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フリューゲルの森編
フリューゲルの里④
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「いいですね。私たちはレグルスさんの所でお世話になっていたのですが、基本的に姉妹でパーティーを組んでいたので、そういうギルドぐるみで遊んだりはしなかったので、うらやましいです」
「シャーロット達もギルドメンバーたちと遊べばよかったのに」
「そうしたかったのですが、私たちも弱かったのでギルドの催しとかには出れなかったのですよ」
「あー、あそこメンバー多いくせにレベル自体も高い人多いからな」
「ええ。あ、でも何度かギルドメンバーによる大会とかなら見に行ったことありますよ」
レグルスのギルドでは年に二回ギルド内でのPvP大会が行われていた。
ほとんどのメンバーが魔術師なので、派手な大会になるため、見物客が大勢来ていたりする。
中には戦闘の参考にしようとする魔術師たちもいたが、火力で相手を葬り去ろうとする奴らしかいないので、参考に出来なかったとかなんとか・・・。
あとは、大会を見て撲殺ウィザードに目覚めたとか言ってた人たちもいたな。
自身にバフかけして、付与系統の魔術で武器に強化を施し、単身で突っ込み近距離で魔術をぶっ放す。それが撲殺ウィザード。
一回知り合いの撲殺ウィザードとヒーラーのコンビと戦ったことがあるが、ヒーラーがいると自分へのダメージすら無視して魔術をぶっ放してくるので、正直恐ろしかった思い出がある。
「あの大会を見て私も魔術師の可能性に気が付いたんですよ」
「え?」
「魔術自体もすごい火力出るんですけど、バフ盛りして杖で殴るとそれ以上の火力が出るんです!」
「そ、そうか」
ピコン
caprice:ま、まさかの撲殺ウィザードwwwwwwww
noah:ヨソウガイデース
「シャーロットさーん!」
「はーい! すみません。呼ばれてしまったので失礼しますね」
「ああ」
「うん!」
撲殺ウィザードこと、シャーロットは里の人に呼ばれて俺たちの所から去っていった。
「撲殺ウィザードと戦った事ないけど、どんな感じなの?」
「杖で殴ってきたと思ったら、直後に高火力魔術をぶっ放してくる。目の前で」
「こわっ!」
「まあ、それ以上にやばいのがシルファだけどな」
「なんで?」
「どんなに攻撃しても死なないんだぞ? しかも回復しながらもしっかりダメージを与えに来るんだ。あいつを倒すなら一撃必殺する他ない」
「一撃必殺って・・・。あの人レベルも高いから即死系のスキル使わないと出来なくない?」
「戦闘中、常に状態異常無効のバフかけてるぞ。あいつ」
「あっは! 無理ゲー!」
俺としても一番戦いたくない相手だな。
料理も出来上がった頃には宴の準備も終わり、バイキング形式に料理を設置したところで宴が始まった。
シャーロットの挨拶と俺たちの紹介が終わったので、俺は料理を取って近くに積まれた丸太に腰を掛ける。
多人数でわいわいするのがあまり得意ではないので、会社とかの飲み会でも軽く酌とかを済ませたら隅っこでちびちびと飲んでたりする。みんなで飲むよりも一人で飲む派だ。
そんな俺に気が付いたシャーロットが酒瓶を片手に俺の所にやってきた。
「向こうで飲まないんですか?」
「わいわいするのはあまり得意じゃなくてな」
「なるほど。っと、どうぞ」
「ありがとう」
酒を一気に流し込み、シャーロットにお酌してもらう。
美人にお酌してもらえる日が来るとはなぁ。
「ノアさんは、これからどこへ行くのですか?」
少しの沈黙のあと、シャーロットが問いかけて来た。
「そうだな。次はオリジンホエールの所にでも行こうかと思ってる」
「オリジンホエールですか」
「ああ、今の目標の一つでオリジン全員に会いに行くつもりなんだ」
「さすがですね」
「あとは、あのデッカイ木――クリフォトのような魔物の探索もな」
「それでしたら、私のフレンドもこちらに来ているのが何人かいるので声掛けしておきますね」
「有難い。そうだ、俺ともフレンド登録してくれないか? レグルス経由よりもそちらの方が早いし」
「そうですね。・・・申請送りましたのでよろしくお願いします」
フレンド申請のウィンドウが開かれたので承認する。
「ああ、こちらこそよろしくな」
その後、少し二人で話しながら飲んだ後、彼女は他の人のところにお酌しに行った。
「・・・そういや、フレンド確認してなかったな」
UIを開いてフレンド一覧を開く。
新着順で表示されているので、一番上にはシャーロットが表示されていた。
指でスクロールしていく。
ほとんどのフレンドは灰字になっているのでこの世界にはいないようだ。
百人ほどいるフレンドの最後の方に差し掛かったところでレグルスやカプリスが表示され始めた。
「ん? おお」
最後の最後でシルファともう一人表示されていた。
俺と一緒にベータ時代から終了までユグドラシル・オンラインを遊び尽くした男。
「フランベも来てんのかよ」
ユグドラシル・オンラインレベルランキング第三位フランベ。
またの名を【炎の化身】(自称)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございます!
感想、誤字脱字報告もおまちしておりますよー!
「シャーロット達もギルドメンバーたちと遊べばよかったのに」
「そうしたかったのですが、私たちも弱かったのでギルドの催しとかには出れなかったのですよ」
「あー、あそこメンバー多いくせにレベル自体も高い人多いからな」
「ええ。あ、でも何度かギルドメンバーによる大会とかなら見に行ったことありますよ」
レグルスのギルドでは年に二回ギルド内でのPvP大会が行われていた。
ほとんどのメンバーが魔術師なので、派手な大会になるため、見物客が大勢来ていたりする。
中には戦闘の参考にしようとする魔術師たちもいたが、火力で相手を葬り去ろうとする奴らしかいないので、参考に出来なかったとかなんとか・・・。
あとは、大会を見て撲殺ウィザードに目覚めたとか言ってた人たちもいたな。
自身にバフかけして、付与系統の魔術で武器に強化を施し、単身で突っ込み近距離で魔術をぶっ放す。それが撲殺ウィザード。
一回知り合いの撲殺ウィザードとヒーラーのコンビと戦ったことがあるが、ヒーラーがいると自分へのダメージすら無視して魔術をぶっ放してくるので、正直恐ろしかった思い出がある。
「あの大会を見て私も魔術師の可能性に気が付いたんですよ」
「え?」
「魔術自体もすごい火力出るんですけど、バフ盛りして杖で殴るとそれ以上の火力が出るんです!」
「そ、そうか」
ピコン
caprice:ま、まさかの撲殺ウィザードwwwwwwww
noah:ヨソウガイデース
「シャーロットさーん!」
「はーい! すみません。呼ばれてしまったので失礼しますね」
「ああ」
「うん!」
撲殺ウィザードこと、シャーロットは里の人に呼ばれて俺たちの所から去っていった。
「撲殺ウィザードと戦った事ないけど、どんな感じなの?」
「杖で殴ってきたと思ったら、直後に高火力魔術をぶっ放してくる。目の前で」
「こわっ!」
「まあ、それ以上にやばいのがシルファだけどな」
「なんで?」
「どんなに攻撃しても死なないんだぞ? しかも回復しながらもしっかりダメージを与えに来るんだ。あいつを倒すなら一撃必殺する他ない」
「一撃必殺って・・・。あの人レベルも高いから即死系のスキル使わないと出来なくない?」
「戦闘中、常に状態異常無効のバフかけてるぞ。あいつ」
「あっは! 無理ゲー!」
俺としても一番戦いたくない相手だな。
料理も出来上がった頃には宴の準備も終わり、バイキング形式に料理を設置したところで宴が始まった。
シャーロットの挨拶と俺たちの紹介が終わったので、俺は料理を取って近くに積まれた丸太に腰を掛ける。
多人数でわいわいするのがあまり得意ではないので、会社とかの飲み会でも軽く酌とかを済ませたら隅っこでちびちびと飲んでたりする。みんなで飲むよりも一人で飲む派だ。
そんな俺に気が付いたシャーロットが酒瓶を片手に俺の所にやってきた。
「向こうで飲まないんですか?」
「わいわいするのはあまり得意じゃなくてな」
「なるほど。っと、どうぞ」
「ありがとう」
酒を一気に流し込み、シャーロットにお酌してもらう。
美人にお酌してもらえる日が来るとはなぁ。
「ノアさんは、これからどこへ行くのですか?」
少しの沈黙のあと、シャーロットが問いかけて来た。
「そうだな。次はオリジンホエールの所にでも行こうかと思ってる」
「オリジンホエールですか」
「ああ、今の目標の一つでオリジン全員に会いに行くつもりなんだ」
「さすがですね」
「あとは、あのデッカイ木――クリフォトのような魔物の探索もな」
「それでしたら、私のフレンドもこちらに来ているのが何人かいるので声掛けしておきますね」
「有難い。そうだ、俺ともフレンド登録してくれないか? レグルス経由よりもそちらの方が早いし」
「そうですね。・・・申請送りましたのでよろしくお願いします」
フレンド申請のウィンドウが開かれたので承認する。
「ああ、こちらこそよろしくな」
その後、少し二人で話しながら飲んだ後、彼女は他の人のところにお酌しに行った。
「・・・そういや、フレンド確認してなかったな」
UIを開いてフレンド一覧を開く。
新着順で表示されているので、一番上にはシャーロットが表示されていた。
指でスクロールしていく。
ほとんどのフレンドは灰字になっているのでこの世界にはいないようだ。
百人ほどいるフレンドの最後の方に差し掛かったところでレグルスやカプリスが表示され始めた。
「ん? おお」
最後の最後でシルファともう一人表示されていた。
俺と一緒にベータ時代から終了までユグドラシル・オンラインを遊び尽くした男。
「フランベも来てんのかよ」
ユグドラシル・オンラインレベルランキング第三位フランベ。
またの名を【炎の化身】(自称)
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お読みいただきありがとうございます!
感想、誤字脱字報告もおまちしておりますよー!
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