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第2章 魂に触れる熱
第16話
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「納得できない! どうしてこの俺がマシューと別グループなんだ!!」
「おい、声大きいぞ、ちょっと落ち着けって」
「これが落ち着いていられるか! 待ってろ、俺が副会長に直談判してくる」
「待て! この割り振りはもう動かない、馬鹿な事言ってないで真面目にやれ!」
残念な気持ちに浸る間もなく、そんな叫び声が辺りに響き渡った。周囲は一瞬何事かと声の発生源を見て、一瞬で興味を失ったように視線を逸らした。騒ぎの大元には名指しされていたマシューと、レナードにとっても見覚えのない人物が憤慨していた。どうやら宥めているのは前者らしく、後者は慣れた様子で相手を押さえていた。
レナードはといえば一緒に来た相手が別グループの上に騒動に巻き込まれてしまい、途方に暮れた。そこへ顔見知りの姿を発見し、ほっと一息ついた。
「アトラスも参加していたんだね」
勝手にこういうイベントには無縁そうなイメージを抱いていた。
「マシューに引っ張られてきたんだ。後はほとんどガイルさんの人脈じゃないかな」
やはり生徒会副会長と言うだけあり、彼の顔は広いらしい。
「今マシューと話している奴、誰だか知ってるか?」
「生徒会書記のノアだね。二人はかなり仲がいいらしいよ」
「仲がいい……のか?」
視線の先の二人の話は聞こえないが、ノアと呼ばれた人物がにじり寄り、マシューが手を払っている。見様によって険悪なムードだ。
「一説には恋人同士という噂もあるくらいだよ」
「男同士だぞ?!」
アトラスがあまりに自然と話すので、一瞬聞き間違えかと見やるが、本人は全く気にした風もなく平然としている。
「別に珍しいことじゃないよ。性別なんて関係なく、学校は自由恋愛だからね。結婚相手の 性別が同じでも違う相手と作った子供と一緒に暮らしている人も少なくはないから」
「もしかして結婚年齢も低いのか」
「そうなのかな。ちゃんと結婚してなくても卒業する頃には大体皆特定の相手がいるよ。ど こもそんな風じゃないの?」
不思議そうに答えるアトラスに対し、レナードは能力発現の方法を聞いた時と同じ位衝撃を受けた。村に定住するかどうかはまだまだ分からないが、そこまで皆の結婚が早いのならスタートラインから出遅れている彼は恋人を見つけられるかさえ怪しい。結婚なんて遠い未来だと考えていたし、新しい学校で彼女でも出来れば嬉しいとのほほんと思っていたのだ。
「アトラスも相手がいたりするのか?」
その言葉に相手は目を丸くして、少し視線を伏せた。まさか、と口で否定はしているものの、レナードの質問に戸惑いを覚えているようだった。詳しく聞きたい気持ちを必死で押さえつける。育ち切っていない想いをつつくのは藪蛇にしかならないだろう。陰ながら応援することにしよう、と自身のことは棚上げにしてそう決めた。
それから各グループのリーダーから動き方の指示がある。レナード達が所属する側はノアがリーダーだ。先ほどのシヨンに詰め寄る様子から一転して大分気だるげな様子だったが、指示は簡潔で分かりやすかった。騒いでいただけにも見えたが、きちんと双方のグループの役割分担等についての話し合いは終えていたようだ。レナードは少し失礼な考えを持っていた自分の認識を改めた。
マシュー達第一グループは派手に攻め立て、陽動を誘いつつ敵側を追い込む。ノア率いる第二グループは校外から包囲網を敷き、じわじわ範囲を狭め、最後に第一グループと合図を基に一気に攻めるという流れだった。
「おい、声大きいぞ、ちょっと落ち着けって」
「これが落ち着いていられるか! 待ってろ、俺が副会長に直談判してくる」
「待て! この割り振りはもう動かない、馬鹿な事言ってないで真面目にやれ!」
残念な気持ちに浸る間もなく、そんな叫び声が辺りに響き渡った。周囲は一瞬何事かと声の発生源を見て、一瞬で興味を失ったように視線を逸らした。騒ぎの大元には名指しされていたマシューと、レナードにとっても見覚えのない人物が憤慨していた。どうやら宥めているのは前者らしく、後者は慣れた様子で相手を押さえていた。
レナードはといえば一緒に来た相手が別グループの上に騒動に巻き込まれてしまい、途方に暮れた。そこへ顔見知りの姿を発見し、ほっと一息ついた。
「アトラスも参加していたんだね」
勝手にこういうイベントには無縁そうなイメージを抱いていた。
「マシューに引っ張られてきたんだ。後はほとんどガイルさんの人脈じゃないかな」
やはり生徒会副会長と言うだけあり、彼の顔は広いらしい。
「今マシューと話している奴、誰だか知ってるか?」
「生徒会書記のノアだね。二人はかなり仲がいいらしいよ」
「仲がいい……のか?」
視線の先の二人の話は聞こえないが、ノアと呼ばれた人物がにじり寄り、マシューが手を払っている。見様によって険悪なムードだ。
「一説には恋人同士という噂もあるくらいだよ」
「男同士だぞ?!」
アトラスがあまりに自然と話すので、一瞬聞き間違えかと見やるが、本人は全く気にした風もなく平然としている。
「別に珍しいことじゃないよ。性別なんて関係なく、学校は自由恋愛だからね。結婚相手の 性別が同じでも違う相手と作った子供と一緒に暮らしている人も少なくはないから」
「もしかして結婚年齢も低いのか」
「そうなのかな。ちゃんと結婚してなくても卒業する頃には大体皆特定の相手がいるよ。ど こもそんな風じゃないの?」
不思議そうに答えるアトラスに対し、レナードは能力発現の方法を聞いた時と同じ位衝撃を受けた。村に定住するかどうかはまだまだ分からないが、そこまで皆の結婚が早いのならスタートラインから出遅れている彼は恋人を見つけられるかさえ怪しい。結婚なんて遠い未来だと考えていたし、新しい学校で彼女でも出来れば嬉しいとのほほんと思っていたのだ。
「アトラスも相手がいたりするのか?」
その言葉に相手は目を丸くして、少し視線を伏せた。まさか、と口で否定はしているものの、レナードの質問に戸惑いを覚えているようだった。詳しく聞きたい気持ちを必死で押さえつける。育ち切っていない想いをつつくのは藪蛇にしかならないだろう。陰ながら応援することにしよう、と自身のことは棚上げにしてそう決めた。
それから各グループのリーダーから動き方の指示がある。レナード達が所属する側はノアがリーダーだ。先ほどのシヨンに詰め寄る様子から一転して大分気だるげな様子だったが、指示は簡潔で分かりやすかった。騒いでいただけにも見えたが、きちんと双方のグループの役割分担等についての話し合いは終えていたようだ。レナードは少し失礼な考えを持っていた自分の認識を改めた。
マシュー達第一グループは派手に攻め立て、陽動を誘いつつ敵側を追い込む。ノア率いる第二グループは校外から包囲網を敷き、じわじわ範囲を狭め、最後に第一グループと合図を基に一気に攻めるという流れだった。
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