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1章 最強の師篇
武闘大会 10
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「先ほどの戦い、見せてもらったよ。悠真君。君には期待している」
「僕も、あなたと戦えて光栄に思います」
ステージの上で向かい合う俺とユリウス。互いに互いを讃えるがそこには闘気が渦巻いていた。
「お待ちかねの皆様。お待たせいたしました。いよいよ、武闘大会決勝戦が始まろうとしています。両者、共に激しい戦いを繰り広げてきましたが、今年の優勝はどちらになるのか全く分からないものになりました」
アナウンサーが言う通り、観客の中でも勝敗は白黒つけがたいものとなっていた。
「それでは、試合開始です!」
試合開始の合図である太鼓が鳴る。
俺はレイラさんが使っていた"ウインドスピアー"を生成し、ユリウス目掛けて放つ。
「・・なにっ!」
思わず横飛びし、それを回避する。
俺は俺の特技の1つ、【抜刀零式】を使い脇腹に一撃を与える。
「・・・っく!」
ユリウスは脇腹を抑えながら後退する。
俺は、すかさずコピーを元に戻し【獅子落とし】の特技で頭上から攻撃する。
気配で察したのか、ユリウスは獅子落としに気づきすんでのところで回避する。
「・・・君の事を甘く見ていたようだ。"ウインドスピアー"をモーション無しにあの威力で出すなんて・・・」
「こんな事も出来ますよ。」
次は10個の魔弾を生成し、一気にユリウスへ放つ。
「まさか、私の技までも!?」
ユリウスは、胸の前で腕を組み見えない壁を作り、全てを防ぎきる。
「これは魔障壁と言って、あらゆる魔法を防いでくれるんだ」
ユリウスはさっきまでの余裕がなくなったかのような曇った顔をしている。
「君は、魔法の真似がうまいようだね。なら、僕も本気になろうかな」
ユリウスは全速力でこちらに近づいてくる。
再度、俺は魔弾を5発射出する。しかし、あたる直前にしゃがみ込んで回避し、俺に近づく。
俺の前に来ると俺の背後に回る。そして、追尾してきた魔弾が俺を襲う。
「なっ!うぁぁぁ!」
「それは、私の技だ。自分の技の対処法くらい分かって当然さ」
致命傷には至らなかったものの、身体中に激痛がはしる。
「それに、魔弾だけが私の力ではないのだよ。"雷よ我の怒りを力に変えかのものに解き放て サンダーボルト"」
突如として頭上から雷が降り注ぎ、俺を襲う。一瞬で気が遠くなりそうな感覚だ。
いつしか、俺は倒れこんでいる。
痛みの感覚で起き上がる事もままならない。
「・・・終わったか」
「ま・・・だ、だ」
「あれをくらってまだ立ち上がるのか」
「俺、は。ここで負けるわけには行かないんだ」
立ち上がりながら己を奮い立たせる。もう、足が言う事を聞かない。だから、使おうと思う。もう1つの実験・・・融合魔法を。
アクアショットとサンダーボルトの融合。"アクアボルト"これで勝てなかったら俺の負けだ。
「くらいやがれぇぇぇ!」
俺はアクアショットに雷の魔法を上乗せして放った。
「バカな!?」
再び魔障壁を作りガードするが、全ての衝撃を受け止めきれずにガードをこじ開ける。
「やった、か?」
しかし、ユリウスは倒れるほどのダメージを受けていなかった。魔障壁のおかげもあるが、ステータスの差が大きいと言える。
ユリウス・クロフォード レベル15
HP950
MP670
攻撃力302
防御力360
素早さ229
魔力556
知力702
運150
魔法【火属性、雷属性の初級、中級魔法の全て】
スキル【魔力適正2】【魔弾】【追尾】
試合前にあらかじめステータスを見ておいたが、全てにおいて俺の上をいっている。
耐久も俺のそれとは全く比べ物にならないのだろう。
俺の意識はいつしか途絶えていた。
「・・・全く。末恐ろしい子供だな」
「悠真選手、戦闘不能により。ユリウス選手が優勝です!」
かすかに、アナウンサーがそう言った気がした。
・・・・・
・・・
気付いた時には休憩室で寝かされていた。
側には師匠が寄り添って看病していた。
「気付いたか。傷は一応治してあるが他にいたいところはあるか?」
「・・・僕は、負けたんですね」
「ああ、負けたな」
そうか、俺は負けたんだな。俺は流れ出そうになる涙を必死に我慢する。
「失礼する」
ノックもせずに入ってきたのはユリウスだった。
「ユリウスさん!どうしたんですか?」
「まどろっこしいのは嫌いなので割愛して話す。魔法学園に来ないか?」
急すぎる展開で頭が追いつかなかった。
「ん?割愛し過ぎたか。君の能力を評価したので是非、我が魔法学園に入学して学んで欲しいんだ」
「ま、待ってください。そんな急に」
俺は師匠に視線を送る。
「いいんじゃないか?お前の今の目的は強くなる事だ。魔法を覚えて少しは強くなるんだな」
笑って言うが、なんとなく無理した笑みを浮かべているような気がしてならなかった。
「僕も、あなたと戦えて光栄に思います」
ステージの上で向かい合う俺とユリウス。互いに互いを讃えるがそこには闘気が渦巻いていた。
「お待ちかねの皆様。お待たせいたしました。いよいよ、武闘大会決勝戦が始まろうとしています。両者、共に激しい戦いを繰り広げてきましたが、今年の優勝はどちらになるのか全く分からないものになりました」
アナウンサーが言う通り、観客の中でも勝敗は白黒つけがたいものとなっていた。
「それでは、試合開始です!」
試合開始の合図である太鼓が鳴る。
俺はレイラさんが使っていた"ウインドスピアー"を生成し、ユリウス目掛けて放つ。
「・・なにっ!」
思わず横飛びし、それを回避する。
俺は俺の特技の1つ、【抜刀零式】を使い脇腹に一撃を与える。
「・・・っく!」
ユリウスは脇腹を抑えながら後退する。
俺は、すかさずコピーを元に戻し【獅子落とし】の特技で頭上から攻撃する。
気配で察したのか、ユリウスは獅子落としに気づきすんでのところで回避する。
「・・・君の事を甘く見ていたようだ。"ウインドスピアー"をモーション無しにあの威力で出すなんて・・・」
「こんな事も出来ますよ。」
次は10個の魔弾を生成し、一気にユリウスへ放つ。
「まさか、私の技までも!?」
ユリウスは、胸の前で腕を組み見えない壁を作り、全てを防ぎきる。
「これは魔障壁と言って、あらゆる魔法を防いでくれるんだ」
ユリウスはさっきまでの余裕がなくなったかのような曇った顔をしている。
「君は、魔法の真似がうまいようだね。なら、僕も本気になろうかな」
ユリウスは全速力でこちらに近づいてくる。
再度、俺は魔弾を5発射出する。しかし、あたる直前にしゃがみ込んで回避し、俺に近づく。
俺の前に来ると俺の背後に回る。そして、追尾してきた魔弾が俺を襲う。
「なっ!うぁぁぁ!」
「それは、私の技だ。自分の技の対処法くらい分かって当然さ」
致命傷には至らなかったものの、身体中に激痛がはしる。
「それに、魔弾だけが私の力ではないのだよ。"雷よ我の怒りを力に変えかのものに解き放て サンダーボルト"」
突如として頭上から雷が降り注ぎ、俺を襲う。一瞬で気が遠くなりそうな感覚だ。
いつしか、俺は倒れこんでいる。
痛みの感覚で起き上がる事もままならない。
「・・・終わったか」
「ま・・・だ、だ」
「あれをくらってまだ立ち上がるのか」
「俺、は。ここで負けるわけには行かないんだ」
立ち上がりながら己を奮い立たせる。もう、足が言う事を聞かない。だから、使おうと思う。もう1つの実験・・・融合魔法を。
アクアショットとサンダーボルトの融合。"アクアボルト"これで勝てなかったら俺の負けだ。
「くらいやがれぇぇぇ!」
俺はアクアショットに雷の魔法を上乗せして放った。
「バカな!?」
再び魔障壁を作りガードするが、全ての衝撃を受け止めきれずにガードをこじ開ける。
「やった、か?」
しかし、ユリウスは倒れるほどのダメージを受けていなかった。魔障壁のおかげもあるが、ステータスの差が大きいと言える。
ユリウス・クロフォード レベル15
HP950
MP670
攻撃力302
防御力360
素早さ229
魔力556
知力702
運150
魔法【火属性、雷属性の初級、中級魔法の全て】
スキル【魔力適正2】【魔弾】【追尾】
試合前にあらかじめステータスを見ておいたが、全てにおいて俺の上をいっている。
耐久も俺のそれとは全く比べ物にならないのだろう。
俺の意識はいつしか途絶えていた。
「・・・全く。末恐ろしい子供だな」
「悠真選手、戦闘不能により。ユリウス選手が優勝です!」
かすかに、アナウンサーがそう言った気がした。
・・・・・
・・・
気付いた時には休憩室で寝かされていた。
側には師匠が寄り添って看病していた。
「気付いたか。傷は一応治してあるが他にいたいところはあるか?」
「・・・僕は、負けたんですね」
「ああ、負けたな」
そうか、俺は負けたんだな。俺は流れ出そうになる涙を必死に我慢する。
「失礼する」
ノックもせずに入ってきたのはユリウスだった。
「ユリウスさん!どうしたんですか?」
「まどろっこしいのは嫌いなので割愛して話す。魔法学園に来ないか?」
急すぎる展開で頭が追いつかなかった。
「ん?割愛し過ぎたか。君の能力を評価したので是非、我が魔法学園に入学して学んで欲しいんだ」
「ま、待ってください。そんな急に」
俺は師匠に視線を送る。
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