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第14話 初めての武器
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「でもまだ身体が……」
出雲がそう美桜に言うと、美桜は回復魔法をかけるねと言ってくれた。
「私が使える回復魔法は、一番簡単なリキュアしか使えないの」
リキュアは回復魔法の一番最初に習う魔法である。誰でもは使えない魔法であるが、回復魔法を習うものにとっては一番簡単とされている魔法である。効果は多少の疲労回復や虚脱感の緩和である。
「だとしても使える美桜は凄いよ! 現に俺の身体はこんなに回復してる!」
出雲がそう言うと、美桜はありがとうと返答した。そして、それから訓練を再開して晩御飯を昨晩と同じく楽しそうに食べた。その繰り返しを続けて一か月が早々に経過しようとしていた。
「身体も着々と出来てきましたね。 初めて会った時の痩せ細った感じではなく、細いながらも筋肉量が増えてガッチリとしてきました!」
雫が出雲の部屋で上半身裸の出雲の肉体と触っていると、雫の背後から美桜がひょっこりと顔を出した。あれから美桜に弄られながらも仲良くしていた。美桜は出雲の反応が楽しくて弄ることを一つの楽しみとしていた。出雲はそんな楽しそうな美桜の顔を見ることが好きで、特に怒るなどのことはしなかった。
「出雲の身体が痩せ細ってない! びっくり!」
口元を右手で覆いながら、美桜も出雲の身体を触っていく。雫の触り方とは違い、左手の人差し指でゆっくり触れているので、出雲は気持ちよくなってしまい、ひゃうんと声を出してしまった。
「何て声を出しているのよ。 朝から変な声出さないで」
そう言いながら出雲の脇腹を軽く小突く美桜。出雲はくすぐったいよと言って美桜の小突いている右手を掴んだ。そして、出雲が服を着ると美桜が思い出したと言って出雲に今日友達が来るんだと言ってくる。
「友達!? 美桜の友達が今日来るの!?」
出雲はベットに座りながら美桜に言うと、雫が今日でしたねと言っていた。
「来るなら言ってよ! 心の準備が!」
出雲は美桜や雫に、屋敷の使用人たちとしか普通に接することが未だに出来ないでいた。それ以外の人たちと会うとあたふたと挙動不審な動きをしてしまう。美桜はそんな出雲が可愛いと思っていたが、雫に相談をしていつかは治ってもらわないとと考えていた。
「だから、中庭から出てこないでね!」
美桜がそう言うと、出雲は雫さんと訓練してるから行かないよと言った。美桜はそれでよしと言うと部屋から出て行った。
「美桜様もお友達を招く準備を始めたところで、私たちも訓練をしましょうか」
雫はそう言い、出雲を連れて中庭に向かった。中庭に到着をすると、武器の訓練をしましょうと雫は言う。
「武器ですか? 武器って持ったことないんですけど……」
出雲が言うと、雫はこの世界では魔法の他に武器による近接戦闘もありますと言う。
「私たちが初めて会った時にも私と美桜様は武器を持って魔物と対峙していましたよね?」
そう言われて出雲は確かに武器を持っていたと思い出す。
「確かに。 俺にも武器の使い方を教えてください!」
出雲は頭を下げた。雫はそれを見てちゃんと教えるよと優しい笑みを浮かべていた。雫は腰に下げていた自身が使用をしている剣を鞘から抜き取ると、静かに構えた。出雲は事前に手渡されいた剣を構えると、その剣の重さに驚く。
「鉄で出来ているから重いですね」
鍛えた身体だというのにその剣の重さに驚くも、一か月前とは違うと自身を奮い立たせる。出雲が握る剣はどこにでもある一般的な鉄の剣であるが、出雲にとっては一般的ではなく、この世界で初めて手に取った武器である。
「剣は扱う人によって人を救ったり人を殺します。 出雲が握っている剣とはそういうものです」
出雲は雫に言われて、俺は救っていくと考える。そして、雫は武器を扱う訓練をしましょうと言う。
「まずは素振りからしましょう。 剣の扱いに慣れていかないといけませんからね」
雫が剣を振るっていく。出雲はその雫の動作を真似して、持っている剣を振るっていく。
「お、重い……下に振るって上に持ち上げると手首や二の腕に凄い負荷が!」
歯を喰いしばって上下に剣を振るうと、雫が次は水平に振るいましょうと言ってくる。出雲は雫の動きを真似して水平に振るう。その動きを一時間程度し、五分間休憩をしましょうと雫は出雲に話しかける。
出雲がそう美桜に言うと、美桜は回復魔法をかけるねと言ってくれた。
「私が使える回復魔法は、一番簡単なリキュアしか使えないの」
リキュアは回復魔法の一番最初に習う魔法である。誰でもは使えない魔法であるが、回復魔法を習うものにとっては一番簡単とされている魔法である。効果は多少の疲労回復や虚脱感の緩和である。
「だとしても使える美桜は凄いよ! 現に俺の身体はこんなに回復してる!」
出雲がそう言うと、美桜はありがとうと返答した。そして、それから訓練を再開して晩御飯を昨晩と同じく楽しそうに食べた。その繰り返しを続けて一か月が早々に経過しようとしていた。
「身体も着々と出来てきましたね。 初めて会った時の痩せ細った感じではなく、細いながらも筋肉量が増えてガッチリとしてきました!」
雫が出雲の部屋で上半身裸の出雲の肉体と触っていると、雫の背後から美桜がひょっこりと顔を出した。あれから美桜に弄られながらも仲良くしていた。美桜は出雲の反応が楽しくて弄ることを一つの楽しみとしていた。出雲はそんな楽しそうな美桜の顔を見ることが好きで、特に怒るなどのことはしなかった。
「出雲の身体が痩せ細ってない! びっくり!」
口元を右手で覆いながら、美桜も出雲の身体を触っていく。雫の触り方とは違い、左手の人差し指でゆっくり触れているので、出雲は気持ちよくなってしまい、ひゃうんと声を出してしまった。
「何て声を出しているのよ。 朝から変な声出さないで」
そう言いながら出雲の脇腹を軽く小突く美桜。出雲はくすぐったいよと言って美桜の小突いている右手を掴んだ。そして、出雲が服を着ると美桜が思い出したと言って出雲に今日友達が来るんだと言ってくる。
「友達!? 美桜の友達が今日来るの!?」
出雲はベットに座りながら美桜に言うと、雫が今日でしたねと言っていた。
「来るなら言ってよ! 心の準備が!」
出雲は美桜や雫に、屋敷の使用人たちとしか普通に接することが未だに出来ないでいた。それ以外の人たちと会うとあたふたと挙動不審な動きをしてしまう。美桜はそんな出雲が可愛いと思っていたが、雫に相談をしていつかは治ってもらわないとと考えていた。
「だから、中庭から出てこないでね!」
美桜がそう言うと、出雲は雫さんと訓練してるから行かないよと言った。美桜はそれでよしと言うと部屋から出て行った。
「美桜様もお友達を招く準備を始めたところで、私たちも訓練をしましょうか」
雫はそう言い、出雲を連れて中庭に向かった。中庭に到着をすると、武器の訓練をしましょうと雫は言う。
「武器ですか? 武器って持ったことないんですけど……」
出雲が言うと、雫はこの世界では魔法の他に武器による近接戦闘もありますと言う。
「私たちが初めて会った時にも私と美桜様は武器を持って魔物と対峙していましたよね?」
そう言われて出雲は確かに武器を持っていたと思い出す。
「確かに。 俺にも武器の使い方を教えてください!」
出雲は頭を下げた。雫はそれを見てちゃんと教えるよと優しい笑みを浮かべていた。雫は腰に下げていた自身が使用をしている剣を鞘から抜き取ると、静かに構えた。出雲は事前に手渡されいた剣を構えると、その剣の重さに驚く。
「鉄で出来ているから重いですね」
鍛えた身体だというのにその剣の重さに驚くも、一か月前とは違うと自身を奮い立たせる。出雲が握る剣はどこにでもある一般的な鉄の剣であるが、出雲にとっては一般的ではなく、この世界で初めて手に取った武器である。
「剣は扱う人によって人を救ったり人を殺します。 出雲が握っている剣とはそういうものです」
出雲は雫に言われて、俺は救っていくと考える。そして、雫は武器を扱う訓練をしましょうと言う。
「まずは素振りからしましょう。 剣の扱いに慣れていかないといけませんからね」
雫が剣を振るっていく。出雲はその雫の動作を真似して、持っている剣を振るっていく。
「お、重い……下に振るって上に持ち上げると手首や二の腕に凄い負荷が!」
歯を喰いしばって上下に剣を振るうと、雫が次は水平に振るいましょうと言ってくる。出雲は雫の動きを真似して水平に振るう。その動きを一時間程度し、五分間休憩をしましょうと雫は出雲に話しかける。
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