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ありさとシオン~最終回~
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それは突然のことだった。
ありさが何も言わずに姿を消した。
俺は両親にありさの居場所を聞いたが教えてくれなかった。
「どうしてだよ!!!俺はありさが好きなのに・・・まだこの気持ち伝えてないのに・・・急にいなくなるなよ!」
俺は部屋で叫んで暴れた。
両親はそんな俺を責めたりはしなかった。
それよりもありさの居場所を教えてくれないなんて、なんでそんな意地悪するのかわからなかった。
俺はしつこくありさの居場所を両親に聞いたが教えてくれなかった。ただ1つだけ・・・。
「シオン。これはありさが望んだことだ。シオンには居場所を教えないでくれって口止めされてるんだ。申し訳ない・・・。」
そう伝えられた俺は絶望に飲み込まれて、部屋から出れなくなった。
それからは、なにも考えることが出来ずに、殻にこもるように布団に潜って何日も過ごした。
私は今、海外に来ている。
理由は勉強と旅行が目的である。
前から英語や外国語の勉強を頑張っていて、いつか本場で会話の勉強をしたいと思っていた。
そしてようやく念願の海外に来ることが出来た。
私は海外で勉強する素晴らしさを体感しながら、有意義に過ごしていた。
そんなある日、母親から連絡がきた。
「ありさちゃん。シオンが落ち込んで部屋から出てこなくなって1週間経つのよ。」
・・・・・・・・私はシオンに言わないで海外に来たことを後悔した。
ここまでダメージが大きいと思わなかった。
言わなかった理由は簡単。
シオンに言ってしまうと、反対されたり一緒について来ようとするからだ。
だから言わないで両親にも口止めをしていた。
「あと2週間で帰るからそれまで何とか死なせないように頑張って」
私はそういうと通話を切った。
そして頭を抱えるのであった。
シオンが引きこもって2週間が経過した。
ご飯は部屋の前に置いて何とか食べてくれる状況になった。
「ありさ・・・・こんなすぐに居なくなるなら、気持ち伝えておけばよかった・・・。」
・・・・・・お通夜状態である。
そんなシオンを見かねた母親がつい口を滑らせて
「ありさちゃんがもうすぐ帰ってくるのに、そんなクズ男になったらありさちゃん、がっかりするわよ?」
と言ってしまった。
その言葉を聞いたシオンはすぐに別途から飛び出し扉を開けて母親に尋ねた。
「その言葉本当?ありさがもうすぐ帰ってくるの?」
あ・・・・やってしまったと母親は思ったが、仕方がないと諦めて
「ありさちゃんが今のシオンを見たら幻滅しちゃうんじゃない?そのままでいいの?」
母親の追い打ちをかける言葉を聞いて、シオンははっとした顔をした。
そして「お風呂入る!」と叫んでお風呂場へ向かった。
母親は呆れた顔をしながら、リビングに戻るのでした。
数日後・・・。
シオンと両親は空港にいた。
そう。今日はありさが帰国する日だ。
「ありさはまだかな?13時30分に着くんだよね?」
「そうよ。もう少しだから、落ち着いてね。」
ありさが帰ってくるとわくわくしながら待っていると、空港内のアナウンスが鳴った。
「本日は○○航空をご利用いただき、誠にありがとうございます。お客様にお知らせいたします。13時30分着○○航空371ですが、現在機内トラブルにより到着が遅れております。到着まで今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。」
・・・・え?
その便ってありさが乗ってる便だよな?
機内トラブルってなんだよ。ありさは無事なんだよな?
俺は居ても立っても居られず、キャビンアテンダントさんに質問した。
「すみません。13時30分着の飛行機って無事に到着するんですよね?」
「申し訳ございません。詳しいことは伝えることが出来ません。パイロットも無事に到着できるように最善を尽くしておりますので、今しばらくお待ちください。」
「わかりました。ありがとうございます。」
こんなやり取りをしていると、空港内のテレビで飛行機が墜落したと報道していた。
その飛行機はまさにありさが乗っていた飛行機だった。
俺は絶望に浸り、その場に崩れ落ちた・・・。
それからは何も覚えていないが、飛行機周辺で救助活動していた救急隊員から、ありさの貴重品と思われるものが発見されたこと。
体の一部が発見されてDNA鑑定の結果、ありさだと判明したこと。
それ以外は記憶がない。
ただ、葬儀などは両親が手配してくれたが、そこにありさの姿はない。
空っぽの棺を見たとき、俺は完全に抜け殻になってしまった。
それと同時に、生きてる意味が分からなくなってしまった。
・・・・・気づいたら崖の上にいた。
ここから飛び込めば楽になれるかな。
そう思って身体を傾けて、俺はこの世を去った。
・・・・・・これは美人なありさとありさ大好きシオンのラブコメである。
終
ありさが何も言わずに姿を消した。
俺は両親にありさの居場所を聞いたが教えてくれなかった。
「どうしてだよ!!!俺はありさが好きなのに・・・まだこの気持ち伝えてないのに・・・急にいなくなるなよ!」
俺は部屋で叫んで暴れた。
両親はそんな俺を責めたりはしなかった。
それよりもありさの居場所を教えてくれないなんて、なんでそんな意地悪するのかわからなかった。
俺はしつこくありさの居場所を両親に聞いたが教えてくれなかった。ただ1つだけ・・・。
「シオン。これはありさが望んだことだ。シオンには居場所を教えないでくれって口止めされてるんだ。申し訳ない・・・。」
そう伝えられた俺は絶望に飲み込まれて、部屋から出れなくなった。
それからは、なにも考えることが出来ずに、殻にこもるように布団に潜って何日も過ごした。
私は今、海外に来ている。
理由は勉強と旅行が目的である。
前から英語や外国語の勉強を頑張っていて、いつか本場で会話の勉強をしたいと思っていた。
そしてようやく念願の海外に来ることが出来た。
私は海外で勉強する素晴らしさを体感しながら、有意義に過ごしていた。
そんなある日、母親から連絡がきた。
「ありさちゃん。シオンが落ち込んで部屋から出てこなくなって1週間経つのよ。」
・・・・・・・・私はシオンに言わないで海外に来たことを後悔した。
ここまでダメージが大きいと思わなかった。
言わなかった理由は簡単。
シオンに言ってしまうと、反対されたり一緒について来ようとするからだ。
だから言わないで両親にも口止めをしていた。
「あと2週間で帰るからそれまで何とか死なせないように頑張って」
私はそういうと通話を切った。
そして頭を抱えるのであった。
シオンが引きこもって2週間が経過した。
ご飯は部屋の前に置いて何とか食べてくれる状況になった。
「ありさ・・・・こんなすぐに居なくなるなら、気持ち伝えておけばよかった・・・。」
・・・・・・お通夜状態である。
そんなシオンを見かねた母親がつい口を滑らせて
「ありさちゃんがもうすぐ帰ってくるのに、そんなクズ男になったらありさちゃん、がっかりするわよ?」
と言ってしまった。
その言葉を聞いたシオンはすぐに別途から飛び出し扉を開けて母親に尋ねた。
「その言葉本当?ありさがもうすぐ帰ってくるの?」
あ・・・・やってしまったと母親は思ったが、仕方がないと諦めて
「ありさちゃんが今のシオンを見たら幻滅しちゃうんじゃない?そのままでいいの?」
母親の追い打ちをかける言葉を聞いて、シオンははっとした顔をした。
そして「お風呂入る!」と叫んでお風呂場へ向かった。
母親は呆れた顔をしながら、リビングに戻るのでした。
数日後・・・。
シオンと両親は空港にいた。
そう。今日はありさが帰国する日だ。
「ありさはまだかな?13時30分に着くんだよね?」
「そうよ。もう少しだから、落ち着いてね。」
ありさが帰ってくるとわくわくしながら待っていると、空港内のアナウンスが鳴った。
「本日は○○航空をご利用いただき、誠にありがとうございます。お客様にお知らせいたします。13時30分着○○航空371ですが、現在機内トラブルにより到着が遅れております。到着まで今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。」
・・・・え?
その便ってありさが乗ってる便だよな?
機内トラブルってなんだよ。ありさは無事なんだよな?
俺は居ても立っても居られず、キャビンアテンダントさんに質問した。
「すみません。13時30分着の飛行機って無事に到着するんですよね?」
「申し訳ございません。詳しいことは伝えることが出来ません。パイロットも無事に到着できるように最善を尽くしておりますので、今しばらくお待ちください。」
「わかりました。ありがとうございます。」
こんなやり取りをしていると、空港内のテレビで飛行機が墜落したと報道していた。
その飛行機はまさにありさが乗っていた飛行機だった。
俺は絶望に浸り、その場に崩れ落ちた・・・。
それからは何も覚えていないが、飛行機周辺で救助活動していた救急隊員から、ありさの貴重品と思われるものが発見されたこと。
体の一部が発見されてDNA鑑定の結果、ありさだと判明したこと。
それ以外は記憶がない。
ただ、葬儀などは両親が手配してくれたが、そこにありさの姿はない。
空っぽの棺を見たとき、俺は完全に抜け殻になってしまった。
それと同時に、生きてる意味が分からなくなってしまった。
・・・・・気づいたら崖の上にいた。
ここから飛び込めば楽になれるかな。
そう思って身体を傾けて、俺はこの世を去った。
・・・・・・これは美人なありさとありさ大好きシオンのラブコメである。
終
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