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第三章・都市部
お先真っ暗あんだーぐらうんど
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――急がなくては。
アルマは都市部から出ようと警戒はしていたものの、警備が薄いためか目を盗んではコッソリと脱出を試みる。
案外すんなり行けるもので、出てしまえばこっちのものだと確信したアルマは次なる目的地へと急ぐのである。
都市部より北に存在する地下洞窟であり、港の方面へと繋がっているため第二章のメインチャプターへのひとつの通過点なのである。
港の船からリスト島を出て、さらに大きな都市部のある島へと移動する。
リスト島はとても小さく、都市部だって他の都市部に比べると小さすぎるものだ。
「さてと、北はどっちだっけな?」
アルマは空を見つめると東から登りかけた太陽は方角を示してくれる。
これを頼りに移動するならば平原を越えたところの岩場に地下への洞窟があるのだ。
しかし、ひとつ注意点があるとすれば洞窟内は薄暗くてモンスターもウジャウジャ存在するため安全とは言えないし、より強いモンスターだって居るのだから回復アイテムや強い装備は当然必須である。
まぁ、薬草採取にストーンラットの討伐を終えたのなら運営から配られるガチャチケットでもう少し装備は強化できたりするためここで苦戦することはほぼ無いと思う。
レベルが上がらず、武器や防具の補正も受けられないアルマ以外は……。
「まぁ、敵とエンカウントしなければ良い話だからな。」
辺りを見渡すと同じストーリーのプレイヤー同士も地下洞窟を目指す人で溢れかえっており、道に迷うことはないしゆっくり自分のペースで進めば良いと牛歩のごとく歩き続けること二時間。
ひときわ岩場に見えるポッカリと空いた穴の地下洞窟は全てを飲み込まんと、入り口からは空気の流れが空洞内に響いては唸り声のような風音がアルマの心を乱す。
ゲームで聴くよりずーっとリアルなその音は逆に不安もあるなかで、冒険心を書き立てるのはやはり男の定めというものか、涼しげな地下洞窟へと一歩を踏み出した。
【リスト・ケイブ】
正式に言うなればこの地下洞窟はリスト・ケイブと呼ばれているようで、直訳するとリスト洞窟なのは言わずもがな。
「はぁー、涼しいぜぇ。」
日光の当たらない地下は当然涼しい。
……が、天井を見るとケイブ・タランチュラと呼ばれるこの洞窟名物の蜘蛛が、赤い目を光らせながら四つの瞳でプレイヤー側を見つめては、天井に張り付いている。
現実世界で十㎝もある蜘蛛を見たなら誰だって気味が悪いと思うかもしれないが、ケイブ・タランチュラは二メートルもあるから気味が悪いと言うよりむしろキモいとしか思えず、天井を見たなら最後、身の毛もよだつ蜘蛛を見ることになるだろう。
「ゲーム内だとそう思わないが、こうしてみると……見たくもなければ戦いたくもないな。」
なるべく天井は見ないようにしているも、怖いもの見たさという好奇心は恐ろしい。
それは解っていたとしても逃れられない宿命。
そもそも好奇心は猫を殺すとも呼ばれているが、猫は命を九つ持っているため容易に死なないと言われていても、さすがに好奇心の塊の猫だって好奇心のせいであっさり死ぬとイギリスのことわざにあるくらいなのだ。
ちなみにアルマは人間でもちろん命はひとつしかないし、体力も一しか無いのだから猫以下としか言い様のないアルマ。
「あんなのが落下してきたら心臓発作モノだな。」
本来のエンカウトは天井から落下してきてはバトルに突入するのだが、アルマにとっては落下してきた衝撃で死にかねないし、二メートルもある蜘蛛が覆い被さって来たならば、それこそまさに心臓発作が出てもおかしくはない。
なるべく目を合わせないように、音を出さないようにスタスタと急いで通り抜けようと早足になる。
「まぁ、俺のエンカウントは他のプレイヤーと違って特殊だから敵と遭遇するのも自由だからな。」
いざとなればがむしゃらに逃げることだって可能なのだから、たかだか大きな蜘蛛ごときでビビっても男が廃るだけ。
とは言え、見るに耐えないデカさはキモさを倍増させているのには違いはない。
「幸いにも糸を張らない蜘蛛の種類で助かるよなぁ。 これで糸を使う蜘蛛なら絶望モノだわ。 心肺停止ってな。」
全長二キロメートルにも及ぶリスト・ケイブは、このゲームの歴史ではとても大昔に溶岩によって作られたものらしく、どうやら溶岩の通り道のようだ。
このような洞窟は、溶岩洞や溶岩チューブとも呼ばれて現実の世界の至るところに存在して、あまつさえ月の裏側にも超大規模なこのタイプの洞窟があるようだ。
「なら、この冷えた地面は元々は溶岩なのか。 すっげぇ固くなってるぜ?」
ドロドロの溶岩も冷えてしまえば可愛いもので、ここらの地層は安山岩で形成されたもの。
「でも溶岩で出来たなら玄武岩の方が名前はカッコいいよな。 ……んっ?」
アルマは何か見つけたのか、洞窟の少し見えづらい所にあからさまな宝箱が設置されているのに気がついたアルマは、吸い込まれるように近寄る。
さすがに中身は知っているために、あとで売って金にすれば少しは足しになるとパカッと開ける。
「毒消しぃいっ!!」
小さな瓶に詰まった毒を消す栄養ドリンクなのだが、アルマは月額課金で状態異常無効のジュースを使っているため意味はない。
蜘蛛との戦闘で不運にも毒状態になってしまったプレイヤーの救済なのだろうし、さすがに最初の章でまさか毒に侵されるなどとも思いもよらないだろうから、ここに運営が置いておいたのだろう。
まだまだここだとレベル五が平均と言えど、体力の少ないプレイヤーにとって毒は驚異とも言え、すぐに体力も底を尽きるし、薬草や魔法で回復しようにも回数は限られる。
そして蜘蛛との戦闘も避けられないとなると、やはりこういうのも序盤では大切なのだと思い、大切にインベントリにしまう。
「でも、俺には必要ないけどね。」
でも、現実のお金で強化したプレイヤーには用済みであるから、売却コースの毒消しのドリンク。
「けどこれ、本当に大丈夫か? ラベルには栄養成分表記されてないし……どんな味するのかもわからないよな。」
生身のアルマだけが思える単純な思考なのだが、そこは深く考えたら負けのもの。
この世界でこうして生身のプレイヤーはたぶん彼だけなのだろうし、こんな馬鹿げた事を思うのもアルマだけだろうから運営もそこまで細かくこのドリンクを開発してないだろう。
栄養ドリンクのような小さな小瓶に毒消しの文字を入れただけの単純なラベル。
それだけで良いのだ。
「さてと、ここを抜ければ……ほら、ゴール。」
洞窟の出口から光が差してるのを見つめると一気に駆け出しては太陽の光とご対面し、寝起きのように体をグーンと伸ばしては気持ち良さそうに伸びる。
普通なら十回程度はエンカウントはする計算のこの地下洞窟で、一切の不戦勝のアルマは両手をグーにしては天に掲げ完全勝利を体で表してはキリッとした笑顔になる。
「やったぜ!」
洞窟の湿った空気より、緑が萌える草木から溢れる空気の方が断然美味しいと今一度胸いっぱいに空気を取り入れると、遠くに見据える港と海を目指してまたゆっくりと歩みを進める。
太陽が真上に来る頃には港に着くだろう。
ゲームとは違った実際の目で、あの港の賑やかさを体感したいと少し大興奮のアルマは次なる目的地のリスト港を目指して、疲労の溜まる脚に喝を入れながらもう一踏ん張り歩くことに。
アルマは都市部から出ようと警戒はしていたものの、警備が薄いためか目を盗んではコッソリと脱出を試みる。
案外すんなり行けるもので、出てしまえばこっちのものだと確信したアルマは次なる目的地へと急ぐのである。
都市部より北に存在する地下洞窟であり、港の方面へと繋がっているため第二章のメインチャプターへのひとつの通過点なのである。
港の船からリスト島を出て、さらに大きな都市部のある島へと移動する。
リスト島はとても小さく、都市部だって他の都市部に比べると小さすぎるものだ。
「さてと、北はどっちだっけな?」
アルマは空を見つめると東から登りかけた太陽は方角を示してくれる。
これを頼りに移動するならば平原を越えたところの岩場に地下への洞窟があるのだ。
しかし、ひとつ注意点があるとすれば洞窟内は薄暗くてモンスターもウジャウジャ存在するため安全とは言えないし、より強いモンスターだって居るのだから回復アイテムや強い装備は当然必須である。
まぁ、薬草採取にストーンラットの討伐を終えたのなら運営から配られるガチャチケットでもう少し装備は強化できたりするためここで苦戦することはほぼ無いと思う。
レベルが上がらず、武器や防具の補正も受けられないアルマ以外は……。
「まぁ、敵とエンカウントしなければ良い話だからな。」
辺りを見渡すと同じストーリーのプレイヤー同士も地下洞窟を目指す人で溢れかえっており、道に迷うことはないしゆっくり自分のペースで進めば良いと牛歩のごとく歩き続けること二時間。
ひときわ岩場に見えるポッカリと空いた穴の地下洞窟は全てを飲み込まんと、入り口からは空気の流れが空洞内に響いては唸り声のような風音がアルマの心を乱す。
ゲームで聴くよりずーっとリアルなその音は逆に不安もあるなかで、冒険心を書き立てるのはやはり男の定めというものか、涼しげな地下洞窟へと一歩を踏み出した。
【リスト・ケイブ】
正式に言うなればこの地下洞窟はリスト・ケイブと呼ばれているようで、直訳するとリスト洞窟なのは言わずもがな。
「はぁー、涼しいぜぇ。」
日光の当たらない地下は当然涼しい。
……が、天井を見るとケイブ・タランチュラと呼ばれるこの洞窟名物の蜘蛛が、赤い目を光らせながら四つの瞳でプレイヤー側を見つめては、天井に張り付いている。
現実世界で十㎝もある蜘蛛を見たなら誰だって気味が悪いと思うかもしれないが、ケイブ・タランチュラは二メートルもあるから気味が悪いと言うよりむしろキモいとしか思えず、天井を見たなら最後、身の毛もよだつ蜘蛛を見ることになるだろう。
「ゲーム内だとそう思わないが、こうしてみると……見たくもなければ戦いたくもないな。」
なるべく天井は見ないようにしているも、怖いもの見たさという好奇心は恐ろしい。
それは解っていたとしても逃れられない宿命。
そもそも好奇心は猫を殺すとも呼ばれているが、猫は命を九つ持っているため容易に死なないと言われていても、さすがに好奇心の塊の猫だって好奇心のせいであっさり死ぬとイギリスのことわざにあるくらいなのだ。
ちなみにアルマは人間でもちろん命はひとつしかないし、体力も一しか無いのだから猫以下としか言い様のないアルマ。
「あんなのが落下してきたら心臓発作モノだな。」
本来のエンカウトは天井から落下してきてはバトルに突入するのだが、アルマにとっては落下してきた衝撃で死にかねないし、二メートルもある蜘蛛が覆い被さって来たならば、それこそまさに心臓発作が出てもおかしくはない。
なるべく目を合わせないように、音を出さないようにスタスタと急いで通り抜けようと早足になる。
「まぁ、俺のエンカウントは他のプレイヤーと違って特殊だから敵と遭遇するのも自由だからな。」
いざとなればがむしゃらに逃げることだって可能なのだから、たかだか大きな蜘蛛ごときでビビっても男が廃るだけ。
とは言え、見るに耐えないデカさはキモさを倍増させているのには違いはない。
「幸いにも糸を張らない蜘蛛の種類で助かるよなぁ。 これで糸を使う蜘蛛なら絶望モノだわ。 心肺停止ってな。」
全長二キロメートルにも及ぶリスト・ケイブは、このゲームの歴史ではとても大昔に溶岩によって作られたものらしく、どうやら溶岩の通り道のようだ。
このような洞窟は、溶岩洞や溶岩チューブとも呼ばれて現実の世界の至るところに存在して、あまつさえ月の裏側にも超大規模なこのタイプの洞窟があるようだ。
「なら、この冷えた地面は元々は溶岩なのか。 すっげぇ固くなってるぜ?」
ドロドロの溶岩も冷えてしまえば可愛いもので、ここらの地層は安山岩で形成されたもの。
「でも溶岩で出来たなら玄武岩の方が名前はカッコいいよな。 ……んっ?」
アルマは何か見つけたのか、洞窟の少し見えづらい所にあからさまな宝箱が設置されているのに気がついたアルマは、吸い込まれるように近寄る。
さすがに中身は知っているために、あとで売って金にすれば少しは足しになるとパカッと開ける。
「毒消しぃいっ!!」
小さな瓶に詰まった毒を消す栄養ドリンクなのだが、アルマは月額課金で状態異常無効のジュースを使っているため意味はない。
蜘蛛との戦闘で不運にも毒状態になってしまったプレイヤーの救済なのだろうし、さすがに最初の章でまさか毒に侵されるなどとも思いもよらないだろうから、ここに運営が置いておいたのだろう。
まだまだここだとレベル五が平均と言えど、体力の少ないプレイヤーにとって毒は驚異とも言え、すぐに体力も底を尽きるし、薬草や魔法で回復しようにも回数は限られる。
そして蜘蛛との戦闘も避けられないとなると、やはりこういうのも序盤では大切なのだと思い、大切にインベントリにしまう。
「でも、俺には必要ないけどね。」
でも、現実のお金で強化したプレイヤーには用済みであるから、売却コースの毒消しのドリンク。
「けどこれ、本当に大丈夫か? ラベルには栄養成分表記されてないし……どんな味するのかもわからないよな。」
生身のアルマだけが思える単純な思考なのだが、そこは深く考えたら負けのもの。
この世界でこうして生身のプレイヤーはたぶん彼だけなのだろうし、こんな馬鹿げた事を思うのもアルマだけだろうから運営もそこまで細かくこのドリンクを開発してないだろう。
栄養ドリンクのような小さな小瓶に毒消しの文字を入れただけの単純なラベル。
それだけで良いのだ。
「さてと、ここを抜ければ……ほら、ゴール。」
洞窟の出口から光が差してるのを見つめると一気に駆け出しては太陽の光とご対面し、寝起きのように体をグーンと伸ばしては気持ち良さそうに伸びる。
普通なら十回程度はエンカウントはする計算のこの地下洞窟で、一切の不戦勝のアルマは両手をグーにしては天に掲げ完全勝利を体で表してはキリッとした笑顔になる。
「やったぜ!」
洞窟の湿った空気より、緑が萌える草木から溢れる空気の方が断然美味しいと今一度胸いっぱいに空気を取り入れると、遠くに見据える港と海を目指してまたゆっくりと歩みを進める。
太陽が真上に来る頃には港に着くだろう。
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