魔王様の生贄になったはずが、気づいたら許嫁になっていた!?

鳴神 祈

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あれから何日が経過しただろうか・・・。

私は一人、部屋で魔王襲来の時を待っていた。
そんな時、使用人がやってきた。

「リオン様。何も聞かずに周りには内緒で私についてきてください。」

何かと思えば、突然とんでもないことを言い出した。

私がびっくりして声を出そうとすると、口元に人差し指を当てて、微笑みながら首を振った。
そして使用人は私の手を引っ張り、本棚の前にやってきた。

使用人は一冊の本をゆっくり押して、何かを唱えた。
すると本棚が音を立てながらゆっくり動き出した。

私の部屋にこんな仕掛けがある本棚があったなんて・・・。
私はぽかんと口を開けながら、本棚を見つめていた。

本棚はみるみるうちに開いていき、中から階段が現れた。

そしてまた使用人に手を引かれて階段を下りていくとそこには・・・。






数日間、情報収集をして分かったこと。
それは、リオンが生贄に選ばれて監禁されていること。
そして、一人で寂しく泣いていること。

リオンがなぜ生贄になったのかまでは情報が掴めなかった。
やはり王国のバリアは分厚いか・・・。

だったら、リオンに直接聞きだすしかなさそうね。

そうと決まれば、行動するのみ。

私は王国近くの喫茶店に行った。
そこには、いつもリオンの近くにいる使用人でもあり、私の姉でもあるメアリがそこにいた。

「お姉ちゃん。ここにいると思った。」
私がそういうとメアリは私を見て笑った。
「ミーヤこそ、もうそろそろ来る頃だと思ったわ。」
その言葉を聞いて、私はやっぱり姉には敵わないと思った。

「ところでここに来た理由はリオン様のことでしょう?」
姉のメアリがそういうとミーヤが真剣な顔をした。

「お姉ちゃん。どうしてもリオンに会いたいの。力を貸してください」
私はダメもとで、お姉ちゃんに頭を下げた。

するとメアリはミーヤを見ながら
「結構難しいと思う。けど、王国には隠し通路があるの。そこを使えばリオン様を連れ出すことはできると思う。」
メアリの言葉を聞いたミーヤは笑顔になり
「それでもいいわ!リオンの顔が見れて、どうしてこんな事になってるのか、本人の口から聞ければそれでいい」

そして2人は作戦会議をして、当日を迎えたのであった。




「リオン!!!」
ミーヤが私を見つけると、名前を呼びながら飛びついてきた。

「ミーヤ!?どうしてここにいるの?」
私はびっくりして使用人とミーヤを交互に見た。

するとミーヤが私から離れて使用人の隣に行って
「この人、私のお姉ちゃんなの!」
その言葉を聞いて、私はびっくりした。
「え!?姉妹だったの!?まったく気づかなかった・・・。」

私がそう言うとミーヤは笑いながら
「ドッキリ大成功だね!」
と使用人の顔を見ながらそう言った。

使用人は俯きながら申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にした。
「リオン様。こんな騙すような真似をしてしまい、申し訳ありません。」

ミーヤのことだ。相当無理を言ったのだろう。
そう思った私は使用人に「ミーヤに会わせてくれてありがとう」と口にすると使用人から
「ミーヤがあなたにどうしても相対をおっしゃっていたので、人肌脱がせていただきました。」
使用人はそういうと続けて「あまり時間がありません。要件を済ませちゃいましょう。」とミーヤに言った。

「そうだった!リオン。どうして生贄になったの?やっぱり国王の仕業?」
リオンはミーヤに今から話すことは他言禁止だと伝えて、あの日国王に呼ばれたときに話されたことや会議の内容を涙ながらに伝えた。

ミーヤは話を真剣に聞いてくれて、一緒に泣いてくれた。
そして、ひとしきり話し終わったところで「リオン様、ミーヤ、時間です。これ以上は・・・。」
と使用人もといメアリから伝えられた。

ミーヤともう会えないから、最後にミーヤにハグをした。
「ミーヤ。あなたと過ごした時間は一生忘れない。私と友人になってくれてありがとう。ミーヤは私にとって唯一の親友であり理解者だったよ。」
私がそういうとミーヤは泣きながら
「私も・・・リオンのこと忘れないから・・・。絶対忘れない。」

二人はそう言い合って離れて、お互い歩きだした。






「メアリ。何度も同じこと言うけれど、最後にミーヤと会わせてくれてありがとう。」
リオンがそう言うとメアリは
「いえ。妹のわがままに弱いだけです。」
と言って微笑んだ。
そしてリオンも笑顔になって、部屋に無事戻ることができた。

私はこの出来事は一生忘れないと思う。
メアリ、ありがとう。

心の中でそう呟いて、眠りについた。


リオンの誕生日まであと・・・・3日・・・。
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