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第3章
第25話 クリスの大罪
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「ステラ! 大丈夫か!?」
鍔迫り合いながら横目を見ると、腹部に蹴りを受けて吹き飛ばされているステラの姿が見えた。明らかに敵対行為を行っているクリスだが、どうにも本気で戦っているようには見えない。
ステラがクリスよりも弱いから押されているように見えてしまうが、戦い方を見るに手を抜いているようだ。
「私は大丈夫! クリス君を抑えるので精一杯だよ!」
「無理はするなよ! 危なかったらすぐに逃げるんだ!」
本気ではないと見えるが、何かの拍子に殺される可能性がある状況だ。
今は逃げろとしか言えない自分が悔しい。しかしそうは言えない状況だ。ルナを抑え、ステラがクリスを倒してくれないと駄目だ。
「とはいえ、あの様子じゃクリスを倒せないな。どうしたものか……」
洗脳状態のルナと手を抜いて戦っているクリス。
二人を相手に出来るほどの技量はないノアにとって、格上のルナを相手にするだけで精一杯だ。
「――――」
「どうした!? 何かあったのか!?」
ルナが何を言っているのか分からない。
言葉にならない何かを発しているのは分かるが、言葉の意味が理解できない。一体何を伝えようとしているのだろうか。
「何を言ってるんだ! 意識が戻りそうなのか!?」
「――――」
口を軽く開けて何か言葉を発しながら、ノアの剣を上部に弾く。そして風切り音を発生させながら鋭い一撃を顔に放ってくる。だが、その攻撃は読んでいたノアは身体を左に移動させ、軽々と攻撃を避けた。
剣を弾いたら身体のどこかを攻撃するのは当然。それに洗脳されているのなら高度な攻撃はできない。ありふれた基本的な攻撃が関の山だ。
「洗脳されているが故の単調な攻撃で助かっているけど、これが普通の戦いだったら最初の一撃で殺されていたな」
迫る斬撃を避けつつありえたかもしれないことを考えていると、ノアの目の前の地面にステラの剣が突き刺さった。
「ス、ステラの剣!? 一体何があったんだ!?」
ステラの方を見ると、首元に剣を突き付けられている姿がそこにあった。
先ほどまで手加減をしていたのに、なぜ突然本気を出したのだろうか。一体何が起きたのかとクロスを見ると、薄っすらと背後に黒い靄が漂っているのが見えた。
「あの黒い靄が何かをしたのか? ついさっきまではなかったはずだけど、もしかしたらあの黒い靄がクリスに何かさせているのか?」
考えても仕方がない。
ルナを抑えながら、どうやってステラを救うのかを考えるのが先決だ。二人を相手にするのは無謀だが、今はそうすることでしかルナを救える手段が思いつかない。
「やっぱりそれしかないよな――」
ごめんと言い、ルナの剣を弾いて腹部に肘を入れて態勢を崩す。そして地面に膝を付いた隙を見逃さず、すぐさまクリスのもとへと走ることにした。
「クリス! どうして裏切った!」
剣に炎を纏わせて勢いよく振り下ろすが、軽々と躱されてしまう。
胡散臭い男だと思っていたが、実際はかなりの実力を有しているようだ。ルナに近いか、それ以上の強さを目の前にいるクリスから感じる。
「君には分からないさ。それに理解もできないだろう。大罪人として生きながらも妹さんに出会え、幸せを手に入れた君には分からないことさ」
「そんなことはない! その言い方からすると、何か弱みを握られているのか?」
「言う必要はない。大罪人が口を出すな!」
何を話かけても答えない。
背後にある黒い靄が関係しているのは確かだと思うが、クリスが気が付いている様子はない。気性を荒くさせられているようだが、誰があんなことをするのか。
「口を出すさ! お前のことは嫌いだけど、ステラを思う気持ちは本物だったはずだ! それがどうして殺すような真似をしているんだ!」
「それは……君は関係ない! こっちにも譲れない目的があるんだ!」
目的と言ったクリスは膝を付いているルナを呼び、二人で攻撃を仕掛けるようだ。
さすがに二対一は厳しい。ルナに怪我をさせてしまう恐れがあるし、クリスとは殺し合いになるだろう。だが、ノアは恐れていない。クリスとは殺し合いの末に何か分かり合える部分があると、本能が告げているからだ。
「お前も何かを背負っているんだろうが、ステラを攻撃した時点で俺の敵だ!」
「元から敵だ! 大罪人が……お前が現れなければ僕は!」
ノアの出現で何が変わったのかは知らないが、起きた自称を他人のせいにしているようだ。
「お前を殺して、ルナを解放させてもらう!」
二対一だが恐れることはない。
ルナは単調な攻撃しかできないので、集中するべきはクリスただ一人。空気を吸い過ぎて痛む肺を気にせず、ノアは炎剣の温度を上げて駆け出した。
鍔迫り合いながら横目を見ると、腹部に蹴りを受けて吹き飛ばされているステラの姿が見えた。明らかに敵対行為を行っているクリスだが、どうにも本気で戦っているようには見えない。
ステラがクリスよりも弱いから押されているように見えてしまうが、戦い方を見るに手を抜いているようだ。
「私は大丈夫! クリス君を抑えるので精一杯だよ!」
「無理はするなよ! 危なかったらすぐに逃げるんだ!」
本気ではないと見えるが、何かの拍子に殺される可能性がある状況だ。
今は逃げろとしか言えない自分が悔しい。しかしそうは言えない状況だ。ルナを抑え、ステラがクリスを倒してくれないと駄目だ。
「とはいえ、あの様子じゃクリスを倒せないな。どうしたものか……」
洗脳状態のルナと手を抜いて戦っているクリス。
二人を相手に出来るほどの技量はないノアにとって、格上のルナを相手にするだけで精一杯だ。
「――――」
「どうした!? 何かあったのか!?」
ルナが何を言っているのか分からない。
言葉にならない何かを発しているのは分かるが、言葉の意味が理解できない。一体何を伝えようとしているのだろうか。
「何を言ってるんだ! 意識が戻りそうなのか!?」
「――――」
口を軽く開けて何か言葉を発しながら、ノアの剣を上部に弾く。そして風切り音を発生させながら鋭い一撃を顔に放ってくる。だが、その攻撃は読んでいたノアは身体を左に移動させ、軽々と攻撃を避けた。
剣を弾いたら身体のどこかを攻撃するのは当然。それに洗脳されているのなら高度な攻撃はできない。ありふれた基本的な攻撃が関の山だ。
「洗脳されているが故の単調な攻撃で助かっているけど、これが普通の戦いだったら最初の一撃で殺されていたな」
迫る斬撃を避けつつありえたかもしれないことを考えていると、ノアの目の前の地面にステラの剣が突き刺さった。
「ス、ステラの剣!? 一体何があったんだ!?」
ステラの方を見ると、首元に剣を突き付けられている姿がそこにあった。
先ほどまで手加減をしていたのに、なぜ突然本気を出したのだろうか。一体何が起きたのかとクロスを見ると、薄っすらと背後に黒い靄が漂っているのが見えた。
「あの黒い靄が何かをしたのか? ついさっきまではなかったはずだけど、もしかしたらあの黒い靄がクリスに何かさせているのか?」
考えても仕方がない。
ルナを抑えながら、どうやってステラを救うのかを考えるのが先決だ。二人を相手にするのは無謀だが、今はそうすることでしかルナを救える手段が思いつかない。
「やっぱりそれしかないよな――」
ごめんと言い、ルナの剣を弾いて腹部に肘を入れて態勢を崩す。そして地面に膝を付いた隙を見逃さず、すぐさまクリスのもとへと走ることにした。
「クリス! どうして裏切った!」
剣に炎を纏わせて勢いよく振り下ろすが、軽々と躱されてしまう。
胡散臭い男だと思っていたが、実際はかなりの実力を有しているようだ。ルナに近いか、それ以上の強さを目の前にいるクリスから感じる。
「君には分からないさ。それに理解もできないだろう。大罪人として生きながらも妹さんに出会え、幸せを手に入れた君には分からないことさ」
「そんなことはない! その言い方からすると、何か弱みを握られているのか?」
「言う必要はない。大罪人が口を出すな!」
何を話かけても答えない。
背後にある黒い靄が関係しているのは確かだと思うが、クリスが気が付いている様子はない。気性を荒くさせられているようだが、誰があんなことをするのか。
「口を出すさ! お前のことは嫌いだけど、ステラを思う気持ちは本物だったはずだ! それがどうして殺すような真似をしているんだ!」
「それは……君は関係ない! こっちにも譲れない目的があるんだ!」
目的と言ったクリスは膝を付いているルナを呼び、二人で攻撃を仕掛けるようだ。
さすがに二対一は厳しい。ルナに怪我をさせてしまう恐れがあるし、クリスとは殺し合いになるだろう。だが、ノアは恐れていない。クリスとは殺し合いの末に何か分かり合える部分があると、本能が告げているからだ。
「お前も何かを背負っているんだろうが、ステラを攻撃した時点で俺の敵だ!」
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ノアの出現で何が変わったのかは知らないが、起きた自称を他人のせいにしているようだ。
「お前を殺して、ルナを解放させてもらう!」
二対一だが恐れることはない。
ルナは単調な攻撃しかできないので、集中するべきはクリスただ一人。空気を吸い過ぎて痛む肺を気にせず、ノアは炎剣の温度を上げて駆け出した。
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