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~はじまり
17話 心のとげを
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そのままメグミを抱きかかえ、浴室へ向かう。
シャワーで腹部を洗い流し、後ろ向きにさせるとシャワーを秘部にあて、指で中を掻き出すように洗う。
こんなことをしても、中に入ってしまった精が出てくるわけではないのだが、少しでも流せるものならば。と思う。
もしこれで妊娠させてしまった場合、もちろんちゃんと責任を取るつもりはあるが、まだ21歳のメグミに、人生の選択を早まらせるわけにはいかない。
「はぁぁん」
そんなタモツの焦りなどお構いなしに、シャワーと指の、今までとはまた違う刺激にメグミは立っているのもやっとの状態だ。
その熱い吐息と漏れ出す声を聞き、流すどころかとめどなくあふれ出す蜜を感じて、やっと自分がメグミに何をしているのか意識した。
シャワーを止めて、シャワーヘッドを定位置に戻すと、秘部に置いた手はそのまま、空いた手で乳房を包む。
そして背骨を下から首元まで舌で舐めあげる。
「あぁぁっ」
背中に唇を這わせ、舌で舐める。
手は一切動かさずにいても、背中に這わせた舌を動かす度に、メグミは震え、声をあげ、身悶えする。蜜はあふれ出して腿まで垂れていく。
「背中、感じるんだね」
耳元に口をよせ、息をかけるように囁き
秘部に置いた手を軽く動かして
「ここと」
「はぅぅっ」
乳房を包んでいた手を動かし、乳首を転がして
「ここ」
「うぅっん」
「それより背中の方が感じる?」
先ほどより大きく、舌を動かして背中を舐める。動きを止めていた手も使って、激しく愛撫をすると
「あぁんっだめぇっ」
激しく痙攣して、メグミは膝から崩れ落ちそうになる。
それを支え、湯をためていた湯船に抱きかかえて入った。
温かい湯に入ると、ほぅっとため息をついて、メグミは後ろで支えるタモツによりかかる。ぐったりとするメグミの乱れた髪を手で整えて、頭に軽いキスをし
(ちょっとやりすぎた)と反省し、しばらく静かに浸っていた。
メグミは体の熱い震えがおさまり、呼吸も整って落ち着くと、後ろを振り返り、心配そうに自分を見つめるタモツに軽いキスをして、元の位置に戻り、再びタモツに背を預けた。
「大丈夫?」
「はい・・・お風呂、気持ちいいですね。うち、ユニットバスだから普段はシャワーで済ませているのですけど、やっぱり湯船に入ると全然違いますよね」
自分のお腹の上で重なったタモツの腕をぎゅっと抱きしめて、頭をタモツの肩にこすり付けるようにして甘える。
「じゃあ、毎日入りに来ればいいよ」
「いえ、そんな、悪いですよ」
「悪くないよ。次の休みまで長すぎるし、毎晩メグミと会えると思うと仕事も頑張れる。
それに、この間は店でもなかなか顔を見れなくて、結構つらかったんだよ?」
「そうなんですか?」
「そうだよ。店休日以外の休みは合わないし、だから毎晩来てくれたら、すごく嬉しいよ?」
メグミはその誘いに心動かされた。仕事がある日は、自宅で特にやりたいこともないし、もしあったとしても、今はその気になれないように思う。実際、この10日間は何も手に付かず、休日もぼーっと過ごしてしまったし。
「じゃあ、来ます」
「本当!?すごく嬉しいよ」
タモツは後ろからメグミをぎゅっと抱きしめて、顔を後ろに向かせると熱いキスをした。
「知ってる?メグミの唇って、すっごく甘いんだよ」
「えぇっ?」
「甘くてとろとろで、すごく美味しい」
そういうと、タモツはメグミの唇を味わうように舌を入れて舐めて、吸う。
「唇だけじゃなく、全部美味しい」
首筋に舌を這わせる。
「メグミは、自分の事、実は何にも知らないんだよ。だから俺がこれから教えてあげるからね」
再び唇に、今度は優しくキスをすると、にっこりと微笑んだ。
その笑顔と、キスにメグミの身も心もとろけて、ぼぅっとしてしまう。
(やばい、このままだと止まらなくなるな)
おもむろにタモツは立ち上がると
「メグミはしっかり温まってから出ておいで」と、先に浴室から出て行く。
メグミはすでに温まって、顔も熱いくらいだったけど、言われたことを思い返して一人でにやけてしまった。
タモツが使うドライヤーの音がやむのを待って、浴室から出てタオルで体を拭き、髪を乾かす。
髪を乾かした後、そういえば、と悩む。
このままタオルを巻きつけただけの格好で出る?それとも服を着る?服は・・・ここにはない。タオルを巻いただけで出たら、この後のことを期待しているみたいだけど、どちらにしても服を取りに出ないといけないし、どうしよう!?
そっと扉を開けて、タモツの姿を探すと台所に立っているのが見えた。
裸で腰にタオルを巻いただけの姿だった。
じゃあ、自分もこそこそと服を取りに行って着るのも変かもしれない。そう腹をくくって、浴室から出た。
タモツは水の入ったコップを手にしており、それを飲んでいたようだ。
「メグミも水を飲む?」
「はい・・・(今朝みたいに口移しだったらどうしよう!?)」
コップを差し出されたので、ホッとして受け取ると、ちびちびとそれを飲んだ。
「今、何を考えた?」
「えっ?」
「口移しかなぁなんて、思わなかった?」
風呂上りで真っ赤な顔を、さらに赤く染めてうつむいたら、肯定したようなものだ。
「可愛いね」
ぎゅっと抱きしめられると、熱いものが降りていく感覚を味わう。
「口移しが良かった?」
ぶんぶんと勢いよく頭を横に振るメグミ、からかわれているなぁと思ったので、ちょっとだけ反撃することにした
「お、おとこのひとって、いつもそんなことを考えているんですか?」
ちょっとだけ、責めるようなまなざしを向けられて、照れたように笑うタモツだが、すぐに持ち直して、メグミの手からコップと取ると、その中の水を飲みほしてテーブルに置いた。
「いつもじゃないけど、まぁけっこう考えているかもね」
椅子に座って、その上にメグミを横抱きに座らせ、肩に手をまわす。
「チャンスがあれば、可愛い彼女にキスしたいし、近くにいるなら触っていたいよ」
むき出しのメグミの細い肩に、軽いキスをする。
「だから、今日は車の中、ちょっと辛かった。ずっと我慢していたから、さっき激しく攻めすぎたかな。ごめんね」
「さっき・・・」
言われて、さっきのことを思い出すと、途端にカーッと体が熱くなって下腹部がジンジンとしてしまう。
タイツとショーツを中途半端に降ろされた状態で攻められている自分の姿を想像するだけで、恥ずかしさだけではない今まで味わったことのない感情が湧いてきてしまう。
赤くなってうつむくメグミの耳に、息を吹きかけるようにして
「思い出したら、濡れた?」
「はぅっ」
囁くように問いかけられ、ジンジンとした痺れが強くなってくる。
「じゃあ、シャワーの時はどうだった?」
背中を指先で軽く撫でながら、問いかけられる。
「あぁんっ」
「背中、すごく弱いんだよね」
首筋に軽いキスをされて、ビクッと震える。
「さっきも言ったけど、会えない時間、すごく辛かったんだよ。メグミはどうしてた?俺の事、考えたりした?」
うつむくメグミの顔を覗き込むようにして、問いかける。
今度は答えを求めているようだ。
「か、考えてました。あの日のこと、夢みたいだって思って、本当はなかったことを、勝手に想像して作っちゃったのかなぁとか。でも・・・」
「でも?」
「あの時の感触とか、すごくリアルで、思い出すと、今みたいに、すごく熱くなって、すごくその・・・」
「濡れちゃった?」
「・・・はい。たぶん・・・」
「・・・カナタのことは?」
「カナタ、くん?」
「カナタの事は、その、思い出した?」
「・・・あの、こんなこと言うと、軽蔑されちゃうかもしれませんけど、わたし、カナタ君のことほとんど知らないんです。カフェで働いていた時に何度か顔を合わせていた程度で」
「あぁ」
そうだろうなぁとタモツは思っていた。
「でも、あの日誘われて、最初は断ったんですよ。よく知らないし。だけどすごく真剣で必死だったし、わたし男の人から誘われたことないし、二度とないかもしれないって思って、結局食事に付き合って、そのまま押し切られるようにここまで来ちゃったんですよ」
「あいつ、結構必死だったみたいだもんな」
「話してみたら気さくで優しくて、すごく気を使ってくれているのが分かったんですよね。で、キスされたら、その・・・キモチヨカッタんです。電流が流れたみたいなショックがあって、キモチヨカッタから、そのまま受け入れてしまって・・・」
それを聞いたタモツは、眉間にしわを寄せて、メグミを抱える腕に力を込めてしまった。
(聞かなきゃ良かった)そう思っても、自分から水を向けてしまったのだから仕方ない。
ずっと気になっていたことだったし。
「それで、あの後タモツさんが帰ってきて、あんなことになってしまったから、今、こうしてここにいるんですよね・・・。もし、あのキスがあんなに気持ちよくなかったら、きっと逃げ帰っていたと思うんです」
そんなメグミの告白は、タモツの頭に入って行かなかった。
「タモツさん?」
それまでうつむいて話していたメグミが、タモツの顔を窺うと、苦虫をかみつぶしたような顔をしていた。
「タモツさん、怒りました? わたしのこと、軽蔑しますよね。ろくに知らない男性にのこのこついて行ったなんて。そして、あんなこと」
今にも泣きそうになるメグミを見て、ハッとした。
ぎゅっと抱きしめて、安心させるようにキスをする。
「ごめん。知ってたよ。っていうか、気づいていたよ。メグミがカナタの事よく知らないでいるだろうって、だから、部屋に連れ込んで手を出していたから驚いたんだ。そしてつけ込んだんだよ。流されてここにいるだろうから、そのままいけるかなって」
「・・・いけましたね」
「きっかけはどうあれ、それは良かったと思っているし、軽蔑なんてしてない。むしろつけこんだこっちが軽蔑されてもいいくらいだ」
「わたしも、あの時、逃げ帰らなくて良かったって思っています。でも、今ちょっと怒ってますよね?」
涙で潤んだ目で、じっとタモツを見つめると、タモツは恥ずかしそうになる。
「それは違うよ。カナタのキスが気持ちよかったって言われたから、複雑なだけだよ」
「あ、それは・・・そうなんですけど、そのあと、タモツさんにお姫様抱っこされて優しく囁かれたときに、胸がきゅんってなったんですよ?」
あの時、どうしていいか分からなかったけど、優しく抱き上げられてベッドに寝かされたときに、任せても大丈夫な気がしたのだ。
「本当に、気持ちよくなって、すごく幸せな気持ちにもなりました。もう死んでもいいなぁって思うくらいでした。そのあともふわふわとして、現実味があまりなかったデス」
「今は?」
「今は、現実だって分かってますよ。もし夢なら覚めないで欲しいです」
「そうか」
メグミをぎゅっと抱きしめてから、顔を手で多いキスをする。熱く絡み合うキスだ。
お互いの心にほんの少しだけ引っかかっていたトゲが取れたようで、二人は安心して身をゆだね合う。
そしてそのまま互いのタオルをはぎ取り、ベッドに向かった。
唇をむさぼり合い、足を絡め合う。
メグミの手は、タモツの背中に回り
タモツの手は、メグミの体を這い回る。
言葉で確かめ合った気持ちを、体に落とし込むように。
シャワーで腹部を洗い流し、後ろ向きにさせるとシャワーを秘部にあて、指で中を掻き出すように洗う。
こんなことをしても、中に入ってしまった精が出てくるわけではないのだが、少しでも流せるものならば。と思う。
もしこれで妊娠させてしまった場合、もちろんちゃんと責任を取るつもりはあるが、まだ21歳のメグミに、人生の選択を早まらせるわけにはいかない。
「はぁぁん」
そんなタモツの焦りなどお構いなしに、シャワーと指の、今までとはまた違う刺激にメグミは立っているのもやっとの状態だ。
その熱い吐息と漏れ出す声を聞き、流すどころかとめどなくあふれ出す蜜を感じて、やっと自分がメグミに何をしているのか意識した。
シャワーを止めて、シャワーヘッドを定位置に戻すと、秘部に置いた手はそのまま、空いた手で乳房を包む。
そして背骨を下から首元まで舌で舐めあげる。
「あぁぁっ」
背中に唇を這わせ、舌で舐める。
手は一切動かさずにいても、背中に這わせた舌を動かす度に、メグミは震え、声をあげ、身悶えする。蜜はあふれ出して腿まで垂れていく。
「背中、感じるんだね」
耳元に口をよせ、息をかけるように囁き
秘部に置いた手を軽く動かして
「ここと」
「はぅぅっ」
乳房を包んでいた手を動かし、乳首を転がして
「ここ」
「うぅっん」
「それより背中の方が感じる?」
先ほどより大きく、舌を動かして背中を舐める。動きを止めていた手も使って、激しく愛撫をすると
「あぁんっだめぇっ」
激しく痙攣して、メグミは膝から崩れ落ちそうになる。
それを支え、湯をためていた湯船に抱きかかえて入った。
温かい湯に入ると、ほぅっとため息をついて、メグミは後ろで支えるタモツによりかかる。ぐったりとするメグミの乱れた髪を手で整えて、頭に軽いキスをし
(ちょっとやりすぎた)と反省し、しばらく静かに浸っていた。
メグミは体の熱い震えがおさまり、呼吸も整って落ち着くと、後ろを振り返り、心配そうに自分を見つめるタモツに軽いキスをして、元の位置に戻り、再びタモツに背を預けた。
「大丈夫?」
「はい・・・お風呂、気持ちいいですね。うち、ユニットバスだから普段はシャワーで済ませているのですけど、やっぱり湯船に入ると全然違いますよね」
自分のお腹の上で重なったタモツの腕をぎゅっと抱きしめて、頭をタモツの肩にこすり付けるようにして甘える。
「じゃあ、毎日入りに来ればいいよ」
「いえ、そんな、悪いですよ」
「悪くないよ。次の休みまで長すぎるし、毎晩メグミと会えると思うと仕事も頑張れる。
それに、この間は店でもなかなか顔を見れなくて、結構つらかったんだよ?」
「そうなんですか?」
「そうだよ。店休日以外の休みは合わないし、だから毎晩来てくれたら、すごく嬉しいよ?」
メグミはその誘いに心動かされた。仕事がある日は、自宅で特にやりたいこともないし、もしあったとしても、今はその気になれないように思う。実際、この10日間は何も手に付かず、休日もぼーっと過ごしてしまったし。
「じゃあ、来ます」
「本当!?すごく嬉しいよ」
タモツは後ろからメグミをぎゅっと抱きしめて、顔を後ろに向かせると熱いキスをした。
「知ってる?メグミの唇って、すっごく甘いんだよ」
「えぇっ?」
「甘くてとろとろで、すごく美味しい」
そういうと、タモツはメグミの唇を味わうように舌を入れて舐めて、吸う。
「唇だけじゃなく、全部美味しい」
首筋に舌を這わせる。
「メグミは、自分の事、実は何にも知らないんだよ。だから俺がこれから教えてあげるからね」
再び唇に、今度は優しくキスをすると、にっこりと微笑んだ。
その笑顔と、キスにメグミの身も心もとろけて、ぼぅっとしてしまう。
(やばい、このままだと止まらなくなるな)
おもむろにタモツは立ち上がると
「メグミはしっかり温まってから出ておいで」と、先に浴室から出て行く。
メグミはすでに温まって、顔も熱いくらいだったけど、言われたことを思い返して一人でにやけてしまった。
タモツが使うドライヤーの音がやむのを待って、浴室から出てタオルで体を拭き、髪を乾かす。
髪を乾かした後、そういえば、と悩む。
このままタオルを巻きつけただけの格好で出る?それとも服を着る?服は・・・ここにはない。タオルを巻いただけで出たら、この後のことを期待しているみたいだけど、どちらにしても服を取りに出ないといけないし、どうしよう!?
そっと扉を開けて、タモツの姿を探すと台所に立っているのが見えた。
裸で腰にタオルを巻いただけの姿だった。
じゃあ、自分もこそこそと服を取りに行って着るのも変かもしれない。そう腹をくくって、浴室から出た。
タモツは水の入ったコップを手にしており、それを飲んでいたようだ。
「メグミも水を飲む?」
「はい・・・(今朝みたいに口移しだったらどうしよう!?)」
コップを差し出されたので、ホッとして受け取ると、ちびちびとそれを飲んだ。
「今、何を考えた?」
「えっ?」
「口移しかなぁなんて、思わなかった?」
風呂上りで真っ赤な顔を、さらに赤く染めてうつむいたら、肯定したようなものだ。
「可愛いね」
ぎゅっと抱きしめられると、熱いものが降りていく感覚を味わう。
「口移しが良かった?」
ぶんぶんと勢いよく頭を横に振るメグミ、からかわれているなぁと思ったので、ちょっとだけ反撃することにした
「お、おとこのひとって、いつもそんなことを考えているんですか?」
ちょっとだけ、責めるようなまなざしを向けられて、照れたように笑うタモツだが、すぐに持ち直して、メグミの手からコップと取ると、その中の水を飲みほしてテーブルに置いた。
「いつもじゃないけど、まぁけっこう考えているかもね」
椅子に座って、その上にメグミを横抱きに座らせ、肩に手をまわす。
「チャンスがあれば、可愛い彼女にキスしたいし、近くにいるなら触っていたいよ」
むき出しのメグミの細い肩に、軽いキスをする。
「だから、今日は車の中、ちょっと辛かった。ずっと我慢していたから、さっき激しく攻めすぎたかな。ごめんね」
「さっき・・・」
言われて、さっきのことを思い出すと、途端にカーッと体が熱くなって下腹部がジンジンとしてしまう。
タイツとショーツを中途半端に降ろされた状態で攻められている自分の姿を想像するだけで、恥ずかしさだけではない今まで味わったことのない感情が湧いてきてしまう。
赤くなってうつむくメグミの耳に、息を吹きかけるようにして
「思い出したら、濡れた?」
「はぅっ」
囁くように問いかけられ、ジンジンとした痺れが強くなってくる。
「じゃあ、シャワーの時はどうだった?」
背中を指先で軽く撫でながら、問いかけられる。
「あぁんっ」
「背中、すごく弱いんだよね」
首筋に軽いキスをされて、ビクッと震える。
「さっきも言ったけど、会えない時間、すごく辛かったんだよ。メグミはどうしてた?俺の事、考えたりした?」
うつむくメグミの顔を覗き込むようにして、問いかける。
今度は答えを求めているようだ。
「か、考えてました。あの日のこと、夢みたいだって思って、本当はなかったことを、勝手に想像して作っちゃったのかなぁとか。でも・・・」
「でも?」
「あの時の感触とか、すごくリアルで、思い出すと、今みたいに、すごく熱くなって、すごくその・・・」
「濡れちゃった?」
「・・・はい。たぶん・・・」
「・・・カナタのことは?」
「カナタ、くん?」
「カナタの事は、その、思い出した?」
「・・・あの、こんなこと言うと、軽蔑されちゃうかもしれませんけど、わたし、カナタ君のことほとんど知らないんです。カフェで働いていた時に何度か顔を合わせていた程度で」
「あぁ」
そうだろうなぁとタモツは思っていた。
「でも、あの日誘われて、最初は断ったんですよ。よく知らないし。だけどすごく真剣で必死だったし、わたし男の人から誘われたことないし、二度とないかもしれないって思って、結局食事に付き合って、そのまま押し切られるようにここまで来ちゃったんですよ」
「あいつ、結構必死だったみたいだもんな」
「話してみたら気さくで優しくて、すごく気を使ってくれているのが分かったんですよね。で、キスされたら、その・・・キモチヨカッタんです。電流が流れたみたいなショックがあって、キモチヨカッタから、そのまま受け入れてしまって・・・」
それを聞いたタモツは、眉間にしわを寄せて、メグミを抱える腕に力を込めてしまった。
(聞かなきゃ良かった)そう思っても、自分から水を向けてしまったのだから仕方ない。
ずっと気になっていたことだったし。
「それで、あの後タモツさんが帰ってきて、あんなことになってしまったから、今、こうしてここにいるんですよね・・・。もし、あのキスがあんなに気持ちよくなかったら、きっと逃げ帰っていたと思うんです」
そんなメグミの告白は、タモツの頭に入って行かなかった。
「タモツさん?」
それまでうつむいて話していたメグミが、タモツの顔を窺うと、苦虫をかみつぶしたような顔をしていた。
「タモツさん、怒りました? わたしのこと、軽蔑しますよね。ろくに知らない男性にのこのこついて行ったなんて。そして、あんなこと」
今にも泣きそうになるメグミを見て、ハッとした。
ぎゅっと抱きしめて、安心させるようにキスをする。
「ごめん。知ってたよ。っていうか、気づいていたよ。メグミがカナタの事よく知らないでいるだろうって、だから、部屋に連れ込んで手を出していたから驚いたんだ。そしてつけ込んだんだよ。流されてここにいるだろうから、そのままいけるかなって」
「・・・いけましたね」
「きっかけはどうあれ、それは良かったと思っているし、軽蔑なんてしてない。むしろつけこんだこっちが軽蔑されてもいいくらいだ」
「わたしも、あの時、逃げ帰らなくて良かったって思っています。でも、今ちょっと怒ってますよね?」
涙で潤んだ目で、じっとタモツを見つめると、タモツは恥ずかしそうになる。
「それは違うよ。カナタのキスが気持ちよかったって言われたから、複雑なだけだよ」
「あ、それは・・・そうなんですけど、そのあと、タモツさんにお姫様抱っこされて優しく囁かれたときに、胸がきゅんってなったんですよ?」
あの時、どうしていいか分からなかったけど、優しく抱き上げられてベッドに寝かされたときに、任せても大丈夫な気がしたのだ。
「本当に、気持ちよくなって、すごく幸せな気持ちにもなりました。もう死んでもいいなぁって思うくらいでした。そのあともふわふわとして、現実味があまりなかったデス」
「今は?」
「今は、現実だって分かってますよ。もし夢なら覚めないで欲しいです」
「そうか」
メグミをぎゅっと抱きしめてから、顔を手で多いキスをする。熱く絡み合うキスだ。
お互いの心にほんの少しだけ引っかかっていたトゲが取れたようで、二人は安心して身をゆだね合う。
そしてそのまま互いのタオルをはぎ取り、ベッドに向かった。
唇をむさぼり合い、足を絡め合う。
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