異世界にて最強のチートを手に入れたがモンスターの方が強い件

鬼武蔵

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1章 最強の師篇

武闘大会 6

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二回戦終了後、レイラが俺の方へ向かってくる。

「次の試合、気をつけたほうがいいわ。あの人があんなにあっさり負けを認めるなんて今までで一度もなかったから」

それだけを言い残し去っていった。先程の試合でものすごい力を見せたレイラさんがそこまで言うのならきっとものすごい強いのだろう。

「三回戦が始まりますので選手の方はステージに上がってください」

いよいよアナウンサーが俺と相手を召集する。俺は木刀を携えて、ステージに上がる。

相手は先にステージに上がっているようだ。一応相手のステータスを覗いておくか。

「サーチ」

デメル・バルハート レベル1

HP40
MP0

攻撃力25
防御力18
素早さ22
魔力0
知力35
運40

スキル【重力操作グラビティコントロール

見た目通りだ・・・。あまりにも非力すぎる。なぜ大男のガイウスさんを倒せたのか見当もつかない。

「・・・佐藤・・・悠真」

「・・・!」

あいつ、なんで俺の名前を知ってるんだ?
トーナメントには悠真としか登録しといないはずだ。

「あんた。何者だよ」

「・・・・」

何も答えないが、じっとこちらを見ている。

アナウンサーが一通り話し、試合開始の合図が鳴る。

先制はデメルが仕掛けてきた。明らかに素早さ22の速さではない。手刀を構え、みぞおちに刺し込む。

手刀は俺の腹部を貫通し背中から突き出ている。

観客はあまりの衝撃に言葉を失った。

だが、俺の体は霧となり消滅した。
そして敵の背後に再び出現する。

確信した。こいつは俺を殺す気だ。凄まじい殺気は否応なしにこちらに伝わる。

俺は、殺気から逃れるように相手との距離を取る。

「・・・お前、なんだ?」

「それはこっちのセリフだ。なんで俺の名前を知っている!なんで俺を殺そうとするんだ!」

「・・・それは、言えない。だけど、死んでもらわないといけない」

「あっそ!じゃあ俺も抗わせてもらう」

俺は木刀を構えて前に出る。木刀を振り下ろすとガイウスが言った通り当たる直前で地面に叩きつけられる。まるで重りを急に乗せられたみたいだ。

とっさに木刀を離し距離を取ろうとするもデメルの右手が喉元を貫く。

俺は慌てて意識を切り離す。

お気付きの人もいるとは思うが戦っているのは俺のコピーだ。オリジナルの俺はと言うと観客席でフードを被って紛れている。

これが、俺が死なずに戦う唯一の方法だと休憩室前で師匠は耳打ちした。

今度は距離を離したところに俺をコピーする。

「・・・本当なら2回、死んでるな」

「・・・やっぱりおかしい」

よし・・・を試してみるか。

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