日々是成長・HDリマスター(本編の少し前のお話)

８月３０日

８月３０日。
重大なものがあります。












   パソコンのディスプレイに表示されてる映像はとても美しくこの世のものとは思えないほどの映像を写し出している。
   それもそうだろう、これは恋が開発したゲームのプロモーションビデオなのだから現実味はなくて当たり前だが、グラフィックはとても高画質。

 「恋さん、これってもしかして……？」

   特別に先行で見させてもらってる恵麻は驚きが隠せない。
   本来この動画も十月の新作発表で使うものなのだが、どうしてもこのゲームのファンの一人でもある恵麻には見せたい気持ちが大きくて見せてしまったのだ。
   本来はいけないことだが、悔いはない。

 「えぇ、そうよ。 何を隠そうこれはコンフリクトの四作品目……コンフリクト４よ。」

 「たまりませんねぇ、圧倒的なグラフィックが綺麗で……。」

   一人称視点のFPSのゲームであり愛染地方でもかなりの人気を誇る超大作であり、なおも女性にも人気の層は確保できているため売り上げは一作品目から莫大な人気に比例して、三作品目に至っては社会現象を起こしたため品薄状態が何ヵ月も続いたほどだった。

 「今は恵麻だけにプロモーションするんだから他人に言うんじゃないわよ、ほら……これもあげるから。」

 「い、言いませんよ……けど、これはなんですか？」

   恵麻に手渡されたのは十二桁の数字や英語が並べられたものが記された紙なのだが、これは一体なんだろうか？

 「あー……これはコンフリクト４で扱えるゲームの特典のコードよ。 本来は雑誌の付録に添付するものだけど恵麻には特別にただであげるわ。」

   大したものじゃないと恋は手渡してくれるも、これも大切なプレゼントだと恵麻はお財布にしっかりとしまっておくことに。

 「プロモーション……宣伝や告知って意味だけど、まだまだ速すぎたようね。」

   恋は天井を見上げるもニッコリと微笑んでは恵麻を見つめる。
   発売日までしばらく期間はあるし、一般の映像公開までも時間はある。
   だから恋はまたバグを見つけたりデバッグで忙しい日々が続くが、これも生き甲斐だし仕事だと思うと楽しくて仕方がない。

 「私も楽しみですよ。」

   恵麻も一人のファンとしてこれからも応援はするし支持もする。
   ゲームで培う友情などは時としてとても強いものを生み出す。
   その力こそが金曜の都市愛染の力となり発展に繋がるのだと恋は今日もゲームを作り続けるのであった。














新作は誰でもワクワクドキドキする。
だけど今はまだ秘密にしておいて……。