79 / 120
第79話 借金
しおりを挟む
美桜が驚いていると、メイドの女性が朝食であるカレーライスを美桜の前に置いた。朝からカレーライスかと驚いていたが、その美味しそうな匂いを嗅ぐと美桜は一気にお腹が鳴った。
「いただきます!」
美桜がそう言ってカレーライスを食べると、その美味しさに頬が溶けそうになった。辛さの中に甘みを感じたので、辛いだけじゃないことに驚き、スプーンを握る手が止まらなかった。
美桜は食べ進めていると、スプーンを握る手を止めて明臣に桜温泉の携わった場所を聞いた。
「どこに携わったのですか?」
明臣は食べるのを止めて、春の季節をイメージした海外の温泉ですねと言った。
「海外の地方都市や春しか季節がない場所の秘境など、実際に現地に行って写真を撮影したり感じたことを活かしているよ」
そう言われた美桜は、桜温泉に行ってみたいなと思っていた。その後も温泉のことを三人で話していると、朝食を食べ終えたのでその場を後にした。
「では私は仕事があるのでこれで失礼をするよ」
当主がそう言うと、明臣も当主に続いて歩いていた。美桜は自室に戻ると、スマートフォンに雫から連絡が入っていた。
「雫から電話だ! なにか進展があったのかな?」
美桜は雫に電話をかけると、雫はすぐに電話に出た。
「あ、雫? 何かあったの?」
美桜が雫に聞くと、雫は大変なことが分かりましたと美桜に言う。美桜はその雫の言葉を聞いて、何が分かったのと聞いた。すると雫はどちらにも弦十郎様が関わっていましたと言った。
「それ本当なの!? 何でお父様が関わっているのよ!」
美桜が声を荒げていると、雫が落ち着いてくださいと話していた。
「ごめんなさい。 まさかそこでもお父様の名前が出るとは思わなくて」
そう美桜が言うと、雫は弦十郎が篁家に取引先を通して不当な圧力をかけて取引料の増加や商品の流通を絞ったりして金銭的に不利になるようにしていたらしい。そして、お金が回らなくなって借金が増えていくと松代商会に指示をして借金分のお金を渡して、違法な利子で借金の取り立てを行っているらしい。
「外道なことを! 何でそこまでして自分勝手に!」
美桜が怒っていると、雫が弦十郎様は皇家と美桜様を繋げて貴族としての位をさらに上げようとしていると言う。
「これ以上に家の位を上げて何をしようとしているのかしら?」
美桜が悩んでいると、雫がそこは分かりませんと言う。美桜はそうよねと思うとマリアを救わないとと思った。
「まずは、借金問題を片付けてマリアを救わないと」
美桜のその言葉を聞いた雫は、そうですねと同意をした。雫はどうにかしないといけませんねと美桜に言い、美桜も動かないとと言った。美桜は一瞬考えを頭の中で巡らすと、雫にマリアの家の借金は合計でいくらあるのと聞いた。雫はお待ちくださいと言い、何か紙を捲る音だけが聞こえた。
「お待たせしました。 篁家の借金総額は十億円です」
美桜はその合計額を聞いた瞬間に愕然とした。十億といった金額は自身の全財産でも賄えることは出来ないからである。
「流石にその金額は私のお金では払えないわね……」
美桜が唸っていると、雫がお金のことですがと話し始める。
「実は十億円の借金ですが、長男の大和様と長女の薫さま、次女の茜様がそれぞれお金を出し合うそうです。 これは弦十郎様にはご内密だそうで、これを機に弦十郎様を党首の座から引きずり降ろそうとしているようです」
美桜がそう聞くと、私も出すわと言う。美桜は二億円を出すことで四人合わせて十億円となり、マリアの家の借金を返済できることとなった。
「早く動かないと! 雫が十億円もらって返済しに行って! 私の通帳がある場所は分かるわよね? カードも忘れずに持って出金して!」
美桜の指示通りに雫は動くと言って通話が終わる。美桜はすぐに明臣に知らせようと部屋を出て明臣の部屋に向かう。
「入るわよ? いい?」
その言葉と共に明臣の部屋の扉を開ける。そこには明臣が勉強をしていた。明臣は突然入ってきた美桜に驚くも、早く動こうと近づきながら言ってきた美桜の言葉を聞いてすぐに立ち上がった。
「いただきます!」
美桜がそう言ってカレーライスを食べると、その美味しさに頬が溶けそうになった。辛さの中に甘みを感じたので、辛いだけじゃないことに驚き、スプーンを握る手が止まらなかった。
美桜は食べ進めていると、スプーンを握る手を止めて明臣に桜温泉の携わった場所を聞いた。
「どこに携わったのですか?」
明臣は食べるのを止めて、春の季節をイメージした海外の温泉ですねと言った。
「海外の地方都市や春しか季節がない場所の秘境など、実際に現地に行って写真を撮影したり感じたことを活かしているよ」
そう言われた美桜は、桜温泉に行ってみたいなと思っていた。その後も温泉のことを三人で話していると、朝食を食べ終えたのでその場を後にした。
「では私は仕事があるのでこれで失礼をするよ」
当主がそう言うと、明臣も当主に続いて歩いていた。美桜は自室に戻ると、スマートフォンに雫から連絡が入っていた。
「雫から電話だ! なにか進展があったのかな?」
美桜は雫に電話をかけると、雫はすぐに電話に出た。
「あ、雫? 何かあったの?」
美桜が雫に聞くと、雫は大変なことが分かりましたと美桜に言う。美桜はその雫の言葉を聞いて、何が分かったのと聞いた。すると雫はどちらにも弦十郎様が関わっていましたと言った。
「それ本当なの!? 何でお父様が関わっているのよ!」
美桜が声を荒げていると、雫が落ち着いてくださいと話していた。
「ごめんなさい。 まさかそこでもお父様の名前が出るとは思わなくて」
そう美桜が言うと、雫は弦十郎が篁家に取引先を通して不当な圧力をかけて取引料の増加や商品の流通を絞ったりして金銭的に不利になるようにしていたらしい。そして、お金が回らなくなって借金が増えていくと松代商会に指示をして借金分のお金を渡して、違法な利子で借金の取り立てを行っているらしい。
「外道なことを! 何でそこまでして自分勝手に!」
美桜が怒っていると、雫が弦十郎様は皇家と美桜様を繋げて貴族としての位をさらに上げようとしていると言う。
「これ以上に家の位を上げて何をしようとしているのかしら?」
美桜が悩んでいると、雫がそこは分かりませんと言う。美桜はそうよねと思うとマリアを救わないとと思った。
「まずは、借金問題を片付けてマリアを救わないと」
美桜のその言葉を聞いた雫は、そうですねと同意をした。雫はどうにかしないといけませんねと美桜に言い、美桜も動かないとと言った。美桜は一瞬考えを頭の中で巡らすと、雫にマリアの家の借金は合計でいくらあるのと聞いた。雫はお待ちくださいと言い、何か紙を捲る音だけが聞こえた。
「お待たせしました。 篁家の借金総額は十億円です」
美桜はその合計額を聞いた瞬間に愕然とした。十億といった金額は自身の全財産でも賄えることは出来ないからである。
「流石にその金額は私のお金では払えないわね……」
美桜が唸っていると、雫がお金のことですがと話し始める。
「実は十億円の借金ですが、長男の大和様と長女の薫さま、次女の茜様がそれぞれお金を出し合うそうです。 これは弦十郎様にはご内密だそうで、これを機に弦十郎様を党首の座から引きずり降ろそうとしているようです」
美桜がそう聞くと、私も出すわと言う。美桜は二億円を出すことで四人合わせて十億円となり、マリアの家の借金を返済できることとなった。
「早く動かないと! 雫が十億円もらって返済しに行って! 私の通帳がある場所は分かるわよね? カードも忘れずに持って出金して!」
美桜の指示通りに雫は動くと言って通話が終わる。美桜はすぐに明臣に知らせようと部屋を出て明臣の部屋に向かう。
「入るわよ? いい?」
その言葉と共に明臣の部屋の扉を開ける。そこには明臣が勉強をしていた。明臣は突然入ってきた美桜に驚くも、早く動こうと近づきながら言ってきた美桜の言葉を聞いてすぐに立ち上がった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
24
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる