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9月3日
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9月3日。
憎くはないけど贈り物。
桃子のかなり遅めな帰省バカンスは終わりを迎えつつあり、今日で岩動に戻っては業務を再開するとの事。
別に愛染地方の隣こそが岩動地方なので多少は離れていても土曜の力を受けることはできるも、さすがにしばらく神社に居すぎたと言うわけで帰ることに。
「はぁ……楽しかったし、ゆっくり休めたわ……。」
キャリーバッグを淡い紫色のポータルに放り込むと荷物だけは先に自室へ送り込み、ここからは愛染駅からじっくりと岩動駅まで長旅しつつ戻るのだそう。
「また来てねーっ!」
「寂しくなったらいつでも来なさいっ! あ、あと温泉のチケットも忘れるんじゃあ無いわよ!」
巫女の結愛も神主の菊花も相変わらずだが、桃子は今一度ニコッと微笑んでは縁側から翔び去っては少しだけ名残惜しいのか鳥居を一回クルッと跨いでは駅方面へと消えてゆく。
二人とも桃子の笑顔をほとんど見ないのか、ボーッと頬を染めつつ放心していたようだ。
「桃子って笑うんだね。」
「あんな表情するのね、驚いたわ。」
二人はお見送りが終わって縁側から再びいつもの畳の部屋に戻ると、そこにはさっきまで無かったはずの段ボールが一箱置いてあり、添付されている置き手紙の差出人を見るとどうやら桃子からのお礼のプレゼントのようである。
かなりの重量はあるらしく、これは期待できるとまたしても二人は顔を見合わせる。
「何が入ってるのかしらね?」
「えいっ!」
手紙の内容文などそっちのけで段ボールの封をしてるガムテープを引き剥がすと、そこには大量の塩飴が詰まっていおり数にして千五百個から二千個はあるみたいで、全てが同じ【陽光塩飴】なのだ。
確かに海はきれいで七刻で賄われてる塩の全ては陽光産のものであるが、それは余談。
「うわぁ……何これ。」
「いっぱい食わされた……わね。 いや、いっぱい食わされる、の間違いかしら?」
結愛に至っては誰が上手いことを言えと言ったかは知らないが、塩飴をひとつ口に放り込んでは甘じょっぱさを堪能している。
菊花も食べているが、こちとらパチンコの景品で同じものは何百と食ってきているのであまり気乗りしない様子で、気になっていた未読の手紙に手を伸ばし読んでみる。
「桃子の手紙には、発注ミスで千袋頼んだのに桁がひとつ多くて一万袋届いたみたいだから、百袋ほど置いて行くって。」
「敵に塩を贈るって感じ? 何にせよ貰えるものは貰っておくけど、これはあんまりだわ。」
まだまだたくさんある塩飴に埋もれつつも彼女達の戦いはまだまだ続くのであり、桃子はこれを隠しの監視カメラで見つめては智美とハイタッチして、ニヤニヤとモニターを見て喜んでいたそうな。
やはり桃子と智美は似た同士でありイタズラも好きではあるが、後に智美は神社にやって来て飴を全て回収したのち、夜朧で綿飴に加工して無償で配っていたそうである。
何事にも限度はあるが、桃子の置き土産は気に入ってもらえただろうか?
結局は智美の炎で綿飴になりました。
憎くはないけど贈り物。
桃子のかなり遅めな帰省バカンスは終わりを迎えつつあり、今日で岩動に戻っては業務を再開するとの事。
別に愛染地方の隣こそが岩動地方なので多少は離れていても土曜の力を受けることはできるも、さすがにしばらく神社に居すぎたと言うわけで帰ることに。
「はぁ……楽しかったし、ゆっくり休めたわ……。」
キャリーバッグを淡い紫色のポータルに放り込むと荷物だけは先に自室へ送り込み、ここからは愛染駅からじっくりと岩動駅まで長旅しつつ戻るのだそう。
「また来てねーっ!」
「寂しくなったらいつでも来なさいっ! あ、あと温泉のチケットも忘れるんじゃあ無いわよ!」
巫女の結愛も神主の菊花も相変わらずだが、桃子は今一度ニコッと微笑んでは縁側から翔び去っては少しだけ名残惜しいのか鳥居を一回クルッと跨いでは駅方面へと消えてゆく。
二人とも桃子の笑顔をほとんど見ないのか、ボーッと頬を染めつつ放心していたようだ。
「桃子って笑うんだね。」
「あんな表情するのね、驚いたわ。」
二人はお見送りが終わって縁側から再びいつもの畳の部屋に戻ると、そこにはさっきまで無かったはずの段ボールが一箱置いてあり、添付されている置き手紙の差出人を見るとどうやら桃子からのお礼のプレゼントのようである。
かなりの重量はあるらしく、これは期待できるとまたしても二人は顔を見合わせる。
「何が入ってるのかしらね?」
「えいっ!」
手紙の内容文などそっちのけで段ボールの封をしてるガムテープを引き剥がすと、そこには大量の塩飴が詰まっていおり数にして千五百個から二千個はあるみたいで、全てが同じ【陽光塩飴】なのだ。
確かに海はきれいで七刻で賄われてる塩の全ては陽光産のものであるが、それは余談。
「うわぁ……何これ。」
「いっぱい食わされた……わね。 いや、いっぱい食わされる、の間違いかしら?」
結愛に至っては誰が上手いことを言えと言ったかは知らないが、塩飴をひとつ口に放り込んでは甘じょっぱさを堪能している。
菊花も食べているが、こちとらパチンコの景品で同じものは何百と食ってきているのであまり気乗りしない様子で、気になっていた未読の手紙に手を伸ばし読んでみる。
「桃子の手紙には、発注ミスで千袋頼んだのに桁がひとつ多くて一万袋届いたみたいだから、百袋ほど置いて行くって。」
「敵に塩を贈るって感じ? 何にせよ貰えるものは貰っておくけど、これはあんまりだわ。」
まだまだたくさんある塩飴に埋もれつつも彼女達の戦いはまだまだ続くのであり、桃子はこれを隠しの監視カメラで見つめては智美とハイタッチして、ニヤニヤとモニターを見て喜んでいたそうな。
やはり桃子と智美は似た同士でありイタズラも好きではあるが、後に智美は神社にやって来て飴を全て回収したのち、夜朧で綿飴に加工して無償で配っていたそうである。
何事にも限度はあるが、桃子の置き土産は気に入ってもらえただろうか?
結局は智美の炎で綿飴になりました。
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