召喚魔法使いの旅

ゴロヒロ

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第183話

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 一年生先鋒戦で傷付いた試合舞台の修復が終わり、副将戦を行なう選手が入場し試合舞台に上がって行く。

 貴族学院側から試合舞台に上がったのはニール・ドイルと言う木製の杖を持ち、皮の鎧を身に纏う選手。

 第二育成校側から試合舞台に上がったのはアニータと言う短槍を持った皮の鎧を身に纏う選手。

 その両者の紹介を実況はしているがニール・ドイルは険しい表情でアニータを睨み付けている。

 貴族学院VS第二育成校の先鋒戦の試合は第二育成校のアルドが勝利した。だが、アルドの態度のせいで副将戦を行なう貴族学院一年生副将ニール・ドイルと第二育成校一年生副将アニータとの間には険悪な空気が漂っているように見える。

 やはり、何を言ったのかは分からないがアルドの挑発が原因だろう。このまま貴族学院と第二育成校の間は険悪な関係になるんじゃないかと思う。

 すると、試合が始まる前にアニータがニール・ドイルに頭を下げた。それに対してニール・ドイルは少しだけ険しい表情が無くなったように見える。

 それでもニール・ドイルとアニータとの間にあった険悪な雰囲気は薄まった感じに見えた。

 審判員が試合を始めても良いのかと確認を両選手に尋ねると、ニール・ドイルもアニータの二人の選手が頷く。

 そして審判員が試合開始の合図を出して一年生副将戦が始まった。

 試合開始と同時に闘気を纏って身体能力を強化したアニータとは別にニール・ドイルは杖をアニータに向け、風魔法を発動した。

 ニール・ドイルが発動した風魔法は風の槍を複数作り出し、風の槍はアニータに向かうがそれだけでは無く、アニータの足下から石の鎖が生えると、アニータを拘束していく。

 アニータは風の槍に意識が集中していたのか、石の鎖に拘束されて驚いている顔をしている。

 移動を封じる足だけでは無く、短槍を持つ腕まで拘束されてしまい、風の槍に対してどうしようも無さそうだ。

 迫り来る風の槍を防ぐ為に短槍を持っていない空いている腕で顔を庇い、闘気での防御も行なっている。

 だが、それでも闘気の防御を抜けてアニータの全身に風の槍はダメージを与えていく。石の鎖での拘束もあり、衝撃を受け流すこともアニータは出来ていなさそうだ。

 アニータは風の槍のダメージで身体の各所から血を流しながらも石の鎖の拘束を抜け出した。

 その間にもニール・ドイルは魔法の準備を終わらせてアニータに向かって魔法を発動する。

 先ほどとは違い、かなりの魔力を使用して風の玉をアニータに向かい放ったようだが、風の玉をアニータは短槍に雷魔法で雷を纏わせて薙ぎ払った。

 風の玉は雷を纏う短槍とぶつかった瞬間に風の玉を中心に爆風が巻き起こる。

 しかも、その爆風はニール・ドイルの元まで風が突風のように届くほどの威力だった。

 そんな爆風を受けてアニータは、その場から吹き飛ばされる。だけでは無く、更に風の槍でのダメージと爆風の威力によりアニータは手に持った短槍は吹き飛ばされてしまった。

 短槍が試合舞台の下に吹き飛ばされたことをニール・ドイルも確認したのか、短槍が吹き飛んだ方向をチラリと見ると、油断すること無く、魔法を再び発動する。

 試合舞台に倒れ立ち上がろうとしているアニータを石の鎖でまた拘束したのかと思ったと同時に更に風魔法での拘束もニール・ドイルはアニータに行なったようだ。

 全身を魔法で拘束されたアニータは、それでも拘束から逃れようとしている。そんなアニータの周囲に風の槍が複数現れる。

 そんな状況にアニータは負けを認めたのか、審判員に降参をした。

 これで一年生副将戦の勝者はニール・ドイルとなり、貴族学院VS第二育成校一年生の試合はどちらも一勝一敗になり、次の一年生大将戦で一年生の試合の勝敗が決まる。
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