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終章
第一節 雷鳴一閃!火蓋が切られた
しおりを挟む「夕方から荒れ模様になるようだ。急ごう」
社長のジャガーXJが伊豆に向け、制限速度ギリギリで高速を疾走する。
★ ★ ★ ★
湯けむりの里の離れ座敷では冴子主演『マダム・バタフライ~幕末性交外交~』の
クライマックスシーンの撮影準備が着々と進んでいた。
ポルノの女帝は、この日の衣装、孔雀蝶・大紫蝶・瑠璃蝶・麝香揚羽・紋黄蝶など
色も形も様々な蝶が乱れ飛ぶ、絢爛豪華な花魁装束に着替えを始める。
スリップ姿になったところでアメリカのトップAV男優が近寄った。
もうすぐカラダを繋ぐことになる冴子を抱き寄せて、頬を合わせる。
ブラを外すと、イギリスの男優が乳房に軽くキッス。
ガーターを外し始めると、オランダの男優が手伝う。
丸裸になると、フランスの男優が秘毛を撫であげる。
四人の男優が冴子を囲み、東洋女ならではの黒々艶々した逆巻きを褒めたたえた。
★ ★ ★ ★
・・・・・ゴロ、ゴロ・・・・ゴロ、ゴロ・・・・・
ジャガーXJが熱海の海岸を通り過ぎるころには遠雷がときおり聞こえた。
どんよりとした空を乱雲が飛ぶようにして、西から東へと走る。
「妖気が漂うな。タケシが生成AI世界の覇王になるに相応しい空模様だ」
「美久は今、バルセロナですが、この季節の地中海の陽気はどうでしょうかねえ」
「美久のことは今は忘れろ」
「・・・・」
天城越えでは鬱蒼とした森が不気味にざわつき、みるみる黒雲が拡がる。
「いかにも魔物が顔を覗かせそうな怪しい雲だな」
「そうですね」
社長がアクセルを踏み込む。
見下ろす伊豆の海に荒波が立ち、飛沫を散らしている。
黒雲は更に拡がり、その下辺が稲光で青白く光る。
雷鳴が轟く。
★ ★ ★ ★
湯けむりの里で一番の格式を誇る旅宿の前で、着物にたすき掛けした志保とレナが
朱色の蛇の目傘を広げ、剛と社長の到来を今か今かと待ち受けていた。
「土砂降りの雨になりました。ささ、ささ、お離れへ・・・・」
社長と志保、剛とレナが相合傘で苔むした石畳を急ぐ。
氷雨が露天の湯を激しく撃っていた。
温度の差で、いつにも増し、湯けむりが濛々と湧き起こっている。
それを突風が一瞬にして吹き払う。
また朦々となる。
稲光で湯気が青白く浮かび上がる。
湯けむりの里の離れ座敷は妖魔の棲みかに相応しい不気味な光景になっていた。
社長と剛は『マダム・バタフライ~幕末性交外交~』の撮影現場に急いで入る。
「おう、間に合ったか。しかし、実に絶好の撮影日和になったものじゃ」
顔や首筋だけなく肩にまで脂粉を塗り込め、メイク係に妖艶な花魁化粧をさせて
いるポルノの女帝が、化粧台の鏡に映った剛と社長に無言で白首を傾げる。
「冴子、お前が教育をしてあげるタケシ君じゃ」
「・・・わちきがバタフライでござんすわい。まずは撮影のさまを、とくと御観覧
くださいませな、若旦那」
目元に鮮やかな朱を施し、すっかり花魁になり切った冴子が、極彩色の蝶々が乱れ
舞う絢爛豪華な花魁衣装の衣紋を抜き、白粉を塗り込めた首裏を剛に向けた。
化粧台の鏡に映った剛に、また言葉をかける。
「お相手をする若旦那がタケシさまとは!不思議なご縁でありんすわいなあ」
・・・ピカッ!ド~ン!!・・・ゴロ、ゴロ、ゴロ、ゴロ・・・
「湯の街の鎮守さま辺りでは?御神木の大ケヤキに落ちていなければいいですが」
不安そうに志保が淫斎にすり寄る。
「レナが首を吊り兼ねなかった大ケヤキか。ますます妖気が漂う」
「え?首吊り?何のことでございましょう・・・」
レナも青ざめて淫斎を振り向く。
「いや、なんでもない・・・・」
・・・ピカッ!!ド、ドーン!!・・・ゴロ、ゴロ、ゴロ・・・
再びの大雷鳴とともに、幕末性交外交の火蓋が切られた。
国際共同製作とはいえ、ポルノはポルノ。
筋立てはいたって簡単。
SEX、SEX、またSEXが切れ目なく繰り返されるだけだ。
性交外交の舞台は、開港から間もない横浜の西洋娼館。
数寄屋造りの離れ座敷の襖を取り外し、西洋風の燭台などを置いてある。
畳の上には緋毛氈を敷きつめ、娼館の一室のように仕立てていた。
床の間には掛け軸ではなく、猥褻の極みともいうべき肉筆春画が掛けてあった。
紅毛人と洋妾(ラシャメン)のあられもない情交を描いたものだ。
ラシャメンが毛唐の赤鬼に口を吸い付け、早く入れて欲しげに握り締めている。
しかし、その欲棒は手に余るほどの太さ。
むろん、ラシャメンは大股開きだ。
秘毛は縮れ具合も判るほど、一本、一本、丹念に描かれていた。
朱に染まったビラビラの奥はドロドロの沼地と化しているのも見て取れる。
・・・・・・・ピカッ!!、ド、ド~ン!!・・・・
「アッ!御無体な・・・・」
突如、花魁バタフライに襲い掛かったのはオランダ公使役を演じる大巨漢。
「嗚呼!!」
公使役が選んだのは立位での逆さ交差位『立ち松葉』。
冴子の両足首を握り締め、むんずと逆さに吊り上げて股に股を挟み込む。
「嗚呼!!」
最高位の遊女だけに許される、背中合わせの黒扇の形に見事に結い上げた花魁髷が
早くも崩れ始めていく。
・・・・ズコッ・・ズコ、ズコ・・・・
25センチ砲の猛攻で髷から紅珊瑚飾りのかんざしが一本、緋毛氈に転げ落ちた。
逆さ宙ずりの刑で女は成す術もない。ゆらゆらカラダが揺れるだけ。
・・・ピカッ・・ピカ、ピカ・・・ド~ン!・・・ピカ・・・・
稲妻が光り、雷鳴が轟くたびに、冴子のカラダが青白く浮かぶ。
オランダ公使役は『吊り橋』へと移った。
仰向けにした冴子の腰を両手で引き揚げ、膝立ちで攻め込んだのだ。
股裂きにされた冴子の足の指先が、やっと緋毛氈に届いている。
「嗚呼!・・・嗚呼!・・・」
25センチ砲をサッと引き抜き、白い飛沫を冴子の顔に浴びせかける。
「嗚呼!!」
緋毛氈に冴子がドサリと崩れ落ちる。
花魁髷から又一本、かんざしが抜け落ちる。
選手交代したイギリス公使役が、仰向けの冴子に片足立ちで跨った。
オランダ公使役に汚された花魁衣装の胸元を思い切り裂き開く。
撮影開始から初めて冴子の媚巨乳がカメラの前で御披露された。
お相手のイギリス公使役は女の扱いでは世界一とされるベテラン男優。
巧みに冴子を転がし、裏返す。
『敷き小股』から『潰し駒掛け』、『櫓立ち』から『立ち鼎』、『燕返し』から
『抱き地蔵』へと連続技を繰り出し、花魁バタフライを翻弄する。
剛は部屋の片隅から撮影現場の光景を食入るように見つめていた。
かつて見た『喪服の麗人』より遥かに凄まじい仕打ちを北条冴子が受けている。
つい数日前、『AI冴子』に改造を終えたばかりポルノの女帝が・・・。
それも、両性具有という異形のカラダにしてみたポルノの女帝が・・・。
それが、我が母親とは知らず・・・・。
メフィストフェレス社長と壺中庵淫斎は凄まじい撮影の様子を見てはいない。
剛を見詰めている。
「眼に妖気が漂っているのう。ここまで追い込んで良かったのか、悪かったのか」
「いや先生、もう賽は投げられましたよ」
「もう引き返せないルビコン河をタケシは渡ったと言うのか?」
「タケシが生成AIの覇王となるのに避けられない道です」
「・・・・あれこれあるうちに、そうとは知らず王殺しをし、その妃が我が母とは
知らずに妻に迎えて王女アンティゴネを産ませたことを神託で知ってしまい、嗚呼!
もう何も見たくないと我が目を潰して荒野にさ迷い出た、オイディプス王にタケシを
してしまうぞ・・・・・」
「・・・・その時は、僕がタケシの杖となり一緒に荒野をさ迷いましょう・・・」
引き続き花魁バタフライはフランス公使、アメリカ公使に嬲られ続ける。
北条冴子がお相手するのは、いずれ劣らぬ各国を代表するポルノ男優だ。
数百人のポルノ女優を、その強刃でなで切りにしてきた豪の者。
渡された台本と、突如始まった撮影が全く展開が異なっていたことも、北条冴子は
翻弄された。絶世の美女の洋妾が、各国公使と華麗なる性の饗宴を繰り広げるはずで
あったのに、現実の『マダム・バタフライ~幕末性交外交~』は、外国人が日本女を
犯しに犯し、輪姦する凄まじい凌辱モノであった。
ポルノの女帝は泣き叫びながら、世界屈指の四人の男優に回された。
犯された。
「嗚呼!・・・・イク!嗚呼!イク!・・嗚呼!イク、イク、イックウウ~!!」
オランダ公使役に突如、襲い掛かられてから、アメリカ公使役にとどめを刺される
まで約三時間。
窓を震わせるほど雷鳴が轟いた離れ座敷は、嘘のように静まり返っていた。
聞こえてくるのは、北条冴子の荒い息使いだけ。
それがいっそう剛の妄想を掻き立てる。
「はい、冴子をお疲れ・・・大迫力だったよ」
「はあ、はあ・・・監督も・・はあ・・お疲れ・・はあ、はあ・・・・」
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