3 / 5
女の幽霊と小雪さん
しおりを挟む
女は、廊下の奥――床が少し沈んで見える場所を指した。
ライトの光が届かず、闇だけが溜まっている。
床板の隙間から入り込んでくる風が、より冷たいものに感じた。
『最初は、覚えてなかった。ずっと。ここは“うるさい場所”ってだけで……静かに寝たいのに、遊び半分の奴らが来る。腹が立って、呪って……それだけだった。』
女は苺ミルク飴を見つめる。
『でも、それを見たら……記憶が戻ってきたの。』
声が掠れる。
『結婚資金だって言われて、毎月入れてたの。彼と同棲した記念に一緒に作った、共通の通帳に。』
女は、笑った。
けれど、その笑みはどこか歪んでいて、温度がない。
『「二人の未来」って。しかも私だけ。バカみたいでしょ。』
「……大変だったね。」
「……それ、不公平だよね。」
女の表情が沈む。
小雪はそれ以上、言葉を足さなかった。
『使われてた。全部。私じゃなくて、あの女に。』
女の目が冷たく光った。
『親友だったの。ずっと一緒にいたの。なのに、私の男も、私のお金も、笑って奪って……』
「それ、酷くない?」
『でしょ。』
女は一度、目を伏せる。
次に顔を上げたとき、声はさらに平らだった。
『最初は、分からなかった。私、信じたかったから。親友が彼に笑いかけても、「仲良くしてくれてる」って思った。彼が私の話を途中で切っても、「疲れてるのかな」って思った。』
女の視線が、床の一点に落ちる。
『でもね。少しずつ、私だけ置いていかれた。私が席を外すと、二人は急に小声になる。戻ると、何もなかったみたいに笑う。……私の目を見ないで。』
小雪が息を呑む。
『親友は、私の物を勝手に使った。口紅。服。アクセサリー。「ごめん、私の方が似合うと思って」って。私が嫌だって言えないの、知ってて。』
女は淡々と言った。
だから余計に刺さる。
『私、あの子しか友達がいなかったの……』
「そうなんだ。」
小雪は、その一言しか言うことができなかった。
『彼も、同じ。「お前って優しいよな」って言って、私の優しさを当然にした。通帳に入れるのは私だけ。彼は「来月から」って言って、毎月、言うだけ。一度だって入金したことがない。』
女は笑った。
笑っていない笑い。
『私が入金すると、彼は「ありがとう」って言った。それで終わり。その「ありがとう」の後に、親友が「苺ミルク飴ちょうだい」って笑った。』
女の唇がかすかに震える。
『私の知らないところで、親友は彼に言ってた。「あの子、重いよね」って。「尽くすのが好きなだけだよね」って。私はただ、本当に彼が好きだった。それだけだったのに……。』
女の目が細くなる。
『彼は否定しなかった。むしろ、うなずいていたんだと思う。私は、たまたま聞いただけ。壁が薄いアパートでね。』
「……それ、」
『うん。それでも、私は信じた。信じたかった。だって、大好きだったから。』
女は喉を押さえた。
息が詰まるというより、言葉が詰まるみたいに。
『決定的だったのは、私が仕事で遅くなった日。親友が「先に行ってて」って彼に連絡した。私には、「急用」ってだけ送ってきた。』
女の声は変わらない。
『鍵を開けたら、二人がいた。私が借りた部屋。私が買ったベッドで二人は……私の生活の中で、私だけが邪魔だった。』
小雪は言葉を失う。
『彼は言った。「誤解だ」って。「違う」って。その次に、「お前が忙しすぎるから」って。』
女の目が冷える。
『親友は泣いた。私に向けて泣いたんじゃない。彼の手を握って泣いた。』
女は、ゆっくり息を吐く。
『私が怒ったら、二人は同じ言葉を使った。「落ち着いて」「話し合おう」……話し合いって、裏切った側が言う言葉なの?』
女の唇が震える。
『彼と言い争いになって……私、後頭部に強い衝撃を受けて……。』
言葉が途切れる。
女は喉を押さえた。
思い出すだけで息が詰まるみたいに。
『最後は、床下。冷たくて、暗くて、痛くて、苦しくて……。』
小雪は何も言えなかった。
言葉が、薄っぺらくなる気がした。
女は、ぽつりと続ける。
『彼もその場にいたはずなのに。……私、助けてって言ったのかな。言えたのかな。』
女の目が、小雪を見る。
『でも、あの男は……見なかった。見ないふりをした。私がまだ、息があると分かっていたのに……。』
「……」
『土が口に入ってきて……反射的に咳をしたの。咳が出たら、生きてるって分かるでしょ。なのに、止めなかった。』
「それ、悔しかったね。」
『私、最後に言ったの。……「惨めな男……」って。』
小雪の喉が、ごくりと鳴った。
女は一度だけ笑う。
笑っていない笑い。
『それで、私の記憶は終わり。終わりのはずだったのに。……終わりにしてもらえなかった。』
小雪は、息を吐いて、やっと言葉を絞り出す。
「……それは、怒るわ。」
女は頷いた。
そして、ふと小雪の顔をまじまじと見る。
『……あなた、顔色悪いのね。目の下、すごいことになっているわよ。』
「……よく言われます。」
『よく言われるで済ませないでよ。あなたも何かあるなら言って。不公平でしょ。』
小雪はぎくりとする。
幽霊に叱られている。
「……私のは、たいしたことじゃ……」
『はい出た。そういうの一番ずるい。不公平よ。』
女の声が強い。
けれど、それは責める強さではなかった。
引きずり出すための強さ。
小雪は唇を噛む。
そして、渋々、口を開いた。
「会社で……社長夫人が、経理を任されてるんですけど。仕事、全部私に押しつけて……」
『それ酷くない?』
「……うん。酷いです。私が作った資料も、締めた数字も、全部、自分の手柄みたいに言って……」
『それは怒るわ。』
女の幽霊が、先ほどの小雪の返答をなぞるように言った。
「……怒れないんです。」
小雪は笑ってしまいそうになる。
笑えないのに。
声が震える。
「夫人、ホストに大金を……たぶん会社の金も……でも、言えない。社長は正しい人なのに、正しい人だからこそ怖くて……私が疑われる未来が見えるから。」
女は黙って聞いていた。
それが、小雪には救いだった。
話を遮らない。
正論を言わない。
解決策を押しつけない。
ただ、黙って聞いてくれた。
小雪は最後に、強く言った。
「……だから、証拠だけ集めてます。帳簿のコピーとか。自分が生贄にされないための、保険としてですが。」
女の目が、少しだけ穏やかになる。
『……あなた、偉いわね。』
「偉くないですよ。ただ、怖いだけなんで。」
『怖くても、やっていることは偉いわ。』
女が、目を細めた気がした。
ふと窓の外へ視線を移せば、外の闇が薄くなってきた。
夜明けの気配が、空気の色と空気を変えていく。
女は小雪の苺ミルク飴を見て、ほんの少し微笑んだ。
それは、さっきまでの冷たい笑いじゃなかった。
『……ねえ。』
「はい。」
『聞いてくれてありがとう。』
「私こそ、お付き合いいただき、ありがとうございました。」
小雪は女に向かって深く頭を下げた。
そんな小雪に対し、女は自分の胸元に手を当てる。
そこに心臓があるみたいに。
『すっきりした。だから……行くね。』
小雪は目を瞬く。
女の輪郭が薄くなる。
朝の光が、彼女の白さを透かしていく。
晴れ晴れした顔。
救われた顔。
小雪は、胸の奥が少しだけ軽くなるのを感じた。
「……ありがとう。おやすみなさい。」
小雪がそう言うと、女は一度だけ頷いた。
そして、最後に小さく笑う。
『不公平は、嫌いなの。』
その一言を残して、女は消えた。
光の中に溶けるみたいに。
そこにいた気配さえ、ふっと抜けていく。
廃病院には、小雪の呼吸と、冷えたおでんの匂いだけが残った。
小雪はしばらく動けなかった。
三個目の空になったワンカップを見つめながら、胸の奥の何かが静かに沈んでいくのを感じる。
(……今日は、なにもしないでゆっくりと休もう)
(酔ったせいじゃなくて)
幽霊と話したなんて、誰に言っても笑われる。
けれど小雪は確かに、救われていた。
鞄を持ち上げ、立ち上がる。
足はまだ重い。
それでも、さっきより引きずっていない。
出口へ向かう途中、背中にもう一度だけ風が触れた気がした。
誰かが通り過ぎたみたいに。
小雪は振り返らない。
振り返ってしまったら、さっきの「成仏」が嘘になる気がしたから。
そのまま、朝の薄い光の中へ歩き出した。
苺ミルク飴の袋が、鞄の中でもう一度かさりと鳴った。
ライトの光が届かず、闇だけが溜まっている。
床板の隙間から入り込んでくる風が、より冷たいものに感じた。
『最初は、覚えてなかった。ずっと。ここは“うるさい場所”ってだけで……静かに寝たいのに、遊び半分の奴らが来る。腹が立って、呪って……それだけだった。』
女は苺ミルク飴を見つめる。
『でも、それを見たら……記憶が戻ってきたの。』
声が掠れる。
『結婚資金だって言われて、毎月入れてたの。彼と同棲した記念に一緒に作った、共通の通帳に。』
女は、笑った。
けれど、その笑みはどこか歪んでいて、温度がない。
『「二人の未来」って。しかも私だけ。バカみたいでしょ。』
「……大変だったね。」
「……それ、不公平だよね。」
女の表情が沈む。
小雪はそれ以上、言葉を足さなかった。
『使われてた。全部。私じゃなくて、あの女に。』
女の目が冷たく光った。
『親友だったの。ずっと一緒にいたの。なのに、私の男も、私のお金も、笑って奪って……』
「それ、酷くない?」
『でしょ。』
女は一度、目を伏せる。
次に顔を上げたとき、声はさらに平らだった。
『最初は、分からなかった。私、信じたかったから。親友が彼に笑いかけても、「仲良くしてくれてる」って思った。彼が私の話を途中で切っても、「疲れてるのかな」って思った。』
女の視線が、床の一点に落ちる。
『でもね。少しずつ、私だけ置いていかれた。私が席を外すと、二人は急に小声になる。戻ると、何もなかったみたいに笑う。……私の目を見ないで。』
小雪が息を呑む。
『親友は、私の物を勝手に使った。口紅。服。アクセサリー。「ごめん、私の方が似合うと思って」って。私が嫌だって言えないの、知ってて。』
女は淡々と言った。
だから余計に刺さる。
『私、あの子しか友達がいなかったの……』
「そうなんだ。」
小雪は、その一言しか言うことができなかった。
『彼も、同じ。「お前って優しいよな」って言って、私の優しさを当然にした。通帳に入れるのは私だけ。彼は「来月から」って言って、毎月、言うだけ。一度だって入金したことがない。』
女は笑った。
笑っていない笑い。
『私が入金すると、彼は「ありがとう」って言った。それで終わり。その「ありがとう」の後に、親友が「苺ミルク飴ちょうだい」って笑った。』
女の唇がかすかに震える。
『私の知らないところで、親友は彼に言ってた。「あの子、重いよね」って。「尽くすのが好きなだけだよね」って。私はただ、本当に彼が好きだった。それだけだったのに……。』
女の目が細くなる。
『彼は否定しなかった。むしろ、うなずいていたんだと思う。私は、たまたま聞いただけ。壁が薄いアパートでね。』
「……それ、」
『うん。それでも、私は信じた。信じたかった。だって、大好きだったから。』
女は喉を押さえた。
息が詰まるというより、言葉が詰まるみたいに。
『決定的だったのは、私が仕事で遅くなった日。親友が「先に行ってて」って彼に連絡した。私には、「急用」ってだけ送ってきた。』
女の声は変わらない。
『鍵を開けたら、二人がいた。私が借りた部屋。私が買ったベッドで二人は……私の生活の中で、私だけが邪魔だった。』
小雪は言葉を失う。
『彼は言った。「誤解だ」って。「違う」って。その次に、「お前が忙しすぎるから」って。』
女の目が冷える。
『親友は泣いた。私に向けて泣いたんじゃない。彼の手を握って泣いた。』
女は、ゆっくり息を吐く。
『私が怒ったら、二人は同じ言葉を使った。「落ち着いて」「話し合おう」……話し合いって、裏切った側が言う言葉なの?』
女の唇が震える。
『彼と言い争いになって……私、後頭部に強い衝撃を受けて……。』
言葉が途切れる。
女は喉を押さえた。
思い出すだけで息が詰まるみたいに。
『最後は、床下。冷たくて、暗くて、痛くて、苦しくて……。』
小雪は何も言えなかった。
言葉が、薄っぺらくなる気がした。
女は、ぽつりと続ける。
『彼もその場にいたはずなのに。……私、助けてって言ったのかな。言えたのかな。』
女の目が、小雪を見る。
『でも、あの男は……見なかった。見ないふりをした。私がまだ、息があると分かっていたのに……。』
「……」
『土が口に入ってきて……反射的に咳をしたの。咳が出たら、生きてるって分かるでしょ。なのに、止めなかった。』
「それ、悔しかったね。」
『私、最後に言ったの。……「惨めな男……」って。』
小雪の喉が、ごくりと鳴った。
女は一度だけ笑う。
笑っていない笑い。
『それで、私の記憶は終わり。終わりのはずだったのに。……終わりにしてもらえなかった。』
小雪は、息を吐いて、やっと言葉を絞り出す。
「……それは、怒るわ。」
女は頷いた。
そして、ふと小雪の顔をまじまじと見る。
『……あなた、顔色悪いのね。目の下、すごいことになっているわよ。』
「……よく言われます。」
『よく言われるで済ませないでよ。あなたも何かあるなら言って。不公平でしょ。』
小雪はぎくりとする。
幽霊に叱られている。
「……私のは、たいしたことじゃ……」
『はい出た。そういうの一番ずるい。不公平よ。』
女の声が強い。
けれど、それは責める強さではなかった。
引きずり出すための強さ。
小雪は唇を噛む。
そして、渋々、口を開いた。
「会社で……社長夫人が、経理を任されてるんですけど。仕事、全部私に押しつけて……」
『それ酷くない?』
「……うん。酷いです。私が作った資料も、締めた数字も、全部、自分の手柄みたいに言って……」
『それは怒るわ。』
女の幽霊が、先ほどの小雪の返答をなぞるように言った。
「……怒れないんです。」
小雪は笑ってしまいそうになる。
笑えないのに。
声が震える。
「夫人、ホストに大金を……たぶん会社の金も……でも、言えない。社長は正しい人なのに、正しい人だからこそ怖くて……私が疑われる未来が見えるから。」
女は黙って聞いていた。
それが、小雪には救いだった。
話を遮らない。
正論を言わない。
解決策を押しつけない。
ただ、黙って聞いてくれた。
小雪は最後に、強く言った。
「……だから、証拠だけ集めてます。帳簿のコピーとか。自分が生贄にされないための、保険としてですが。」
女の目が、少しだけ穏やかになる。
『……あなた、偉いわね。』
「偉くないですよ。ただ、怖いだけなんで。」
『怖くても、やっていることは偉いわ。』
女が、目を細めた気がした。
ふと窓の外へ視線を移せば、外の闇が薄くなってきた。
夜明けの気配が、空気の色と空気を変えていく。
女は小雪の苺ミルク飴を見て、ほんの少し微笑んだ。
それは、さっきまでの冷たい笑いじゃなかった。
『……ねえ。』
「はい。」
『聞いてくれてありがとう。』
「私こそ、お付き合いいただき、ありがとうございました。」
小雪は女に向かって深く頭を下げた。
そんな小雪に対し、女は自分の胸元に手を当てる。
そこに心臓があるみたいに。
『すっきりした。だから……行くね。』
小雪は目を瞬く。
女の輪郭が薄くなる。
朝の光が、彼女の白さを透かしていく。
晴れ晴れした顔。
救われた顔。
小雪は、胸の奥が少しだけ軽くなるのを感じた。
「……ありがとう。おやすみなさい。」
小雪がそう言うと、女は一度だけ頷いた。
そして、最後に小さく笑う。
『不公平は、嫌いなの。』
その一言を残して、女は消えた。
光の中に溶けるみたいに。
そこにいた気配さえ、ふっと抜けていく。
廃病院には、小雪の呼吸と、冷えたおでんの匂いだけが残った。
小雪はしばらく動けなかった。
三個目の空になったワンカップを見つめながら、胸の奥の何かが静かに沈んでいくのを感じる。
(……今日は、なにもしないでゆっくりと休もう)
(酔ったせいじゃなくて)
幽霊と話したなんて、誰に言っても笑われる。
けれど小雪は確かに、救われていた。
鞄を持ち上げ、立ち上がる。
足はまだ重い。
それでも、さっきより引きずっていない。
出口へ向かう途中、背中にもう一度だけ風が触れた気がした。
誰かが通り過ぎたみたいに。
小雪は振り返らない。
振り返ってしまったら、さっきの「成仏」が嘘になる気がしたから。
そのまま、朝の薄い光の中へ歩き出した。
苺ミルク飴の袋が、鞄の中でもう一度かさりと鳴った。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる