聖迷宮~相姦AIラプソディ~

中井春一郎

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第九章

実母と義母

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 聖良は江戸時代から続く下町の商家育ち。

 嫁いだ先は、義父が一級建築士で夫は公認会計士という山の手のいわば知識階級。

 家風の違いもあり、新妻の聖良は苦労した。

 養護院の資金援助をしていた夫の導きで始めた孤児の支援活動に生きがいを見出す

ことが出来たが、痴呆も出てきた義父のお世話に多くの時間を取られていた。

 経済的余裕は充分だから、掛かりつけ医の往診は隔週で看護師は毎週、必要に応じ

専門ヘルパーさんの助けも得るので、恵まれているとはいえるのだが。

 そんな聖良の新たな生きがいが剛を実の子以上に慈しみ育てること。


 夫は丸の内のオフィスに。剛は大学へ。

 義父を暖かいタオルで拭いて上げ、ひと息ついた聖良は、隣の剛の部屋も掃除して

あげようと掃除機を持って入った。

 几帳面な息子は紙屑ひとつ散らかしていない。

 嬉しいような、少しガッカリしたような気持ちで部屋の中を見渡す。

 情報科学に関するものだろう。きちんとナンバリングされたファイルが整然と並ぶ

本棚の隅に、黒いファイルが一つだけあった。

 母親の本能とでも言うのだろうか?気になって取り出す。

 そっけなく『喪服の麗人』とだけ印字されていた。

 情報科学関係ののデータファイルとは思えない。

 リビングの、ビデオ機能もあるテレビにセットする。

 十数秒続いた砂嵐が収まった。

 「・・・・・・・」

 何のクレジットも無しに突然映し出された鮮明な画面に聖良は息を呑んだ。

 男女の営みを撮影したものを聖良が始めて目にしたのは十七歳の息子が隠し持って

いたアメリカのポルノ雑誌。

 今また初めて目にしたポルノビデオも、二十歳になったばかりの息子の秘匿物。

 静止画像とは異なり、男女の行為に耽るカラダの動きがナマナマしい。

 長々とアップで見せるものは、聖良の持ち物と同じだが、妖しく蠢いている。


       ★     ★     ★     ★


         「嗚呼~!お義父さまあ~!!」

         「嗚呼~!お義兄さまあ~!!」

     
       ★     ★     ★     ★

 
 義父に犯され・・・

 義兄に犯され・・・

 苦悶で顔を歪めるようでもあれば、喜悦の高みに駆け上がったようでもある喪服の

麗人の、淫らな嬌声に貞淑な妻である聖良の鼓動も速まっていった。


      ★     ★     ★     ★


     「熱いわ~!お義父さまが、一杯くださってる・・・」

    「嗚呼、熱い!!お義兄さまも、一杯下さっている・・・」


      ★     ★     ★     ★


 情事の最中に女がこんな言葉を吐く訳はない。全ては演出。

 しかし、聖良はもう冷静では無かった。

 劣情を煽るためだけのシーンが延々と続くのだが、現実に起こっても不思議でない

ような気さえしてくる。

 喪服の麗人と同様、聖良も義父と同居であることが大きいだろう。

 聖良の義父は個人住宅部門で建築学会の賞を受けたこともある優れた建築士。

 御壮健のころでも、画面の醜い義父のような酷い仕打ちをするとは思えない。

 しかし入浴介助を続けるうち、老残の身に情欲の残り火がまだ燃えていると聖良は

痛切に感じていた。聖良の乳首を吸いたがるのも、最初は赤ん坊に戻ったみたようで

可愛くさえあったが、その舌の使い方などは男そのもの・・・。


      ★     ★     ★     ★


 「何をボ~ッとしておる!亭主の四十九日の法要じゃ。それも、お前がお前の

アソコで絞め殺した亭主の法要。早く線香を上げてやれ!」

 喪服の麗人が線香をあげ、真新しい位牌に手を合わせる。

 「あっ!」

 額づいた白い首筋の後れ毛のあたりを義兄が抑え込んだ。

 「いや!」

 着付け直したばかりの喪服の胸元をすかさず義父が割る。

 「だめ!」

 乳輪に皺を寄せた美巨乳が左右に揺れながらこぼれでる。

 「あ~!」

 喪服の裾を帯まで剥ぎ上げ白い襦袢ごと帯にたくし込む。

 「うん、うん。見れば見るほどいい、プリプリした尻だ」

 「本当に!木魚替わりに叩いてやりましょうよ、父さん」

 
   「よし、よし・・・ピチャッ!」

       「そら、もうひとつ、ピッシャア~!」


 「しかし、彼奴も果報者だ。こんな美人妻の腹に乗ったままで、しかもムチムチの

太ももで挟み込んでもらい、あの世送りになったのだからな」

 「ああ、お義父さま・・・あの夜の話は・・御容赦くださいませ」

 「悲鳴で駆け付けたとき・・・・まあ、いつものように覗いていた訳だから、一部

始終を見届けていたが・・・」

 「本当に、俺も一緒で幸いでしたよ。ピッシャア~!!」

 「あっ!痛い!!」

 桃尻がどんどん赤尻になっていく。

 「必死で抜こうとしていたが、抜けはしない」

 「・・・おやめくださいませ・・・あの時のことは・・・」

 「全く、悪女の中の悪女だ!」

 「・・・あっ、痛い、痛い!お義父さま、乳首を抓らないで・・・」

 喪服の麗人の黒い瞳に、大粒の涙が浮かんだ。

 「厭らしいパンティも穿きおって、赤いスケスケが床に転がっておったが、アレも

亭主におねだりして買わせたのか?ペチョッ!」

 「白状しなさいよ。タンスの引き出しの中は色鮮やかなパンティで、ピッシャ~!

花盛りでしょうね。穴開きもあるかも。父さん、調査しましょうか?」

 「お、おやめください・・・・」


        ★     ★     ★     ★


 聖良は何度も手を伸ばそうとしたが、ビデオを止めることは出来なかった。

 最後までまんじりともせずに、猥褻な画面にくぎ付けになっていた。

 聖良と同じ境遇の、義父と同居の御婦人が、その義父に犯されているのだから。

 義父に白い間欠泉を噴き上げられるのだから。

 良家の御婦人らしく聖良は膝をきちんと揃え、その上に手を重ねていたが。

 ビデオが終わりに近づく。

 黒い喪服を脱ぎ捨てた麗人が白い女体の股を拡げていく。

 共演した若いポルノ女優がドライヤーを当てる。

 白く滑らかな下腹で真っ黒な飾り毛が逆巻くようにして噴き上がる。

 麗人はカメラの正面を見て艶然とした笑みを浮かべた。

 まるで聖良を見詰めるように・・・。


 テレビ画面の向こうとこちらから、剛の産みの親と育ての親が、初めて対面をした

とも言えるだろう。

 冷たいコンクリートの上から幼い剛を抱き上げた聖良と、門柱の陰から覗いていた

冴子の距離は、ほんの十メートルも離れていなかったのだが。

 剛の実母と養母が顔を合わせることは、これ以後も生涯一度も無かった・・・。


         ★     ★     ★     ★


 いつもと変わらない、夕餉のひとときが始まった。

 聖良はビデオのことなど、おくびにも出さない。

 いくら奥手のタケシでも、もう二十歳。夫の晩酌に付き合うこともある。

 あんなビデオを息子が見ることも、母親としては安心するくらいでなければ・・・

 良妻賢母は何とか、そう思い込もうとする。

 「・・・貴方、明日は昼前の新幹線で名古屋でしたわね?」

 「せっかくの週末なのに監査業務の打ち合わせとなれば断る訳にいかないからね。

タケシに外で美味いものでも食べさせてやろうと思っていたのだが」

 監査業務だけでは夜には帰宅できるはずなのに、一泊となっていることの意味は、

聖良には充分すぎるほどよく判っていた。

 夫は仕事には厳しく、不正経理などは絶対に許さないが、肉の接待は喜んで受けて

いることは知っていた。しかし、関係先の経理担当の女子社員や、事務所の女の子に

手を出すよりは、よほどましだと思っていた。夫が芸者さんやホステスさんと遊んで

たまには気晴らしをするのを見て見ぬふりをするのが夫婦円満の秘訣と考えていた。

 「じゃあ、タケシ。明日はオオパパの入浴介護はないし、この邪魔者もいないから

二人だけのデートを楽しんでパパのカードで御馳走をいたただくことにしましょう」

 「あ、はい・・・・」

 「おや、おや。では名古屋に持っていく資料の準備もあるので、邪魔者はそろそろ

退散することにするか」

 夫と冗談口もたたく聖良だが、その心は穏やかではない。

 寝たきりの義父がいるとはいえ、血の繋がりの全く無い息子と、二人だけで一夜を

過すことになるのだから。それも、タケシが隠し持っていたポルノ『喪服の麗人』を

目の当たりにしたばかりだというのに・・・。

 


     

 

 



 

 

 

 

 
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