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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
141 頓珍漢魔法使い
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まずだ。精霊王ってなんだ?
「なあ、精霊王って?」
オレの疑問に周りが沈黙。おい、その態度、酷くないか?
「キュウ」
「その言い方もどうよ?!」
「キュウキュウキュ」
「は? 魔力の源?」
魔力って、自己生産じゃなかったのか。大元があるのかよ?
『こやつは本当に魔法使いなのか?』
精霊! お前も失礼だな! まあ、オレ自身も、魔法使いだったってこと知ったのは二年くらい前だけどな!
「私から学んでないの?」
「多分さ、一番必要なものを引っ張り出したんだと思うんだよな」
だいたいさ、ルイの知識って底がねぇんだって。それを全部理解しようとしたら、十年くらい寝てないと駄目じゃねぇの。
「ルイの知識って何年分だよ。オレが寝こけてた期間を考えてくれよな」
周りが更に沈黙。
『こやつ、あの有名な頓珍漢魔法使いか?』
頓珍漢魔法使い? 精霊の間では、オレって頓珍漢なのかよ?
「頓珍漢かは分からないけど、少し変わってはいるよ」
『なにを言う。お主も変わり者だろう。そうか。その鳥は火の鳥か。どうりで我の攻撃を躱したはずだ』
オレ達って、そんなに有名なのか?
『……お主達ならば、根源の精霊王がお会いになるかもしれん』
「根源の精霊王?」
根源って付くってことは、他にもいるのかよ?
「あんまり頭良くねぇからさ。噛み砕いて説明してくんね?」
『本当に魔法使いになりたてなのだな。仕方ない。まず、卵の魔法使いが契約してたのは四属性の精霊王だ』
それなら分かる。四属性ってことは、地水火風だろう。
『その他に光やら闇やらの精霊王もいるが、我が属しているのは風の精霊王の膝下だ』
エアリエルは空気だからな。それはなぜか分かる。
『数多の精霊王の頂点に立つのが、根源の精霊王で、マナを司っている』
「マナってなんだよ?」
『本当に物知らずな。マナは力の源だ。お主が持つ癒しの魔力も、元を辿ればマナそのものだぞ』
ルイがなにを思ったのか、手を打つ。その音に少しだけ驚いた。
「ユグドラシルだね。見たことはないけど」
『あるわけなかろう。同じ次元に存在していては、人間が使い尽くしてしまう。本来は精霊が存在するのに必要なエネルギーなのだから』
つまりだ。卵の魔法使いは精霊王と契約をして、精霊は魔法使いに請われて卵を作る手伝いをしてたのか。でもよ、契約を無視してるって言ってたよな?
「なあ、契約を無視してるってどういうことだ?」
『精霊王と契約しておった魔法使いはしてはならない過ちを犯した。それは卵を操作してはならぬというもの。故意に操作すれば、何かが狂うのだ』
待て。憶測で言っていたことが間違ってなかったってことなのかよ。
『契約はその魔法使いの血族にのみ効力を発揮する。今、卵を作り上げている魔法使いはなにも知らず卵を作っている。本来なら許されることではないが、精霊王達は接触をしたがらなかった。なぜかは言わぬとも分かるな?』
魔法使いは良くも悪くも、好奇心の塊だからな。下手に接触して、更に事態が悪化するとか考えても不思議じゃねぇよな。
『だが、お主達二人は少しばかり普通の魔法使いと違うようだ。だから、根源の精霊王は面白がって会いたがるやもしれん』
今、おかしなことを言わなかったか? 面白がってって、どういう意味だ?!
『あの方も精霊王としては変わり者だ。変り者同士、気が合うやもしれん』
魔法使いらしくねぇ自覚はあるけどよ。こう、他人から言われると地味にへこむのはなんでだ。それが人外なのが、更にへこみ度がアップだ! もう、分かんねぇ!
「なあ、精霊王って?」
オレの疑問に周りが沈黙。おい、その態度、酷くないか?
「キュウ」
「その言い方もどうよ?!」
「キュウキュウキュ」
「は? 魔力の源?」
魔力って、自己生産じゃなかったのか。大元があるのかよ?
『こやつは本当に魔法使いなのか?』
精霊! お前も失礼だな! まあ、オレ自身も、魔法使いだったってこと知ったのは二年くらい前だけどな!
「私から学んでないの?」
「多分さ、一番必要なものを引っ張り出したんだと思うんだよな」
だいたいさ、ルイの知識って底がねぇんだって。それを全部理解しようとしたら、十年くらい寝てないと駄目じゃねぇの。
「ルイの知識って何年分だよ。オレが寝こけてた期間を考えてくれよな」
周りが更に沈黙。
『こやつ、あの有名な頓珍漢魔法使いか?』
頓珍漢魔法使い? 精霊の間では、オレって頓珍漢なのかよ?
「頓珍漢かは分からないけど、少し変わってはいるよ」
『なにを言う。お主も変わり者だろう。そうか。その鳥は火の鳥か。どうりで我の攻撃を躱したはずだ』
オレ達って、そんなに有名なのか?
『……お主達ならば、根源の精霊王がお会いになるかもしれん』
「根源の精霊王?」
根源って付くってことは、他にもいるのかよ?
「あんまり頭良くねぇからさ。噛み砕いて説明してくんね?」
『本当に魔法使いになりたてなのだな。仕方ない。まず、卵の魔法使いが契約してたのは四属性の精霊王だ』
それなら分かる。四属性ってことは、地水火風だろう。
『その他に光やら闇やらの精霊王もいるが、我が属しているのは風の精霊王の膝下だ』
エアリエルは空気だからな。それはなぜか分かる。
『数多の精霊王の頂点に立つのが、根源の精霊王で、マナを司っている』
「マナってなんだよ?」
『本当に物知らずな。マナは力の源だ。お主が持つ癒しの魔力も、元を辿ればマナそのものだぞ』
ルイがなにを思ったのか、手を打つ。その音に少しだけ驚いた。
「ユグドラシルだね。見たことはないけど」
『あるわけなかろう。同じ次元に存在していては、人間が使い尽くしてしまう。本来は精霊が存在するのに必要なエネルギーなのだから』
つまりだ。卵の魔法使いは精霊王と契約をして、精霊は魔法使いに請われて卵を作る手伝いをしてたのか。でもよ、契約を無視してるって言ってたよな?
「なあ、契約を無視してるってどういうことだ?」
『精霊王と契約しておった魔法使いはしてはならない過ちを犯した。それは卵を操作してはならぬというもの。故意に操作すれば、何かが狂うのだ』
待て。憶測で言っていたことが間違ってなかったってことなのかよ。
『契約はその魔法使いの血族にのみ効力を発揮する。今、卵を作り上げている魔法使いはなにも知らず卵を作っている。本来なら許されることではないが、精霊王達は接触をしたがらなかった。なぜかは言わぬとも分かるな?』
魔法使いは良くも悪くも、好奇心の塊だからな。下手に接触して、更に事態が悪化するとか考えても不思議じゃねぇよな。
『だが、お主達二人は少しばかり普通の魔法使いと違うようだ。だから、根源の精霊王は面白がって会いたがるやもしれん』
今、おかしなことを言わなかったか? 面白がってって、どういう意味だ?!
『あの方も精霊王としては変わり者だ。変り者同士、気が合うやもしれん』
魔法使いらしくねぇ自覚はあるけどよ。こう、他人から言われると地味にへこむのはなんでだ。それが人外なのが、更にへこみ度がアップだ! もう、分かんねぇ!
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