日々是成長・HDリマスター(本編の少し前のお話)

青衣

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8月28日

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8月28日。
ガッツリ行こうぜ!














   結構奮発したようで精肉店の袋を下げてはニンマリと笑みを浮かべる男が一人と、ニコニコと純粋な笑みで追いかける少女が一人。
   高級なお肉で今日はパーティという自分達の労いをするために焼き肉会をするようだ。

 「クックック……やべぇよ、奮発して買っちまったぜオイ!」

 「まぁったく、何て事をしてくれたんだいっ! オーゥ。」

   菊花はとても楽しみなようにクルッと一回転しては喜びを表す。
   魚より肉が大好きなお二人はこの日のために生きてると言っても過言じゃないくらいであるが、実際には肉も魚も両刀なのは内緒。
   そうこうしてる内に自宅へと到着すると、さっそく台所へと駆け寄るのは菊花。

   袋から出したのは何とも大きなお肉の塊であり、所々から骨が飛び出てるのだ。
   言わずもがなこれはスペアリブである。

 「よっしゃーぁっ、切るよ!」

 「お願いするぜ! こっちは焼く準備しておくからよ!」

   グリルの網をセットし火を着ける、直接火で炙ってワイルドに食うのがお二人の食い方である。
   男の玄弥はもちろんだが、女の子の菊花でも夜朧や時雨の人のように上品に食べることはあっても、ここは風見だし場所をわきまえないで自宅で食うなら野性味溢れるワイルドながっつきで頂くのが流儀。
   菊花は手頃な大きさに切り分けては熱した網の上で網焼きを楽しむ。

   もちろんだがあばら骨は見えて、原始人の肉のように見せかけるのがポイントである。
   こういうのは雰囲気が大切なのは誰だってハッキリわかるだろう。

   しばらくするといい香りが部屋を包み込み空腹の二人の腹の虫は一気に合唱を始めるほどであり、どれ程いい香りなのか見てわかる。

   「焼けたかな?」

   こんがりと焼けて美味しそうになったスペアリブをひっくり返して両面をまんべんなく焼いてゆく。
   多少の生焼けはあまり気にしないのか、菊花も自分の分もひっくり返しては、いい具合のレア加減で上機嫌。

 「この辺のレアが美味しそうっ!」

   至極ご満悦のご様子で二人は楽しみ、そして冷やしたビールに炊きたてのご飯のコンボがさらに食欲を沸き立てる。
   いい具合に焼けてくると、二人は手を合わせていただきますの一言を喋ると、飢えた獣のように食べては肉に米にビールの三種の神器を体に補給し、幸せも一緒に補給するのである。

   しかし、買いすぎて食べきれる量じゃなかったのだから、おすそわけも後にするのであった。














あばら骨とスペアリブ。
ワイルドに食うのが流儀なり!
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