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9月13日
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9月13日。
それは己の具現。
結愛はどうしてもきになることがひとつあるようで、朝食の時からずっとモヤモヤとした感情を圧し殺していた。
それはツッコんで良いものやら駄目なものなのやら、どうにもわからなかったが、解らないものを解らないままにするのは良くないと原野の教えに従って聞いてみることに。
「ね、ねぇ……菊花?」
「何?」
結愛は頭の上を指差すものだから、何を言いたいのかすぐに解ったようで、その菊花の頭頂部から生えた菊の花を菊花自信は見つめる。
「風見の人間は木曜力が過剰に体に貯まると……体が無理は放出をしないように、植物として具現させるみたい。 菊花は菊の花が生えるみたいね……。」
居座っていた桃子が寝巻きのままこちらにやって来る。
「じゃあさ、玄弥も生えるわけ?」
同じ風見の人間なら玄弥もまた然りなのだから、何が生えるのか興味が湧いてくるのは当たり前なのだろう。
それ以前にシュールな絵面として想像ささる桃子は軽く吹いては、小刻みに笑いながら後ろを向いている。
「玄弥はねっ、稲が生えるの!」
「ぷふふっ……まさに草が生える……、くくく……。」
桃子は部屋へと笑いをこらえながら戻るも、後に稀に聞かない桃子の思い出し笑いがここ数日に響き渡るのはまた後日。
しかし、それなら結愛にアイディアが浮かんでしまう。
「自給自足できるじゃない! あ……いや、人の頭から生えた米は嫌だけど。」
「別に自給自足できるほどは採れないよ? たった稲が一本だもの。」
菊花の頭の一輪の菊の花を見れば、確かにそうなのかもしれないと結愛は納得する。
でも、木曜力が過剰に詰まった分で生成されてるなら、ちょっとは興味あるみたい。
「あげる、飾ってみたら?」
頭の菊の花はスポンッと取れ、結愛に手渡すと、花瓶に活けておくことに。
それに菊花の過剰な木曜力というのは、過剰と言えど風見の人間の何万、何十万人が束になっても等号にはならないほど莫大なエネルギーである。
自然を司るエネルギーを発する菊の花はここ数年はそこにあるだけで空気などを浄化するのに一役かってくれるに違いないであろう。
「まぁ、大切に活けておくから安心しなさいな。」
「私だと思って、大切に育ててね!」
「ブフォッ!!」
隣の部屋にも聴こえていたのだろうか、桃子の吹いた笑い声は布団によって圧し殺されたものであろうとも、今のは桃子らしからぬボリュームで吹いたようだ。
それを聞いて二人は爆笑するだけであった。
逃げ場のないエネルギーは上から現れます。
ちょっと放出してみましょう。
それは己の具現。
結愛はどうしてもきになることがひとつあるようで、朝食の時からずっとモヤモヤとした感情を圧し殺していた。
それはツッコんで良いものやら駄目なものなのやら、どうにもわからなかったが、解らないものを解らないままにするのは良くないと原野の教えに従って聞いてみることに。
「ね、ねぇ……菊花?」
「何?」
結愛は頭の上を指差すものだから、何を言いたいのかすぐに解ったようで、その菊花の頭頂部から生えた菊の花を菊花自信は見つめる。
「風見の人間は木曜力が過剰に体に貯まると……体が無理は放出をしないように、植物として具現させるみたい。 菊花は菊の花が生えるみたいね……。」
居座っていた桃子が寝巻きのままこちらにやって来る。
「じゃあさ、玄弥も生えるわけ?」
同じ風見の人間なら玄弥もまた然りなのだから、何が生えるのか興味が湧いてくるのは当たり前なのだろう。
それ以前にシュールな絵面として想像ささる桃子は軽く吹いては、小刻みに笑いながら後ろを向いている。
「玄弥はねっ、稲が生えるの!」
「ぷふふっ……まさに草が生える……、くくく……。」
桃子は部屋へと笑いをこらえながら戻るも、後に稀に聞かない桃子の思い出し笑いがここ数日に響き渡るのはまた後日。
しかし、それなら結愛にアイディアが浮かんでしまう。
「自給自足できるじゃない! あ……いや、人の頭から生えた米は嫌だけど。」
「別に自給自足できるほどは採れないよ? たった稲が一本だもの。」
菊花の頭の一輪の菊の花を見れば、確かにそうなのかもしれないと結愛は納得する。
でも、木曜力が過剰に詰まった分で生成されてるなら、ちょっとは興味あるみたい。
「あげる、飾ってみたら?」
頭の菊の花はスポンッと取れ、結愛に手渡すと、花瓶に活けておくことに。
それに菊花の過剰な木曜力というのは、過剰と言えど風見の人間の何万、何十万人が束になっても等号にはならないほど莫大なエネルギーである。
自然を司るエネルギーを発する菊の花はここ数年はそこにあるだけで空気などを浄化するのに一役かってくれるに違いないであろう。
「まぁ、大切に活けておくから安心しなさいな。」
「私だと思って、大切に育ててね!」
「ブフォッ!!」
隣の部屋にも聴こえていたのだろうか、桃子の吹いた笑い声は布団によって圧し殺されたものであろうとも、今のは桃子らしからぬボリュームで吹いたようだ。
それを聞いて二人は爆笑するだけであった。
逃げ場のないエネルギーは上から現れます。
ちょっと放出してみましょう。
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