9 / 52
1章 最強の師篇
長い1日(前編)
しおりを挟む
本当に10万回素振りをするとは思わなかった。10万回終えたところで剣を振ることはおろか、握ることさえままならない。
素振りの後は間髪入れずに師匠とのスパーリング。当然のごとくサンドバッグ状態だった。途中、何度か意識が飛びかけるが師匠の水魔法"アクア・ショット"が顔面に強打し、意識を飛ばすことさえできなかった。
俺は倒れこむようにベッドに横になる。
もちろんの事ながら師匠とはあれ以来寝ていない。師匠の家の隣に住んでいる老夫婦が快く寝床を貸してくれたのだ。
ふと、部屋の入り口からノックが鳴る。
「悠真さん。お菓子、作ったんだけど食べるかい?」
「ありがとうおばさん!いただきます」
正直ヘトヘトだか、この優しさにはいつも甘えてしまう。
「遠慮しないで、どんどん食べてね!育ち盛りなんだから」
そう言っておばさんは部屋を出ていった。
おばさんが作るクッキーは格別だ。だが疲労に負け、俺はすぐに目を閉ざした。
ー次の日ー
師匠の家に向かうと、そこに師匠の姿はなく、代わりに置き手紙が残されていた。
「
弟子へ
今日は休みとする。
小遣いも置いておくから
ゆっくり羽を休めるといい
クレアより
」
ふおおおぉぉ!まじか師匠!
俺は机に置いてあった小袋を手に取り。街へ出かけた。
以前、ナビィにマッピングしてもらったおかげで街まで一直線で向かうことができた。
街の商店街に辿り着いた俺は、人だかりに疲れ、裏路地を歩いていた。
「休みって意外とやる事ないんだな」
呟きながら歩き続けると、なにやら3人ほどの男に絡まれているフードを被った少年がいた。
「裏路地を歩いてたら不良に絡まれている少年。恐ろしくベタだな」
「いいから金出せつってんだよ!」
ベタにはベタで返さなくちゃな。
「ごっめ~ん!まった~?」
輩はこちらを刺すような目で見てきた。
「んだテメェ!」
「あぁぁ!?」
「いやいや、こいつ俺の連れなんですよ。よう!待ったか?」
「ふざけんじゃねぇよ!コルァ!」
大振りで殴りかかる輩A。俺は瞬時にしゃがみ込みこれを避ける。
「んなっ!なにもんだテメェ!」
「友達だって言ってんじゃないかぁぁ!」
避けると同時にアッパーを顎にヒットさせる。
「ゴフゥ!」
男の1人が倒れた。
「んのヤロォ!」
「タダじゃおかねぇ!」
俺は少年の手を握り、残り2人の輩に背を向け走り出した。
「はやく!走るよ!」
商店街に入ると、人混みのおかげで2人を撒けたようだ。
「君、大丈夫だった?怪我してない?」
「あ、ありがとうございます。私は大丈夫です」
フードを脱いだ少年は中性的な顔立ちの美少年だった。
「大丈夫ならいいんだ。それじゃ俺はこれで・・・」
「あの!名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
「俺は佐藤悠真」
「サトウユウマ。この度はお救いいただき誠にありがとうございます」
「おう」
そう言って俺は、少年に背を向き人の波に呑まれていった。
素振りの後は間髪入れずに師匠とのスパーリング。当然のごとくサンドバッグ状態だった。途中、何度か意識が飛びかけるが師匠の水魔法"アクア・ショット"が顔面に強打し、意識を飛ばすことさえできなかった。
俺は倒れこむようにベッドに横になる。
もちろんの事ながら師匠とはあれ以来寝ていない。師匠の家の隣に住んでいる老夫婦が快く寝床を貸してくれたのだ。
ふと、部屋の入り口からノックが鳴る。
「悠真さん。お菓子、作ったんだけど食べるかい?」
「ありがとうおばさん!いただきます」
正直ヘトヘトだか、この優しさにはいつも甘えてしまう。
「遠慮しないで、どんどん食べてね!育ち盛りなんだから」
そう言っておばさんは部屋を出ていった。
おばさんが作るクッキーは格別だ。だが疲労に負け、俺はすぐに目を閉ざした。
ー次の日ー
師匠の家に向かうと、そこに師匠の姿はなく、代わりに置き手紙が残されていた。
「
弟子へ
今日は休みとする。
小遣いも置いておくから
ゆっくり羽を休めるといい
クレアより
」
ふおおおぉぉ!まじか師匠!
俺は机に置いてあった小袋を手に取り。街へ出かけた。
以前、ナビィにマッピングしてもらったおかげで街まで一直線で向かうことができた。
街の商店街に辿り着いた俺は、人だかりに疲れ、裏路地を歩いていた。
「休みって意外とやる事ないんだな」
呟きながら歩き続けると、なにやら3人ほどの男に絡まれているフードを被った少年がいた。
「裏路地を歩いてたら不良に絡まれている少年。恐ろしくベタだな」
「いいから金出せつってんだよ!」
ベタにはベタで返さなくちゃな。
「ごっめ~ん!まった~?」
輩はこちらを刺すような目で見てきた。
「んだテメェ!」
「あぁぁ!?」
「いやいや、こいつ俺の連れなんですよ。よう!待ったか?」
「ふざけんじゃねぇよ!コルァ!」
大振りで殴りかかる輩A。俺は瞬時にしゃがみ込みこれを避ける。
「んなっ!なにもんだテメェ!」
「友達だって言ってんじゃないかぁぁ!」
避けると同時にアッパーを顎にヒットさせる。
「ゴフゥ!」
男の1人が倒れた。
「んのヤロォ!」
「タダじゃおかねぇ!」
俺は少年の手を握り、残り2人の輩に背を向け走り出した。
「はやく!走るよ!」
商店街に入ると、人混みのおかげで2人を撒けたようだ。
「君、大丈夫だった?怪我してない?」
「あ、ありがとうございます。私は大丈夫です」
フードを脱いだ少年は中性的な顔立ちの美少年だった。
「大丈夫ならいいんだ。それじゃ俺はこれで・・・」
「あの!名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
「俺は佐藤悠真」
「サトウユウマ。この度はお救いいただき誠にありがとうございます」
「おう」
そう言って俺は、少年に背を向き人の波に呑まれていった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
99
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる