く、序盤でリンゴを買い込む辺りくらいしか冒険者だって活用しない。
後に宝箱だの敵からのドロップ、他人から貰うわでインベントリがパンパンでむしろ棄てなきゃアイテム所持数の圧迫に繋がる。
課金して容量を大きく出来ないプレイヤーにとってはリンゴは頼もしくも不必要なものとなる。
「さてと、パイナップルも手に入ったし……少しだけやるかな。」
アルマはそこら辺のベンチに座っては眠るように瞳を閉じる。
頭上にはプレイヤーが操作していない状態の【離席】と言う文字が浮かび上がっており、これが見えるプレイヤーは操作している人が何らかの用事で席を外している意味になる。
当たり前のようだがこの世界はオンラインゲームであり、他人と協力しあってクリアしてナンボのものであるから勝手に抜けると迷惑がかかるために、みんなに知らせられるようにこのようなシステムまであるようだ。
たまにアクションという決められた動きやポーズをした状態で離席している人もいるが、その動きは何かと滑稽なのは内緒。
現に今もアルマはベンチ専用アクション【考えるヒューマン】のポーズで座っている。
腕を曲げ拳を顎に、何かを考えたようなポーズでそのまま硬直する……と言うものだ。
――これでいいか?
数分後アルマはむっくりと立ち上がっては、都市部の出入り口の壁を見つめる。
モンスターの侵入を防ぐための壁であり、あのタイラントグリズリーがどれ程攻撃しようが傷ひとつ付かない特殊な素材で出来ている壁である。
「ちょっとだけ乱数とかを改竄してきたが……うーむ。」
出られないものは仕方ないとはいえ魔王アルマとの約束を破ってしまったようで何かばつが悪そうな表情をするアルマは、力なくため息をついた。
でもよくよく考えれば自分の力で来て欲しいというならばステータスの改竄さえしなければ大丈夫だと、謎の理論で自分を納得させる。
「出来るかな?」
人気のない路地を見つけては辺りをキョロキョロ見渡して安全確認をする。
冗談じゃないが今からバグを意図的に発生させるのだから、それが見つかったのならあの少女にまたアカウント凍結処置を食らわせかねない。
前回は慈悲の心でアカウント凍結処置だったのだが、もし今回発覚したのなら現実での裁判沙汰や永久アカウント凍結処置なんてことも考えられ、そうなったら魔王様と一生会えなくなるバッドエンドに繋がりかねないため、だからこそ一つ一つの作業を確実にやらなくてはならない。
「よ、よし……行くぞ! パイナップルはオートで装備したな!」
食べ物や果物はサブの装備であり体力の減少や状態異常時に、自動で使ってくれる便利なものである。
ただ……。
「ゲーム内では装備扱いだけど……いやはや、現実としてなるなら手荷物だぞ。」
パイナップルを抱え込むアルマだがそんなことを気にしていたらこの先何もやっていけない。
意を決しては、壁に全力疾走するアルマ。
「おぉおおおおぉぉっ!! ぬぅ……パイナポォオッ!!」
壁にぶち当たる瞬間に後ろを向いては速度を維持し、そのままジャンプアクション……からのパイナップルを投てき武器として活用し、空中に投げつけた!
体に変な感覚を覚えるがどうやら壁抜けバグは大成功である。
しかしお金も武器も何も持ってないアルマは、あまりモンスターとのエンカウントや無意味な戦闘にあまり荷担して負傷することなど許されない。
「いてて、途中半端にめり込まなくて良かったな……。 たまに失敗して処理落ちする人もいるみたいだし、この感覚で処理落ちなんて考えたくねぇ。」
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