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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
223 兆し
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ユエとライカがチビを連れて帰った後、いつものように出勤して仕事をする。そんな日常を淡々とこなしつつ、卵の魔法使いとしての仕事もこなす。卵については魔法省内で調整をしないと駄目だから、欲しいからという理由だけでは、すぐに渡されない。仕方ねぇけど。優先的に渡されるのは初めて支給される夫婦。それでも、前よりも格段に孵化率の上がった卵に、誰もが期待を寄せていた。とは言ってもさ、まだ、孵化してねぇんだけど。
オレとルイが初めて作った三つの卵。その卵が大きく成長し、孵化の兆しを見せ始めた。本来なら自分の子供ではないから休みは取れねぇんだけど、魔法大臣の計らいで、オレとルイは休みをもらえた。
ルイの卵のかけらが入っていた籐の籠に入れられたルイの兄弟の卵。そして、なぜなのか。シロガネさんとクチバさんの子の卵まで隣にある。それに付属するように火の精霊とエアリエルが飛び交う。
「こんなに大きくなるんだな」
「そうだね」
ルイと二人で眺めて、でも、なぜかこの卵達の両親がいない。理由は、店を一週間ほど休みにするためで、その対応のためだ。たださ、孵化した後、どうすんだろ? 店に連れて行くのか?
「あのよ」
「なに?」
「この卵が孵化したら、孵化した子は店に連れて行くのか?」
「どうするんだろうね? 聞いた話だと、どちらかが長期の休みを取るみたいなんだけど」
そうだよな。放って置いて育つってわけじゃねぇし。
「この子達には精霊がついてるから、普通の子達より親は楽だと思うよ。危ない場所や状況になると助けてくれるし」
卵の上を浮遊したり、乗ったり常時側にいる精霊は、言葉通り離れることが少ない。時々、離れる時があるみてぇだけど、その場合は両親のどちらかが側にいる時らしい。
「シロガネさんとクチバさんはこの館にいろんなモノがいるから、連れてきたんだろうけど。いつの間にか守護獣もいるし」
そうなんだよな。クレハさんとカエデさんは簡単に受け入れた。ただ、レオはオレとルイ、その血筋を守護するのであって、ルイの両親とその兄弟は管轄外らしい。あくまで、オレ達の血を引く者が対象なんだとか。でもさ、同じ屋根の下で生活してんだし、レオにこの館にいるなら、ルイと同じ血を持つ者も守護しろ、って言ったんだよ。変な顔(人間と違うから変化が正確に読み取れねぇ)したけどさ、無理やり納得させた。
「参ったわ。代わりのお店を探すのに手間取って」
そう言いながら入ってきたシロガネさんと三人。
「仕方ないでしょう。二人の店はセキュリティーが万全なんだから」
「でも、納得してもらえて良かったわ」
「孵化の兆しがあれば、無条件で認められる」
カエデさんとシロガネさんの会話に、クレハさんがそう言ってる。魔法省内だけのことじゃねぇんだな。そうだよな。卵の孵化は今の魔法使いにとって、大切な場面だもんな。
「分かってるわよ。でも、この歳でこんな幸運に恵まれるなんて考えてなかったのよ。お客様も驚いてらしたし」
そうだよな。四人はオレの親より年上だもんな。
「どんな様子だ?」
三人を通り越して、クチバさんがオレとルイに近付いてきた。覗き込んだ卵に目を細めてる。
「今のところは少し動く程度だよ。でも、肌で感じる魔力の強さが増してるから」
「じゃあ、もう少しだな」
そうなんだよな。この卵。今まで魔力の波動を感じることは感じられたんだけどさ。卵の成長とともに、感じる魔力の強さが強くなってく。必然的に二つの卵の中で育ってる子は強い魔力を持ってるって分かるんだけど、ルイよりは弱いんだろうな。それでも、卵を見詰めるルイが楽しそうで嬉しそうで、それが変な言い方だけど和むんだよ。孵化までもう少し、その時間が、凄く貴重なものに思えた。
オレとルイが初めて作った三つの卵。その卵が大きく成長し、孵化の兆しを見せ始めた。本来なら自分の子供ではないから休みは取れねぇんだけど、魔法大臣の計らいで、オレとルイは休みをもらえた。
ルイの卵のかけらが入っていた籐の籠に入れられたルイの兄弟の卵。そして、なぜなのか。シロガネさんとクチバさんの子の卵まで隣にある。それに付属するように火の精霊とエアリエルが飛び交う。
「こんなに大きくなるんだな」
「そうだね」
ルイと二人で眺めて、でも、なぜかこの卵達の両親がいない。理由は、店を一週間ほど休みにするためで、その対応のためだ。たださ、孵化した後、どうすんだろ? 店に連れて行くのか?
「あのよ」
「なに?」
「この卵が孵化したら、孵化した子は店に連れて行くのか?」
「どうするんだろうね? 聞いた話だと、どちらかが長期の休みを取るみたいなんだけど」
そうだよな。放って置いて育つってわけじゃねぇし。
「この子達には精霊がついてるから、普通の子達より親は楽だと思うよ。危ない場所や状況になると助けてくれるし」
卵の上を浮遊したり、乗ったり常時側にいる精霊は、言葉通り離れることが少ない。時々、離れる時があるみてぇだけど、その場合は両親のどちらかが側にいる時らしい。
「シロガネさんとクチバさんはこの館にいろんなモノがいるから、連れてきたんだろうけど。いつの間にか守護獣もいるし」
そうなんだよな。クレハさんとカエデさんは簡単に受け入れた。ただ、レオはオレとルイ、その血筋を守護するのであって、ルイの両親とその兄弟は管轄外らしい。あくまで、オレ達の血を引く者が対象なんだとか。でもさ、同じ屋根の下で生活してんだし、レオにこの館にいるなら、ルイと同じ血を持つ者も守護しろ、って言ったんだよ。変な顔(人間と違うから変化が正確に読み取れねぇ)したけどさ、無理やり納得させた。
「参ったわ。代わりのお店を探すのに手間取って」
そう言いながら入ってきたシロガネさんと三人。
「仕方ないでしょう。二人の店はセキュリティーが万全なんだから」
「でも、納得してもらえて良かったわ」
「孵化の兆しがあれば、無条件で認められる」
カエデさんとシロガネさんの会話に、クレハさんがそう言ってる。魔法省内だけのことじゃねぇんだな。そうだよな。卵の孵化は今の魔法使いにとって、大切な場面だもんな。
「分かってるわよ。でも、この歳でこんな幸運に恵まれるなんて考えてなかったのよ。お客様も驚いてらしたし」
そうだよな。四人はオレの親より年上だもんな。
「どんな様子だ?」
三人を通り越して、クチバさんがオレとルイに近付いてきた。覗き込んだ卵に目を細めてる。
「今のところは少し動く程度だよ。でも、肌で感じる魔力の強さが増してるから」
「じゃあ、もう少しだな」
そうなんだよな。この卵。今まで魔力の波動を感じることは感じられたんだけどさ。卵の成長とともに、感じる魔力の強さが強くなってく。必然的に二つの卵の中で育ってる子は強い魔力を持ってるって分かるんだけど、ルイよりは弱いんだろうな。それでも、卵を見詰めるルイが楽しそうで嬉しそうで、それが変な言い方だけど和むんだよ。孵化までもう少し、その時間が、凄く貴重なものに思えた。
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