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銀の鳥籠Ⅱ マシロ&アサギ編
012 結界の綻び
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父さんに寮の部屋で待つように言われた母さんだけど拒絶してる。そして、頭の上に鎮座しているベニに魔力を喰べるように指示した。ベニはと言えば、嬉しそうに本来のサイズに戻って母さんの左肩に鎮座してる。
その時、俺とアサギの肩の上にいるカーバンクルと何か意思疎通してた。二羽の火の鳥と何話してんだ?
とりあえず、あの部屋を見付けた道を辿る。まあ、廊下の位置が変わってなければ、同じ場所に行けるとは思う。酷い時は一時間あれば学校内の廊下は変わっちゃうからな。
「かなり深いね」
「父さんは地下に降りた事あるの?」
「ないね。高等部三年間は殆ど生徒らしい生活を送ってなかったからね」
……それでも卒業出来るんだ。それとも、両親が特別なだけなのかな? 教師に話を聞く限り、父さんは初等部、中等部とかなり頓珍漢な生徒だったらしいから。母さんに至っては、魔法使いらしくなかったらしい。一般人として高等部に上がるまで生活してたから、頓珍漢魔法使いって魔法使いだけじゃなく妖精や精霊にも言われてたらしい。
六人で地下に潜って行く。そうしたら、また、カーバンクル二匹が勝手に走り出した。もしかして見付けたのか。便利なのか便利じゃないのか分からない。
「いきなりどうしたの?」
「多分、見付けたんだと思う」
アサギ以外、思いっきり目を見開いた。何故に感知出来るのかは謎。何せ、まだ、名前を与えてないし、契約もしてない。それでも離れないのが不思議なんだ。
カーバンクル二匹の後を追って行き着いた先は移動する部屋の扉の前。もしかして、移動しているのは扉だけで、部屋自体は移動してないのかも。つまり、魔法学校には元々、移動する扉の数だけ部屋があったって事になる。
「この子達、部屋を見付ける天才?」
父さんが珍しく困惑してる。それは分からないけど、見付けた部屋が前と同じなら、鏡があると思うよ。同じならね。何せ、暗い中後を追って行き着いたから。
父さんが慎重に扉を開く。中を伺うと感じが前に見付けた部屋と雰囲気が似ていた。ただ、暗いまま探索はしない方がいい。鏡があったら、また、攻撃されるかも。父さんにそう伝えたら頷いてくれた。杖を出して無言で杖を振る。父さんを中心に四方に光が飛び出した。天井近くまで飛んだ光がその場所に留まると部屋を照らし出す。
「……鏡だね」
みんなの視線の先にあるのは、あの時見付けた鏡だ。鏡面が波紋で彩られてる。でも、伝わってくる感覚で何処にも繋がってないみたいだ。そして、縁には無数の魔法文字が模様の様に掘り込まれてる。
「こんな場所があったんだね」
ライカさんが辺りを見渡しながら呟く。魔法学校って建物自体が古い。長い年月を経るうちに、多くの教師や生徒を受け入れている。中には勝手に部屋の中を作り変えて使ってる者もいるのかもしれない。
「本当に、結界の気配がないっ」
リッカさんが眉間に皺を寄せて吐き捨てた。室内は鏡があるだけで、他には何もない。扉から続く柱が鏡まで続いてる。壁を埋め尽くす壁画は、何かの物語を表してる。それくらいなら、俺でも読み取れた。
母さんが壁画のある場所に近付いて行った。そこに描かれているのはドラゴンだ。喉元に色の違う鱗が描かれている。あれ? この鱗。ライカさんが持ってなかったっけ?
「どうして、オレ達の過去が描かれてるんだ?」
母さんは既にドラゴンから別の場所に視線を向けていた。過去って?!
「本当だね。あの人の誕生も描かれてる」
父さんはそう言うと、未来が描かれているだろう壁に視線を向ける。だけど、未来だと思われる場所は深い緑の森が広がっているだけだ。多くの植物と、不思議な花々。幻と言われる生き物が描かれている。
「聞いたことがあるよ。魔法学校の何処かに、自分に繋がる過去が描き出される部屋があるって」
ライカさんが思い出したように呟く。この部屋に入った者の過去が壁画として現れるって事かな? じゃあ、あの鏡は?
「結界の綻びが分かった以上、長老と、学校の鍵である魔法使いで対策を講じる。だが、この部屋に確実に来れないと意味がないっ」
リッカさんが苛立ってるってはっきり分かる。そもそも、この部屋に来れたのは肩の上にいるカーバンクルのおかげなんだ。と、言うことは、この部屋自体、幻獣と関わる何かがあるって事かな?
「試してみていい?」
俺は肩にいるカーバンクルに意識を向ける。カーバンクルは黒い瞳で俺を見ると頷いたみたいだ。俺の肩から飛び降りると、俺と対峙してくれる。
「どうしたの?」
「何となく、幻獣絡みかも?」
「どうして?」
「カーバンクルがこの場所を見付けてるんだよ。だから、契約してみる」
それで答えが得られるかもしれない。此奴が俺から離れないのは魔力があるからだ。俺の魔力を糧にしているから、契約していない状態では側にいるしかないんだ。ゆっくり息を吐き出す。契約するには名前を与えなきゃならない。俺はカーバンクルを見据え、頭の中を空っぽになるように意識した。
その時、俺とアサギの肩の上にいるカーバンクルと何か意思疎通してた。二羽の火の鳥と何話してんだ?
とりあえず、あの部屋を見付けた道を辿る。まあ、廊下の位置が変わってなければ、同じ場所に行けるとは思う。酷い時は一時間あれば学校内の廊下は変わっちゃうからな。
「かなり深いね」
「父さんは地下に降りた事あるの?」
「ないね。高等部三年間は殆ど生徒らしい生活を送ってなかったからね」
……それでも卒業出来るんだ。それとも、両親が特別なだけなのかな? 教師に話を聞く限り、父さんは初等部、中等部とかなり頓珍漢な生徒だったらしいから。母さんに至っては、魔法使いらしくなかったらしい。一般人として高等部に上がるまで生活してたから、頓珍漢魔法使いって魔法使いだけじゃなく妖精や精霊にも言われてたらしい。
六人で地下に潜って行く。そうしたら、また、カーバンクル二匹が勝手に走り出した。もしかして見付けたのか。便利なのか便利じゃないのか分からない。
「いきなりどうしたの?」
「多分、見付けたんだと思う」
アサギ以外、思いっきり目を見開いた。何故に感知出来るのかは謎。何せ、まだ、名前を与えてないし、契約もしてない。それでも離れないのが不思議なんだ。
カーバンクル二匹の後を追って行き着いた先は移動する部屋の扉の前。もしかして、移動しているのは扉だけで、部屋自体は移動してないのかも。つまり、魔法学校には元々、移動する扉の数だけ部屋があったって事になる。
「この子達、部屋を見付ける天才?」
父さんが珍しく困惑してる。それは分からないけど、見付けた部屋が前と同じなら、鏡があると思うよ。同じならね。何せ、暗い中後を追って行き着いたから。
父さんが慎重に扉を開く。中を伺うと感じが前に見付けた部屋と雰囲気が似ていた。ただ、暗いまま探索はしない方がいい。鏡があったら、また、攻撃されるかも。父さんにそう伝えたら頷いてくれた。杖を出して無言で杖を振る。父さんを中心に四方に光が飛び出した。天井近くまで飛んだ光がその場所に留まると部屋を照らし出す。
「……鏡だね」
みんなの視線の先にあるのは、あの時見付けた鏡だ。鏡面が波紋で彩られてる。でも、伝わってくる感覚で何処にも繋がってないみたいだ。そして、縁には無数の魔法文字が模様の様に掘り込まれてる。
「こんな場所があったんだね」
ライカさんが辺りを見渡しながら呟く。魔法学校って建物自体が古い。長い年月を経るうちに、多くの教師や生徒を受け入れている。中には勝手に部屋の中を作り変えて使ってる者もいるのかもしれない。
「本当に、結界の気配がないっ」
リッカさんが眉間に皺を寄せて吐き捨てた。室内は鏡があるだけで、他には何もない。扉から続く柱が鏡まで続いてる。壁を埋め尽くす壁画は、何かの物語を表してる。それくらいなら、俺でも読み取れた。
母さんが壁画のある場所に近付いて行った。そこに描かれているのはドラゴンだ。喉元に色の違う鱗が描かれている。あれ? この鱗。ライカさんが持ってなかったっけ?
「どうして、オレ達の過去が描かれてるんだ?」
母さんは既にドラゴンから別の場所に視線を向けていた。過去って?!
「本当だね。あの人の誕生も描かれてる」
父さんはそう言うと、未来が描かれているだろう壁に視線を向ける。だけど、未来だと思われる場所は深い緑の森が広がっているだけだ。多くの植物と、不思議な花々。幻と言われる生き物が描かれている。
「聞いたことがあるよ。魔法学校の何処かに、自分に繋がる過去が描き出される部屋があるって」
ライカさんが思い出したように呟く。この部屋に入った者の過去が壁画として現れるって事かな? じゃあ、あの鏡は?
「結界の綻びが分かった以上、長老と、学校の鍵である魔法使いで対策を講じる。だが、この部屋に確実に来れないと意味がないっ」
リッカさんが苛立ってるってはっきり分かる。そもそも、この部屋に来れたのは肩の上にいるカーバンクルのおかげなんだ。と、言うことは、この部屋自体、幻獣と関わる何かがあるって事かな?
「試してみていい?」
俺は肩にいるカーバンクルに意識を向ける。カーバンクルは黒い瞳で俺を見ると頷いたみたいだ。俺の肩から飛び降りると、俺と対峙してくれる。
「どうしたの?」
「何となく、幻獣絡みかも?」
「どうして?」
「カーバンクルがこの場所を見付けてるんだよ。だから、契約してみる」
それで答えが得られるかもしれない。此奴が俺から離れないのは魔力があるからだ。俺の魔力を糧にしているから、契約していない状態では側にいるしかないんだ。ゆっくり息を吐き出す。契約するには名前を与えなきゃならない。俺はカーバンクルを見据え、頭の中を空っぽになるように意識した。
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