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第4章
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しかしショーン様が言った通り、私はやはり箱入り娘で世間に疎かったんでしょうね。
王都がこんなに治安が悪い場所だとは思いもしませんでした。
そして学園内で平気で人の物を盗む人がいるなんて考えもしませんでしたよ。しかも高位貴族のご令嬢が。
転入そうそう私は、胸元の白フクロウをデザインしたブローチを、華美すぎると言われて取り上げられました。
その日の私は、上質だけれどシンプルなデザインのワンピース姿で、飾りはそのブローチだけだったので、取り上げた侯爵家のナタリア様の方が、私の何十倍も派手でしたのに。
それに都会では情報が歪んで伝わるようです。それは情報に人の悪意が加わるせいなのでしょうか?
そのせいで私は王都の王立学園に編入した途端、悪役令嬢の烙印を押されてしまいました。
それにしても、高等教育を受けていらっしゃるというのに、何故皆さん揃いも揃ってこうも理解力や読解力がないのでしょうか?
当初私は悪役令嬢の意味が判らなかったので、妹のヒラリーにどういう意味なのかと尋ねると、彼女から数冊の恋愛小説本を手渡されました。私はそれを三十分ほどで全て読破した後、頭を捻りました。
悪役令嬢というのは、婚約者に纏わりつく自分よりも爵位の低いヒロインに、嫉妬した挙げ句に色々な苛めをする令嬢のことだそうです。
そして最終的には、卒業パーティーなどでその罪を断罪されて婚約破棄され、追放とか、修道院送りとか、投獄されるそうです。
(つまらないそんな苛めをしたくらいで罪が重過ぎません?
その程度の苛めや嫌がらせなら、この学園の半数の女子生徒が毎日していますよね)
ヒロインとは大概が平民育ちの男爵令嬢で、何故かピンクの髪の毛が多いようです。
美人というよりかわいい系の甘え上手で、健気で人の庇護欲を誘う。
貴族らしくない考えを持っているところが新鮮に映るらしく、多くの男子学生にもてますが、女子の友人はいないそうです。
(う~ん。非常識な女の子が好きなのなら、そんな子は他にも沢山いるでしょうに、何故そのヒロインだけもてるのかしら?
ヒロインが魅了という魔力持ちだったという設定の話もあったから、それならまだ理解できるのだけれど。
それにヒロインと両思いだという婚約者だけならまだ理解出来るけど、取り巻き連中まで一緒に悪役令嬢を断罪するのは理解出来ないわ。そんな事をして彼らに何の得があるのでしょう?
男同士の友情か、誤った正義感なのか。
結局彼らも婚約破棄され、廃嫡されたり騎士団へ強制連行されるし)
本を読んでも私は全く納得ができませんでした。何故私が悪役令嬢なのでしょうか。
確かに私はショーン様の婚約者ですが、高位貴族の令嬢ではありません。ですから私より身分の下のご令嬢を苛めることはできません。最下位の男爵令嬢なんですからね。
故に人前で断罪される理由がありません。
それに私はピンクブロンドの髪をしています。これって、むしろヒロインポジションではないのですかね? 途中で編入してきたわけですし。
まあ、お話に出てくるヒロインとは違って、背が低く、痩せこけていて、ポワポワ綿毛の私では、とても男の方を誘惑できる魅力なんてありませんけどね。
もちろん、私は婚約者のショーン様だけを愛しているので、もし私が仮に絶世の美女だったとしても、人様の婚約者を奪おうとするわけがありませんけれど。
故に私には、当然人様からザマァされる謂れがありません。
ザマァされるのはむしろ、私という婚約者がいるのがわかっているのに、ショーン様に纏わりついて勉強の邪魔をしたり、私にいちゃもんをつけたり、嫌がらせをしている高位貴族のご令嬢達の方ではないのでしょうか。
王都がこんなに治安が悪い場所だとは思いもしませんでした。
そして学園内で平気で人の物を盗む人がいるなんて考えもしませんでしたよ。しかも高位貴族のご令嬢が。
転入そうそう私は、胸元の白フクロウをデザインしたブローチを、華美すぎると言われて取り上げられました。
その日の私は、上質だけれどシンプルなデザインのワンピース姿で、飾りはそのブローチだけだったので、取り上げた侯爵家のナタリア様の方が、私の何十倍も派手でしたのに。
それに都会では情報が歪んで伝わるようです。それは情報に人の悪意が加わるせいなのでしょうか?
そのせいで私は王都の王立学園に編入した途端、悪役令嬢の烙印を押されてしまいました。
それにしても、高等教育を受けていらっしゃるというのに、何故皆さん揃いも揃ってこうも理解力や読解力がないのでしょうか?
当初私は悪役令嬢の意味が判らなかったので、妹のヒラリーにどういう意味なのかと尋ねると、彼女から数冊の恋愛小説本を手渡されました。私はそれを三十分ほどで全て読破した後、頭を捻りました。
悪役令嬢というのは、婚約者に纏わりつく自分よりも爵位の低いヒロインに、嫉妬した挙げ句に色々な苛めをする令嬢のことだそうです。
そして最終的には、卒業パーティーなどでその罪を断罪されて婚約破棄され、追放とか、修道院送りとか、投獄されるそうです。
(つまらないそんな苛めをしたくらいで罪が重過ぎません?
その程度の苛めや嫌がらせなら、この学園の半数の女子生徒が毎日していますよね)
ヒロインとは大概が平民育ちの男爵令嬢で、何故かピンクの髪の毛が多いようです。
美人というよりかわいい系の甘え上手で、健気で人の庇護欲を誘う。
貴族らしくない考えを持っているところが新鮮に映るらしく、多くの男子学生にもてますが、女子の友人はいないそうです。
(う~ん。非常識な女の子が好きなのなら、そんな子は他にも沢山いるでしょうに、何故そのヒロインだけもてるのかしら?
ヒロインが魅了という魔力持ちだったという設定の話もあったから、それならまだ理解できるのだけれど。
それにヒロインと両思いだという婚約者だけならまだ理解出来るけど、取り巻き連中まで一緒に悪役令嬢を断罪するのは理解出来ないわ。そんな事をして彼らに何の得があるのでしょう?
男同士の友情か、誤った正義感なのか。
結局彼らも婚約破棄され、廃嫡されたり騎士団へ強制連行されるし)
本を読んでも私は全く納得ができませんでした。何故私が悪役令嬢なのでしょうか。
確かに私はショーン様の婚約者ですが、高位貴族の令嬢ではありません。ですから私より身分の下のご令嬢を苛めることはできません。最下位の男爵令嬢なんですからね。
故に人前で断罪される理由がありません。
それに私はピンクブロンドの髪をしています。これって、むしろヒロインポジションではないのですかね? 途中で編入してきたわけですし。
まあ、お話に出てくるヒロインとは違って、背が低く、痩せこけていて、ポワポワ綿毛の私では、とても男の方を誘惑できる魅力なんてありませんけどね。
もちろん、私は婚約者のショーン様だけを愛しているので、もし私が仮に絶世の美女だったとしても、人様の婚約者を奪おうとするわけがありませんけれど。
故に私には、当然人様からザマァされる謂れがありません。
ザマァされるのはむしろ、私という婚約者がいるのがわかっているのに、ショーン様に纏わりついて勉強の邪魔をしたり、私にいちゃもんをつけたり、嫌がらせをしている高位貴族のご令嬢達の方ではないのでしょうか。
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