50 / 52
幕間
残党狩り
しおりを挟む
襲撃した10名の灰色の騎士団。そのうち、俺たちが戦わなかったNo達は生徒達の手によって無事に捕獲することができた。
しかし、No.2だけは見つけることが出来なかった。
・・・・・
・・・
「・・・はぁ、はぁ。話が違うじゃないか。奇襲すれば、必ず大丈夫だって、レイスさんは言ってたのに!」
暗がりの下水道を光魔法で照らしながら進むNo.2。
ふと、遠くの方に一筋の灯りが見えた。
「・・・出口か?」
「残念だったね」
「シャイニングショット!」
突如、背後から声がした事に驚いたNo.2は、咄嗟に魔法を唱える。
辺り一面に粉塵がモワモワと立ち込め、視界が悪くなる。
「・・・追手か?」
徐々に視界が晴れてくると、声の主の姿が見えてきた。
「ピンポーン!大正解!ご褒美にちゃーんと、殺してあげるよ」
光属性の魔法をぶつけても傷一つつかないその男は、青い髪を肩まで伸ばした中性的な顔立ちの男だった。
名を"シリウス・D・アスタロト"。魔法学園の副生徒会長で、ギルド、【暁の光】の一員だ。
シリウスは右手を前に出し、水平に払う。
「???一体なに・・・・」
言い終わる前にNo.2の首から上が胴体と切り離された。
切り離された胴体からは血が噴水のように噴き出し、人形のように崩れ去った。
「・・・まっ、こんなもんだよね」
シリウスはそう言い残し、深く暗い地下水の奥へと消えていった。
・・・・・・
・・・
生徒会のみ入室を許された部屋ー。生徒会室。
その部屋の奥に、1人の男が鎮座していた。
「ご苦労だったな。副会長」
彼の名は"ルーク・E・アストロム"。アストロム家は代々、剣聖や勇者の家系として名高く、民衆からは希望の象徴として知られている。
そして、ルークはその家系の歴代の中でも群を抜いて強いと言われ、魔法学園の生徒会長をも任されている。まさに麒麟児だ。
「いやいや、中々大変でしたよ~?魔物討伐から帰ってきて僕だけ残業だなんて。それに、地下水道は暗いし臭いし、これはご褒美期待しちゃうなぁ」
ヘラヘラと笑うシリウス。
「フッ・・。いいだろう。私に暇が出来れば、お前と模擬戦をしてやろう」
「・・・まじで、言ってるの?」
「不満か?」
「・・最っっっ高!!!忘れたらダメですよ!約束ですからね!」
シリウスは飛び上がり歓喜する。
「・・・戦闘マニアめ。いいか、私に余裕ができればの話だぞ」
苦笑しながら話すルーク。本来、無意味な戦いを好まないルークは、生徒会間の私闘を極力禁止している。そのルークが模擬戦を許可したのだ好戦的なシリウスが興奮するのも当然だろう。
「分かってますって!会長!何か手伝える事はありませんか?」
「いや、今は特にないな。だが、これから忙しくなりそうだ」
意味深な言葉を残し、遥か彼方の地平線を見やる。ルークには見えていた。恐ろしく強大な何かがこの学園に迫っていることを。
しかし、No.2だけは見つけることが出来なかった。
・・・・・
・・・
「・・・はぁ、はぁ。話が違うじゃないか。奇襲すれば、必ず大丈夫だって、レイスさんは言ってたのに!」
暗がりの下水道を光魔法で照らしながら進むNo.2。
ふと、遠くの方に一筋の灯りが見えた。
「・・・出口か?」
「残念だったね」
「シャイニングショット!」
突如、背後から声がした事に驚いたNo.2は、咄嗟に魔法を唱える。
辺り一面に粉塵がモワモワと立ち込め、視界が悪くなる。
「・・・追手か?」
徐々に視界が晴れてくると、声の主の姿が見えてきた。
「ピンポーン!大正解!ご褒美にちゃーんと、殺してあげるよ」
光属性の魔法をぶつけても傷一つつかないその男は、青い髪を肩まで伸ばした中性的な顔立ちの男だった。
名を"シリウス・D・アスタロト"。魔法学園の副生徒会長で、ギルド、【暁の光】の一員だ。
シリウスは右手を前に出し、水平に払う。
「???一体なに・・・・」
言い終わる前にNo.2の首から上が胴体と切り離された。
切り離された胴体からは血が噴水のように噴き出し、人形のように崩れ去った。
「・・・まっ、こんなもんだよね」
シリウスはそう言い残し、深く暗い地下水の奥へと消えていった。
・・・・・・
・・・
生徒会のみ入室を許された部屋ー。生徒会室。
その部屋の奥に、1人の男が鎮座していた。
「ご苦労だったな。副会長」
彼の名は"ルーク・E・アストロム"。アストロム家は代々、剣聖や勇者の家系として名高く、民衆からは希望の象徴として知られている。
そして、ルークはその家系の歴代の中でも群を抜いて強いと言われ、魔法学園の生徒会長をも任されている。まさに麒麟児だ。
「いやいや、中々大変でしたよ~?魔物討伐から帰ってきて僕だけ残業だなんて。それに、地下水道は暗いし臭いし、これはご褒美期待しちゃうなぁ」
ヘラヘラと笑うシリウス。
「フッ・・。いいだろう。私に暇が出来れば、お前と模擬戦をしてやろう」
「・・・まじで、言ってるの?」
「不満か?」
「・・最っっっ高!!!忘れたらダメですよ!約束ですからね!」
シリウスは飛び上がり歓喜する。
「・・・戦闘マニアめ。いいか、私に余裕ができればの話だぞ」
苦笑しながら話すルーク。本来、無意味な戦いを好まないルークは、生徒会間の私闘を極力禁止している。そのルークが模擬戦を許可したのだ好戦的なシリウスが興奮するのも当然だろう。
「分かってますって!会長!何か手伝える事はありませんか?」
「いや、今は特にないな。だが、これから忙しくなりそうだ」
意味深な言葉を残し、遥か彼方の地平線を見やる。ルークには見えていた。恐ろしく強大な何かがこの学園に迫っていることを。
0
あなたにおすすめの小説
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた
季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】
気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。
手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!?
傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。
罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚!
人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる