日々是成長・HDリマスター(本編の少し前のお話)

９月１８日

９月１８日。
嫉妬に狂うのは。














   どことなく大気が震えたような感覚がし、その直後に聞き覚えのある声が神社に大きく衝撃波として三度ほど襲いかかる。

 「私はっ……嫉妬に狂った化け物だぁああぁぁっ！！」

   木々はざわざわと大きく揺れる。

 「俺はっ……嫉妬に狂った化け物だああああッ！！」

   天を貫かんを小型のつむじ風が大量の木の葉を舞い上がらせる。

 「私は……嫉妬に狂った……化け物よっ！！」

   小さくても小刻みに揺れる大地。

   そんな大きなコーラスに結愛は昼寝から覚めるのは当たり前すぎるものであり、なんの騒ぎかと飛び出てみるや、外には桃色の髪でに、嫉妬に狂った緑色の鋭い眼光をもつ青年と少女が三人と佇んでいた。

 「へっ、あまりにも暇だったんでよ……やっちまったぜ？」

   空を見上げては、達成感に満ちた表情でニヤニヤと微笑み、他の二人を見つめる。
   桃子と菊花は背丈も結愛と同じであり、髪の色も瞳の色も同じなのだから三つ子に見えて仕方ないほどにそっくりである。

 「はっはっはぁっ、私、降臨っ！」

 「……はぁ、返信したら疲れた、寝るわね。」

   菊花はポーズをとり、桃子はそのまま神社の日陰のところの土にて肩幅までズブズブと埋まっては、スヤスヤと居眠りをし始める。
   三人ともやりたい放題のワガママっぷりは、結愛そのものといっても過言じゃない。

 「全くもうっ、一ヶ月分の曜力浪費して……むぅっ、来月倍で返しなさいよねっ！ みっちり働いて集めなさいっ！」

   当然然るべき言葉を浴びせられるも、玄弥も菊花も余裕の表情。

 「へっ、二ヶ月分だろうが三ヶ月分だろうが、一ヶ月で余裕だぜ。」

 「へぇーっ、ずいぶんと余裕な口を叩けるものね。 じゃぁ、やってみなさいよ。」

   結愛は呆れながらも内心は期待しつつ、玄弥の賭けの取引をしてみることに。
   案外こうした方が以外に成績が残せるなら、一ヶ月分だろうが三ヶ月分だろうがいくらでも貸してあげることはできるのだから。

 「さてと、私は気分が良いなぁ……。 力試しでもしたいなー。」

   あふれでるパワーに興奮している菊花は結愛の方をチラチラ見つめては、勝負したがっている。
   結愛も最近は体が鈍るのを危惧しているためか、案外あっさりと了解しては後にバトルを勃発させるのであり、その攻撃の風圧は二つ地方の離れた時雨や石動でも風速十メートル以上で観測され、愛染でも突風レベルの風が吹き荒れ、恋に怒られたのは言うまでもない。
   そのお叱りには現場責任者として、玄弥も大目玉を食らうことになったとさ。














目を離すとすぐこれだ。
やんちゃ者は困ります。