35 / 38
9月27日
しおりを挟む
9月27日。
それは幻の。
陽光の船の上に金髪の兄妹が海を眺めては楽しんでいるのがわかる。
元々金髪ではない二人にとっては見た目に違和感を覚えるかもしれないのだが、こう見えて気に入ってるようだ。
「よっしゃ、やるぜぇ!」
黄色い作業着を着こなしてはガッツポーズの玄弥であり、いつもは緑の風見自然開発センターの作業着は、特注の黄色バージョンで雰囲気作り!
「やるよぉー!」
菊花は戦艦漁船天照のクルーのセーラー服を着こなしているも、サイズは一番小さなエスサイズ。
それでも可愛らしいと言えばとてもキュート。
「さて、やるよぉ。」
この船の船長であり、陽光のお偉いさんのいつも通りの天音。
この三人で今日は底引き網の引き上げをしようと言う話なのだが、三人でできるか不安しかない玄弥。
「底引き網ってぇのは、重いんだろ? 三人で引き上げられるか?」
「その点は船の横にウインチがあるから自動で引き上げるからね? 心配しないでね。」
手元にあるボタンひとつで強力に巻き上げてくれる大変便利な代物なのだから、わざわざやらなくても済みそうだと安堵の玄弥。
しかし、菊花は船の横へ移動しては下ろされている網を見つめている。
「何が捕れるのかなぁ?」
編みは無作為に来る魚を捕まえてしまうために、何が捕れるかは決まっていないのだから、そこが楽しいところでもある。
「さぁねぇ、じゃっ、スイッチオン!」
キリキリキリキリと歯車は力強く回転しては水しぶきをあげ編みは巻き取られて行く。
突然のことに菊花は驚きを隠すことはできず、玄弥が少しだけ寄せる。
「わわっ!?」
「ほらほら、危ないぜ……。 ネットに巻き込まれたら大ケガする。 うおっとぉ!?」
魚はネットの下の滑り台へ勝手に落ちては地下の巨大いけすへと移されるも、どうにも勝手が外れたのか妙なものがジタバタと暴れては甲板の上でもがいている。
その奇妙な動きに玄弥はドン引きしている。
「なんだこの甲殻類!?」
潰したスリッパに似たような蟹なのか海老なのかよくわからないものに飛び退く。
「おおっ、これはウチワエビだねぇ。 珍しいね。」
「そうなのか? うわぁっ、こっちに跳ねて……気持ち悪いぃっ!!」
珍しいのはよくわかったが形からして見慣れず、それを海老だと認識できず頼形状なのだから木持悪いのは当たり前だし、不気味にジタバタ跳ねられては尤もなご意見である。
それを菊花は捕まえては天に掲げる。
「あははぁっ、キモーイっ!!」
菊花の手でジタバタして無数の脚はウネウネと蠢いているが、それを見て玄弥はたくましくなったものだとある意味ドン引きしている。
「伊勢海老よりも美味しいからね、あとでお刺身にして食べようね。」
天音の一言に大興奮の二人。
菊花と玄弥はここぞとばかりに甲板に椅子と机とビールを用意するも、その早さとせっかちさは本来の風見のものだと笑って手を降る天音。
常夏の地方で、シーフードなランチは幕を開けたとさ。
あまり市場で見かけないウチワエビ。
伊勢海老よりも美味しいが、身は少ない。
それは幻の。
陽光の船の上に金髪の兄妹が海を眺めては楽しんでいるのがわかる。
元々金髪ではない二人にとっては見た目に違和感を覚えるかもしれないのだが、こう見えて気に入ってるようだ。
「よっしゃ、やるぜぇ!」
黄色い作業着を着こなしてはガッツポーズの玄弥であり、いつもは緑の風見自然開発センターの作業着は、特注の黄色バージョンで雰囲気作り!
「やるよぉー!」
菊花は戦艦漁船天照のクルーのセーラー服を着こなしているも、サイズは一番小さなエスサイズ。
それでも可愛らしいと言えばとてもキュート。
「さて、やるよぉ。」
この船の船長であり、陽光のお偉いさんのいつも通りの天音。
この三人で今日は底引き網の引き上げをしようと言う話なのだが、三人でできるか不安しかない玄弥。
「底引き網ってぇのは、重いんだろ? 三人で引き上げられるか?」
「その点は船の横にウインチがあるから自動で引き上げるからね? 心配しないでね。」
手元にあるボタンひとつで強力に巻き上げてくれる大変便利な代物なのだから、わざわざやらなくても済みそうだと安堵の玄弥。
しかし、菊花は船の横へ移動しては下ろされている網を見つめている。
「何が捕れるのかなぁ?」
編みは無作為に来る魚を捕まえてしまうために、何が捕れるかは決まっていないのだから、そこが楽しいところでもある。
「さぁねぇ、じゃっ、スイッチオン!」
キリキリキリキリと歯車は力強く回転しては水しぶきをあげ編みは巻き取られて行く。
突然のことに菊花は驚きを隠すことはできず、玄弥が少しだけ寄せる。
「わわっ!?」
「ほらほら、危ないぜ……。 ネットに巻き込まれたら大ケガする。 うおっとぉ!?」
魚はネットの下の滑り台へ勝手に落ちては地下の巨大いけすへと移されるも、どうにも勝手が外れたのか妙なものがジタバタと暴れては甲板の上でもがいている。
その奇妙な動きに玄弥はドン引きしている。
「なんだこの甲殻類!?」
潰したスリッパに似たような蟹なのか海老なのかよくわからないものに飛び退く。
「おおっ、これはウチワエビだねぇ。 珍しいね。」
「そうなのか? うわぁっ、こっちに跳ねて……気持ち悪いぃっ!!」
珍しいのはよくわかったが形からして見慣れず、それを海老だと認識できず頼形状なのだから木持悪いのは当たり前だし、不気味にジタバタ跳ねられては尤もなご意見である。
それを菊花は捕まえては天に掲げる。
「あははぁっ、キモーイっ!!」
菊花の手でジタバタして無数の脚はウネウネと蠢いているが、それを見て玄弥はたくましくなったものだとある意味ドン引きしている。
「伊勢海老よりも美味しいからね、あとでお刺身にして食べようね。」
天音の一言に大興奮の二人。
菊花と玄弥はここぞとばかりに甲板に椅子と机とビールを用意するも、その早さとせっかちさは本来の風見のものだと笑って手を降る天音。
常夏の地方で、シーフードなランチは幕を開けたとさ。
あまり市場で見かけないウチワエビ。
伊勢海老よりも美味しいが、身は少ない。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる