すべてkissのせい~愛されて甘やかされて

早河 晶

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~はじまり

13話 告白

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翌朝、目を覚ますと、珍しくタモツが横で寝息を立てている。
(きれいな顔・・・)
こんな、かっこいい人が、わたしみたいな平凡で取り柄もないような子の隣で寝ているなんて、誰が想像出来るんだろう。
自分自身、すごく不思議に思う。

整った顔、細くも男性っぽい首筋、厚い胸板、引き締まったお腹・・・
布団をめくり、タモツの体を見て、自分の体を見る。
わたしのお腹、ちょっとぽよっとしてきた気がする。横になって寝ているから、余分な肉が流れているような気がして、指で軽くつまんでみる。
二十歳を超えると、女性っぽい丸みが出てくるって、お母さんが言ってたよなぁ・・・。
食事はカフェのランチがメインで、朝食は軽く、食べないこともあるし、夕食も同じで簡単に済ませることが多かったのに、タモツさんのご飯がおいしすぎて、ちょっと食べ過ぎてしまうのは問題かもしれない。

そんなことを考えながらも、視線はその下に移動する。
朝でも元気なんだ・・・
下半身を見ると、学校の美術室においてあった石膏の男性像を思い出す。
あの、足に似ている。たくましい脚。
布団の中から顔を出すと、タモツの目とばっちり合ってしまった。
「あ、」
「おはよう、メグミちゃん。何をしてたのかな?」
「えっと、観察?」
「へー。俺も観ていい?」
「駄目です」
そういうと、体に布団をまきつけながら背中を向ける。結果、タモツの体は半分くらい出てしまう。
「うわぁひどい。なんで駄目かなぁ」
布団をひっぱりメグミをつかまえて後ろから抱きしめる。
「いやんっ。だっていつも見てるでしょ。わたしはちゃんと見てないんだもん」
「んったしかに」
抱きしめただけで、いたずらはよしておこうかなぁと思うタモツ。
ベッド脇の目覚まし時計を見ると、まだ七時。まだ時間に余裕があることを確認して、メグミの頭にくちづけをすると、体を起こして置いてあった水を飲んだ。
メグミを見ると、じーっとこっちを見ている。
「メグミも、水飲む?」聞くと、小さく頷くので、メグミの体をおこし、ふと思いついて、自分の口に水を含み、メグミの口に流し込む
「んっ」
口移しのその水を、少しこぼしながら飲みこむメグミ。そして
「もっと」とせがむ。
その色っぽい目にゾクッとしながらも、再び水を口に含み、メグミの口に入れる。
メグミはとろんとしながら、タモツに抱きついてくる。口移しですこしぬるくなったとはいえ、水を飲んだメグミの唇が冷たくて肌に心地良い。

メグミの唇に、ふつうにキスをして、目を見つめて言う
「確かに、いつも見ているな。この色っぽい唇を」
耳にささやきかけて言う
「この小さな耳も」
頬にキスをして言う
「このぷっくりしたほっぺたも」
顎をぺろりと舐めて言う
「この、小さな顎も」
首に舌を這わせて
「細い首もじっくり見ているし」
鎖骨に吸い付き
「細い鎖骨も素敵だし」
乳房を手のひらで包み、乳首を指で転がしながら
「この、まるくて手にぴったり吸い付くおっぱいも、桜色の乳首も見てる」
お腹をなで、へそをぺろりと舐めて言う
「このお腹も、可愛いおへそも見ているし」
足を持って、開かせて言う
「この、とろとろの秘密の場所も、じっくりと見させてもらっている」

「あぁん」
触られていないのに、じっとりと濡れていく。

「どこもかしこも素敵だ」
そういうと、メグミの唇に熱いキスをする。
そして、メグミを抱きしめたまま、ころりと反転し、自分が下になるように体制を変え、メグミを少し持ち上げて、お腹の上に座らせる。
両腕を頭の下に置き
「では、どうぞ。じっくり見ていいよ」
と、メグミににやりと笑いかけ、目を閉じた。

メグミはしばし呆然とした後、タモツの顔をじーっと眺めた。
(やっぱり、かっこいい・・・)

そのまま長く動かないメグミがちょっと心配になって、目を開けると、難しい顔をしている。
「どうしたの?」
「・・・タモツさんは、かっこいいですよね。顔が整っているだけじゃなく、目が優しくて、声も素敵で、からだも・・・細いけど、筋肉もあって、無駄なお肉なんか全然なくって」
ぽよんとしている自分のお腹をつまむ。
「わたしはこんなだし、顔も平凡なのに、どうしてわたしと一緒にいてくれるんだろう、優しくしてくれるんだろうって思っちゃいます」
「えぇっ」
驚いて起き上がろうとするが、メグミが座っている位置のせいで、動けない。
「メグミの顔は、可愛いよ?」
「可愛くないですよ。ずーっとふつうだ平凡だって言われてきたんですよ」
「誰に?」
「周りの人たちに。同級生とか近所の人とか」
「えっと、それはどうして?」普通に考えて、女の子にそんな言葉を投げかけるだろうか?
「姉が、二つ年上の姉がすっごく可愛いんです。ミスなんとかに、何度もなるぐらい」
「おねえさん・・・」
「子どものころは可愛いって言われてて、大きくなってからは美人って言われてます。それでいっつも比べられて、どこへ行っても、お姉さんは可愛いのに、美人なのにって」

起き上がるのをあきらめて、うつむきしょんぼりするメグミを抱き寄せ、頭をなでる。
「メグミは可愛いよ。平凡じゃないよ。キラキラした目をした平凡な顔なんてないし。くるくる変わる表情は見ていて飽きない。そんな普通はないよ」
「ちょっと、信じられません」
「んー、自分の顔を鏡で見るよね」
「はい。ブスだなぁって思います」
「写真に撮られたり」
「なるべく、見たくないです」
「それは、本当のメグミじゃないんだよ」
「本当のわたしは?そこに映らないんですか?」
「映らないよ。動いてないからね」
「鏡の中のわたしは、動いてますよ?」
「うん。でもそれは反対側だし、可愛くないって思いながら見ていたら、向こうのメグミもそうなるんだよ。鏡の中の自分には笑いかけた方がいいよ」
「そう、なんですか」
「そうだよ」

そして、起き上がって、メグミを目の前に座らせる
「こんな格好で言うのもどうかと思うけどね。メグミさん、ぼくの恋人になってくれませんか?」
「えっ」
「順番がおかしいけど、そんなに自信がないって知らなかった。だったらなおのこと、ちゃんと言っておかないとだめだったよね。ごめんね。俺の見た目がどうとか、関係なく、メグミちゃんが好きだし、俺にとってはすごく可愛い。他の誰かがなんて言うかも関係ない。ただの体の関係じゃなく、心もつながりたい。彼女になって、くれるよね?」
メグミの手をぎゅっと握ると、ボロボロと涙をこぼしながらも微笑んだ。

ぎゅーっと抱きしめて
「返事は?」と聞くと、小さな声で
「よろしくお願いします」と答えた。

「ありがとう。よし!じゃあ早速だけど、デートしよう」
「えっ」
驚くメグミの頬にキスをしてからさっと立ち上がり、手早くTシャツとトランクス、スウェットズボンを身に着けると、メグミにタオルを渡して
「出かけるから、シャワーを浴びておいで」と促した。
涙を流したメグミをなぐさめていると、きっとまた押し倒してしまうだろう。
時間に余裕はあるけれど、際限なく求めて止められない自信もあるから、勢いで流してしまった方がいい。そう判断したタモツだった。

先に部屋を出て、キッチンへいく。
メグミは大人しく、タオルと服をかかえて浴室の方へ行く。
「そうだ、メグミ」
呼び止めると、体の向きはそのままで、顔だけこちらを向く。その格好だと、裸のお尻が丸見えですごくそそられる。
その視線に気づいたメグミは、そのために呼び止めたのかと、ぷぅと頬を膨らませて抗議しようとするが
「お腹は減っている?」と聞かれて、すぐにちょっと考えて
「あんまり減っていないみたい」と答え、浴室に逃げて行った。

スマホを取り出し、メールをチェックすると、素早く返事を送信して、電話を一本かけておく。
ランチを考えると、朝は軽く済ませておきたいところ。メグミもお腹はあまり減っていないというし。
途中でお腹が減らないように、食べない。という選択はない。
昨日の鯛めしのおにぎりを二つ取り出し、グリルで焼く。汁ものは、昨日の残りがあるから、それを食べてしまおう。
あとは、塩もみしておいたキャベツと大根で即席の漬物。こんなものだろう。

浴室に駆け込んだメグミは、熱いシャワーを浴びながら、さっき言われたことを考えていた。
タモツさんは、わたしを可愛い、好きだって言ってくれた。最初っからすごく優しかった。

新年会で隣に座り、慣れないお酒で足がおぼつかなくなったメグミを心配して、最寄り駅が同じだということで送ってくれたタモツ。駅から自転車で帰るから大丈夫といいつつ、ふらふらと危なっかしいのを見かねて、結局アパートまで送ってくれたあの時、すごく惹かれたのに、年上でイケメン、いかにもモテそうだから、わたしなんてって思って、それ以上近づかないようにしてたのに。

あの日もし、カナタくんが言う先輩がタモツさんだって知ってたら、きっとここには来ていなかった。だから、あの時すごく動揺して恥ずかしくて死んじゃうかと思ってたけど、付いて来て良かった。
まさか、タモツさんの恋人になれるなんて、あの日がなかったら、きっとなかった。

カナタくん、ありがとうー。

カナタにとっては全く嬉しくないであろう感謝をするメグミ。

デートに連れて行ってくれるって言うのも嬉しい。デート、どこに連れて行ってくれるんだろう。楽しみだなー。デートかぁ・・・

ハッと何かに気づいたメグミは、そこから猛ダッシュでシャワーを浴び終え、タオルでぬぐい、服を着た。

「タッタモツさん!」
慌てた様子で出てきたメグミに驚くタモツ
「っ?メグミちゃん?どうしたの?そんなに慌てて」
「わたっわたし、家に帰りたいっ!」
「えぇっ?」
突然の要望に、かなり驚くタモツ。デートに行きたくないとか、まさか、風呂場でなにかあったのだろうか?

「こんな、こんな格好でデートなんて、いやすぎる~」
「は?」
「この服、仕事用だし、デートに連れて行ってもらえるなら、ちゃんとおしゃれしたいんです」
すごく必死だが、なんだそんなことと苦笑いしてしまうタモツ。
「大丈夫だよ。時間はまだ余裕だし、家に戻って支度するにも十分だから、髪の毛をちゃんと乾かしておいで。そしたら朝ごはんを食べよう」
優しく伝えると、ホッとした様子で髪の毛を乾かしに行った。

コロコロ変わる表情が、本当に面白い。

慌てた自分が恥ずかしい。と思いながら、丁寧に髪にドライヤーをあてて、乾かしたメグミは、大人しくテーブルについて、出された朝食をありがたくいただいた。
その様子をにこにこしながら眺め、自分も食べた後
「10時に迎えに行くから」と、メグミを送り出した。
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