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生贄
しおりを挟む私が産まれてから何年たったのだろうか。
誕生日など祝われたこともないので分からないが多分10歳くらいだろう。
あいもかわらず離塔ですごしていたが王族という身分柄勉強を受けるために王宮に日に数時間滞在する。
その日は頭からベールをかぶり少しでも太って見えるように何着も服を重ね着させられ王宮にむかう
それでも向けられる恐怖の視線は私の姿をしっているのだろう。
廊下を通るときにすれ違うメイドも、授業をしてくれる教師も、私が王族だからなんとか耐えて接している。
だが、そこまでする必要があるのだろうか。
私には弟がいるらしい。弟は私とは違い絶世の美男の父である王と瓜二つ。
優秀で優しく、人を惹きつけるらしく将来の国王間違いなしなのだ。
それなら何故私がこんな視線に苛まれながら授業を受けなくてはならないのか。万が一の予備だとでもいうのか。こんな私が万が一、億が一にも国王になったらこの国は潰れるだろう。
そう考えていた時もあったが、国王にならなくても国が滅びそうになっている。
ある日突然流行った病
ある日突然起こった災害
病のせいで人は疲弊し災害のせいで作物は育たずあれだけ華やかだった王宮内から人の数が減り残った人の表情は青白く王宮でさえこのような状態、城下はもっとひどいのだろう
その日聖なる泉に生贄を捧げることが決まった。
神様の住まう泉。そう呼ばれる泉に高貴なる血が流れる者を生贄にし願いをかける
そう、血だけは高貴なる産まれなのだ。
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