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銀の鳥籠Ⅱ マシロ&アサギ編
014 錬金術師
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寮の部屋に戻った後、アサギは父さんとライカさんから、カーバンクルに名を与え契約するよう促された。俺がカーバンクルに名を与え契約したからだ。
小さく頷いたアサギは、俺と同様、古代語で魔法を使った。その姿にうんざりしたような表情をしたのはリッカさんだ。アサギが付けた名は陽彩。鳴き声がスオウとあまり変わらない。
「また、変なモノに好かれたな」
リッカさんは小さく息を吐き出す。
「見付けてきたのは火の鳥か?」
リッカさんが剣呑な視線で父さんを見てる。キンとギンを連れて来たのはクレナイだって聞いたことがある。それでだと思うんだ。
「違うよ。ライカが、ほら、カーバンクルの額の石を拾ってきたみたいでね。二人の魔力を吸収して今の姿だよ。ただ、記録に残ってるカーバンクルって、額の石はガーネットでしょう?」
父さんが首を傾げてる。スオウとヒイロから感じるのは火の気配なんだ。ガーネットなら地の力だろう。
「俺も力がある石感覚で拾ってきたからね。でも、綺麗に研磨したような形だったし。本来なら得体が知れない時点で二人には渡さないんだけど」
じゃあ、どうして渡したんだ。それはみんなの疑問だったみたいだ。
「時々、モノって持ち主を勝手に決めるでしょう」
「その石もそうだったって言うのかよ?」
今度は母さんがライカさんを疑ってる。母さんの場合、人外に振り回されてるから、不信感があるんだろうな。
「そう。二人を見て思い出したくらいだからね。まあ、渡した後にこの姿になったのには吃驚だったけど」
ライカさんが言うには、採集される素材は基本的に必要だから手に入る。どんなに欲しいと思っても、必要でない物は見付からないし、見付かったとしても手に入らない場合が殆どなんだとか。
「本当なの?」
俺は思わずアサギに問い掛けてた。アサギは一つ頷く。
「力が強かったし、二つ手に入った時点で杖の核になるか、護符的なものになるかくらいの認識だったしね」
「それって、この姿になるのに力が足りなかったから、ライカに拾われる選択をこの子達がしたって考えるのが自然かな?」
ライカさんに父さんがそう言った。つまり、なんらかの問題が生じて、二匹はライカさんが採集していた場所で低燃費の姿になってたって事だよな? でも、どうして力が失われてたんだろう。
「クルル……」
「くる……」
「キュウ?」
使い魔同士で何やら話してるし。聖獣と幻獣って仲が良いもんなのか? 興味もあったし、俺は聖獣と幻獣の会話に耳を傾けた。まあ、スオウのしか理解出来ないんだけど。
「大魔法使い?」
それって何だ?
「クルルクル」
「錬金術師?」
俺の問いにスオウは答えてくれた。錬金術師ってライカさんの職業みたいな人達だろう。悪さしたら捕まるから、ある一定基準の物しか作れない筈だ。
俺がスオウと話してたら、みんなが俺に注目。気が付いて体が驚きに反応。ビクつくに決まってんだろう!
「マシロ! スオウが錬金術師って言ったの?!」
アサギが俺の両肩を掴み、体を前後に揺らす。かなりの激しさで若干、気持ち悪い。アサギもヒイロに訊けって。一羽と二匹で話してんだから。
「まずいね」
「どう言う事なの?」
錬金術師の言葉にみんなは驚いていたけど、一番反応したのはアサギとライカさん。
「二人を引き離して得ようとしてるのが世界樹の力かも知れない」
「何を根拠に?」
ライカさんは何かを知ってるのか? 何より、この中で反応したのは採集の一族である二人だけ。他は多分、聞きなれない言葉に反応しただけだ。
「ルイは彼に何か言われた?」
「彼って此処にいる?」
父さんはそう言うと、心臓の上辺りに手を置いた。ライカさんは頷く。
「大昔、世界樹を枯らした魔法使いがいる。俺達の一族の者だよ。マナが失われなかったから、誰にも知られる事がなかった」
父さんと母さんが顔を見合わせる。
「魔法省は?」
「ごく一部の者だけ知ってる。確か、何処かの島の洞窟に幽閉された筈……」
そこまで言ったライカさんの動きが止まった。そして、スオウとヒイロに視線を向けた。
「もしかして、この子達が力を失っていた理由がその錬金術師なら……」
「待ってよ。幽閉されたって事は、監視も付くでしょう?」
「どの島に幽閉されたのか、俺の一族には伝わってない。もしかしたら、それを知らずに俺はその島に足を踏み入れたのかもしれない」
てもさ、足を踏み入れて、素材集めをしたくらいで緩むような魔法なのか?
「鍵の魔法使いの管轄じゃないの?」
「少なくとも俺は知らないな。長老に訊けばもしかしたら……」
もしかして、事態は深刻なのか? アサギも固唾を飲んで見守ってる。大人達はいきなり浮上した大物? に戦々恐々だ。
「詳しく調べるしかなさそうだね。私は魔法大臣に訊いてみるよ」
「俺は長老に結界の話をするついでに訊く。もし、世界樹絡みだと言うなら魔法使いにとっても死活問題だ」
「俺も調べてみるよ。下手をすると一族全てに累が及ぶ」
俺とアサギ、そして母さんも何故か蚊帳の外だ。それはいいんだけど。どうして、事が大きくなるんだよ!
小さく頷いたアサギは、俺と同様、古代語で魔法を使った。その姿にうんざりしたような表情をしたのはリッカさんだ。アサギが付けた名は陽彩。鳴き声がスオウとあまり変わらない。
「また、変なモノに好かれたな」
リッカさんは小さく息を吐き出す。
「見付けてきたのは火の鳥か?」
リッカさんが剣呑な視線で父さんを見てる。キンとギンを連れて来たのはクレナイだって聞いたことがある。それでだと思うんだ。
「違うよ。ライカが、ほら、カーバンクルの額の石を拾ってきたみたいでね。二人の魔力を吸収して今の姿だよ。ただ、記録に残ってるカーバンクルって、額の石はガーネットでしょう?」
父さんが首を傾げてる。スオウとヒイロから感じるのは火の気配なんだ。ガーネットなら地の力だろう。
「俺も力がある石感覚で拾ってきたからね。でも、綺麗に研磨したような形だったし。本来なら得体が知れない時点で二人には渡さないんだけど」
じゃあ、どうして渡したんだ。それはみんなの疑問だったみたいだ。
「時々、モノって持ち主を勝手に決めるでしょう」
「その石もそうだったって言うのかよ?」
今度は母さんがライカさんを疑ってる。母さんの場合、人外に振り回されてるから、不信感があるんだろうな。
「そう。二人を見て思い出したくらいだからね。まあ、渡した後にこの姿になったのには吃驚だったけど」
ライカさんが言うには、採集される素材は基本的に必要だから手に入る。どんなに欲しいと思っても、必要でない物は見付からないし、見付かったとしても手に入らない場合が殆どなんだとか。
「本当なの?」
俺は思わずアサギに問い掛けてた。アサギは一つ頷く。
「力が強かったし、二つ手に入った時点で杖の核になるか、護符的なものになるかくらいの認識だったしね」
「それって、この姿になるのに力が足りなかったから、ライカに拾われる選択をこの子達がしたって考えるのが自然かな?」
ライカさんに父さんがそう言った。つまり、なんらかの問題が生じて、二匹はライカさんが採集していた場所で低燃費の姿になってたって事だよな? でも、どうして力が失われてたんだろう。
「クルル……」
「くる……」
「キュウ?」
使い魔同士で何やら話してるし。聖獣と幻獣って仲が良いもんなのか? 興味もあったし、俺は聖獣と幻獣の会話に耳を傾けた。まあ、スオウのしか理解出来ないんだけど。
「大魔法使い?」
それって何だ?
「クルルクル」
「錬金術師?」
俺の問いにスオウは答えてくれた。錬金術師ってライカさんの職業みたいな人達だろう。悪さしたら捕まるから、ある一定基準の物しか作れない筈だ。
俺がスオウと話してたら、みんなが俺に注目。気が付いて体が驚きに反応。ビクつくに決まってんだろう!
「マシロ! スオウが錬金術師って言ったの?!」
アサギが俺の両肩を掴み、体を前後に揺らす。かなりの激しさで若干、気持ち悪い。アサギもヒイロに訊けって。一羽と二匹で話してんだから。
「まずいね」
「どう言う事なの?」
錬金術師の言葉にみんなは驚いていたけど、一番反応したのはアサギとライカさん。
「二人を引き離して得ようとしてるのが世界樹の力かも知れない」
「何を根拠に?」
ライカさんは何かを知ってるのか? 何より、この中で反応したのは採集の一族である二人だけ。他は多分、聞きなれない言葉に反応しただけだ。
「ルイは彼に何か言われた?」
「彼って此処にいる?」
父さんはそう言うと、心臓の上辺りに手を置いた。ライカさんは頷く。
「大昔、世界樹を枯らした魔法使いがいる。俺達の一族の者だよ。マナが失われなかったから、誰にも知られる事がなかった」
父さんと母さんが顔を見合わせる。
「魔法省は?」
「ごく一部の者だけ知ってる。確か、何処かの島の洞窟に幽閉された筈……」
そこまで言ったライカさんの動きが止まった。そして、スオウとヒイロに視線を向けた。
「もしかして、この子達が力を失っていた理由がその錬金術師なら……」
「待ってよ。幽閉されたって事は、監視も付くでしょう?」
「どの島に幽閉されたのか、俺の一族には伝わってない。もしかしたら、それを知らずに俺はその島に足を踏み入れたのかもしれない」
てもさ、足を踏み入れて、素材集めをしたくらいで緩むような魔法なのか?
「鍵の魔法使いの管轄じゃないの?」
「少なくとも俺は知らないな。長老に訊けばもしかしたら……」
もしかして、事態は深刻なのか? アサギも固唾を飲んで見守ってる。大人達はいきなり浮上した大物? に戦々恐々だ。
「詳しく調べるしかなさそうだね。私は魔法大臣に訊いてみるよ」
「俺は長老に結界の話をするついでに訊く。もし、世界樹絡みだと言うなら魔法使いにとっても死活問題だ」
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