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2章 魔法学園編
もう1人の自分
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記憶の回想が終わると元いた病室に戻っていた。
「どうだった?」
シャロットが様子を伺いながら話す。
「分からない。あいつは・・・俺、なのかな?」
「戦った私から言わせてもらうと、君の中に何かがいたように感じた。・・・もう1人の誰か」
俺はただただ恐怖した。戦いを好まない自分の性格とは真逆、戦いを楽しむかのような・・・いや、敵で遊んでいるかのようなもう1人の俺。一体、何者なんだ。
「学園長・・・俺、どうしてもこの学園で知らなくちゃいけない事がある気がするんだ。この世界で俺が何者なのかちゃんと知りたい」
「もちろん構いません。学校とは、学ぶ場所ですから。ただし、条件があります」
「条件?」
「この学園に存在する学生ギルド"暁の光"の候補生として入隊したまへ」
「暁の光?学生ギルドってなんですか?」
「この都市付近の魔物の掃討を主な任務とした武装集団でね、この学園のトップたちが所属している。そして、彼らはこの学園の生徒会でもあるのさ」
「なぜ、俺にそんな事を?」
「・・・いい事を教えよう。生徒会は、禁書と呼ばれる書物庫に立ち入ることができるんだよ。禁書とは、見るだけでも災いが降りかかるとされている書物。無論、生徒会ですら見てはいけないが、その書物庫の中のどこかにこの世界と神について綴られた書物がある。それは、君の今後に関わることかもしれない」
まさか、こんなに協力的になるとは思ってもみなかった。だが、こんな機会を逃すわけにはいかない。
「分かりました。暁の光に入隊させていただきます」
「フム、やはり今の君には好感が持てる。出来ることなら2度とあの時のような姿にはならないでくれ」
俺はコクリと頷き学園長が去って行くのを見送る。
「・・・ねぇ。悠真君は学園長の事を慕ってると思うんだけど、気をつけた方がいいと思うの。2人の魔力量が高すぎて私の記録の魔法が跳ね返されてしまったんだけど、あの化け物を圧倒したあなたを更に圧倒していたの。全く得体が知れないわ」
そんなバカな。あの人とは一度戦ってるし、ステータスも見ている。もう1人の俺に圧倒できるなんて・・・。
「シャロットが嘘ついてるとも思えないな。分かった。気をつけるよ」
何より心配そうな眼差しで見るシャロットを疑う事はできない。
・・・・・
・・・
シュルシュル。身体に巻きつかれていた包帯を剥ぎ捨てるユリウス。
「ふぅ、ケガ人の振りというのも案外疲れるものだな」
パチンと指を鳴らし脱ぎ捨てた包帯を焼き尽くす。
「・・・・私です。はい、あなた様の"玩具"は順調に育っていますよ。アゼル様」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お久しぶりです。次回より新章に突入します!
更新は遅くなっていますがまだまだ続けますのでよろしくお願いします!
「どうだった?」
シャロットが様子を伺いながら話す。
「分からない。あいつは・・・俺、なのかな?」
「戦った私から言わせてもらうと、君の中に何かがいたように感じた。・・・もう1人の誰か」
俺はただただ恐怖した。戦いを好まない自分の性格とは真逆、戦いを楽しむかのような・・・いや、敵で遊んでいるかのようなもう1人の俺。一体、何者なんだ。
「学園長・・・俺、どうしてもこの学園で知らなくちゃいけない事がある気がするんだ。この世界で俺が何者なのかちゃんと知りたい」
「もちろん構いません。学校とは、学ぶ場所ですから。ただし、条件があります」
「条件?」
「この学園に存在する学生ギルド"暁の光"の候補生として入隊したまへ」
「暁の光?学生ギルドってなんですか?」
「この都市付近の魔物の掃討を主な任務とした武装集団でね、この学園のトップたちが所属している。そして、彼らはこの学園の生徒会でもあるのさ」
「なぜ、俺にそんな事を?」
「・・・いい事を教えよう。生徒会は、禁書と呼ばれる書物庫に立ち入ることができるんだよ。禁書とは、見るだけでも災いが降りかかるとされている書物。無論、生徒会ですら見てはいけないが、その書物庫の中のどこかにこの世界と神について綴られた書物がある。それは、君の今後に関わることかもしれない」
まさか、こんなに協力的になるとは思ってもみなかった。だが、こんな機会を逃すわけにはいかない。
「分かりました。暁の光に入隊させていただきます」
「フム、やはり今の君には好感が持てる。出来ることなら2度とあの時のような姿にはならないでくれ」
俺はコクリと頷き学園長が去って行くのを見送る。
「・・・ねぇ。悠真君は学園長の事を慕ってると思うんだけど、気をつけた方がいいと思うの。2人の魔力量が高すぎて私の記録の魔法が跳ね返されてしまったんだけど、あの化け物を圧倒したあなたを更に圧倒していたの。全く得体が知れないわ」
そんなバカな。あの人とは一度戦ってるし、ステータスも見ている。もう1人の俺に圧倒できるなんて・・・。
「シャロットが嘘ついてるとも思えないな。分かった。気をつけるよ」
何より心配そうな眼差しで見るシャロットを疑う事はできない。
・・・・・
・・・
シュルシュル。身体に巻きつかれていた包帯を剥ぎ捨てるユリウス。
「ふぅ、ケガ人の振りというのも案外疲れるものだな」
パチンと指を鳴らし脱ぎ捨てた包帯を焼き尽くす。
「・・・・私です。はい、あなた様の"玩具"は順調に育っていますよ。アゼル様」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お久しぶりです。次回より新章に突入します!
更新は遅くなっていますがまだまだ続けますのでよろしくお願いします!
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