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本当のはじまり
20話 マルシェでデート
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(あ、しまった。思ったより遅くなった)
店休日の朝、今日は早めに起きて出かけるつもりだったのに、目覚まし時計をセットせずに寝たせいで予定していた時間より遅く目が覚めてしまったタモツ。
隣では気持ちよさそうな寝息を立てて、メグミが眠っている。
起こさないようにそっとベッドを抜け出して、さっとシャワーを浴び、珈琲をいれ、メグミように紅茶を用意し、それをそれぞれ保温ポットに入れる。
ベッドで寝ているメグミに優しくキスをして、囁くように声をかける
「起きて。楽しいデートに出かけるよ」
その声にパッと目を開けて、体を起こすメグミ。優しく笑っているタモツを見て、自分が裸だと気づき、慌てて布団をかぶる。ほぼ毎朝の光景だ。
特別朝が弱いわけでもないのに、この家ではだいたいタモツの方が早く起きて、こうやってメグミを起こすのだ。
「シャワーを浴びておいで。そのままでいるなら襲うよ?デートは無しだなぁ」
なんて、いじわるを言うが、布団の中にタオルを差し入れてくれるのだから、からかっているだけなのだ。
タオルを体に巻きつけ、浴室にメグミが向かうと、その間にタモツはサンドイッチの用意をする。
今日も車で出かけるので、途中で食べられるものを。ということだ。
シャワーを浴びて出てきたメグミに
「今日も車で出かけるから、メグミの家に寄れるよ」と声をかける。
二人で自転車でメグミの家まで行き、メグミが出かける準備をしている間に、タモツは車を借りに行く。
「今日は外だから、気軽な服装がいいよ。あと、お小遣いを持っておいで」
そういうタモツも、今日の服装はジーンズと長そでのTシャツに、ラフなジャケットという姿だ。
帰宅途中に何を着ていくか頭の中で必死に組み立て、急いで支度をする。
タモツの友人の車が置いてある場所から、メグミの家までにかかる時間は、全開でなんとなく分かったので、急いで支度をすると外に出てタモツを待つことにする。
今日のメグミは、ふんわりしたガウチョパンツに、薄手のニットのアンサンブル、そして防寒用にストール。
外だということで帽子も被って来た。
タイミングよく、タモツが戻ってきたので、そのまま車に乗り込む。
「待たせた?」
「いいえ、ちょうど出てきたところでした」
「それなら良かった。じゃあ出かけよう」
土曜日の朝とあって、道はほどほどに混んでいるが、平日ほどではない。
「朝食を食べる時間がなかったから、飲み物とサンドイッチを持ってきたよ。適当に食べてね」
タモツがドリンクホルダーに置いた保温瓶と、袋に入れたサンドイッチを示すと、メグミはくすくすと笑いだす。
「やっぱりタモツさん、お母さんみたいです」
「めぐみ、朝ごはんちゃんと食べなさい」
タモツがふざけて高い声を出して、母の真似?をすると、さらにメグミが笑う。
「タモツさんのお母さんは、そんな感じですか?」
「いや、違うね。うちの母は・・・もっと、なんというか、のんびりだね」
「のんびり、ですか?」
「そう。あとちょっと、何を考えているのか分からないところがある人だよ」
「ふぅん」
タモツさんのお母さんだから、やっぱり美人なんだろうか。ちょっと気になるけど会うことはないんだろうなぁと、メグミは思った。
「じゃあ、サンドイッチいただきますね。タモツさんは、運転しながら?大丈夫ですか?」
「信号待ちの間とかに、ちょこちょこ食べるよ」
「あ、じゃあタモツさんの分も出して、止まったら渡しますよ」
食べやすくラップに包まれているサンドイッチを手に取り、いつでも差し出せるように準備しておく。しかし、タイミングよく信号待ちにならず、車を止めることなく順調に走り続ける。
「不思議ですね。信号待ちになることを期待すると、赤信号にひっかからないし、急いでいる時には、すごくひっかかる」
遠慮がちにサンドイッチをちびちびと食べていたメグミが首をかしげる。
「運転あるあるだね」
「自転車とか歩きの時でも、急いでるときってけっこう赤信号にひっかかるんですよ。ただその時は、急いでいるからこそ落ち着けって言われてる気がするから、気持ちを落ち着かせる時間にするんですけど、この、信号に引っかかりたいときに限って止まることなく進むっていうのは、どういう意味があるんでしょうね?」
「んー。食べずに進めってことかな」
「あっだったら、わたしも食べない方がいいかな。これから行くところに、美味しいものが待ってます?」
「たぶんね」
それは楽しみと、食べかけのサンドイッチをラップに包みなおすメグミだが、タモツがせっかく作ってくれたのを残すのもどうかと悩んでしまう。
「今日は買い食いだから、その時に一緒に食べればいいよ。持って帰ってもいいしね」
「買い食い?」
「そう。買い食い。いろんなものを買って適当に食べよう」
目的地を聞かされていないメグミだが、そのヒントに期待が高まる。
結局、信号に引っかかった時には飲み物を飲むだけで、サンドイッチは残しておくことになった。
そして目的地。
「山のマルシェー♪すごい。ここ来てみたいって思ってたんですよ」
メグミが目を輝かせて喜ぶ姿を見て、満足げに微笑むタモツ。
『山のマルシェ』は年に二回開催されるイベントで、様々な手作りアーティストが集まり、美味しい食べ物の出店もある人気のイベントだが、電車では行きにくい立地と、土日開催ということもあり、メグミ一人では行くことの出来ないイベントだった。
会場からちょっと遠い駐車場しか空いていなかったため、ちょっと歩くことになったが、うきうきと歩くメグミ。気が急いているのかいつもより早く歩いている。
「そんなに慌てると、転ぶよ」
「あっ子ども扱いしないでくださいよー」
頬を膨らませて文句を言うメグミが、つまずいてバランスを崩すのはお約束だ。
「ほら、手をつないで」
「・・・はい」
タモツの大きな手に包まれて、ちょっと嬉しくなる。
(こんな風に手をつなぐの、はじめてかも)
入り口で200円のマップを購入して、じっくりと眺めるメグミ。とても真剣な表情だ。
「順番に見ていかないの?」
「もちろん、全部見ますけど、見落としがないようにしないと。あっ、でも先に食べ物ブースに行きましょう!こういうイベントって、先に食べ物が売れちゃうんですよ。昼時は大混雑するでしょうし」
マップで食べ物ブースやキッチンカーの場所をチェックすると、タモツの手を引っ張って早足で歩きだす。メグミの早足はタモツの普通だ。
山のマルシェが開催される場所は、ピクニック用に設けられた広場のような場所だが、ところどころに木が生えており、とうぜん地面はでこぼこしている。
そんな中をマップを見ながら歩くメグミ、当然しょっちゅう転びそうになるのをタモツが支える。そしてマップを取り上げられるのだった。
「えー」
「えーじゃない。危ないから」
そして食べ物ブースの前に着くと、こちらで一つ、あちらで一つと買い求めていく。
メグミのお財布事情はあまり良くない。一人暮らしで社員になりたてのため、少ない給料をやりくりしている。
最近はタモツの家で食事をいただき、寝泊まりしているため、お金をほとんど使っていない。
自宅いる時間が少ないから、光熱費もかなり節約出来ている。
もちろん、そんな状況を甘んじて受け入れているわけではなく、タモツに食費と光熱費の一部を負担することを申し出て、きっぱりと断られている。
どうしたら、その分を返せるのか悩んでいるところだが、今日だけは財布の中身に余裕があることを嬉しく思ってしまうメグミだった。
とはいえ、散財できるほどではないので、一つのブースで吟味して一つ買う、もしくはあきらめている。
タモツはというと、そんなメグミの様子をしっかりチェックして、彼女があきらめた品を含めて気になる品を数点買い求めていた。
シェフだから、研究の為にいろいろ試さないとね。という言い訳をもとに。
持ち帰りの出来るパンや、袋に入った菓子類などを一通り買った後、キッチンカーを見て回って今日のランチを選ぶ。
タモツはやはり参考にするため、と言ってヴィーガンバーガーを選んだ。
ヴィーガン、つまり、動物性食品を使わない品だ。
最近はカフェでも、そのような問い合わせが多く、外国人客の増加もあって、そう言った品を増やしていく必要があった。
メグミは、カフェで出てくることがないという理由で、ピザを選んでいた。
「車の中に石釜があるって、不思議―」
というのが、ピザを選んだもう一つの理由だ。
ベンチなどはどこも埋まっていたが、タモツは用意周到にピクニックシートと古新聞を持ってきていた。
カフェで不要になった新聞だ。
それをたたんだ状態で地面に置き、その上からピクニックシートを敷く。
新聞紙を敷いた部分にメグミを座らせる。段ボールの方がいいのだが、さすがに鞄の中に入らなかった。
その気配りにメグミは感謝し、喜んだ。
バーガーの中身をじっくり確認しながら食べるタモツ。もちろんメグミも一口もらう。
ピザも分け合って食べた。
メグミは珍しく、食べている最中もマップから目を離さない。
いつも行儀よく、食べている最中に何かを読んだりせず、食べることに集中しているのに、それだけ気になっているのだと思うと、タモツは連れてきて良かったと改めて思うのだった。
食事が終わるとタモツはメグミに
「一人で一通り回っておいで」
と言った。
疲れたのかとか、本当は興味がないのかとか心配になるメグミだったが
「一人の方が気楽にみられるし、出展者の人とも話せるだろう。どうせ何周も回るだろうから二周目から付き合うよ」と優しく微笑まれたので、遠慮なくその通りにした。
いそいそとブースに歩いていき、くまなく回っているメグミの姿を目で追いながら
今まで、こんなに誰かを愛おしく想う気持ちになったことはなかった。まさか自分にもそんな相手が出来るとはと思っていた。
店休日の朝、今日は早めに起きて出かけるつもりだったのに、目覚まし時計をセットせずに寝たせいで予定していた時間より遅く目が覚めてしまったタモツ。
隣では気持ちよさそうな寝息を立てて、メグミが眠っている。
起こさないようにそっとベッドを抜け出して、さっとシャワーを浴び、珈琲をいれ、メグミように紅茶を用意し、それをそれぞれ保温ポットに入れる。
ベッドで寝ているメグミに優しくキスをして、囁くように声をかける
「起きて。楽しいデートに出かけるよ」
その声にパッと目を開けて、体を起こすメグミ。優しく笑っているタモツを見て、自分が裸だと気づき、慌てて布団をかぶる。ほぼ毎朝の光景だ。
特別朝が弱いわけでもないのに、この家ではだいたいタモツの方が早く起きて、こうやってメグミを起こすのだ。
「シャワーを浴びておいで。そのままでいるなら襲うよ?デートは無しだなぁ」
なんて、いじわるを言うが、布団の中にタオルを差し入れてくれるのだから、からかっているだけなのだ。
タオルを体に巻きつけ、浴室にメグミが向かうと、その間にタモツはサンドイッチの用意をする。
今日も車で出かけるので、途中で食べられるものを。ということだ。
シャワーを浴びて出てきたメグミに
「今日も車で出かけるから、メグミの家に寄れるよ」と声をかける。
二人で自転車でメグミの家まで行き、メグミが出かける準備をしている間に、タモツは車を借りに行く。
「今日は外だから、気軽な服装がいいよ。あと、お小遣いを持っておいで」
そういうタモツも、今日の服装はジーンズと長そでのTシャツに、ラフなジャケットという姿だ。
帰宅途中に何を着ていくか頭の中で必死に組み立て、急いで支度をする。
タモツの友人の車が置いてある場所から、メグミの家までにかかる時間は、全開でなんとなく分かったので、急いで支度をすると外に出てタモツを待つことにする。
今日のメグミは、ふんわりしたガウチョパンツに、薄手のニットのアンサンブル、そして防寒用にストール。
外だということで帽子も被って来た。
タイミングよく、タモツが戻ってきたので、そのまま車に乗り込む。
「待たせた?」
「いいえ、ちょうど出てきたところでした」
「それなら良かった。じゃあ出かけよう」
土曜日の朝とあって、道はほどほどに混んでいるが、平日ほどではない。
「朝食を食べる時間がなかったから、飲み物とサンドイッチを持ってきたよ。適当に食べてね」
タモツがドリンクホルダーに置いた保温瓶と、袋に入れたサンドイッチを示すと、メグミはくすくすと笑いだす。
「やっぱりタモツさん、お母さんみたいです」
「めぐみ、朝ごはんちゃんと食べなさい」
タモツがふざけて高い声を出して、母の真似?をすると、さらにメグミが笑う。
「タモツさんのお母さんは、そんな感じですか?」
「いや、違うね。うちの母は・・・もっと、なんというか、のんびりだね」
「のんびり、ですか?」
「そう。あとちょっと、何を考えているのか分からないところがある人だよ」
「ふぅん」
タモツさんのお母さんだから、やっぱり美人なんだろうか。ちょっと気になるけど会うことはないんだろうなぁと、メグミは思った。
「じゃあ、サンドイッチいただきますね。タモツさんは、運転しながら?大丈夫ですか?」
「信号待ちの間とかに、ちょこちょこ食べるよ」
「あ、じゃあタモツさんの分も出して、止まったら渡しますよ」
食べやすくラップに包まれているサンドイッチを手に取り、いつでも差し出せるように準備しておく。しかし、タイミングよく信号待ちにならず、車を止めることなく順調に走り続ける。
「不思議ですね。信号待ちになることを期待すると、赤信号にひっかからないし、急いでいる時には、すごくひっかかる」
遠慮がちにサンドイッチをちびちびと食べていたメグミが首をかしげる。
「運転あるあるだね」
「自転車とか歩きの時でも、急いでるときってけっこう赤信号にひっかかるんですよ。ただその時は、急いでいるからこそ落ち着けって言われてる気がするから、気持ちを落ち着かせる時間にするんですけど、この、信号に引っかかりたいときに限って止まることなく進むっていうのは、どういう意味があるんでしょうね?」
「んー。食べずに進めってことかな」
「あっだったら、わたしも食べない方がいいかな。これから行くところに、美味しいものが待ってます?」
「たぶんね」
それは楽しみと、食べかけのサンドイッチをラップに包みなおすメグミだが、タモツがせっかく作ってくれたのを残すのもどうかと悩んでしまう。
「今日は買い食いだから、その時に一緒に食べればいいよ。持って帰ってもいいしね」
「買い食い?」
「そう。買い食い。いろんなものを買って適当に食べよう」
目的地を聞かされていないメグミだが、そのヒントに期待が高まる。
結局、信号に引っかかった時には飲み物を飲むだけで、サンドイッチは残しておくことになった。
そして目的地。
「山のマルシェー♪すごい。ここ来てみたいって思ってたんですよ」
メグミが目を輝かせて喜ぶ姿を見て、満足げに微笑むタモツ。
『山のマルシェ』は年に二回開催されるイベントで、様々な手作りアーティストが集まり、美味しい食べ物の出店もある人気のイベントだが、電車では行きにくい立地と、土日開催ということもあり、メグミ一人では行くことの出来ないイベントだった。
会場からちょっと遠い駐車場しか空いていなかったため、ちょっと歩くことになったが、うきうきと歩くメグミ。気が急いているのかいつもより早く歩いている。
「そんなに慌てると、転ぶよ」
「あっ子ども扱いしないでくださいよー」
頬を膨らませて文句を言うメグミが、つまずいてバランスを崩すのはお約束だ。
「ほら、手をつないで」
「・・・はい」
タモツの大きな手に包まれて、ちょっと嬉しくなる。
(こんな風に手をつなぐの、はじめてかも)
入り口で200円のマップを購入して、じっくりと眺めるメグミ。とても真剣な表情だ。
「順番に見ていかないの?」
「もちろん、全部見ますけど、見落としがないようにしないと。あっ、でも先に食べ物ブースに行きましょう!こういうイベントって、先に食べ物が売れちゃうんですよ。昼時は大混雑するでしょうし」
マップで食べ物ブースやキッチンカーの場所をチェックすると、タモツの手を引っ張って早足で歩きだす。メグミの早足はタモツの普通だ。
山のマルシェが開催される場所は、ピクニック用に設けられた広場のような場所だが、ところどころに木が生えており、とうぜん地面はでこぼこしている。
そんな中をマップを見ながら歩くメグミ、当然しょっちゅう転びそうになるのをタモツが支える。そしてマップを取り上げられるのだった。
「えー」
「えーじゃない。危ないから」
そして食べ物ブースの前に着くと、こちらで一つ、あちらで一つと買い求めていく。
メグミのお財布事情はあまり良くない。一人暮らしで社員になりたてのため、少ない給料をやりくりしている。
最近はタモツの家で食事をいただき、寝泊まりしているため、お金をほとんど使っていない。
自宅いる時間が少ないから、光熱費もかなり節約出来ている。
もちろん、そんな状況を甘んじて受け入れているわけではなく、タモツに食費と光熱費の一部を負担することを申し出て、きっぱりと断られている。
どうしたら、その分を返せるのか悩んでいるところだが、今日だけは財布の中身に余裕があることを嬉しく思ってしまうメグミだった。
とはいえ、散財できるほどではないので、一つのブースで吟味して一つ買う、もしくはあきらめている。
タモツはというと、そんなメグミの様子をしっかりチェックして、彼女があきらめた品を含めて気になる品を数点買い求めていた。
シェフだから、研究の為にいろいろ試さないとね。という言い訳をもとに。
持ち帰りの出来るパンや、袋に入った菓子類などを一通り買った後、キッチンカーを見て回って今日のランチを選ぶ。
タモツはやはり参考にするため、と言ってヴィーガンバーガーを選んだ。
ヴィーガン、つまり、動物性食品を使わない品だ。
最近はカフェでも、そのような問い合わせが多く、外国人客の増加もあって、そう言った品を増やしていく必要があった。
メグミは、カフェで出てくることがないという理由で、ピザを選んでいた。
「車の中に石釜があるって、不思議―」
というのが、ピザを選んだもう一つの理由だ。
ベンチなどはどこも埋まっていたが、タモツは用意周到にピクニックシートと古新聞を持ってきていた。
カフェで不要になった新聞だ。
それをたたんだ状態で地面に置き、その上からピクニックシートを敷く。
新聞紙を敷いた部分にメグミを座らせる。段ボールの方がいいのだが、さすがに鞄の中に入らなかった。
その気配りにメグミは感謝し、喜んだ。
バーガーの中身をじっくり確認しながら食べるタモツ。もちろんメグミも一口もらう。
ピザも分け合って食べた。
メグミは珍しく、食べている最中もマップから目を離さない。
いつも行儀よく、食べている最中に何かを読んだりせず、食べることに集中しているのに、それだけ気になっているのだと思うと、タモツは連れてきて良かったと改めて思うのだった。
食事が終わるとタモツはメグミに
「一人で一通り回っておいで」
と言った。
疲れたのかとか、本当は興味がないのかとか心配になるメグミだったが
「一人の方が気楽にみられるし、出展者の人とも話せるだろう。どうせ何周も回るだろうから二周目から付き合うよ」と優しく微笑まれたので、遠慮なくその通りにした。
いそいそとブースに歩いていき、くまなく回っているメグミの姿を目で追いながら
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